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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
44/404

36話 時空神の失言とセルカの決意

お疲れ様です。


今日暑い・・・本当に暑い・・・orz

早く本編進めたいのですが、展開が遅くてすみません><


ブックマーク及び感想など、宜しくお願いします。


それでは、36話をお楽しみ下さい。

悠斗はラウルの頼みを嫌々聞き食堂へ歩いて行く。

「あっ・・・」

悠斗は何かを思い出すと振り返りラウルに聞いた。


「あのさ、ひょっとして今、時間って止まってたりするよな?」

ラウルは胸を張りいい感じの声で答えた。

「ふっふっふっ♪これこそがっ!神パーワーなのだっ!

 愚民どもよっ!控えおろう!!」


ラウルのセリフに全員が固まる。

「あ、あれ?僕・・・何かはずしちゃった?」

悠斗は深く溜息を吐いた・・・。

「あ、あのなー?日本の文化とか色々とごちゃごちゃになってるけど、

 お前はもう、ただの可哀想な子にしか見えないからな?」


悠斗の言葉にミスティ沈黙を持って答えとし、

オウムアムアは首を傾げていた。

二人の様子を見たラウルは・・・「がくっ」っと、

膝から崩れ「ワナワナ」と震えていた。


「な、何故なんだ・・・。悠斗君の為に・・・

 日本の文化を色々と織り交ぜ、尚且!歴史まで勉強したと言うのにっ!

 な、何故だ・・・。僕は何処で間違ってしまったんだ・・・」

まるで何処かの劇団のような言い回しだった。


「ふぅ。何処で間違ったかって?

 それはもう・・・生まれてきた事だと思うぞー?」


悠斗の一言に立上がると・・・

「悠斗君。もう少し僕に付き合ってくれてもいいと思うんだけど?」

「どうして俺が付き合わないといけないんだ?

 お前と話していると、やたらと時間だけが過ぎて行くしなー。

 なぁ、ミスティ。イリアとセルカの時を動かしてもらえない?

 ラウルじゃ、話が進まないからさ」


悠斗に話しかけられた事で、ミスティの表情が明るくなる。

「はい♪悠斗さん♪かしこまりましたわ♪」

ミスティは、悠斗の声に反応すると、

ラウルを・・・「邪魔!」と、言って・・・押しのけた。


「・・・僕って創造神だよ?とても偉いのに」

膝を抱え座り込むラウルの背中を、

そっと擦るオウムアムアが居た。


そんな二人をスルーして食堂へ向かうと・・・

「ミスティ、この二人なんだけど?」

「はい♪おまかせ下さい♪」


ミスティが「パチン」と指を弾くと、二人の時が動き出す。


「あ、あれ?ユウト・・・って・・・この人誰?!」

「あー・・・えっと・・・質問には後で答えるっていうか・・・

 俺じゃないヤツが答えるから、黙って付いてきてくれ」


イリアとセルカは顔を見合わせると黙って頷いた。


食堂から出てきた悠斗の姿を見ると、

立ち上がり悠斗達を出迎える。


イリアとセルカは状況が飲み込めていないので、

ラウルに色々と説明をしてもらった。


イリアとセルカはラウルの前に跪くと、

礼を取り敬意を払うと、自己紹介を始めた。


「創造神様、時空神様、ダークエルフのイリアと申します。

 創造神の御尊顔を賜り、感謝の極みで御座います」


「創造神様・時空神様。猫人族のセルカと申しますにゃ。

 礼儀を弁えず、申し訳ありませんがご容赦下さいにゃ」


「イリアとセルカよ、面をあげよ。

 そう硬くならずとも良い。楽にせよ。」


ラウルが実に神らしく振る舞っていて、

悠斗は違う意味で感動していた・・・。


(ラ、ラウルが・・・か、神に見える)

目を「ゴシゴシ」と擦る姿を見たラウルは・・・

「いやいや、悠斗君! 僕・・・神なんだけど?

