表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第三章・冥界編
335/408

閑話・魔と闇・前編

お疲れ様です。


んー・・・。

この寒暖差はいつまで続くのでしょうかね?


さて、今回のお話は・・・。

英二の話で『前後編』となっております。

そしてタイトル通りの話がメインになっております。


それと今回の『登場人物』は『五十嵐 陸奥』です。

なるべく早く画像をアップしますので、

少々お待ち下さい^^



それでは、閑話・前編をお楽しみ下さい。

犬神である桜に何者かに『監視』されていると告げた英二の下に、

桜から紹介され英二のフォローを頼まれた、

『五十嵐 陸奥』と名乗る男が現れた。


82歳だと聞いていた英二だったが、

その男は誰がどう見ても30歳前後にしか見えなかったのだった・・・。


その容姿は高身長で季節は夏にも関らず、

真っ黒なフード付きのロングコートを着ており、

そのコートの中にはまたもや真っ黒なスーツを着込んでいた・・・。


ホテルの部屋の中で、『五十嵐 陸奥』と名乗った男は、

大きな窓辺へと近づきカーテンの隙間から外を眺めていた・・・。


「うむ・・・流石に此処から見える場所には居ないか。

 と、なれば・・・だ。」


そう呟き薄暗くなった部屋を移動すると、

電気をつけ『とりあえず今は心配ないよ?』とそう笑顔を向けて来た。


そんな男に英二は『そ、そうっスか?』とやや安堵の色を見せると、

その男はソファに座り、英二に座るよう促して来た。


「さて・・・指宿英二君?」


「・・・は、はい」


「もう少し気楽に話してもらえると助かるんだけどな?」


そうにこやかに答えた五十嵐に、

英二は『すんませんっス』と苦々しく口を開き、

五十嵐が口を開くのを待っていたが、

一向に話し始めない事に不安になっていた・・・。


「い、五十嵐・・・さん?」


「何だい?って言うかさ・・・、

 まずは信頼してもらう為に、色々と知ってもらおうかと思ってさ?

 だから君が聞きたい事に僕が答えるとしようじゃないか?」

 

そう告げた五十嵐に、英二は『そうっスね』と返答すると、

真剣な眼差しを向けながら話を切り出していった・・・。


「えっと~・・・まず、五十嵐さんは・・・」


そう話を切り出し始めた時だった・・・。

英二の言葉を遮るように五十嵐はこう言った。


「私の事は『陸奥』でいいよ?

 暫くの間、君の護衛役を務めるんだからさ?」


「わ、わかりました・・・」


五十嵐の申し出にやや緊張が解れた英二は、

『改めて・・・』と言うと本題へと入っていった・・・。


「ま、まず最初に聞きたいんスけど、

 ほ、本当に・・・80歳を越えているんスか?

 どう見ても・・・さ、30代そこそこにしか見えないっスよ?

 イケメンで色黒で身体もがっしりしているし・・・。

 それに、陸奥さんと桜さんとの関係・・・。

 その辺のとろこを教えてもらえると有難いっス」


英二の問いに五十嵐は『あはは』と笑って見せると、

桜との関係を口にしていった。


「まぁ~年齢は間違いなく80オーバーだよ?

 ちょっと訳あって今は『人間辞めてる』けどね?

 種族的に言うと~『亜人』って事になるのかな?

 あはははは・・・。

 それと私と桜様の関係は・・・

 私が仕える御方の友達・・・と、言ったところだね?」


「・・・に、人間辞めてるっ!?

 そ、それに・・・あ、亜人・・・ってなんスか?

 意味わかんないんスけど?

 それと・・・仕えてるってっ!?

 一体どこの誰にっスかっ!?」


余りの驚きで目を見開きながらそう尋ねた英二に、

五十嵐は『それはすぐにわかるよ?』と答えただけだった・・・。


その答えに少しぎこちなくも納得した英二は、

すぐさま次の質問に入っていった・・・。


「陸奥さんって・・・まじで一体何者なんスか?

 桜さんから連絡して此処に尋ねて来たのって、

 そんなに時間・・・かかっていませんよね?」


そう言って真っ直ぐな質問をぶつけて来る英二に、

五十嵐は『フフっ』と笑みを見せると、

『君は不器用ながらいつもまっすぐだね?』とそう言った。


その言葉に眉間に皺を寄せた英二は、

やや緊張した面持ちに変わりながら言葉を発した。


「・・・いつもって?

