閑話4・制御と目覚め
お疲れ様です。
最近片目に慣れて来た緋色で御座います。
ですが・・・。
全治3ヶ月って・・・><
まぁ~慣れて来たからいいけど、
未だ物を取る時の距離感が・・・^^;
さて、今回も英二の続きです。
今回を合わせて後2話ほどお付き合い下さい。
続きはまだ満足に書けず苦戦しておりますが、
間に合うと思いますので・・・w
それでは閑話4をお楽しみ下さい。
一夜明けて・・・。
時間は早朝4時頃・・・。
皆が眠る中、英二は1人起床し水分を補給した後、
まだ目覚めきらない身体を起こす為、
少し場所を移動し軽くストレッチを始めた・・・。
(昨日は何だかとせわしなく、
訓練そっちのけだったからな~・・・)
英二は昨日の出来事を思い出しながら、
『気道』を使用しランニングをし始めた・・・。
『タッタッタッ』とリズムよく走り、
呼吸に気を配りながら走って行く・・・。
英二はリズムよく走りながらも、
昨夜夕食を食べた後の事を思い出していた。
~ 回 想 ~
夕食を食べ終えた英二達は談笑する中、
『姉妹』が持ち込んだ酒を飲みながら、
まだ名乗っていない『姉』が自己紹介してきた。
{私の名は『志保』
坊や・・・いや、英二・・・
宜しくね}
{あっ、はい・・・こちらこそ宜しくっス。
えっと~改めて言うのもなんですが、
英二っス、今後とも宜しくお願いします}
{・・・今後・・・とも?}
{ういっスっ!}
座りながらも頭を下げた英二に、
『志保』は『あぁ』と言葉は短いが英二に笑顔を向けた。
すると『志保』は英二に質問してきた・・・。
{ところで英二・・・。
果歩との戦いで何を得た?}
{・・・はい?}
あまりの突然な質問に英二は意味を理解出来ずにいると、
妹である果歩が英二の背中を『バンっ!』と叩き、
『お前な~?』と口を開いたのだった。
{お姉が言ってるのは、
お前が私と戦ってみて、何か感じるモノはあったのか?
って事を聞いてんだよ?}
英二はジンジンする背中の痛みに耐えながら、
『そ、そうッスね・・・』と口にし始めた。
{得るモノと言うか・・・。
実力の違いが段違いであるというのは、
見ていただけでもわかったっス。
そして実際最初に蹴りを放った時、
んー・・・上手く言えないんスけど、
あのオレンジ色のって・・・なんつーか・・・
力の流れって言うんですかね~?
俺の攻撃が弾かれる瞬間、そんなモノを感じました}
英二が思い出しながらそう感想を述べると、
姉である志保は『ほうほう』と、
とても興味深そうにその話に聞き入っていた。
そして更に英二は話を続けた・・・。
{どうしてそんな事が分かったのかは、
正直・・・わからないっス。
でも確かに・・・あの時そう感じたので、
それを生かす為・・・?
いや、違うっスね・・・。
俺の感じた事が本当かどうか確かめる為に、
同じ攻撃をしてみたんスよ}
そう話す英二に今度は果歩が口を開いた。
{・・・あぁ~、だから同じ攻撃をしたのか~?
私はてっきりヤケクソで攻撃したのかと思って、
そんなお前にあの時は腹を立てたんだったな~}
{あははは・・・。
一応俺なりに・・・?
考えていたんスよね。
そしてソレを行動に移したら上手くいったと言うか・・・}
苦笑いを浮かべながら酒を『グイっ』と飲んだ英二に、
志保は小さく頷きながらこう言った。
{あれは中々見事なモノだったよ?
