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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第三章・冥界編
390/406

281話 悠斗vs卑弥呼・序章

お疲れ様だったりしますっ!


腱鞘炎爆発中の緋色だったりしますっ!

ちょっとテンションヤバめですが御許しをっ!


ってな事で、休憩中に書きまくってますっ!


今回から数話・・・vs卑弥呼戦となりますので、

楽しんで頂けたらと思います。



それでは、281話をお楽しみ下さい。

『畏怖堂々』と立つ卑弥呼の不敵な笑みに、

悠斗はまた同じような笑みを浮かべ対峙していた・・・。


「じゃ~早速・・・」


悠斗がそう言いながら卑弥呼に背を向けると歩み始め、

適当な距離を取ると呼吸を整えながら構え、

卑弥呼もまた呼吸を整えると構えて静かに静止した・・・。


闘技場内の空気は張り詰め、

『序列』を着けようとしていた南雲達までもが2人の様子に見入っていた。


「・・・こりゃ~面白いことになったわい」


「あぁ、相手はあの・・・卑弥呼。

 噂には聞いているが、とんでもねー化け物なんだってな?」


「そうらしいの~?

 しかもこの冥界の地広しと言えども、

 その実力は上位の者達と遜色ないと聞くしの?

 ・・・楽しみじゃの~?」


「フンっ!ユウトを倒すのはこのヴァン様だっ!

 その日まで誰にも倒される事は許さねーぞっ!」


「ひょっひょっひょっ・・・。

 ひよっ子が何か言っとるわい♪」


「・・・じじぃ・・・てめぇぇぇっ!」


南雲の横でそう話すヴァンの瞳は、

真っ直ぐと2人を見つめ、少しも逃すまいとしているのが見て垂れた。

そんなヴァンに優しい眼差しを向けた南雲も、

これから始まる悠斗と卑弥呼の戦いが熾烈を極める事は予想していたのだった。


(・・・おのれを見失ってはいかんぞ?悠斗や・・・)



そしていよいよ2人の間に緊張が張り詰めた瞬間・・・。


『ちょっっっと待てぇぇぇぇぇっ!』と、

慌てたサンダラーが2人の間に乱入したのだった。


「何だよ、サンダラー?

 俺達の楽しみを奪うなよなっ!」


冥王の乱入で構えを解いた悠斗がそう文句を言うと、

サンダラーは『いやいやいやいやっ!』と慌てながら口を開いた。


「お前達は勝手に何をやってんだっ!?

 俺達は『対・深淵』に備えての訓練だと言ったろっ!?

 それなのに貴様達は・・・」


こめかみをヒクヒクさせながら声を荒げる冥王に、

悠斗は『そんな事、今はどうでもいい』と言い始めると、

そっぽを向いて不貞腐れてしまった・・・。


「ユウト・・・お前は、こ、子供かよ?」


そんな呆れた声が冥王から聞こえるも、

悠斗はサンダラーとは視線を合わせようとはしなかったのだ。


『こ、こいつは本当に・・・』と冥王が硬く拳を握る中、

『あっ、そうだ』と何かを思い出し振り返った。


そして卑弥呼へと視線を向けたサンダラーは指を差し言った。


「貴様・・・卑弥呼だよな~?」


「あぁ、正真正銘・・・卑弥呼だが?

 何だ?お前は?」


卑弥呼が鋭い視線を向けながらそう答えると、

サンダラーの顔は盛大に引き攣り、そして怒声を挙げた。


「我は冥王・サンダラーだっ!

 この重犯罪者・卑弥呼めっ!

 頭が・・・高けーんだよっ!」


冥王と聞いた卑弥呼は『重犯罪者』と呼ばれたが、

その言葉を気にする事もなく『ほぅ~お前がね~?』と笑みを浮かべた。


「卑弥呼・・・貴様、報告によるとこの地で投獄されたのにも関わらず、

 脱走したようだが?」


「フンっ!脱走だなんて大袈裟な・・・。

 私はちょいとこの神野悠斗に用事があってな?

 だからあんな狭く暑苦しい場所からお暇・・・しただけだぜ?」


「お、おのれ・・・。よくもそんな軽口を・・・。

 それに貴様本来は、

 支部の『重犯罪人・隔離施設』に投獄されているはずだろっ!