 神に見える・・・じゃなくてー。神なんだってばっ!」


真顔で突っ込むラウルの姿に、悠斗とミスティは笑い出した。

「あはははっ!そ、そうだった・・・ラウルって神だった!」

「ふふふ♪私もすっかり忘れておりましたわ♪

 ノーブルの創造神様でしたわね♪」


二人の言葉にラウルは悲しい表情を見せる。

「うぅぅぅ。二人共ー!それはないだろー?

 少しは僕の子供達に格好付けさせてよ~」


真顔で懇願してくるラウルに「わかった、わかった」と諭す。

イリアとセリカ・・・そして、オウムアムアは状況が飲み込めていない。


「ね、ねぇ・・・ユウト?創造神様に失礼じゃないの?」

「そうだにゃ!不敬だにゃ!」

こちらの二人も真顔で抗議してくる。

抗議されている悠斗が困った顔をしていると・・・


「あ、貴女達のほうが不敬ですわっ!無礼者っ!」

っと、何故かミスティがキレた・・・。

「ちょっと、ミスティ。落ち着きなよ!」


「きょとん」とする二人に対して更に・・・


「貴女達は悠斗さんがどれだけ悩み苦しんで

 此処に来られたか・・・。

 御自分の人生を捨ててまで、異世界より来て下さったのに!

 貴女方にそんな勇気があるとでも言うのですかっ!

 無礼極まりないのは貴女達ですわっ!」


「おいっ!ちょっ、ちょっと待てっ!」と、悠斗は慌て・・・

「こ、こらっ!ミスティ!お前っ!なんて事を・・・」と、ラウルも。


慌てふためく悠斗とラウルを見てミスティは固まる。

「はっ!!!・・・あっ・・・つ、つい・・・」

ミスティの慌て様に、イリアが口を開く。

「ねぇ・・・ユウト?ユウトって・・・」

イリアが言い終わる前に、ラウルが遮るように口を開く。


「はぁ。悠斗君。時間・・・戻そうか?」

「戻すって言われてもな~・・・そんな事できるのか?」

ラウルは少し困った顔をしてミスティを見る。


「当然出来るよ?僕は神だからね・・・

 まぁー、ミスティの責任だからね、彼女に戻してもらうさ」

悠斗はミスティに視線を移すと、悠斗に対して、土下座していた。

「も、申し訳ありません。悠斗さん。わ、私が責任持って・・・」


ミスティが涙目になっている事に気付いた悠斗は苦笑していた。


「んー。ラウル、ミスティ・・・このままでいいよ。

 だからもう気にするなよ」

悠斗の発言に驚いた二人の神。

「ゆ、悠斗君?だって・・・君が異世界から来た事が・・・」

「そ、そうですわ!これは私のミスですからっ!

 だから責任持って時間を・・・」

二人の神の必死な姿に再び笑う悠斗。


「あははは。もういいって。まぁーどうせさ、

 いずれバレるか、俺が話しただろうしさ・・・だから気にすんな」


「「悠斗君」さん」

悠斗は跪くミスティに手を差し伸べ立たせると・・・

「ミスティはさ、俺の為に怒ってくれたんだろ?

 むしろ怒ってくれた事のほうが嬉しいよ」


悠斗の優しい言葉にミスティは、

涙を流しながら倒れ込むように抱きつく・・・。


(はうっ!む、胸がぁぁぁ!!や、柔らかい・・・

 あっ、い、息が・・・に、匂いがぁぁぁ!!)

あまりの産物に悠斗の顔が緩む。

すると・・・「ギチギチ」という、音が耳につく。

そう・・・唸りと共に・・・。

「うぅぅぅ・・・」

「がるるるるる」

イリアとセルカが・・・まさに鬼の形相で睨み、歯を食いしばっていた。

(ユ、ユウトォォォォ!)