流石は『神野んとこの兵』だと思ったよ}
志保がそう言って英二を褒めたのだが、
英二はそんな事よりもある言葉に引っかかった。
{・・・神野んとこって、
志保さんもやっぱ・・・俺達の事、知ってるんスね?}
すると志保は肩を竦ませながら『当然だろ?』と応えると、
『監視者達』の事に興味が沸いた。
{志保さん・・・ちょっといいっスか?}
{・・・何かな?}
{監視者の事を教えて欲しいんスけど?}
英二の声に志保は果歩と陸奥に視線を向けると、
『話せる事ならね』と返答した。
{それじゃ~まず、おいくつなんですか?}
{はぁ?それって年齢の事かな?}
{はい、勿論失礼な事は承知してるっス。
しかも女性である2人には・・・。
でも、こんなに若く見える陸奥さんでさえ、
年齢だけで言うとかなりの御年のようだし・・・}
すると志保は『まぁ~別に私は構わないよ?』と答えると、
果歩も『別にいいぜ・・・』と言いながら酒に口をつけた。
{私と妹は2つ違いなんだが・・・。
年齢は・・・もうどのくらいになるんだっけか?}
そう言いながらその視線は何故か陸奥へと向けられた。
陸奥は志保からそんな目を向けられるとは思わず、
『ゴフっ』と酒を吹き出した。
{えっ!?わ、私が代わりに答えるんですかっ!?}
{・・・当然だろ?
お前は私の弟子の1人でもあるんだからな?}
{・・・弟子だからって}
陸奥がそうブツブツと言い始めた時、
英二が志保と陸奥を交互に何度も見ながら声を挙げた。
{む、陸奥さんって・・・。
志保さんの弟子だったんスかぁぁぁっ!?}
『念話』による大声は耳から入る音とは違い、
かなりの大音量となる。
勿論受け取る側による音声のレベルは変えられるが、
咄嗟に出来る事は出来ないのだ。
そんな英二の大声に、此処に居る者達はの顔は歪み、
それに気づいた英二は『あっ』と声を挙げたが、
すぐに隣に座っていた果歩に『スパーン』と頭を叩かれた。
{てめー・・・大声なんて出してんじゃねーよっ!
この未熟者がぁぁぁっ!}
果歩の声に叩かれた頭よりもキツかった英二は、
『果歩さんも人の事言えないでしょうがぁぁぁっ!?』と、
再び声を荒げ言い争いになっていた。
だが志保と陸奥は静かに2人を見守りながらも酒を口にラしていた。
慌てる様子もなく酒を飲む2人に、
言い争いを繰り広げながらも英二は不思議に思っていた。
{つーか・・・志保さんと陸奥さん?
あれ・・・?
俺と果歩さんが大声出したってのに、
どうして平気にしてんスか?}
するとそんな英二の質問に苦笑した陸奥がこう言った。
{・・・果歩さんが突っ込んで、
英二君が反論する事が予想出来たからね~?
だから2人のボリュームを下げておいたのさ♪}
そう答える陸奥に志保は『コクコク』と小さく頷き、
酒から口を話した志保が口を開いた。
{お前達2人って、どこか似てるわよね?}
志保がそう何気なく言った言葉に、
何故か果歩が顔を赤くしながら姉である志保に反論した。
{お、お、お姉っ!?
何で私とこのガキんちょが似てんのさっ!?}
『ガキんちょ』呼ばわりされた英二がすぐさま反応した。
{てっ、てめーっ!?
だ、誰がガキんちょだゴラァァァァっ!?}
{てめーだよっ!てめー・・・って・・・}
顔を引き攣らせながら英二を見た果歩は、
そんな英二の顔を見て、更に顔を赤くしながら吠えた。
{なっ、何でガキんちょまで顔を赤くしてんだよっ!?
バっ、バババ・・・バッカじゃねーのっ!?}
{は、はぁぁぁぁっ!?
て、てめーっ!何言ってやがんだっ!?
てめーこそ更に顔を赤くしやがってよぉぉぉっ!?
ふっ、ふざけんじゃねーぞゴラァァァっ!}
{ふっ、ふざけてんのはお前だろっ!?
はっ!?ま、まさか・・・ガキんちょ・・・お前・・・?}
果歩は英二を見ながら、
その肩を引きさせ身に震わせながらそう言うと、
少しづつ英二から距離を取り始めながらこう言った。
{お、おまっ、おまっ・・・お前っ!?}
{なっ、何だってんだよっ!?}
{お前・・・ま、まさか私の事をっ!?}
{はぁっ!?一体何だってんだよっ!?
ハッキリ言いやがれってんだっ!}
{英二・・・
お前・・・私に惚れたのかっ!?}
突然果歩にそう言われた英二は一瞬固まり、
『はぁ?惚れた・・・?誰が誰に?』と呟くように言った後、
更に音量を上げ叫びにも似た声を挙げた。
{はぁぁぁぁぁぁっ!?