 なのに何故・・・このような場所に居るのだっ!」


サンダラーはそう怒声を挙げながら冥界の神力を放出すると、

鋭い眼光を卑弥呼へと向けた・・・。


「ほぅ~・・・冥王殿のその殺気・・・。

 クククっ・・・悪くないね~?

 悠斗とやる前の前哨戦としては、いい肩慣らしになりそうだ」


卑弥呼の余裕な態度に冥王の怒りは振り切れた・・・。


「貴様・・・。我との戦いを前哨戦呼ばわりするとは・・・

 貴様ぁぁぁぁっ!何様だぁぁぁぁっ!」


『ドンっ!』とサンダラーの放出した冥界の神力が弾けると、

 卑弥呼に向かって一足飛びにその懐に入った。


『頭が高いって言ってんだろうがぁぁぁっ!』と、

サンダラー渾身の一撃が卑弥呼の顔面を襲うも、

その瞳に微塵も揺らぎはしなかった・・・。


するとその瞬間・・・。


『バシっ!』と鈍い音が響き渡り、顔を顰めた冥王の前には、

その拳を受け止める悠斗の姿があった・・・。


「お、お前・・・一体何をして?」


突然の出来事に困惑するサンダラーに悠斗は言った・・・。


「サンダラー・・・逆に聞きたい・・・。

 卑弥呼は俺の相手だ・・・何故邪魔をするんだよ?」


『はぁ?』と悠斗の物言いに思わずサンダラーから声が漏れると、

悠斗の瞳が鋭い眼光へと変わり低く静かに言った・・・。


『もう一度言う・・・。

 冥王・・・邪魔をするな・・・その拳を引け・・・』


『うぐっ』


悠斗の威圧が冥王を襲い、

その圧力に思わず呻いてしまったのだった・・・。


(こ、この俺がユウトの圧力に?

 こ、こいつ・・・以前とは比べ物にもならねー力がっ!?)


悠斗の気迫に押されたサンダラーは『チっ!』と舌打ちすると、

拳を引き1歩・・・後ろに下がった。


だが、冥王は悠斗を諭すように口を開いた。


「いいか、ユウト・・・。

 そいつは『重犯罪者』なんだぞ?

 お前・・・わかっているんだろうな?」


強く悠斗に視線を向けながらそう諭すサンダラーだったが、

悠斗は肩を竦め返答した。


「・・・だから、何?

 それと俺がどういう関係があるんだよ?

 『重犯罪者』だからと言って、俺の楽しみを奪う権利はお前にはないっ!」


『・・・・・』


一瞬・・・。

この闘技場内に居た者達は余りの言葉に固まった。


そして『ハっ!』と一早く我に返ったサンダラーが声を張り上げた。


「俺は冥王なんだぞぉぉぉっ!?

 権利なんてありまくりなんだよっ!」


そう怒りの声を挙げたサンダラーの言葉に、

この闘技場に居た者達は『それな~?』と皆がそう思っていた。


そんな空気の中、悠斗は『あっ、そうなの?』と答えたが、

この場に居た者達は再びこう思っていた・・・。


『お前・・・ほんと、そういうとこな~?』と・・・。


悠斗とサンダラーが睨み合う中、

その中に割って入ったのは黒犬だった・・・。


「冥王殿?これだけこの闘技場には手練れがいるんだ。

 万が一、ここから逃亡しようとも、そう簡単ではあるまい・・・」


黒犬の言葉に『あ、あぁ・・・』と答えると、

冥王は再び『チッ!』と舌打ちをしながら背中を向け歩いて行った。


黒犬は『ふぅ』と息を吐きながら悠斗に向き直ると、

『好きなようにやれ』と小声で言い、ウインクして見せたのだった。


「ありがとう、黒犬」


「フっ、まぁ~別に構わんさ・・・。

 俺はただ・・・お前の実力が知りたいだけだ・・・」


「・・・わかった。黒犬」


口角を上げた黒犬は卑弥呼に視線を向けると、

悠斗に向けたモノとは違い鋭い眼光を向けたのだった。


「・・・卑弥呼?

