閑話1・再会と妬む者達
お疲れ様です。
まだまだ風が冷たく、
バイクで夜を走るにはまだまだキツそうです><
この前、凍えるかと思いました^^;
さて、今回は・・・。
英二のお話ですね・・・。
一応『閑話』を今現在『5話』まで書いておりますが、
6話目を続けて書くかどうかはまだ決めていません。
ってか・・・。
仕事が忙し過ぎて、それどころじゃないってのが、
正直なところなのですが・・・。
それと『活動報告』にリューアルした英二を載せました。
それとちょっと個人的な愚痴を・・・w
まぁ~『AI』に対してですが^^
それでは、閑話1をお楽しみ下さい。
俺の名は英二・・・。
言わずと知れた『魔を狩る者』だ・・・。
俺はとある御方に修行をつけてもらう為、
とある県に来ていた・・・。
だがそんな俺を『監視』している者達に気付き、
『犬神』である桜さんに相談したところ、
『五十嵐 陸奥』と名乗る男に出会い、
俺をフォローしてくれる事になった・・・。
そしてその翌日・・・。
時間はまだam4:00頃だった・・・。
俺は一瞬の気の歪みみたいなモノを感じ取ると、
勢いよくベッドから飛び起きた・・・。
すると窓辺に居た陸奥さんが険しい表情を浮かべ、
カーテンの隙間から外を見ていた・・・。
そんな陸奥さんを見て緊張する俺に、
陸奥さんは『やぁ、英二君・・・』と言って笑顔を向けて来た。
「あ、あれ・・・陸奥・・・さん?
ど、どうしたんスか?こんな時間に・・・」
「どうやら起こしてしまったようだね?
すまないね~・・・。
でも丁度良かった・・・」
「ち、丁度良かったって・・・何がですか?」
そう尋ねる俺に陸奥さんは肩を竦めながら説明してくれた。
そして話はこうだった・・・。
俺を『監視』している者達の人数が増えた・・・と。
だから陸奥さんは少し面倒だなと感じ、
仲間に連絡を入れ、その指示を待っているのだと言う。
「・・・仲間って、陸奥さんが話してくれた・・・
『監視者』の・・・?」
「あぁ、そうだよ・・・。
今は連絡を待つしかないんだけど・・・
その返答が遅くてね~?」
『アハハ』と苦笑いを浮かべる陸奥さんの様子に、
俺は失礼ながら苦笑してしまった・・・。
それから暫くして陸奥さんの元に連絡が来ると、
俺は声を掛けられた・・・。
「今、仲間達から連絡が入って、
もうポジション取りは済んでいるらしいんだ・・・」
「ポジション取り・・・?」
「うんうん、ここら辺一帯に『結界』を張り、
英二君が認識出来ないようにするのさ♪」
そうにこやかに話す陸奥に、俺は唖然とするだけだった。
そして更に話を続けた・・・。
「英二君・・・君はバイクに乗って移動するといいよ?」
そう話す陸奥に俺は『はい?』と気の抜けた声を発し、
その声に陸奥は笑っていた・・・。
そして、いよいよ行動開始の時は来た・・・。
一瞬、『ゾワっ】と英二に悪寒が走ったかと思えば、
すぐさま陸奥が移動するよう促して来た・・・。
俺は小さく『コクリ』と頷き、、
荷物を持ち堂々と正面玄関から外へと出ると、
急ぎ自分のバイクにまたがり走らせた・・・。
『フォン、フォォォーン』
俺はバイクに取り付けたスマフォのナビの画面に視線を落とすと、
突然脳内に以前聞いた事のある声が流れて来た・・・。
{小僧・・・久しぶりだな?}
{そ、その声はっ!?}
{フフフ・・・状況は理解している・・・。
小僧はナビなど見ず、陸奥が飛ばした『鳥』を追え・・・}
{陸奥さんが飛ばした『鳥』って言われても・・・}
戸惑う俺にその声は呆れた声で『未熟者め・・・』と、
呟くように言うと、バイクで走る俺の少し前を、
淡い緑色に光る針金で出来た『鳥』が先導するのが見て取れた・・・。
{・・・了解っスっ!師匠っ!}
{うむ・・・。ならば到着するのを楽しみにしているぞ}
そう楽し気にいうと、俺の返答を待つ事も無く、
師匠の声は切れたのだった・・・。
それから2時間後・・・。
朝陽が昇り俺は未だどこかの峠道を走っていた・・・。
『フォン、フォーン』
だが少し様子がおかしい・・・。
何故なら俺の前を先導している『鳥』が、
暗い山道へと誘っていたからだった・・・。
(・・・どう言うこったよ?
ナビじゃこの峠を抜けた先に・・・?)