 そんな言い方をするって事は・・・

 陸奥さん・・・。

 俺の事・・・前から知っていたような言い方っスね?」


そう尋ねた英二から放たれる威圧に、

五十嵐は苦笑しながら『まいったね~』と笑みを浮かべ、

大袈裟に肩を竦めて見せた・・・。


「・・・何がっスか?」


『ふぅ~』っと軽く息を吐いた五十嵐は、

真っ直ぐ五十嵐を見えるその視線に苦笑いすると、

『わかったよ・・・』と溜息混じりに答えると、

その問いに対し答えていった・・・。


「君が所属している『魔を狩る一族』と同じで、

 私達もまた『魔を狩る者達』なんだ・・・」


「・・・私達って事は・・・他にも?」


「あぁ・・・。勿論、私以外にも居るよ?

 君達で言うと『神野一族』や『葉月一族』・・・。

 後は『弥勒一族』や『結城一族』・・・とかね?」


五十嵐の口から『魔を狩る一族の家名』が出て来る事に驚いていると、

再び肩を竦めた五十嵐がこう言った・・・。


「何も別段驚く事ではないだろ?

 私達みたいな者達が居なければ、

 日本はとっくの昔に『魔』に喰い尽くされているはずだからね?」


そう答える五十嵐に英二は険しい表情を見せながら、

『そりゃ~そうっスけど・・・』と言った。


「君達は専門的に『魔を狩る』のが仕事・・・。

 でも私達はちょっと違うんだ・・・」


「・・・違う?」


「あぁ、基本的に私達の場合・・・。

 力を持つ者の『監視』が目的なんだよ・・・」


「・・・監視ってっ!?

 えっ!?お、俺達ってずっと前から陸奥さん達に・・・

 か、監視されてたって事っスかっ!?」


驚きからなのだろう・・・。

そう尋ねて来た英二の声は大きくなり、

それに気付いた英二は咄嗟に自分の口を塞ぎ謝罪してきた・・・。


「あははは・・・いいって、いいって・・・。

 そりゃ~驚くのも無理はないし、

 そんな事を突然聞かされたら、誰だって声は大きくなるさ♪」


この五十嵐という男の性格は恐らく『温和』なのだろう。

その言葉1つ1つから人の温かみを感じた英二は、

再び謝罪した・・・。


謝罪し終わった英二は『陸奥さん・・・』と口を開くと、

更に言葉を続けていった・・・。


「力を持つ者達の監視って・・・一体どういう事っスか?」


その質問に五十嵐は躊躇う事もなく表情をゆるませながら、

口を開いていった・・・。


「そうだね~・・・。

 私自身がこうして生身を晒したんだから言うけど、

 特に・・・『神野一族』はかなり監視も強化されてるよ?」


「・・・えっ!?まじっスかっ!?」


「あぁ・・・。例えば・・・」


そう言い始めた五十嵐の目が、

突然真剣なモノへと変わると、英二は緊張感からか、

『ゴクリ』と喉を鳴らした・・・。


「神野涼華や神野沙耶・・・そして神野悠斗君・・・。

 特にこの3名は監視の目も強くなっているんだよ」


五十嵐の口からよく知る人物達の名が出ると、

英二は『ど、どうしてその3人が?』と戸惑っていた・・・。


「はっはっはっ・・・そりゃ~そうだろ?

 『魔を狩る一族の末裔達』ではダントツな力量を持っているし、

 万が一『魔』に取り込まれでもしてみなよ?

 君達ばかりじゃなく、人間にとっても『敵』となるんだよ?

