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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第三章・冥界編
321/404

226話・真意と激昂

お疲れ様です。


いよいよ夏本番ですが、

皆様はいかがお過ごしでしょうか?


緋色はご存知の通り『社畜』ですので、

働いているのですが・・・。


と、とにかく・・・暑いっ!

まじで暑いっ!


クーラーがある場所で仕事させてくれっ!

と、叫び声を・・・まぁ~、そんな事言えないのですがね・・・><


まぁ~『社畜』なもので・・・orz


と、まぁ~愚痴はこれくらいにして・・・。


今回のお話はコメディな感じでありませんので、

ご了承下さい・・・。


そして多分・・・ですが。

活動報告に少しずつではありますが、

登場人物などの絵を載せて行こうかと思っております。


ツイッターなどでは『悠斗と白斗』を載せていますので、

興味がある方は覗いてやって下さい・・・。


もしよければ『いいね』もw



それでは、226話をお楽しみ下さい。

『全てを話せ・・・』

眼光鋭くそう言ったラウルの迫力に、

この場に居た者達はその威圧に驚き言葉にならなかった・・・。


「ラ、ラウル・・・殿?」


天照に名を呼ばれたにも関らず、

ラウルはただ威圧を放ち言葉を発する事はなかった・・・。


その迫力に天照は顔を伏せながらゆっくりと口を開いていった・・・。


「わ、妾がどうして悠斗殿に固執するその理由は・・・」


そう話しながらも天照は緊張の余り『ゴクリ』と喉を鳴らした・・・。


「そ、それは・・・。

 ゆ、悠斗殿の・・・彼女である・・・

 『葉月穂高』の・・・ふ、復活なのじゃ・・・」


『っ!?』


『葉月穂高』の復活・・・。

その名を知る者達は無意識に顔を顰め、

各々反応を示した・・・。


「あ、姉上っ!?ほ、穂高さんの復活って・・・そ、それってっ!?」


「あ、あぁ・・・そうじゃよ」


「そ、そんなっ!?

 そんな・・・そんな事・・・」


『穂高』の正体を知る月読は勢いよく立ち上がりながら、

そして叫ぶように声を挙げ、

姉がしようとしている事に硬直した・・・。


それを驚きの眼差しで見ていたミランダは、

以前、悠斗絡みで調べた時、

その女性の名を知っており険しい表情を見せていた・・・。


(・・・ユウトの死んだ彼女の復活っ!?

 一体・・・どういう事よ?

 どうして神が・・・一個人の復活を目論む必要がっ!?)


そんな表情を見せるミランダに、

肩に乗っていた白斗がその頬に触れた・・・。


(なんや変な話になってきたな~?

 まぁ~そんな話を聞いたら、

 邪神の女神はんも胸中穏やかではおれんはな~?

 それに・・・や・・・。

 その亡くなった彼女の復活と主がどないな関係があるんや?

 こんなん言うたらなんやけど・・・。

 ただの彼女やんか?

 それやのに主が死んで困る理由って・・・何や?

 この間の『神々の会議』でも、そないな話あらへんかったやん?

 なんや・・・神々はまだ何か隠しとるんかいな~?

 なんやろな~・・・色々ときな臭い事になっとんな~)


白斗は険しい表情を見せるミランダを見ながら、

天照や月読に対し冷たい視線を向けていた・・・。


(なんや知らんけど・・・。

 これ以上主に何かしようってんなら・・・

 このワシが許さへんで・・・。

 ワシの命を賭けても・・・阻止したるわ・・・)



各々が様々な感情を抱きつつ、

肩を震わせてながら話す天照を見ていた・・・。


すると今まで無言で威圧を放っていたラウルが、

より一層鋭い眼光を天照へと向け口を開いた・・・。


「・・・天照」


「・・・・・」


「・・・私は言ったはずだ。

 全てを話せと・・・」


再び眼光を鋭くしたラウルの言葉に、

それぞれが驚きを見せていた・・・。


『僕』・・・ではなく『私』と言ったからだったのだが、

それはラウル自身無意識なようだった・・・。


普段のラウルを知る者達はそんな言葉に驚いていたのだった。


「・・・天照」


再びラウルがそう口を開いた時、

天照は観念したかのように『真意』を口にし始めた。



「・・・ほ、穂高の・・・た、魂は・・・

 わ、妾や月読の・・・『姉』である、

 『蛭子(ヒルコ)』なのじゃ・・・」


『っ!?』


天照からその名を聞いたラウルは驚きの余り席から立ち上がり、

その両拳が強く握られていた・・・。


そして月読は顔を伏せながらも膝の上で両拳を振るわせ、

姉が何をやろうとしていたのかを・・・理解した・・・。


(・・・あ、姉上様、それほどまでに・・・)