何で俺がてめーなんかに惚れなくちゃいけねーんだよっ!?
ふざけんじゃねーぞっ!?
もし、万が一・・・。
無人島に俺とてめーの2人だけになってもっ!
ぜってぇぇぇぇーっ!
てめーになんか惚れたりしねーよっ!}
{はぁぁぁぁぁっ!?
そ、それはこっちの方だっつーのっ!?
誰がてめーなんか惚れっかよっ!?
てめーみたいなガキんちょなんか全然興味すら沸かねーよっ!
ガキんちょのクセに、寝ぼけた事言ってんじゃねーぞっ!}
{それはこっちのセリフだっつーんだよっ!?
こんな野蛮な暴力女に惚れる訳ねーだろっ!?
天と地がひっくり返ったとしても、
てめーだけは有り得ねーんだよっ!
ばぁぁぁぁかっ!}
{バカって言ったヤツがバカなんだよっ!
てめーはそんな事も知らねーのかっ!?
このガキんちょめっ!}
2人の不毛ともいえる言い争いが続く中、
志保と陸奥はお互いに『念話』で話し合っていた。
{・・・で?師匠、これからどうするんですか?}
{ほぅ~・・・久々にお前から師匠だなんて言葉聞いたわ。
って言うか、むっちゃん・・・念話の回線変えよーよ}
{・・・そうですね、わかりました}
言い争いを続ける英二と果歩に会話を聞かれたくない為、
『念話』の回線を切り替え終わると志保から話を切り出した。
{まぁ~別に今はそんな事どうでもいいけど、
陸奥・・・正直あんたは英二の事どう思ってるのよ?
本気でモノになると?}
{・・・そうですね}
陸奥は未だ言い争いを繰り広げる英二を見て、
『俺は・・・』と口にし始めた。
{こいつには力が在ると思ってる。
果歩さんとの戦いでもそうだったが、
間違いなくこいつは強くなる}
{ほぅ~・・・。
お前がそんな事言うなんてね~?}
陸奥はそんな志保の言葉に何かを感じ、
『何が言いたいんだ?』と鋭い視線を向けた。
{ソレだよソレ・・・}
{ソレ?}
{お前は昔からそうだったよな?
まるで『ジキルとハイド』よ。
ただお前の場合・・・もっとタチが悪い。
温厚な自分と悪質な自分を自分の意志でやってやがる}
{・・・それって悪いのかよ?}
{だから誰とも組んでもらえないんだろうが?
通常私達『監視者』は『ツーマンセル』が基本。
だがお前ときたらさ~?
相棒となる者に対し常に上から目線・・・。
任務以外では普通なんたが、それ以外も・・・な?}
志保から鋭い視線を向けられながらそう言われると、
陸奥は『チっ』と舌打ちをし酒を一気に飲み干した。
{英二はまだ・・・お前の本性を知らないのだろ?}
{・・・あぁ、恐らくな。
だがそんな心配はいらねーよ}
{・・・どうしてだい?}
{俺は俺の目的を遂げるまで、
英二には隠し通すつもりだからだ。
いつでも温厚で誰からにも慕われる・・・
そんな陸奥で居るつもりだ}
そう話すその姿に志保は哀し気な表情を浮かべた。
{それで事を成し終えた後、姿を消すってか?
お前・・・どこまで不器用なのよ?}
{う、うるせーな・・・そんなんじゃねーよ}
志保はグラスに入っている酒をクルクルと回しながら、
その様子を見つめていた。
{・・・心配すんじゃねーよ。
大丈夫・・・だからよ}
{・・・本当かね~?}
{俺は俺の目的の為ならなんだってやってやる、
その為にも・・・}
陸奥はそう言いながら再び英二に視線を向けながら、
『必ず英二を強くする』と言ったのだった・・・。
そんな陸奥の言葉に対し、
志保は苦笑いを浮かべながら『そうかい』と呟いた。
暫く経って時間がてっぺんに差し掛かろうとしてた・・・。
未だ不毛な言い争いが続く中、
呆れた声を挙げたのは志保だった・・・。
{おい、そこの似た者同士の御二人さんよ・・・}
『っ!?』
志保の声に一瞬の静寂が訪れると、
英二と果歩がそろって声を挙げた・・・。
『誰が似た者同士だゴラァァァっ!?』
咄嗟に同時に返答した事に気付いた2人が、
顔を赤らめながらも再び言い争いが続こうとした。
{ま、まねしてんじゃねーぞっ!?}
{そ、それはこっちのセリフだっ!}
どっちもどっちな2人に、
志保は顔を盛大にヒクつかせ口を開いた。
{・・・いい加減にしろ、バカ共っ!}
『っ!?』
ほんの僅かだか、志保から放たれた力に、
英二は硬直し果歩は顔を顰めた。
(なっ、何だっ!?