 お前の大罪は晴れた訳じゃない・・・。

 それを忘れるなよ?」


そう言った黒犬は卑弥呼の返答を聞く事もなく踵を返すと、

サンダラーの元へと歩いて行くのだった・・・。



そして闘技場の中央・・・。


悠斗と卑弥呼が対峙していた・・・。


「神野悠斗・・・。

 まぁ~色々と手間取ったが、

 今更止めよう・・・なんて、言うんじゃないよな~?」


「あぁ、当たり前だろ?

 邪魔された瞬間・・・

 俺はこいつらみんなを皆殺しにしようかと思ったくらいだしね?」


そうとんでもない事を笑みを見せながら言った悠斗に、

卑弥呼は背中に寒気が走ったが、

目を閉じ『フっ』と笑うと不敵な笑みを浮かべ返答した。


「まぁ~そうなったら・・・。

 私もお前に手を貸していただろうな~?」


「ははっ・・・まじか?

 それはそれで・・・楽しそうだな?」


そう平然と答えた悠斗に卑弥呼は背中を見せると距離を取り構えた。


そして大きな胸の谷間からコインを取り出すと、

『これが落ちた時が勝負だ』と言った・・・。


軽く頷いて見せた悠斗は静かに構えを取ると、

目を閉じコインを放つのを待った・・・。


『いくよ』と・・・。

卑弥呼は『キーン』とコインを指で弾き上げた。


そして互いに静かに構え両者とも目を閉じて、

コインが落ちるのを待った・・・。


『チャリーン』


コインが落ちた瞬間・・・。


互いに双眼を見開いた悠斗と卑弥呼は、

空気が裂けるような音を奏でながら猛然と突っ込み、

互いに拳を放った・・・。


『ヒュンっ!バチンっ!』


悠斗の右拳と卑弥呼の右拳が正面から衝突した瞬間、

衝突した拳と拳の間の空間が、まるで渦を巻くように歪んだ。


2人の戦いを見ていた者達は、

その瞬間、『おぉぉ~』と驚く声が挙がったが、

当然、2人にはそんな声など届く訳もなかったのだ。


『グッググググっ!』


拳同士を衝突させたまま違いに譲らず、

力押しで踏んばっていると、卑弥呼の口角が上がった・・・。


「クックックっ・・・悪くない・・・悪くないね~

 神野悠斗・・・あんた・・・痺れるね~?」


不敵な笑みを見せたままそう言った卑弥呼に、

悠斗は『そりゃど~も』といつも通りのスタイルを貫くと、

『はぁぁっ!』と拳同士をぶつけたまま、右足を跳ね上げ、

卑弥呼の左の肩口に蹴りを放った・・・。


『ドスっ!』と鈍い音を立てたが、

卑弥呼は笑みを浮かべたまま『それだけかい?』と悠斗を挑発した。


卑弥呼の挑発に悠斗の口角が上がると、

拳を引きながら左足を跳ね上げ、卑弥呼の右脇腹を狙いに行った。


ところが卑弥呼は悠斗の動きを読んでおり、

右膝で悠斗の左の蹴りを防ぐと、

防御した右足をそのまま前へとを踏み出し、

前方に体重を移動させながら左拳を気合いと共に放った。


『どっせぇぇぇぇいっ!』


『ドスンっ!』


『うぐっ!』


卑弥呼の左拳を悠斗は間一髪クロスした両腕でブロックしたが、

その衝撃の威力は止まらず悠斗の身体ごと後ろへ滑らせた・・・。


『ズッズズズズズズっ・・・』


『くぅぅっ』とその衝撃に顏を苦痛で顰めながらも、

卑弥呼へと視線を向けると、放たれた左拳からは湯気が立ち昇っていた。


「・・・すげーパワーだな?