姉の想いを知った月読はその硬く閉じられた目から、

涙が幾粒も流れ落ち膝の上で震えているその両手を濡らしていた・・・。


「・・・そ、そんな・・・事が・・・?

 そんな事が有り得るはずないだろっ!」


そう怒声を発したラウルは、

目の前に置いてあったカップを薙ぎ払い、

それが地面に落ち『パリン』と音を立てて砕けた・・・。


「ヒ、ヒルコ・・・だとっ!?

 か、神が・・・神の魂がどうして人族に転生するのだっ!?

 そんな事有り得るはずないだろっ!?」


「あっ、あるのじゃっ!

 あるのじゃよっ!ラウル殿っ!」


そう否定するラウルの怒声に天照は席を立つと、

ラウルの足に縋り付き涙ながらに訴えた。


「あるのじゃっ!い、異例中の異例ではあるのじゃが・・・

 確かに・・・『穂高』の中に妾の『姉』の『魂』があるのじゃっ!

 信じてたもれっ!信じてたもれや・・・ラウル殿」


「そっ、そんな事・・・」


予想外の天照の縋り付きと、その真実に・・・

ラウルは激しく動揺し狼狽えていた・・・。


それを見ていたミランダも同様、

視界がグラつき、その事実が受け止められないでいた・・・。


(か、神が・・・人族に・・・て、転生・・・?

 ハハハ・・・い、一体何を・・・何を言ってるの?

 そんなの在り得るはず・・・ないでしょ?)


(ほ、ほんまかいなっ!?

 か、神が人間に転生ってっ!?

 そんな話・・・今まで聞いた事も見た事もあるへんでっ!?

 で、でも・・・その話がもし・・・ほんまやったら?)


天照が話した『真実』に、この場に居た者達全てが言葉を失い、

何処からともなく訪れた『虚無感』に陥っていた・・・。



それぞれが言葉を失くし茫然としていると、

天照は話を続けて行った・・・。


「あ、姉の『ヒルコ』を復活させる為には・・・

 いくつかの条件があっての?

 それらを満たさねばならぬのじゃ・・・」


「・・・条件?」


ラウルが天照に睨みを利かせながらそう言うと、

天照は『コクリ』と小さく頷いた・・・。


「条件の1つ目は・・・。

 同じ星の人間である事・・・じゃ」


「同じ星の人間って事は、

 それはつまり地球の・・・と、言う意味か?」


「・・・そうじゃ。

 同じ星の人間が神々の試練を乗り越えて、

 『人間としての領域』を超えなければならぬのじゃ・・・」


『人間としての領域を超える』

それがどれほど馬鹿げた話か、創造神であるラウルや、

邪神の女神・・・。

聖獣たる白斗にも容易に想像出来た・・・。


「あ、あんた・・・何言うとんねん・・・」


『っ!?』


今まで静観していた白斗がミランダの肩の上で声を挙げると、

その小さな身体から『聖獣』たる神力が溢れ始めた・・・。


「・・・は、白斗?」


肩の上で神力を溢れさせた白斗に、

ミランダが驚きの表情を浮かべて居ると、

その白斗は怒りを堪えながら声を発し、

神に対して静かなる苦言を呈し始めた・・・。


「・・・人間は神にとって我が子同然やろ?

 それを姉を助ける為に人間に試練を与える・・・って?

 なんや・・・それ?

 意味わからんわ・・・。

 それに何であんたらの姉の為に、主が犠牲にならんとあかんねんっ!?

 あんたの身内やろ?

 せやったらっ!あんた自身が犠牲となってっ!

 姉を復活させるのが『筋』とちゃうんかっ!?

 ええ加減にせえよ?