そう考えた俺はバイクのアクセルを少し緩め、
どうするかを考え始めた。
すると、突然、先導していた『鳥』が『ピィー』と鳴くと、
空中を一回転した後、少し先にあるバス亭の標識の上に着地した。
『キキキキっ・・・』と俺がバイクを停車し、
シールドを挙げた時、聞き慣れた陸奥さんの声が流れて来た・・・。
{心配はいらないよ?
これから通る山道は私達が作り上げた結界で出来た山道だからね?
外部とは一切干渉されないモノだから安心して進むといいよ}
{・・・わ、わかりました}
俺は陸奥さんの言葉を信じ、
『鳥』が案内する山道を走り始めた・・・。
そしてそれから30分後山道を進むと・・・。
「・・・何だか少し開けてきたな?」
そう呟くと再び先導していた『鳥』が『ピィィィ』と鳴き、
一瞬にして俺の視界から消えたのだった・・・。
(・・・到着したって事・・・か?)
俺はそう考えながらもふと、視線をナビへと向けると、
何故かスマフォの画面は消えており、電源が落ちていた・・・。
(・・・いつの間に?
つーかまだバッテリーは・・・?)
俺はやや緊張しながらも真っ直ぐに伸びる山道を走ると、
やがてソレは見えて来た・・・。
「・・・つ、着いたか?」
『キキキキっ・・・』
バイクの速度を落とし、何処かに止めようと考えていると、
師匠から『念話』が入り『中まで入って来い』と告げられた。
俺はそのままバイクに乗ったまま『廃寺』の中まで入ると、
その光景に絶句してしまった・・・。
「・・・さ、桜っ!?
そ、それに・・・蝉の声までっ!?」
余りの驚きに俺はバイクを停車しヘルメットを脱ぐと、
少しの間、季節が入り乱れるその空間に唖然としてしまっていた。
『ザっ、ザっ、ザっ』と・・・。
誰かがこちらへと向かって来るのが見えた・・・。
俺は無意識ながらヘルメットをミラーに掛けると、
バイクから降り、向かって来る者へと歩き始めた・・・。
(な、何だ?近い距離だってのに・・・
相手の顔が・・・に、認識出来ない・・・)
だが嫌な気配や不安などは一切なかった・・・。
逆に俺は懐かしい気分になり、どこか感動すらしている・・・。
そして後、数歩・・・と、言う所で、
顏が認識出来ない者が口を開いた・・・。
「よう、小僧・・・久しぶりだな~?」
その聞き覚えのある声に俺は咄嗟に頭を下げながら声を挙げた。
「ご、ご無沙汰してますっ!師匠っ!」
「わぁ~はっはっはっ!
小僧・・・貴様はまだ儂の弟子だと認めてはおらんぞ?」
「えっ、えぇぇぇぇっ!?
そ、そりゃ~ないっスよ~・・・『金剛夜叉』師匠~?」
「わぁ~はっはっはっ!」
そう豪快に笑い飛ばした師匠に俺もまた笑っていた・・・。
その場で少しの間、俺は師匠と談笑していると、
突然『ズシャっ』と空から何者かが師匠の背後に着地した。
俺は咄嗟に師匠の背後に回り込み、
腰に装備していた『拳銃』を抜きスライドさせ構えた。
「てめー、何者だっ!?」
そう言い放つ俺にそいつは『ちょ、ちょっと待ってよっ!?』と、
困惑気味に声を挙げ、苦笑いを見せていた・・・。
「って・・・あ、あれ?
む、陸奥・・・さんっ!?」
そう・・・。
突然俺の師匠の背後に着地したのは、
此処まで色々と俺の世話をしてくれた『陸奥』さんだった。
俺が驚き未だ銃口を陸奥さんに向けたままで居ると、
人差し指で銃身をズラしながら『危ないでしょ?』とそう言った。
そして俺の肩を『ポン』と優しく手を置くと、
そのまま進み、俺の師匠の下で片膝を着き頭を垂れた・・・。
「今、彼を監視している連中の素性を調べている所ですが、
恐らく・・・『結城一族』の可能性が・・・」
(結城・・・一族?)
「うむ・・・やはりと言うか何と言うか・・・。
神野一族には『敵』が多いの~?」
「はっ、それは致し方がない事・・・かと?」
「うむ・・・『魔を狩る一族』の中では、
1つも2つも頭が出ておるからな~・・・」
そう俺の師匠と陸奥さんがそんな会話をしていると、
俺は少し頭の整理が出来、
『結城一族』と言う名に声を荒げた・・・。
「あ、あのっ!?