(ユウトー!がるるるる)

鬼の形相で睨む二人の視線をはずし、ラウルに移す。


「はっはっはっ!悠斗君、モテモテじゃないか~♪

 しかも、ミスティまで落とすとは・・・。

 いやはや、君も中々のジゴロだね~♪」

からかうように微笑むラウル。


「ふ、不可抗力ですっ!」

(あーっ・・・でもこれは正義だ)

悠斗は胸の柔らかさと、温かさに浸っていた。


ミスティは少しの間、悠斗の匂いを堪能した後離れた。

(よしっ!録画しておいて良かったですわ♪これで暫くは・・・ふふふ♪)

薄く笑ったミスティの顔を見ていたラウル。

(これだからミスティは・・・悠斗君。君はまだ純粋だね♪)

ラウルは悠斗を見て一人苦笑していた。


そして二人の神は話を戻す。


「えーっと、話はそれてしまったけどさ。

 悠斗君は違う世界から、このノーブルに来てもらった異世界人だ。

 この事は絶対に言わないようにね?これは神からの命令だよ?」


ラウルの言葉に黙って頷くイリアとセルカ。


「ああ、それとさ。先程君達は悠斗君に「不敬」だと言ったよね?

 でも、便宜上・・・創造神の使徒とはなっているけれど、

 立場的には僕達神と対等だからね?それを忘れないようにね」


「「わかりました」にゃ」


ラウルは周りを見渡すと・・・

「ミスティ、お茶にしようか?」

ミスティは黙って頷くと、テーブルにクロスを掛け、人数分の椅子。

そして、ティーセットとお菓子を用意した。


「さぁ、情報交換と交流を深めようか」

悠斗達はそれぞれ座り、ミスティが紅茶を入れ始めた。


「ねぇ、ユウト・・・様?」

一瞬悠斗はイリアの「様」付けに「ぞわァァ」っとした。


「イ、イリア・・・今まで通りの呼び方でいいからね?」

「で、でも、ユウト様は神々達と対等で・・・使徒様ですし・・・」

セルカも同様に頷いていた。

悠斗は困ってしまい、ラウルを見るが・・・


「あははは。悠斗君、この子達の好きにさせてあげたら?」

「いやいや、それだと俺が疲れる・・・まじで勘弁してほしい」


ミスティは紅茶を入れ終わると、席に着く。

「悠斗さん、ではこうしてはいかがですか?

 公の場以外では普通に呼んでもらう・・・。

 その方が宜しいのではないでしょうか?」


「ん。そうだね。この子達もきっとその方がいいかもね」


二人の神の言葉に・・・

「御心のままに・・・」

イリアとセルカは頭を下げた。


(はぁー。どうしてこうなったんだろ?面倒臭いなー)

悠斗の気持ちを知らないイリアとセルカは喜び合っていた。


紅茶を飲み、喉を潤すと・・・。

「実はね、悠斗君を呼んだ理由なのだけれどね」

ラウルの硬い物言いに、皆が姿勢を正す。

「イリア君の件と関連があるんだよ」

「関連・・・ですか?」


イリアはラウルの言葉に、悠斗を見た。


「異形の魔。僕の世界を蹂躙している魔を・・・

 その魔の討伐に、異世界にある日本と言う国から

 悠斗君を探し出し、そしてノーブルに来てもらったんだ」


ラウルの言葉が終わると、続けてミスティが話す。


「悠斗さんにとっては関係がない世界の事。

 それなのに悠斗さんは・・・。

 家族や友人達と別れる事になってもいいと・・・。

 二つ返事でノーブルに来て頂いたのです」


二人の神が重々しく話すので、イリアもセルカも沈んでいた。


(ユウトにそんな事があったなんて・・・貴方って人は・・・)

(にゃぁぁ!!つらい決断だにゃぁぁ!惚れるにゃ♪)


オウムアムアもまた・・・同じだった。

(ユウト・・・心もまた強者なり!)


