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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
41/404

34話 侵入者と悠斗の異変

お疲れ様です。


今回は新キャラ登場って事で

これからも頑張りますので宜しくお願いします。


ブックマーク及び感想など、宜しくお願いします。


それでは、34話をお楽しみ下さい。

悠斗は激しく降る雨を見ながら考える・・・。


(あー・・・。まじでどうしよう?

とりあえず、今後どうするかって事を話し合うか)


「なぁー二人共、そろそろ椅子に座って話し合いたいんだけど?」

未だに土下座をしている二人は再び顔を見合わせると・・・


「はい、わかりました。御心遣い感謝致します」

「はい、ユウト様の御心のままににゃ」

「えっと・・・率直に聞くけどさ。今後君達はどうしたい?」


悠斗は二人の気持ちが聞きたかったのだ。

使徒と分かっても一緒に居るのか別れるのかを・・・。


「はい。ユウトさ・・・ん」

「あははは、「様」付けはなしで宜しく」

「はい。ユウトさん、私は自分の村の仲間達の事もありますが

 私は貴方に付いて行きたいと思っています」


イリアの瞳は真っ直ぐと悠斗を見ている。

「なるほど、わかったよ」

悠斗は言葉少なく答えると、イリアは少し寂し気な顔をした。


「で?セルカは?」

「はい。私はただの冒険者にゃので、

 色々とお役に立てるかと思いますにゃ」

「ふむ・・・なるほど」


二人を他所に悠斗は思案する・・・

(付いてくるのはいいんだけど・・・話し方がな~)

イリアとセルカはお互いに不安そうである。


「えっと、ラウルから・・・創造神からは、使徒である事を

 隠す必要はないって言われているから、隠す事はしないけど。

 でも、自ら使徒である事を言うつもりはないからさ、

 だからそんなに畏まられると、色々と俺が困るんだよね」


悠斗の言葉に二人共「「わかりました」にゃ」と頷いた。


「で、これからの予定だけど・・・まずはアシュリナに居る

 グレインに連絡を取り、何処かで合流する事だな」


「ユウトさん、それは私がグレインと連絡つけますにゃ♪」

「そう言えば前もそんな事言っていたけど・・・

 セルカにはその手段があるんだね?」

「はいですにゃ♪」

「ユウト・・・さん」

「えっとー、もう「さん」付けも無しにしよう!

 いつもの調子で頼むよ・・・二人共。

 公の場なら兎も角さ。普段の時は普段通りで頼む」


イリアもセルカも笑顔で頷くと・・・

「わかったわ、ユウト♪」

「わかったにゃ、ユウト♪」

その言葉にとっても安心した悠斗。

(はぁ~・・・やっとか)

少し顔が引きつりながらも笑顔になった悠斗。


「あっ・・・。でも、問題はこの天気だな。

 いくら何でもこの雨の中をロジーを背負っては行けないしな」

「そうね。ユウトは兎も角、ロジーは風邪ひいちゃうわね」

「にゃ!私も同じ意見にゃ♪」

「・・・ちょっとまてーーーいっ!」


悠斗の発言に首を傾げるイリアとセルカ

「いやいやいや、俺は兎も角って何だよ!

 少しくらいは心配とかしてくれてもいいじゃん!」

悠斗は不貞腐れながら抗議すると・・・


「えっ?だって・・・貴方は使徒でしょ?

 たかが雨くらいで風邪なんてひかないでしょ?」

(たかが雨って・・・おいおい)

「イリア、それはちょっと言い過ぎにゃ!」

(おおー!セルカ・・・君には俺から心の花丸をあげよう!)

「たかが・・・ってそれはなんにゃ!

 そこはこれくらいの雨にしとくにゃ!」

(・・・セルカ、花丸は没収な!)

「なるほど・・・それもそうね♪セルカ、アドバイスありがとね♪」


悠斗は二人の言動の変わりように戸惑っていた。


(女って生き物はこれだから・・・がくっ)

「って言うか!使徒を化け物みたいに言うんじゃないっ!

 っと、俺は心から抗議をしたい!」

「確かにちょっと言い過ぎたにゃ♪素直に謝るにゃ♪」


素直に謝るセルカを見るイリアは・・・

(あの子・・・ユウトに媚び売っちゃってもう!)


今・・・此処に・・・女の熾烈な戦いの火蓋が切って落とされた。


「セルカ・・・貴女はまだユウトの事を知らないでしょ?」

「にゃ?どういう意味だにゃ?」

「ユウトは使徒だから強いんじゃないの、元々強いのよ」

「にゃ?使徒だから強いのではないのかにゃ?」

「多分だけど・・・ユウトは元々強いと思うわ。

 その行動一つ一つでわかるもの」


いきなり始まった会話に、悠斗は入れる隙もなく

ただ、呆然と見守るしかなかった。


「にゃー・・・。確かにそうかもしれないにゃ。

 使徒だからって関係なく、私の命を奪わなかったにゃ♪

 ユウト・・・ありがとにゃ♪」

(おおー!!猫人族あって、猫のポーズが似合うなぁー!

