閑話 神界 1 創造神って必要なのかしら?
お疲れ様です。
今回は閑話の神界編を書いてみました。
気に入ってもらえたら嬉しいです。
ブックマーク及び感想など、宜しくお願い致します。
それでは、閑話 神界1をお楽しみ下さい。
悠斗とイリアが岩場の聖域から旅立つ所まで・・・時は遡る。
創造神ラウルと時空神ミスティは、
悠斗を見守る為、画面を見つめている・・・。
「ポリポリポリ・・・」
「ごくっごくっごくっ・・・」
「チューー」
ポップコーンとアイスティーを飲みながら・・・。
「しかし何だね。この日本のポップコーンと言うお菓子は美味しいね?」
「はい。とっても癖になるお味ですわね♪」
「僕の世界にも、このポップコーンを流行らせてみたいものだよ♪」
「ふふふ♪それは大変宜しいかと・・・♪」
呑気に日本の食物に舌鼓を打つ二人の神。
場面は・・・イリアが楽しそうにはしゃいでいる姿が映っていた。
「ねぇ、ミスティ?あのダークエルフの子ってどう思う?」
「どう思う?と、聞かれましても・・・
個人的には・・・容認し難いですわね♪」
「本当に君は悠斗君が気に入っているみたいだね?」
「ええ、色々と痛いお方では御座いますが・・・」
「あはは。そうだね♪」
そして場面は丁度、二人がアシュリナを目指し、
イチャイチャと歩いている所へと・・・。
「あー。この子・・・悠斗君へのアピールが半端ないね?」
「ですわね・・・」
「ん?かなりご機嫌斜めじゃないか?」
「それはそうですわ。だってこの子の態度・・・」
「あはは。悠斗君贔屓な君にとってはそうかもね~♪」
そんなラウルの言葉に少し苛立つミスティ・・・。
「笑い事ではありませんわ!この子はただ・・・
悠斗さんで自分の気持ちを誤魔化しているだけですもの・・・」
「うーん・・・どうなんだろうね?
僕から見ると、この子は自分の感情と責任のバランスが
上手く取れていないだけのようにも思えるけど?」
「私も気持ちは・・・わかりますわ。
しかしですね?だからって、私の悠斗さんに対して
あんな露骨にアピールしなくても、宜しいではありませんか!」
ラウルはジト目でミスティを見ると・・・
「ミスティさんや?どさくさに紛れて・・・
「私の?」って言いました?」
「ええ、私・・・のっ!ですわ!」
「いやいや、違うからね?悠斗君がノーブルに来たのは、
異形の魔の討伐を頼んだから・・・だよ?」
「あら・・・?確かにそんな話をしておりましたわね?
ふふふ♪私ったら、うっかりさん・・・でしたわ♪」
「・・・・・・・」
ラウルは可哀想な子を見る目で見ていたが、
ミスティの妄想が止まる気配がなかった。
すると・・・突然ミスティが声をあげ立ち上がった。
「あっ!!忘れていましたわ!」
「ん?突然どうしたんだい?」
「ラウル様、例の暴走馬車の一件ですわ!」
「・・・ああ~、君が加護を与えている子・・・だったかな?」
「はい。ロジーは将来この国にとって、重要な存在になる子ですわ!
悠斗さんに頼んで何とかしてもらいませんと・・・。
ラウル様、悠斗さんにメールをお出ししても宜しいでしょうか?」
ミスティのお伺いに、ラウルは少し苦々しい顔をした。
「ねぇ、ミスティ・・・。僕的にはさ、あまりあの子・・・
んー。ロジーだっけ?興味がないんだよね」
ラウルの言葉に立ち竦んでしまうミスティ。
「・・・どういう事でしょうか?
良ければ、ラウル様のお考えをお聞かせ下さい」
「んー。確かに君が見て来た通り・・・重要人物になりうる・・・
僕もそれはそう思うけれどね・・・。
正直・・・この子じゃなくてもいいと思っているんだ」
「つまり・・・ロジーはいらないと?」
ラウルはミスティの顔が少し歪んでいたのを見ていた。
「気持ちはわかるよ?君が加護を与えた子だからね。
だけどその子の為に、悠斗君が危険な目に合うのは感化できないよ?」
ミスティ自身も、悠斗が異世界からわざわざ来てもらっている・・・
しかも、日本での人生を投げ出してまで・・・。
「わ、分かっているつもりですわ。ですがっ!」
一向に引く気がないミスティを見て溜息を吐く。
「はぁ~・・・分かったよ。分かりましたー!
今回は僕が折れてあげるよ。
ほらっ!何をしているんだい?悠斗君にメールしなよ?」
ミスティの顔は陽が差したかのように微笑んだ。
「は、はい!有難う御座います」
「お礼はいいからさ。ちゃっちゃとメールしなよ?」
「はい。では失礼して・・・」
ラウルの許可をもらったミスティは、早速悠斗にメールした。
(どうでも良いけど・・・ミスティさんや?