そんな空気の中、悠斗だけが汗をかいていた。


(い、いやー。俺はそこまで悩んでないんだけどなー

 あー・・・みんな沈んじゃってるよ。

 はぁ~。なんだろ?心が少し痛い気がする・・・。)


「あー。この二人がとても重々しく話しているけどさ

 俺的には・・・この異世界に興味あったし、

 それに確かめたい事も・・・あった訳で・・・。

 だから俺は好きでこのノーブルに来たんだからな?

 そんな重い話でもないんだからな?」


「にゃー、ユウト様?」

「いや、だから「様」付けはって!」

「今は公の場にゃ♪」

「うっ・・・」


セルカは舌を出し笑っていた。

「ユウトはその異形の魔を討伐したらどうするにゃ?」

「んー。まだ討伐してないからな~・・・まだわからないな」

「にゃるほどなのにゃ♪にゃーユウト。

 私も一緒にユウト達と行くにゃ♪」


(戻らにゃいにゃら、ユウトをゲットするにゃ♪)

何処かの心で願望が産声をあげた。


悠斗は驚いていた。セルカが悠斗の仲間に加わる・・・

そう思っていなかったからだ。

それこそ、この脱出劇でセルカは仲間と言う事になってはいるが、

セルカが付いて来るとは思ってはいなかった。


「えっ?だってお前はアシュリナの冒険者だろ?

 それに領主との繋がりはどうするんだよ?」


セルカはイリアと悠斗を見て微笑むと・・・

「私はにゃ、ユウトやイリアの温かさに惚れたにゃ♪

 だからずっと一緒に居たいにゃよ?」


イリアは膝の上で拳を「ギュッ」っと握ると・・・


「ねぇ、セルカ・・・。

 今、ラウル様達から聞いて分かったはずよ?

 その魔の危険度が・・・」


「分かっているにゃ♪勇者や英雄、それに・・・騎士団も

 歯が立たなかったくらい知ってるにゃよ?」


「だったらどうして! 命の危険が常に付き纏うのよ?

 ユウト様と私は戦う理由があるわ。

 だから戦えるけど・・・でもセルカはっ!」


イリアの必死の説得に頬を少し掻きながら答える。

「にゃはは♪イリアは優しいのにゃ。

 だけど・・・どの道、その魔を討伐できにゃかったら、

 皆・・・死んでしまうにゃよ?

 だから私もユウト様達と一緒に戦って、皆を守りたいにゃ♪」


セルカの言葉に一同の心が熱くなる。

その中でも・・・オウムアムアは特に・・・。


「おぉぉぉぉ!我・・・感動!まさにっ!感動!

我の心に火が灯るのを感じるぞ・・・セルカよ!」


オウムアムアの勢いにドン引きするセルカ。

「っていうかにゃ?・・・お前は誰だにゃぁぁぁぁ!! 」


二人の神と悠斗は、オウムアムアの紹介をすっかり忘れていた。

「「「あっ!」」」

「ご、ごめん・・・オウムアムア」

悠斗の視線の先に居る亜神は涙目になっていた。


「我・・・いとかなし」

涙を流し天を仰ぐ亜神の姿がそこにあった。

ラウル ・・・ んー。このところ出番が増えて嬉しいな~♪

ミスティ ・・・ そうですわね~♪

ラウル ・・・ 本編まで出られるなんて、英二君に申し訳ないな~♪

ミスティ ・・・ そんな事全然おもってませんわよね?

ラウル ・・・ そんな事ないよ?僕はとても慈悲深いのだよ♪

ミスティ ・・・ それならお仕事もしっかりとお願いしますわ♪

ラウル ・・・ はっ!これから全国創造神会議がっ!

ミスティ ・・・ そんなモノありませんわ

ラウル ・・・ orz


ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] んーシリアスな場面ぽいのにギャグにしか見えない(笑) 気楽に読めていいですね(笑) しかしイマイチ女性に関心薄そうな悠斗君がミスティに抱きしめられてこんな反応するなんて意外でしたー
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