でも・・・俺は犬派・・・なんだけどね)

「もう!そうやって!ユウトに取り入ろうとするんだからっ!」

「別に取り入ってないにゃ!これは野生の本能なのにゃぁぁ!!」

(野生の本能って・・・何だろ?)


野生の本能について、真剣に考え始めた悠斗は

二人を放置し思考の海へダイブした。


「ほ、本能ですってぇー?野生の本能って何よ?」

「えっと・・・し、子孫繁栄・・・にゃ♪」

「な、な、な、・・・何てこと言うのよぉぉぉ!」


と、女同士の熾烈な戦いは悠斗を他所に続くのだった。

悠斗は思考の海から帰還したが戦いは続いていたので

コーヒーを入れ直しカップを持ったままロジーの様子を見に行った。


「・・・雨漏りもなしっと。意識覚醒阻害か・・・」


悠斗はロジーを見つめながら解呪について考えていた。


(今の俺には解呪が使えない。だから今の俺にロジーは救えないか・・・

 イリアの話では、解呪が効かなかったと言ってたな。

 じゃー、一体どうすれば?専門機関があると言ってたっけ?

 アシュリナに行ってから、グレインに相談するしかないな。

 ロジーの両親には、このまま合わせるのも気まずい)


悠斗はコーヒーを一口飲むと、何気に外に視線を移した。

(ん?・・・雨は止んだのか?)

雨音がしなくなった外を眺めて見ると・・・

(・・・おかしい。イリア達の声も聞こえない・・・)


悠斗は「ぞくっ」っとした。

とっさにカップを投げ捨て、本能的に戦闘態勢に入った。


(・・・雨が途中で止まってる?なんだ・・・これ?

ん?・・・何か・・・居る)

ショートソードを取り出し外に躍り出る。

聖域の中で何者かの気配がする。

悠斗の視線の暗闇の先にその存在を感じる。


「・・・誰だ?」

悠斗の声が暗闇に響き渡ると、暗闇の中から足音が聞こえてきた。

「・・・ほほう。人族にしては勘がいいじゃないか」

(男か・・・?)

目が慣れてきた悠斗は体制を低くし、剣の柄に手を添えた。


「ふむ。意気込みは中々なものだな・・・しかし・・・残念だ。

 聞いていた話とは違い、かなり弱そうだ」

「・・・何者だ?」

(聖域に入って来れるなんて・・・そんなヤツが居るのか?)

「フッ。疑問は・・・わかる。

 だがな人間・・・貴様が我を推し量れるとでも思っているのか?」


聖域全体を何者かの力が覆う。

「ぐぅっ・・・」

その力の圧力の前に、悠斗は膝を折ってしまう。

「・・・何だよ。これくらいで膝を折るとはな。

 この聖域ごと・・・消してしまうか」


その男は聖域ごと消すと言った。

(イリアもセルカも・・・そして、ロジーも居るんだ。

 俺がなんとかしないと・・・)


男の圧力に一度は膝を折ってしまった悠斗だが、

今は悠斗一人だけではない・・・


「ぐっ・・・ま、負けるか・・・」

気力を振り絞り悠斗は立上がる。

「ほぅ~・・・フラフラしているとは言え、立ち上がったか」

男の声はどこか嬉しそうに思えた悠斗だが・・・


「タダで・・・負けるつもりは・・・ない・・・よ」

「ふむ、その意気込みは・・・良し。だがな・・・」

男がそう言うと、一瞬にして距離を詰め、悠斗を殴り飛ばす。

「ドカッ!」

「ぐあぁぁぁ!!」

派手にふっ飛ばされた悠斗は、小屋へ激突した。

「ドカンッ!! 」

悠斗の体は隅々まで軋む。

「ぐはっ・・・くっそ!・・・」

「ほらっ・・・立てよ」

静かに・・・威圧的に・・・男は悠斗を挑発する。


フラつきながらも悠斗は立上がる。

男は「ニヤッ」っと笑うと、ゆっくりと向かってくる。

「お前の能力(ちから)を見せてもらおうか」


圧倒的な力で迫る敵。

笑みを浮かべながら堂々と・・・。


悠斗は呼吸を整えると・・・

「ふぅ。わかったよ」

悠斗は剣を抜き、正面から斬りかかった。

難なく躱されたが、悠斗は攻撃をやめない。


「フッ、この程度なのか?」

「いや、まだウォーミングアップだよ」

悠斗は「ニヤリ」とすると・・・

(身体強化!)

強化された肉体は最初の攻撃スピードを上回っている。

だが、その男は余裕で躱す・・・どころか目を閉じていた。


「ちっ!」舌打ちをする悠斗だが、その表情は笑っていた。

「ふんっ。先程よりはましになったが・・・それでもだっ!」

男の拳が悠斗の脇腹に突き刺さる。

「ドカッ!」

「ぐはっ!!」

再び吹き飛ぶ悠斗だったが、今度は先程と同じにはならなかった。

体を捻り上手く着地すると・・・


「ふぅ~・・・いててて。焦った・・・。あんた何者だ?」

「フッ。我に勝てたら・・・教えよう」

「・・・なるほど。あるある展開ね」


相手と話しつつ後方を見る悠斗は、状況を確認していた。

(さっきぶち当たった小屋の壁は何ともなってないな・・・なるほど)


「確認は終わったのか?」

「あははは。バレてるし・・・まぁいいか。

 それじゃーちょっと本気出すよ」

「ちょっと・・・だと?付け上がるなよ! 人間っ!」


悠斗は男を挑発すると上手く乗ってきた。

(これである程度は計れるな・・・身体強化・・・Lv 4!)