何故にそんなにメールを打つのが早いんだい?
その速度・・・日本のJKを超えているじゃないかっ!)
と、思ったラウルだが、口にはしなかった。
「件名 ミスティです♪」
「随分と2人で楽しそうですわね?イチャイチャと、まぁ~・・・
私達も見ていますのよ?もう少し自重されたほうが宜しいかと・・・。」
「それで、今回私がメール致しましたのは、街道に到着される頃、
馬車が通るのですけど・・・通ると、言うよりも・・・
馬車が暴走しているので止めて頂きたいのです。
馬車の中には将来、重要人物になるであろう者が乗っているからです。
出来ることなら、その者の力になってあげてほしいのですが・・・?
自由に・・・と、言っておきながら、申し訳なく思っております。
あと、イチャイチャも程々にしてくださいね?
それでは失礼致します。」
「あははは、重要案件なはずなのに、存外君も隅に置けないね♪」
「それを言われてしまうと何も言えなくなりますが・・・
あのイリアと言う破廉恥な子の顔を見ると、どうにも・・・」
「あっはっはっはっ!でもさミスティ・・・良く考えてごらんよ?
あの悠斗君だよ?最強無敵の天然様で面倒臭がりな人だよ?
あのダークエルフ君がどうにか出来る相手じゃないよ~♪」
「はぁ~、一応わかってはいるのですが・・・
あのような不穏分子を悠斗さんのお傍に置く訳には・・・」
「ふふふ♪君も神なのだから不穏当な発言は控えておくれよ?
それにしても、女神の君も・・・乙女だったんだね~♪」
ラウルはミスティを冷やかしはするが、
その目は、画面に釘付けになっていた。
(ユウト!貴方が先に行って止めて!すぐに追いつくから!)
(わかった!悪いが先に行かせてもらう!)
(ええいっ!やってみるかっ!!)
(身体強化・・・Lv.4!!)
(ちっ!やるしかないっ!)
(耐えろよ!俺ーー!!身体強化・・・Lv.5!!)
(ピピッ)
(どうにか間に合いましたね。私がサポートします)
(と、届けー!!)
ラウルは画面を見て唸ると考え込んだ。
(それにしてもあのサポート・・・確かに会話していた。
僕はそんな機能を持たせた覚えはないと言うのに・・・。
一体どう言う事なんだろう?一度ならず二度までも・・・)
「ラウル様?_もしかして・・・あのサポートの事でしょうか?」
「あ?うん。そうだよ。君は何か心当たりはないかい?」
「申し訳御座いませんが、私に心当たりなどは皆目と・・・」
「うーん・・・そうだよね?
まぁ、悠斗君のサポートをしてくれているから、今はいいけどさ」
ラウルもミスティも思う事は一つあった。
ラウル自身が話すのは兎も角、ミスティの口から言う事が出来なかった。
ミスティは目で訴え掛けてみると・・・
「そうだね。僕も同じ意見ではあるのだけれど・・・
でも一体どうやって、地球の神々がこの世界に介入出来たのか?
僕はそこが気になっているんだよ。
そして・・・他所の世界に無断で介入することは、
神のルールによって、禁止されている・・・
それを破ってまで・・・僕は信じられないよ」
「ラウル様がおっしゃっておりましたが・・・」
「ん?僕が何か言ったかな~?」
「はい、地球の神々は悠斗さんにそれ程興味を示さなかったと。
しかし日本の「八百万の神々」が、ノーブルへ連れて行く事を
最後まで承認されなかったと・・・そう申しておりましたわ」
ラウルは深く息を吸い込み、日本の八百万の神々との事を思い出していた。
(んー。特に万物の創造神である、天御中主神様
伊邪那岐命様、伊邪那美命様の日本神話の方達や
皇室の祖である天照様など・・・猛反対されていたな)
「ラウル様?」
考え込むラウルの姿を見て、心配になってしまったミスティ。
「ああ、すまない。日本の主神達に猛反対されたのを思い出してしまってね
ちょっと、憂鬱になってしまったのさ」
「大変な目に合われたのですね」
「でもさ、こうして悠斗君に来てもらったから、
僕の苦労も報われたって訳なんだけどね♪」
「では、悠斗さんに沢山感謝しないといけませんわね?」
「あははは。確かにそうだね♪感謝しなくっちゃ♪」
二人の神がそんな会話をしている時、
悠斗がロジーを無事に救い出し、
見回り隊に、これから絡まれていく所だった・・・
「何だい?この鎧を着た、頭の悪そうな連中はっ!」
「はい、この連中が例の手先となっている低騎士達ですわ」
「ああ~・・・こいつらがそうか・・・」
二人の神は黙ってアイスティーを飲みながら、悠斗を再び見守る。
そして、「荒波の旅団団長」と、知り合いになったところだった。