 ワシはこの他所の星に来てからずっと主を見とったんや・・・。

 主は正直・・・アホかっ!?って思うくらい、

 お人好しで・・・せやからトラブルにも巻き込まれて・・・

 そ、それでも主は・・・な・・・」


白斗はこの時、悠斗と今まで過ごして来た時日々を思い出し、

涙を流し言葉を詰まらせながらも悠斗に対する想いを口にした。


そんな白斗の主想いな優しさに、

肩に乗せていたミランダがそっと・・・指先で頭を撫でていた。


「・・・白斗、あんた・・・」


「す、すまん・・・な・・・。

 で、でも・・・ワ、ワシは・・・ワシは・・・な?」


「・・・わかってるって、もういいでしょ?」


「・・・せ、せやかて・・・せやかてな・・・」


「わかったから・・・」


その小さな頭を撫でながら宥めるミランダに、

白斗はただ泣くだけだった・・・。


するとミランダは俯く天照に対して睨みつけると、

『どうしてユウトだったのよ?』と怒りを堪えながらそう言った。


その問いに対しラウルも頷いて見せると、

天照は深く息を吐きながら答えて行った・・・。


「ゆ、悠斗殿に決めたのには勿論理由はあるのじゃ。

 古より『魔』と戦う一族の末裔であり、

 幼き頃よりその才能を見せていた『彼』が、

 人間としての『枠』を超えられる唯一無二の存在だと・・・

 妾はそう核心したからじゃ。

 それに・・・の・・・。

 何の因果か『彼』は『穂高』の恋人じゃ・・・

 彼女の中に宿る『魂』を復活させるのは、

 悠斗殿しかおらぬと思うての事・・・」


そう話す天照に最もこの場で顔を顰めたのが、

創造神ラウルだった・・・。


そのラウルは激しく怒りを爆発させ、

ラウルの足元で涙すを流す天照の襟元を掴み吊るし上げた。


「きっ、貴様ぁぁぁぁっ!」


『うぐっ』


「あ、姉上様っ!?」


「ラウルっ!?」


ラウルの思いがけない行動に傍に居た者達駆け寄り、

吊るし上げられた天照を助けようとしたが、

衝動的に怒りに任せ行動に出たラウルを止める事は出来なかった。


「お、お離してくださいっ!ラウル様っ!?

 あ、姉上が・・・姉上がっ!?」


「ちょっ、ちょっとラウルっ!?

 あ、あんた何やってんのよっ!?

 手を・・・その手を放しなさいよっ!」


そう叫ぶ者達に構う気もないラウルは、

その怒りの衝動のまま怒声をぶつけた。


「貴様っ!この為に私に協力的だったのかっ!?

 身内を復活させる為っ!

 『彼』を・・・悠斗君を私に勧めたのはこの為かっ!?

 答えろっ!天照っ!さっさと答えるんだっ!」


そう激昂しながら問い詰めるも、

天照は襟元を締め上げられている為話す事が出来ず、

呼吸困難へと陥りそうになっていた・・・。


「ラウル様っ!?このままでは姉上が窒息してっ!?

 お、御放し下さいっ!ラウル様っ!」


「あ、あんたっ!いい加減にしなさいってっ!

 わかったからっ!その手を放しなさいよっ!?

 こ、これじゃ・・・話したくても話せないでしょうがっ!」


激昂するラウルにもはや誰のことばも届かなかった。

締め上げ吊るされている天照はこの時、

『自業自得じゃの・・・』と、このまま死を受け入れるつもりで居た。


そんな時だった・・・。


突然背後から『ポンっ』と激昂するラウルの肩に触れる者が居た。


『・・・もうそれくらいでいいんじゃね?』


その声に激昂していたラウルの身体が硬直すると、

咄嗟に天照の襟元から手を離した・・・。


「・・・イ、イザナミ・・・さ・・・ま?」


ラウルが振り向くと当時に、

傍に居た者達も驚きの表情を浮かべ同じように硬直していた。


「ごほっ、ごほっ、ごほっ!