悠斗の体は一瞬光に包まれると、今現在使用可能な身体強化

Lv.4を発動した。


一気に詰め寄ってくる男の拳が悠斗の顔面を襲った。


「甘い!!」

急激に速度が上がった悠斗に男は驚きを隠せないでいた。

(なっ・・・これが人族の速度か?しかもこんな若造の!)

拳を躱した悠斗は、お返しにと・・・拳を男の脇腹に叩き込んだ。

「おらっ!」

「ぐふっ・・・」


一度距離をとり身構える悠斗。

「・・・その程度しかダメージ与えられないのかよ」

苦虫を潰したような顔で言い放つ悠斗。

「我に・・・我に当てるとは・・・」

男の体が光る・・・。

(ん?身体強化か?)


男は再び詰め寄ると、今度は蹴りが悠斗を襲う。

「ガシッ! 」っと、鈍い音を立てるが悠斗はブロックしていた。

そして、再び距離を取る。


「いったたたたた!まじかっ!」

悠斗は左腕を「ブンブン」振っていた。

「やるではないか・・・人間」

「その口ぶり・・・あんた、人間じゃないのか?

 まぁーその強さだからな・・・人外だろうけどな」


男は「ニヤリ」と再び笑う。

「人間・・・このレベルに付いて来られるか?」

そう言うと、先程よりも速度が上がり一瞬で間合いを詰めてきた。


そして再び悠斗の顔面目掛け拳が唸りを上げて向かってくる。

悠斗は咄嗟に両腕をクロスさせ、そして剣の腹を使ってガードする。


「バキンっ!」と音を立て剣が砕けると同時に

悠斗も吹っ飛び地に転がる。

「ぐあぁぁぁ・・・かはっ!」

口から鮮血が飛び散り、悠斗が苦悶の表情を浮かべた。


「あっはっはっ!何が少し本気を出すだ!ふざけるな人間!」

男は怒りの形相になっていた。


悠斗は「ヨロヨロ」と立上がると、男を睨んだ・・・

そして・・・


「あー・・・悪い。気に触ったか?」

ヒールを唱え怪我を完治させると、

男を睨み・・・そして・・・笑った。

「まだ魔法に慣れてねーんだよ」

「フッ。戯言を・・・もう終わりにしてやる」

男は更にパワーを上げ悠斗に迫る。

しかし、悠斗は・・・微動だにしない。


「あっはっはっ!あきらめたかっ!人間っ!」

唸りを上げ悠斗に迫る拳。

男は悠斗が躱すであろうと予測を立てての攻撃だった。

しかし・・・


「ガシッ!!」っと再び音を立てていた。

男は唖然としていた・・・。

何故なら・・・悠斗は拳を躱さず、掌で拳を掴んでいた。


「ば、馬鹿なっ!なっ!な、何故だ・・・?」

男が見たものは・・・爬虫類のような目をした悠斗が

男を「ジッ」と、睨んでいた。


「な、なんだ・・・き、貴様は!」

「はあ?人間だよ・・・ただのな」

悠斗は男の拳を掴んだまま、男の腹を蹴った。

「ぐはっ!」っと、吹き飛ばされ転がっていく。


「ぐはっ。き、急に・・・何故・・・何がっ!」

這いつくばった男は悠斗を見ると・・・

「もう終わりか?まだ本気も出してねーぞ?」

男は一瞬悪寒が走ったが・・・歯を食いしばり立上がる。


「・・・よく立てたな」

「たま・・・たまだ・・・。まぐれに決まっている」

「まぐれってか?お前・・・終わったな」

悠斗は「ニヤリ」と笑うと、今度は自ら仕掛けていく。


「さぁ、行こうか・・・」

ゲートを一つ開いた悠斗は体が赤銅色に染まっていた。


男は赤銅色に染まる悠斗を見て・・・

「ばっ、化け物だ・・・」

その禍々しい力に絶望を感じていたのだった。


ラウル ・・・ 新キャラ来たね~W

ミスティ ・・・ そうですわね~♪楽しくなりそうですわ♪

ラウル ・・・ 早く僕達にも出番が来ますよーにー!

ミスティ ・・・ 悠斗さんの試練ですわね♪

ラウル ・・・ 期待してるよ~悠斗君!

ミスティ ・・・ お慕い申しておりますわ♪

ラウル ・・・ 今はそう言う話じゃないからね?

ミスティ ・・・ 言った者勝ちですわ♪ふふ♪

ラウル ・・・ やれやれ><


ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] バトルシーン、細かくて臨場感ありますね(^_^)
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