 一瞬、腕が吹き飛んだかと思った・・・はははっ」


クロスした悠斗の両腕からは衝突時に発生した摩擦による熱が気化し、

卑弥呼の拳と同じく湯気を立ち昇らせていた・・・。


悠斗は構えを解き両腕を軽く振りながら横へと動き始め、

リズムを変えるべく思案していた・・・。


(この人やっぱり強い・・・。

 あの時、肩に手を置いた瞬間、

 卑弥呼の中にとんでもない力があると気づき、

 俺は自然に鳥肌がたった・・・。

 やっぱりこの人は強い・・・だけど、それ以上だった・・・)


両肩をグリグリと回しながら卑弥呼との距離を計り、

体術の基本となる『周辺視』でいち早く察知しようとしていた・・・。


そして卑弥呼もまた、悠斗のポテンシャルの凄さに驚き、

一週回って笑みを浮かべるほどだったのだ・・・。


(こりゃ~正直驚いた・・・。

 私のあの・・・バカ弟子とは雲泥の差だ。

 この子の戦闘センスはもはや人の領域を越えているね~?

 クククっ・・・面白い・・・本当にこの子は・・・)


互いに距離を取り一瞬の隙をも見逃すまいと、

2人の間に緊張が張り詰め、その中央の空間には、

途轍もない圧力が充満しており、2人の威圧は頂点を迎えた。


『いくぞっ!卑弥呼ーっ!』


『来なっ!神野悠斗ーっ!』


『ドンっ!』と互いに一気に駆け出すと、

その中央付近で凄まじい攻防が繰り出されていた・・・。


『シュっ!シュバンっ!ドドドドドっ!』


『ドンっ!ドスンっ!ズシャっ!バキっ!』


互いの攻撃が空を裂き地を揺らすも、

紙一重の攻防に見る連中も固唾を飲んでいた・・・。


「ユウトのやつ・・・あれってまじかなのかっ!?

 いつの間にあいつはあんなに強くなってんだよっ!?」


余りの驚きに声を挙げたサンダラーに黒犬は笑みを浮かべ答えた。


「冥王殿・・・。

 あれが本気の・・・神野悠斗という男だ」


「なっ、何だとっ!?

 で、では、今まで俺達に見せていた力はっ!?」


「フフフっ・・・それも神野悠斗だが、

 あいつの場合・・・心の内から戦いたいと思わなければ、

 燃えないタイプなのでしょうな?」


「こ、心の内・・・だとっ!?」


「あぁ・・・。

 こいつとは本気でやらないとやられる・・・。

 燃え上る何か・・・

 つまり・・・あいつの心を燃え上がらせるような事がなければ、

 本気になれんのでしょうな?

 でも、まぁ~・・・これは俺の見立ての話ですがね?」


「・・・燃え上らせるモノか?」


そう説明された冥王は頭に浮かんだ1人の男の事を思い出し、

『・・・ユウナギの兄貴なら、こいつに勝てるのか?』と考えていた。

だが、それと同時に『見て見たい』と切望すらも同居していたのだった・・・。



闘技場のほぼ中央・・・。


互いに威圧を放ち、素手での攻防は続いていたが、

悠斗の身体を見ると数ヶ所・・・服が破れていた・・・。


(痛っつつつ・・・。

 ちょっとの隙も見逃さないな~?

 って言うか、スピードもパワーも俺の上を行ってるし、

 これはまじでヤバいかな~?

 気道を使いたいところだけど、擬体だから・・・な?

 ん~・・・このまま行くしかないのか?)


『ジリっ、ジリっ』と悠斗は卑弥呼に気圧され始め、

不敵な笑みを浮かべる卑弥呼の実力に着いて行くのがやっとだった・・・。


そして卑弥呼はそんな悠斗の表情1つで心情を読み解くと、

悠斗を見据えながらもどうするか迷っていた・・・。


(確かに悠斗は人の領域を越えてはいるが、

 その身体は擬体だからな?

 悠斗の反応速度に着いて行けてないのか?)


そう考えた時だった・・・。


悠斗が戦いの中で迷いが生じ、

それを何とかしようと深く息を吸い込んだ時、

卑弥呼は見た・・・。


(ん?あの擬体・・・もしや?)