 は、母上・・・ど、どう・・・して・・・?」


咳き込みながら苦悶を見せる天照の目には、

『ピースサイン』をながら見せながら笑みを浮かべる母の姿があった。


『うぇーい♪』


「・・・わ、妾は・・・母上に・・・ごほっ

 こ、こんな所で・・・何をしているのだと・・・

 そう・・・聞いておるの・・・じゃが?」


「何って・・・あーね・・・。

 我が娘を助け・・・に?」


「な、何故・・・首を傾げながらなのかは置いておいて・・・。

 い、一体・・・何用なのじゃ?」


呼吸を整えた天照はそう言いながら立ち上がると、

母に対してそう尋ねた。


「えっ?何っ!?

 助けちゃ・・・ダメだったの?

 あ、あんた・・・そんな趣味がっ!?」


「ちっ、違うっ!違うのじゃっ!

 そんな趣味は妾にはないのじゃっ!

 じゃ、なくてっ!

 妾のした事は神として許されるモノではないっ!

 だ、だからその報いを受ける為に妾は・・・」


勢いよく話し始めた天照だったが、

次第にその勢いは弱まり最後は言葉を飲み込んだ・・・。


「何?なになになにっ!?

 ブチギレてるラウルっちにこのまま殺されようと思ったってのっ!?

 まじか~・・・まじでか~?

 草がてんこもりで生えんですけど~?」


「は、母上にはわからぬのじゃっ!

 『ヒルコ』をっ!妾達の『姉上』を捨てた母上にはわからぬのじゃ!」


「ん~・・・アタシには~・・・わからないね~?」


『っ!?』


母と娘のやり取りをただ茫然と見ている事しか出来なかった者達は、

『イザナミ』の言った意味が理解出来なかった・・・。


そしてそれは天照同様・・・理解出来ずに居た。


「は、母上・・・い、今・・・何と?」


「ん?アタシにはわかんないって言ったんだけど?

 あんた・・・耳遠いの?

 まだ若いのに・・・早めに病院行きなさいよ?」


真顔でそう言ってのけた『イザナミ』に、

天照は軽く眩暈を起こし、それを月読が支えた・・・。


「あ、姉上っ!?だ、大丈夫ですかっ!?」


姉である天照を心配しながら月読は『イザナミ』を睨みつけると、

母に対し抗議を口にした。


「お母様っ!?

 姉上は1人で悩み・・・苦しんでいたんですっ!

 わ、私に相談せず・・・御一人で・・・。

 それが分からないって言うのですかっ!?

 それでも・・・貴女は母親なのですかっ!?」


天照が1人苦しみ抜いて来た想いがわかった月読は、

目に涙を浮かべながら・・・。

目の前で腕組みをし笑みを浮かべ立って居る母親にそう言い放った。


「・・・ん~、やっぱわからないわね?

 3秒ほど考えて見たけど・・・やっぱわかんないわ」


『んなっ!?』


「・・・ってか。

 私は神なのよ?

 始祖たる・・・神っ!

 あんた達・・・自分が一体何者かわかってんの?

 神が創り出すモノなのよ?

 理想を求めて何が悪いってのよ?

 それにそぐわないモノは捨てる・・・当然の事でしょ?

 月読・・・あんたは今まで一体何をしてきた?

 無駄に暴れ・・・命を奪わなかった?

 それとどこが違うってのよ?

 違うって言うのなら・・・言ってみなさいよっ!」


『ぐぅの音』もでないその言葉に、

月読ばかりではなく他の者達も何も言えずに居た・・・。


突如介入して来た『イザナミ』の出現により、

この場が静まり返っていると、

その結界の外から『ドンドンっ!』と、その障壁を叩く者が居た。


「・・・ラ、ラウルっ!ラウルっ!」


「・・・ア、アリエル?」


慌てた形相で障壁を叩くアリエルに、

我に返ったラウルは『イザナミ』を睨みつけていた・・・。


「・・・フフーン♪」


何やら自信たっぷり目に笑みを浮かべるイザナミを他所に、

ラウルは結界を叩くアリエルの下に向かうと、

その結界を解きアリエルを迎え入れた・・・。


「す、すまぬっ!一瞬目を離した隙にイザナミ様のお姿がっ!