か、身体が・・・う、動かねーっ!?)
(あぁぁぁぁっ!?や、やっぱっ!?
お、お姉・・・まじで怒ってんじゃんっ!?}
それぞれが志保にビビる中、
陸奥は立ち上がると笑顔を向けながらこう言った。
{そろそろ眠ろうか、英二君♪}
何事もなかったかのようにそう笑顔を向ける陸奥に、
英二は『うっス♪』と答えると、
いつの間にか身体が動く事に驚いていた。
そんな現状に戸惑う英二に陸奥は続けて口を開いた。
{メンタルの在り様でどうにかなるものさっ♪}
{・・・・・}
陸奥の声に何かに気付き始めた英二はゆっくり顔を挙げると、
『うっスっ!』と笑顔を向けながらそう言ったのだった。
~ そして現在 ~
『タッタッタッ』と走る英二は訓練に集中していた。
(メンタルってのは特にこの空間では必須条件だ。
それは俺にとって有難てぇぜ。
俺の最大の弱点は精神力・・・。
まずはこれをクリアしない事には話にならねー。
だから・・・やってやる・・・やってやるぜっ!)
そう考え英二のテンションが急上昇すると、
思わず『うおぉぉぉぉぉっ!』と声に出してしまい、
その直後・・・『パタリ』と倒れてしまったのだ。
そしてそれを見ていた陸奥と志保は・・・。
{・・・え、英二君・・・君は何がしたいんだ?}
{・・・さぁ?}
項垂れる陸奥に志保は笑いながらその肩を『バンバン』叩くと、
果歩の『そろそろ飯にしようぜ~♪』と、
陽気とも言える明るい声が聞こえたのだった。
それから1ヶ月が経過した・・・。
英二は陸奥に加え志保と果歩も加わり、
そのハードな訓練に没頭していた・・・。
{英二君っ!周りの音に惑わされないでっ!
もっと集中するんだっ!}
{う、うっスっ!}
両足を肩幅に開き目を閉じ酸素を抱きかかえた血液が、
身体中を駆け巡る様子をイメージし、
『気道』の基礎となる訓練に励んでいた・・・。
だが、いくら『気道』に慣れている英二でも、
この訓練は尋常ではなかった・・・。
少し離れた位置で陸奥が英二の『気』の巡りを監視し、
志保があるモノを操り、その集中力を阻害する。
(くっ、くそっーっ!?
い、意識が・・・集中力が削がれる・・・
そ、それにこの音って・・・間違いなく・・・)
英二は周りから聞こえる音に集中力は乱れっぱなしである。
見たいと思う欲求と、怖いと言う思いが激しく衝突し、
混乱の極みと化していたからだった・・・。
怖いと言う思い・・・。
それは当然その音に在る・・・。
一見静かに静止しているかのようにも見て取れるが、
実際は英二の身体は小刻みに震え、
その顔は汗でぐっしょりと濡れていた。
『ブゥゥゥゥン、ブブブ・・・ブブーン』
(こ、これって間違いなく~・・・)
英二は周りから聞こえてくる音に、
とある昆虫を思い描いていたのだが、
その多方面から聞こえる音に震えていたのだった。
{英二君っ!ビビるんじゃないっ!
集中だっ!集中するんだっ!
気が乱れているよっ!?
左足の膝辺りで気の巡りが極端に遅くなっているよっ!}
{どうした~?英二・・・。
強くなるんだよな~?
だったらこれくらい事・・・余裕でやって見せてよ?
って言うか、残り15分っ!
ほらほら英二・・・もっと集中しなっ!}
陸奥と志保の声に英二は必死に藻掻いていた。
(2人の言ってる事は分かってっけどっ!