 そんな者達を見逃がしていたら・・・

 間違いなく取り返しがつかなくなるからね?」


口調は優しく穏やかに・・・。

だがその目は間違いなく真実を語っていた・・・。


そんな五十嵐に英二は恐る恐る尋ねた・・・。


「お、俺達って・・・『魔』に取り込まれる事なんてあるんスか?」


「・・・ん?」


「い、いや、だって・・・。

 俺・・・、今までそんな事なかったし、そんな話も・・・。

 それにあいつらって、俺達人間をただ食料にするだけなんじゃ?」


顔色が青くなりながらそう尋ねて来た英二に、

五十嵐は『そっか~・・・君達には伝わっていなかったんだね?』と、

そう意味有り気に答えたのだった・・・。


「・・・ど、どう言う意味っスか?」


「まず最初に言っておきたいのは・・・

 私達は君達と違って『魔を狩る』のが本業じゃないんだ・・・」


「・・・はい?い、いや、でもっ!?」


「君達は何処から来るかもわからない『魔』に対し、

 抵抗し殲滅するのが役目・・・。

 だけど私達はそうじゃない・・・。

 『魔』に取り込まれた者を『狩る』のが本来の役目なのさ」


「ま、魔に取り込まれた者を狩るのが役目?」


英二はそう呟くように言うと、

五十嵐はただ黙って『コクリ』と頷いて見せていた・・・。


そして英二が何かを言おうとした時だった・・・。

五十嵐はその声を遮るように、話を付け足した・・・。


「正確には『魔』ではないんだ・・・。

 正解は『魔』ではなく『闇』なんだよ」


「・・・や、闇?

 ん?で、でも闇って言われてもよくわからないっス」


険しい表情を見せたままそう尋ねてきた英二に、

五十嵐は『何言ってんだよ?』と口を開いた。


「・・・ん?」


「君達は・・・その『闇』とはもう一戦交えたじゃないか?」


「えっ!?や、闇ってのと既に俺達がっ!?」


「あぁ、そうだよ?

 忘れてしまったのかな?

 ・・・『黒蝶』って名の『闇の者』の事をさ」


「げっ!?あ、あいつがっ!?

 あ、あの黒蝶が・・・や、闇の者っ!?」


「あぁ・・・そうだよ?

 黒蝶は間違いなく・・・その『闇の者』だよ」


「・・・・・」


(あ、あいつが・・・あの黒蝶が闇の者だってのかっ!?

 そ、そんな事があるはず・・・って、あれ?

 どうして俺・・・あいつの事を?)


英二は自分が考えていた事に驚くと、

その理由をハッキリさせるべく、五十嵐に話していった・・・。


「む、陸奥さん・・・」


「・・・何かな?」


「魔と闇の違って何んスか?」


「あぁ~・・・そうだね?

 その違いについては説明しておいた方がいいね♪」


そうにこやかに答えた五十嵐は突然空間に穴を開けると、

無造作にその黒い穴の中に腕を突っ込んだ・・・。


そんな様子を見ていた英二は突然『あぁぁぁぁぁっ!?』と、

大きな声を挙げながら身を乗り出し興奮しながら口を開いた。


「そ、それって・・・マジックボックスじゃないっスかっ!?」


「あ、あぁ・・・そ、そうだけど・・・?

 よ、よく知ってるね?」


英二の興奮した形相に引きながらそう答え、

その中から取り出した一冊の書物を英二へと差し出した・・・。


「・・・ん?何んスか・・・コレは?」


「中を見たらわかるんじゃないかな?」


「・・・うっス」


英二は五十嵐にそう促されると書物を開き、

そこに書かれた内容を見て固まった・・・。


「どうだい英二君?

 僕の言いたい事がわかってもらえたかな?」


にこやかにそう英二に尋ねた五十嵐の言葉に、

『こ、これはっ!?』と驚きながら、

英二は『パタン』と書物を閉じ、深刻そうに重い口を開いた。


「・・・陸奥さん」


「・・・どうかした?」


「・・・全然っ読めないっスっ!」


「・・・はぁ?」


「い、いや・・・だからっ!

 よくわかんない文字があるだけで、

 俺には全く読めないっスよっ!」


「・・・えぇぇぇぇっ!?」


英二の言葉に五十嵐はとても驚いているようだった・・・。

何度か英二の顔と書物に視線を行き交わせると、

五十嵐は大きな溜息を吐いたのだった・・・。


「き、君達『魔を狩る一族』にもこの書物は受け継がれているはず・・・

 それなのに知らないってのはどう言う事なのかな?」


頭を抱え項垂れそう言った五十嵐に、

英二は『そんな事言われても・・・』と拗ねて見せていた。


「い、いや、別に拗ねなくてもさ?」


「うぅぅ・・・だって、俺・・・知らないっスもん」


「・・・・・」 


少し間を置いて気を取り直した五十嵐は、

英二の手から書物を手渡されると、

その書物に視線を落としながら口を開いていった・・・。


「コレは魔を狩る者達に残されている書物で、

 そのタイトルはこう書かれている・・・。

 『深淵に巣食う闇』と・・・」


「・・・し、深淵・・・や、闇っ!?」


「あぁ、そうだよ・・・英二君。

 この書物には古来より、突然その姿を現し、

 数百単位で人を攫う者達の事などが書かれている・・・」


「・・・す、数百単位で人を攫うってっ!?