 や、やはり此処に・・・」


慌てた様子で謝罪するアリエルに、

ラウルはその肩に手を添え『気にしなくていい』と答えた。


話の途中ではなったがイザナミが乱入した以上、

これ以上の話は出来ないと悟ったラウルは、

この場から解散し各々が歩き始めたのだった・・・。


するとラウルの背後で腕組みをしているイザナミが声を掛け、

歩き始めたラウルを引き留めた・・・。


「・・・私に何か?」


振り向きもせずそう答えるラウルに、

イザナミは『ちょっと待ってっ!今、秒でメイク落とすからっ!』

そう声を挙げると急ぎメイクを落とし始めた・・・。


「やっぱり『閣下』メイクはこの場にそぐわない・・・

 ってか、笑しか取れないし・・・

 でもまぁ~それはそれでウケるって言うか・・・?

 まぁ~別にいいんだけど・・・

 でも・・・アタシ敵にとりま反省反省っと・・・」


ブツブツと言いながらメイクを落とし始めたイザナミに、

ラウルの表情は厳しさを増し、その苛立ちを募らせていると、

メイクを落とし終えたイザナミが『ニヤっ』不気味な笑みを浮かべた。


「・・・何?

 アタシに何か文句でもある訳?

 あるならどうぞ・・・言ったんさいな・・・」


「・・・別に」


言葉短くそう返答したラウルが一歩踏み出そうとした時、

再びイザナミから『待ちな・・・』と威圧を纏った声が聞こえた。


一瞬ラウルの身体が『ビクっ』と反応するも、

振り向く事はせず『まだ何か?』と答えた。


そんな(かたく)ななラウルにイザナミは肩を竦め呆れると、

この場から遠ざかる娘達の姿を見ながら口を開いた。


「あんた・・・そんな態度を私にとってもいい訳?」


「・・・・・」


「・・・処分される覚悟があるって事でいい?」


「・・・えぇ、構いません。

 処分でも何んでもどうぞお好きに・・・」


「・・・そっ」


イザナミに対し背を向けていたラウルの眼光が鈍く『ギラ』つく中、

再びその足を踏み出そうとした時、再び声をかけてきた・・・。


「ねぇ・・・」


三度呼び止められたその声に威圧はなく、

穏やかな声に戸惑いを見せるラウルは思わず振り返った。


「・・・な、何か?」


動揺を見せるラウルに『フッ』と笑みを見せたイザナミは、

誰かが飲み残したカップを手に取ると、

一気に喉の奥に流し込み一息つくと話を切り出して来た・・・。


だが、その話の内容は・・・。

一部の者達を除いて誰も知るはずもないニュアンスだった・・・。


「あんたってさ~?あいつの・・・」


「っ!?」


イザナミがそう話を切り出しラウルが激しく動揺する中、

『イザナミ様ーっ!』と誰かが呼ぶ声が聞こえ、

イザナミはその言葉の続きを発するのを止め歩き始めた・・・。


そして立ち尽くすラウルの傍に来た時、

その硬直するその肩に『ポン』と手を乗せ一言呟いた・・・。


「まっ、ラウルっちも色々と・・・ね?♪

 アタシの娘の事・・・言えないわよ・・・ね~?♪

 うふふふ♪」


そう意味有り気に言葉を残すと、

その場にラウルを残し『アタシを呼んだのは誰~?』と、

楽し気にその場を去って行ったのだった・・・。


『ヒュ~』っと・・・。

立ち尽くすラウルの横を冷たい風が通り過ぎて行ったが、

その苦悶に満ち引き攣った顔と、

強く握り固められた拳が意味するように、

醜く歪んだ表情で声を殺しながら怒声を纏わせた・・・。


『・・・イザナミっ!

 貴様は一体どこまで知っているんだっ!?』



ってな事で・・・。

今回のお話はいかがだったでしょうか?


今回も色々と伏線を張らせて頂いております。


そして今回は天照の真意を回収させて頂きました。

今後の展開を楽しみにして頂ければと思います。


んー・・・とりあえず来週もまた、

ツイッターの方にキャラを載せたいと思いますので、

楽しみにして頂ければと思います。


それと活動報告に乗せるキャラなんですけど、

なるべく早く載せたいと思います。


感想なども聞かせていただければ幸いです。



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「ヒルコ」ですか・・・ すごい展開になってきましたね。 天照の「信じてたもれっ!」のシーンは、普段涼しげな天照の必死さが伝わってきました。 この他にもまだ色々ありそうですね。 キャラク…
感想一覧
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