卑弥呼はこの緊迫した中、悠斗に告げた・・・。


「・・・悠斗?」


「・・・ん?」


「お前まさか・・・気付いてないのか?」


「何をだよ?」


戦いの最中だと言うのに構えを解いた卑弥呼が声を挙げると、

悠斗はやや困惑した表情に変わった。


「どうしたんだよ?突然・・・」


そして再び『ふぅ~』と息を吐いた瞬間、

卑弥呼の予想は確信へと変わり、不敵な笑みを浮かべると告げた。


「悠斗・・・その擬体・・・。

 人の臓器・・・つまり肺と似た役割を持つ機能があるんじゃないのか?」


「・・・はぁ?」


悠斗は卑弥呼の人場に『?』が浮かび、

ただ首を捻る事しか出来なかった・・・。


そんな悠斗に呆れつつも溜息を吐きながら口を開いた。


「恐らくその擬体には『肺』がある。

 そして『腹膜』に似たモノもありそうだが・・・

 ちょっと試してみなよ?」


突然卑弥呼からそう告げられた悠斗は、

半ば半信半疑ながらも修練と同じように立つと、

肺と腹膜を意識しながら呼吸してみた・・・。


『スゥゥゥゥ~・・・ハァァァァ~・・・』


内臓を意識しながらいつものように呼吸をしていると、

『ん?』と悠斗の表情が変わった。


それを見た卑弥呼はニヤりと口角を上げると声をかけた。


「・・・な?

 多分のその擬体は、お前専用に作られたスペシャルだ」


『スペシャル?』


「あぁ、つまり・・・お前専用って事だよ?」


そう言いながら笑みを浮かべた卑弥呼に、

悠斗は『なるほどね』と呟くと、

両足を肩幅よりも少し広めにしながら腰を落した。


『コォォォォォォォォォっ!』


突然悠斗の呼吸音が変った・・・。


肺や腹膜に似たモノが酸素を取り込み身体中を駆け巡った。


「・・・まじか?」


そう声を漏らす悠斗に卑弥呼は言った・・・。


「・・・これでまだ・・・ヤれんだろ?」


そう言いながら笑みを見せた卑弥呼に悠斗は言った。


「・・・余計なお世話と言いたいところだけどさ、

 卑弥呼・・・ありがとな?」


『ズッキューンっ!♡』


無自覚な悠斗の微笑みとその心を鷲掴みにするようにその感謝の言葉に、

卑弥呼は咄嗟に悠斗に背を向けたが、

その顔は真っ赤に染まり、心臓も『バクバク』させていたのだった。


(ゆ、悠斗きゅん・・・ひ、卑怯ナリ♪)


そう思いつつも卑弥呼は『コホン』と咳払いしつつ、

悠斗に対して命一杯・・・強がった。


「ま、まぁ~・・・そのなんだ~・・・。

 ん?コレって、あのバカ弟子の口癖じゃ~?」


頭の中にユウナギの顔を浮かんだ卑弥呼は、

何度も頭を振り気持ちを落ち着けると悠斗へと向き直り言った。


「・・・続き、やれんだろ?」


『あぁ・・・卑弥呼、感謝はする。

 だけど・・・この後の俺の行動で『礼』をするよ』


そう言って笑みを浮かべた悠斗に、

卑弥呼は『あぁ~、そりゃ~願っても無い『礼』・・・だね~?』


そして2人の戦いは再開された瞬間・・・。


『コォォォォっ!』と呼吸音を変えた悠斗は声を挙げた。


「神野流・古武術・気道・・・繰術・・・。

 そしてっ!奥義・・・」


そう言って駆け出した悠斗の速さに、

卑弥呼は驚愕したが、迎撃しようと反応した瞬間・・・。


『ハっ!?』と気付いた時には悠斗は卑弥呼の懐に入り込み、

 静かな口調で言った・・・。


『奥義・螺旋車(らせんぐるま)


再び始まった悠斗と卑弥呼の戦いは子の後・・・。

熾烈を極めるのだった・・・。




ってな事で~・・・。

今回のお話はいかがだったでしょうか?


ついに卑弥呼との戦いが始まりました。

基本的に武道の話となりますので、

マニアックな方なら楽しんでもらえるかも?


これでもかなの・・・省いたんですよ?

マニアックな解説をww



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
あー、やっぱり擬体の仕組・・・仕様?が違ったんですね。 設定がマニアックですねー・・・ 2人の戦いもまさにバトルジャンキー同士(笑)
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