ゆ、結城って・・・ま、まさか・・・
〇✕県のあのっ!結城・・・一族の事ですかっ!?」
振り返りながらそう声を荒げた俺に、
師匠は目を閉じ沈黙していたが、
振り返った陸奥さんははっきりと『そうだよ』と答えた。
「な、何で・・・結城が・・・俺の監視なんか?」
戸惑う俺に師匠は『うむ』と言いながら答えた。
「そりゃ~・・・アレだろ?」
「・・・ア、アレ?」
「出る杭は打たれるって言うだろうが?」
「出る杭って・・・」
戸惑うばかりの俺に、師匠は『陸奥』と呟くと、
立ち上がりながら向き直った陸奥さんは俺の問いに答えた。
「・・・君達。
いや・・・神野一族の力の強さは群を抜いているからね?
それにここ最近・・・。
とは言っても数年間の話で言うと、
悠斗君を筆頭に、その力が尋常じゃないと来てる・・・。
だからやっかみもあるんだろうが、
君達を調べる事によって、その秘密を・・・さ?」
そう話しながら陸奥は困り顔をして見せたが、
俺の胸中は決して穏やかではなかった・・・。
「お、俺達と・・・結城は同じ・・・
『魔狩りの者』としての『仲間』じゃねーのかよっ!?
それぞれ秘伝なり術なりとあって、
そりゃ~・・・たまには優劣着けたくなる気持ちはわかっけどよ、
同じ『魔狩り』の仲間じゃねーのかよっ!?」
俺は硬く握り締めた拳に更に力を入れ、
それはいつしか小刻みに身体を震わせる事になっていた・・・。
すると俺を見ていた師匠はこう言った・・・。
「それが力を持つ者の宿命と言うモノだ・・・。
それに、力を持たぬ者達は、お前達のような者達を恐れ、
妬み・・・畏怖する・・・。
向上心の欠片すら持たず・・・ただ力を欲し奪い去る・・・。
何と人間と言う『生命』は愚かな生き物か・・・
実に嘆かわしい・・・」
そう言った師匠は俺の目を真っ直ぐ見ると、
陸奥さんが俺の肩に手を置いた・・・。
「ホテルで私が言った事を覚えているかな?」
「・・・ホテルで言った事?」
「あぁ、私はこう言ったはずだ・・・。
英二君・・・まずは君のそのメンタルを鍛えろと・・・ね?」
「あっ・・・」
俺はホテルで陸奥さんに゜言われた事を思い出し、
苛立つ自分が情けなくなった・・・。
「お、俺ってヤツはどうしてこんなにも・・・。
くっっっそぉぉぉぉっ!
こ、こんな事じゃ~、悠斗の力になんてっ!?」
俺は空に向かってそう声を挙げると、
陸奥さんが俺に『地道に行こうよ』と諭してくれた。
それから少しの間・・・。
俺が落ち着くのを待った後、
師匠や陸奥さんの後を追って寺の本堂へと入って行った・・・。
本堂に入るとそこには素朴な木彫りで出来た、
『菩薩様』が鎮座しており、法具類も実に素朴なモノだった。
皆がその場に座り『一礼』し終えると、
師匠と陸奥さんは俺に振り返りながら口を開いて行った。
「小僧・・・。良いかよく聞くのだ・・・」
「はい」
「貴様はまずその脆弱な『精神』を鍛えよ」
「・・・精神ですか?」
「うむ、今からここに居る陸奥が監視の下、
小僧は『とある場所』にて、修行するのだ・・・」
「・・・陸奥さんと?」
俺はそう呟きながらこちらを見る陸奥さんへと視線を移すと、
にこやかに『コクリ』と小さく頷いていた。
俺は師匠の言葉に迷う事無く『はい』と答えると、
陸奥さんに向き直り、そのまま頭を垂れ『お願いします』と告げた。
そして師匠が『今すぐ行くがよい』と発すると、
陸奥さんは一度師匠に向き直り礼をし、
俺を誘って本堂から出たのだった・・・。
『ジャリっ、ジャリっ』と・・・。
敷き砂利を踏みしめながらとある離れにやって来た・・・。
「陸奥さん・・・此処は?」
少し不安げなその声に陸奥さんは苦笑しながら、
『ハハハ、心配しなくても大丈夫だからね?』とそう言った。
そして陸奥さんを先頭に中へと入った俺は驚いた・・・。
「・・・滅茶苦茶広いっスね?」
「ハハハ・・・そうだね?
分かりやすく言うとこの離れの広さは、
〇✕美術館の5倍くらいあるかな?」
そう笑みを浮かべながら言ったのだが、
当然俺にはピンと・・・来なかった・・・。
「む、陸奥さん・・・?