こ、怖えーんだよっ!?
だ、だってコレ・・・この音って・・・
は、は・・・蜂だよなっ!?
しかも・・・あちこちから羽音が聞こえやがるんだぜっ!?
ふ、普通に怖過ぎるだろうがぁぁぁっ!?)
時間の経過と共に英二の精神はゴリゴリ削られ、
我慢の限界に達しようとしていた・・・。
{英二っ!残り5分っ!}
そんな志保の言葉が英二の頭の中にに流れると、
英二は気力を振り絞った。
{俺はこんなところで終われねーんだよぉぉぉっ!}
そう声を張り上げた瞬間だった・・・。
突然英二の頭の中に果歩の声が響いてきた。
{やーいっ!やーいっ!
バカ英二~♪
頑張れ頑張れバカ英二~♪}
バカにするような果歩の声が聞こえた瞬間・・・。
{てっ、てめーっ!果歩ーっ!?
いい加減にしやがれぇぇぇっ!}
大声を張り上げたその瞬間、
英二は双眼を見開きバカにする果歩を探した。
だが次の瞬間英二は己の愚かさを知ることになった。
{うげっ!?}
英二が見たモノは無数に滞空する『蜂』だった・・・。
{う、嘘・・・だろっ!?}
顔を歪ませた英二を見た蜂達は、
英二の気の乱れを感じると、一斉に襲い掛かった。
{英二君っ!?}
{英二っ!?}
焦る陸奥と果歩の声が英二の頭の中に流れるが、
その声に反応する事はなかった。
『ブブブブブーンっ!』
{うわぁぁぁぁっ!}
蜂達の襲撃に英二がそう声を挙げた瞬間、
志保は『チっ!』と舌打ちをしながら蜂達の制御を試みるが、
興奮度MAXになった蜂達は志保の制御から離れた。
(やり過ぎたかっ!?)
志保は咄嗟に駆け出し英二を救い出そうとした時、
その足は自然と止まり、目の前の光景に驚きの色を浮かべた。
『うおぉぉぉぉぉぉっ!
俺はこんな所で終われねーんだよぉぉぉぉっ!』
絶叫にも似た声を英二が挙げた時、
英二の身体から『赤紫の鬼の気』が放たれた・・・。
『シュワァァァ』っと英二の身体から放たれた『気』が、
一瞬にして無数に襲い掛かる蜂達が死に、
その放たれた鬼の気が消滅した瞬間、
生き残った蜂達が再び襲い掛かった・・・。
「・・・お前達そんなに死にたいのかよ?」
英二の声とその視線に何かを感じた蜂は停止したが、
その声に耳を貸さない蜂達は迷う事無く襲い掛かって来た。
「・・・粗末にしやがって」
英二は『スゥっ』と双眼を閉じ、
まるで蜂達の攻撃を受けようとしているのを見た陸奥達は、
2人そろって声を挙げた。
{英二ーっ!}
『バチっ!バチバチバチっ!』
『っ!?』
英二の身体に毒針を打ち込もうとした蜂達は、
その身体に触れる事無くその場に落ちて行った。
そして英二の周りか静かになった時、
皆が近寄り、しゃがみ込んだ志保が死んだ蜂を手にしていた。
{・・・蜂達がコゲている?」
志保の声に驚いた陸奥と果歩が同じように蜂を手に取ると、
まじまじと見つめ『本当だ』と声にした。
立ち上がりながら英二を見た陸奥が驚きの声を挙げた。
{え、英二君・・・。
そ、その額に在る眼は・・・?}
{・・・えっ?}
陸奥や姉妹達の反応に英二はただ戸惑うのだった・・・。
ってな事で・・・。
今回のお話は如何だったでしょうか?
陸奥が姉妹の弟子だったりと色々とあり、
何やら怪しげな会話も・・・。
読者の皆様が楽しんで読んで頂けたのなら、
大変嬉しく思います。
英二の話が終わると、悠斗の話となりますので、
楽しみにして頂けたらと思います。
色々とありますが、今後とも頑張って行くので、
応援のほど宜しくお願いしますっ!
ってなことで、緋色火花でした。
P・S あちらの話も頑張りたいと思いますっ!
今度はきっちりとアップしますw