 なっ、なんスかっ!それはっ!?」


『バンっ!』とテーブルを叩きつけながら立ち上がった英二に、

五十嵐はソファーの背もたれに体重を預けると、

眉間に皺を寄せながら、その話の続きをしていった・・・。


「古来とは言っても・・・。

 英二君には想像もつかないほど古い時代だ・・・。

 そしてここに書かれている文字は言わずと知れた・・・

 そう・・・『神代文字』

 英二君もその名くらい聞いた事があるとは思う・・・」


そう真剣な眼差しで英二に問いかけると、

『ヒクっ』と顔を引き攣らせた英二は、

まるで壊れたブリキのおもちゃのように、ぎこちなく首を横に振った。


「・・・し、知らなかった・・・り?」


『コクコクコクっ』


「え、英二君・・・」


「・・・な、何んスか?」


「・・・少しは勉強もしようね?」


「・・・う、ういっス」


『・・・・・』


思わぬ所で躓きを見せた英二に、

五十嵐は苦笑いを浮かべながら話を元に戻し、

『魔と闇』の違いを直接教える事にした・・・。


「魔というのは君達もよく知る『人間を喰らう』獣達の事だ」


「・・・獣達ですか?」


「あぁ、やつらは『ゲート』を利用して我々の世界に侵入し、

 人の持つ生体エネルギーを自分の力に変換し強くなる・・・。

 人間を食べれば食べるほど、その強さを増し、

 再び『ゲート』を利用し帰って行く・・・」


その説明を聞いた英二は難しい表情を見せながら、

小声で『なるほど』と呟くと、再び五十嵐に視線を移した。


「・・・思い当たる事があるようだね?」


「はい・・・ありますね。

 俺達は万が一に備えて『魔』を識別出来るよう、

 特殊な『ビーコン』を撃ち込むんですけど、

 そいつに再び出会った時・・・。

 その『魔』は以前よりかなり強くなっていましたから・・・」


「・・・なるほどね」


「はい、でもまさか・・・帰省本能みたいなモノがあるとは、

 流石に誰も思っていませんでしたよ?

 俺的には単純に逃げ帰ったとだけしか思っていなかったんで・・・」


「まぁ、そうだろうね」


「あの『ゲート』の先が一体何処と繋がっているか・・・

 そんな事はわからない・・・。

 勿論この書物にも書かれてはいない・・・。

 何らかの理由があって帰らねば、

 食べた人間の生体エネルギーを還元出来ない・・・

 そう思い至るようになったんだ・・・。

 英二君もそう思わないかい?

 戦闘中に『魔』がパワーアップしたなんて事、

 今までになかったんじゃないかな?」


五十嵐にそう尋ねられ必死に思い出した英二は、

『確かに』とそう呟くと、戦闘中の事を思い出し口にした。


「・・・戦闘中にヤツらがパワーアップしたって事は、

 一度もないっスね・・・。

 もしそう出来るのなら可笑しいっスもんね?

 自分が殺されるのに力を使わないなんて・・・

 そんな事有り得ないっスもんね?」


「・・・だね」


そう五十嵐が答えた時だった・・・。


ふと英二が五十嵐の顔を見つめると、

険しい表情を見せながら訪ねて来た。


「ってか・・・陸奥さん?」


「・・・今度は何だい?」


「いや、その~・・・ですね?

 その『魔』の事について、

 陸奥さんの仕えている人に聞かなかったんスか?」


そんな英二の単純な質問に、

五十嵐は『はっはっはっ』と笑い始めると、

首を傾げる英二に話していった・・・。


「すまない英二君・・・。

 勿論私も尋ねた事はあるけど、その御方達も首を横に振るだけで、

 答えになるようなモノはなかったんだよ」


「・・・そう・・・っスか」


残念そうに英二は俯くと、

丁度いいタイミングで『ぐぅぅぅ』っと英二の腹が鳴ったのだった。


『ガバっ!』と勢いよく顔を上げた英二の顔は、

ほんのりと赤くなっており、どうやら恥ずかしいようだった・・・。


すると五十嵐がこう提案してきたのだった・・・。


「はっはっはっ!長い間話し込んじゃったからね~?