そこは普通『東京ドーム』の・・・って例えになるんじゃ?」
少し遠慮がちにそう尋ねた俺に、
陸奥さんは『・・・そうなのっ!?』と何故か本気で驚いていた。
(・・・ま、まじか?陸奥さん・・・まじで驚いてんのか?
もしまじだったら・・・)
俺はそう何度か同じ事を考えながらも笑みを浮かべ、
首を傾げる陸奥さんに少し汗が滲んだ・・・。
(ここにも天然男がいたぁぁぁぁっ!?)
陸奥さんはそれから俺を案内し、
畳の部屋の真ん中に不自然に在る襖の前に来た・・・。
「陸奥さん・・・?」
「ん?何かな?」
「この不自然な襖って言うか・・・
部屋のど真ん中に襖だけ立ってるのって、
違和感っつーか・・・?」
余りにもその不自然に光景に俺がそう尋ねると、
陸奥さんは『気にしなくていいからね?』と、何故か笑顔だった。
そして『スーっ』とその襖を陸奥さんが開けると、
中に入った俺は更に驚いた・・・。
「・・・な、何にも・・・ない?」
「・・・・・」
「む、陸奥・・・さん?
こ、此処って一体なんなんですか?
何もなく・・・ただ白い世界・・・だけが・・・」
俺はその景色にただただ困惑するばかりだった・・・。
困惑する俺に陸奥さんはただ笑顔を向けるだけで何も言わない。
ただ、笑ってそこに居るだけだった・・・。
すると突然、陸奥さんの声が頭の中に流れて来た・・・。
{ここは英二君の修行にはもってこいの場所なのさ♪}
「・・・ね、念話っ!?」
そう声を発するも陸奥さんはただ首を傾げ、
俺が何を言ったのか分からないような感じだった・・・。
「俺の声が・・・聞こえてない?
ま、まさか・・・?」
俺は咄嗟に『まさかコレって?』と理解すると、
早速『念話』に切り換え陸奥さんに話していった・・・。
{む、陸奥さんコレってまさかっ!?
某DB的な・・・『精神と時の部屋』的な?}
{いやいや、英二君・・・。
DB的なって、もう言っちゃってるし・・・
それに『精神と時の部屋』ってのも言っちゃってるからね?
何も隠せてないからね?}
俺はそんな声を頭の片隅で聞きながらも、
何もないまっ白い空間に魅了されていた・・・。
{・・・って、聞いてないし。
ったく・・・}
そんな愚痴を頭の片隅で聞き流しながら、
俺はこんな事を考えていた・・・。
(コレってつまり・・・。
この中で修行を積めば、数年間修行した事になり、
表に出た俺は・・・最強・・・に?)
そう考えていた俺に陸奥さんは察したのだろう・・・。
肩を竦めながら『念話』が聞こえたのだか、
その声はとても残念そうな声だった・・・。
{君は今、精神と時の部屋と同じって考えていたんだろうけど、
それはハズレだよ?}
{は、はずれっ!?}
{うんうん、ここで修行すれば数年間・・・
だなんて事は一切ないからね?
時間は普通に流れているからね?}
{・・・ち、ちくしょぉぉぉぉぉぉっ!?}
俺はそう大声で叫びながら駆け出すと、
すぐに息が切れてしまい、その場に蹲ってしまった。
そんな俺に苦笑しながらやって来た陸奥さんは、
ゆっくりとしゃがみ込みながらこう言った・・・。
{・・・話は最後まで聞かなくちゃ・・・ね?
って言うかさ・・・。
まだ何も説明していないんだけど?}
そう念話を送って来た陸奥さんの笑顔は、
何故か盛大に引き攣っていたのだった・・・。
そして更に・・・こう告げた。
{人の話しをしっかり聞かないと・・・。
英二君・・・?
君・・・すぐに死んじゃうよ?}
{・・・へっ?}
驚く俺に陸奥さんは苦笑いを浮かべた時、
俺は聞いてはいけない陸奥さんの声を聞いてしまった・・・。
{下手すると・・・すぐに死んじゃいそうだな~。
でももし、そうなったら・・・。
彼の運命って事で・・・あははは}
笑ってはいるが本音・・・なのだろう。
本人も念話にするつもりがないようだったが、
そう聞こえてしまったものは仕方がない・・・。
俺は土下座の姿勢になると、深々と頭を下げ、
『改めて、宜しくお願いします』と言ったのだった・・・。
ってな事で・・・。
今回の英二のお話はいかがだったでしょうか?
一応『英二の修業編』って事で、
書いて行っているのですが・・・。
前書きにも書きましたが・・・。
6話目をどうするかはまだ決めていません。
それと一応『英二』の話が終われば、
悠斗の話を書いてから『女子~ず』のお話に戻ります。
ってなことで、緋色火花でした。