「お?このスキンヘッドの男って・・・「荒波の」じゃない?」
「ええ、そうですわね♪確か名は・・・グレインでしたわね♪」
「おお~!アシュリナで実力者の子か~・・・」
「はい。彼なら悠斗さんのお力になってくれますわ♪」
「そっかー!それはとても心強いね?」
「はい♪」
暫く二人の神は様子を見守る。
そして場面は・・・。
悠斗達がイリアの元へ見回り隊を連れてきたところだった。
「ねぇ、ミスティ?・・・何だか彼って・・・さ
悠斗君に頼ってないかい?」
「えっ、ええ・・・そ、そのように見えますわね?」
「彼・・・本当に役立つの?荒波の団長ってネームバリューが
見回り隊に少し効力があったくらいじゃない?」
「き、きっと、これから活躍してくれますわ」
「ほんとかな~?」
「ま、まずは静観致しましょう」
「わかった、わかった」
ラウルは画面に映る団長に疑いの目を向けていた。
「・・・結局アレだね?悠斗君が自力で解決した感じだね」
「え、ええ」
「もう一度言うけど・・・悠斗君が色々と解決したみたいだけど?」
「は、はい。さ、流石・・・悠斗さんですわね♪」
「ふーん。まぁーいいけどさ♪」
悠斗達が見回り隊から離れ、荒波の団長と話をしながら
分かれ道まで一緒に歩いている姿が映っていた。
「ふぅ~・・・ちょっと疲れたね~♪」
「ふふ♪そうですわね♪」
「でもさー。やっぱりあのサポートは気になるよね?」
「ええ、確かにそうですわね」
「んー・・・。そうだっ!日本に誰か探りに行かせよう!
うちの神達で日本の神と仲がいい神に探りに行かせれば、
きっと何か掴んできてくれるはずさっ♪」
「えっ?・・・は、はぁ・・・」
ミスティは我らが創造神が、重大な見落としをしている・・・
その事がミスティに曖昧な返事をさせたのだった。
それに気づかない、ノーブルの創造神。
「でさ~・・・うちの神達で、日本の神と仲がいい神って誰?」
「えっと・・・」
「ああ、そうだっ!ちゃんと手土産持って行かせてよ?
しっかりと根回ししておかないとさ~、あとで面倒だからね♪」
「あー。はい。そう・・・ですわね」
「で・・・誰にするの?」
物凄いテンションで喋りだす創造神ラウル。
ラウルを止める事が出来ず、己の未熟さを痛感したミスティであった。
「あ、あのーラウル様?」
「ん?誰か決まった?」
「い、いえ・・・あのーですね」
「んー。じれったいなーミスティは!」
何かを決心したミスティは、正直に伝える事にした。
「日本の神達と仲が良い、又は・・・知り合いである。
そういう神は、ただ一人居ります」
「おお~!素晴らしいじゃないかー!早速行ってもらおう!」
「行かせても・・・そ、その・・・宜しいのですか?」
「当たり前じゃないかー!こっちの世界に介入しているかも・・・
それをはっきりさせる為にも、
その神には意地でも頑張ってもらわないと困るんだからねー!」
息を深く吸い込み覚悟を決めたミスティは・・・
「では、僭越ながら申し上げます。
その神とは・・・創造神ラウル様です」
「そっか~ 僕だったのかー・・・って、まじで?」
本気で忘れていたラウルにミスティの落胆の色は濃かった。
「そ、そっか・・・ぼ、僕だった・・・か。そう・・・僕ね。
ああーそうか。そう言えば、僕しか地球に行ってなかったんだっけ?」
「は、はい」
「ふむ・・・なるほど。じゃーあれだ。
この件はなかったって事で・・・うんうん、そうしよう♪
さてっと~続きを見ようかな~♪ミスティ続きを見ようよー♪」
顔は引きつり、開いた口が塞がらないミスティだった。
「創造神って・・・必要なのかしら?」と、つぶやく時空神。
画面にかじりついて見ているラウルの姿を見て・・・
(こ、この創造神で、この世界は大丈夫なのかしら?
やはりここは・・・悠斗さんに頼らないといけませんわね)
っと、ノーブルの行く末を悠斗に委ねるミスティだった・・・。
ラウル ・・・ よーしっ!神界編突入だぁ!
ミスティ ・・・ ふふふ♪よほど嬉しいのですね?
ラウル ・・・ そりゃ~ね~♪ぷっぷくぷぅー♪
ミスティ ・・・ でもよく原作者様に書いて頂けましたね?
ラウル ・・・ まぁーねー。すっごく苦労したからね~
ミスティ ・・・ そんなにご苦労なされたのですか?
ラウル ・・・ 最初はね、原文を書く時のペンに細工したり・・・
ミスティ ・・・ はい?
ラウル ・・・ 家のドアに、神界編希望と、ペンキで書いたり・・・
ミスティ ・・・ 神がやっていい所業とは・・・orz
ラウル ・・・ バレなきゃこっちのもの・・・だからね♪
ってなことで、緋色火花でした。