 そりゃ~当然・・・お腹がすくのは仕方がないさ♪」


「い、いや・・・でもっ!

 お、俺はもっと話の続きが・・・」


慌ててそう話す英二に五十嵐は『いいから、いいから♪』と言って、

笑顔を向けていたのだった・・・。


そしてチラっと壁にかかる時計に視線を向けると、

『23時か・・・』と呟くと、楽し気に英二に声を掛けた。


「なぁ、英二君?」


「・・・は、はい?」


「・・・外に飯・・・食べに行こうか?」


突然の五十嵐の提案に英二は『ま、まじっスか?』と驚くと、

五十嵐はカーテンの閉まる窓を見ながら口を開いた・・・。


「尾行されないように私の『鳥』達が守ってくれるからさ♪」


「・・・鳥?」


英二が訝し気にそう言うと、

五十嵐は先程見せた『針金の輪』をマジックボックスから取り出した。


「・・・見ててよ?」


英二にそう促すと五十嵐はその『針金』を掴み、

あっと言う間にその手には、

鳥の形を模した針金細工が出来あがっていた。


「す、すげー・・・」


素直に五十嵐の手際に感想を述べていると、

人差し指を唇に当てながら何かを呟いていた・・・。


そしてその人差し指を手の中に在る、

『鳥』を模した『針金細工』にちょこんと当てると、

突然その『鳥』が羽ばたき始め、

舞い上がると同時に『ピィェェェー』と鳴いたのだった。


「う、うおっ!?す、すっげーっ!と、飛んだぁぁぁっ!?

 む、陸奥さんっ!?針金で出来た『鳥』が飛んでるっスよっ!?」


「う、うん・・・し、知ってる・・・

 って言うか、英二君・・・僕がソレを作ったの見てたよね?」


「うっスっ!見てたっスっ!

 で、でもコレ・・・凄くないっスかっ!?」


「お、落ち着いて・・・え、英二君。

 そんなに目を輝かせて『凄い』って言われて嬉しいけどさ?

 ちょ、ちょっと落ち着いてもらっていいかな?」


「・・・は、針金で出来てんのにっ!

 な、何で飛んでんだよっ!?

 まじですげーぜっ!

 そう思わないっスかっ!?陸奥さんっ!」


「・・・えっと・・・この子って人の話聞かない系かな?

 ま、まぁ~素直にそう言われると嬉しくはあるんだけど、

 んー・・・ちょっと複雑だな~?」


大いに感動し目を子供のように『キラキラ』させている英二に、

優しい笑みを浮かべた五十嵐が時計を見ながら声をかけた。


「さぁ・・・英二君、もうそろそろ・・・いいよね?

 ご飯に行こっか?」


「う、ういっスっ!

 あっ、でも・・・何処から出るんスか?」


「あぁ~それね?

 勿論・・・堂々と正面から行くんだよ♪」


満面の笑みでそう答えた五十嵐に、

英二は不安げに『だ、大丈夫っスかね?』と答えた。


「あっはっはっ・・・心配する必要はないよ?

 私が作ったその『鳥』には、

 『高位の認識阻害の術式』が組み込んであるから、

 問題なく正面から出て行けるよ?」


「ま、まじっスかっ!?

 うっひょ~っ!まじっスかっ!?」


再び感動していた英二に陸奥は、

その『鳥』を模した『針金細工』を肩に乗せると、

意気揚々と外へと繰り出して行ったのだった・・・。


「さ~て・・・何食べよっかな~♪」


「ハハハ♪期待してくれていいからね~?

 勿論、私のおごりだからさ♪」


「まじっスかっ!?陸奥さん太っ腹~♪

 ゴチになりまーすっ!♪」






ってな事で、今回のお話はいかがだったでしょうか?


英二の回はコメディになりがちですが、

楽しんで頂けたなら嬉しく思います^^


個人的には『五十嵐 陸奥』を気に入っているので、

楽しく書き上げる事が出来ました^^


登録や感想など頂けたら嬉しく思います。



ってなことで、緋色火花でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] その場の緊張感も吹き飛ばす英二君ワールド全開でしたね♥︎ あー、なごむなごむ(^_^) 早くノーブルに来て欲しいものです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