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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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26話 悠斗達と駄目な騎士達

お疲れ様です。


今日、愛犬を抱えたら・・・腰を軽くやりましたorz

愛犬・・・太ってしまった・・・。

ここ最近のコロナ騒ぎで運動不足だったりします><

少し運動しようと思う今日この頃でした。


ブックマーク及び感想など、宜しくお願いします。


それでは、26話をお楽しみ下さい。

悠斗とグレインは見回り隊を連れ、

助け出した女性を頼んだイリアの元へとやってきた。


「ユウトおかえり、そっちは終わったの?」

「あ、ああ、まぁ、問題ないとは言えないけどね」

悠斗はイリアに目で後方を見て合図した。


「そう。やっぱりそうは上手く行かないものね」

イリアもまた、悠斗にだけ聞こえるように小声で話した。

(イリアのヤツ・・・緊張しているみたいだな。

 まぁ、あんな連中と一緒なら仕方がないか・・・)


「で・・・。眠り姫の様子はどうだい?」

「え、ええ。相変わらず目を覚まさないわ」

悠斗は緊張をほぐそうと、おどけて見せると、

「クスッ」とだけ笑った。

悠斗の気持ちが嬉しかったのだが、現状がそれをさせないでいた。


イリアの傍に居た女性達は、悠斗を見るとイリアを冷やかし始めた。

「イリアちゃん、これでもう寂しくないわね♪」だとか、

「あんたの彼氏中々どうして、いい男じゃないか~」だったり・・・

「私がもう少し若かったらね~・・・持ち帰るのに♪」等と、

イリアの心情を察し、緊張をほぐすのを手伝ってくれる。


悠斗は女性達のパワーに圧倒されていた。

(ははは、持ち帰るって何だよ!)

顔では笑って心で呆れていた。



女性達を交え、談笑する中・・・不意に悠斗の肩をグレインが叩く。

「ユウト・・・来たぞ」

悠斗は黙って頷くと、見回り隊の方へ振り返った。


「隊長さん、女性はまだ目を覚ましていないようです」

見回り隊の隊長は「ズカズカ」と女性の元へ歩み寄ると・・・


「ふむ、この女が助け出した女なのだな?」

「はい」

「ふむ、そうか・・・して、女の傍に居るダークエルフは何だ?」

イリアの事を「何だ?」と言われ「カチン」ときたが・・・


「何だと言われても・・・俺の友達ですが?」

「ほう・・・友達だと?」

「はい、2人で一緒に旅をしていますが・・・それが何か?」

隊長は少し考えるフリをしていた。


(そんなフリしたって、バレバレなんだけどね)

隊長の言葉を待っている時、悠斗の背中にグレインの手が添えられた。

「どう切り出してくるか・・・だな」

「・・・ええ。まぁー予想はつきますよね」

「・・・だな」

2人は小声で話していると隊長がこちらに振り返りイリアを指差すと・・・


「あー・・・実はな、最近この近辺で盗賊が出没していてな

 あー、そのーなんだ・・・その中にダークエルフが居て・・・だな、

 もしかしたらー・・・その女ではないかと・・・な」


(演技下手かっ!もう少し上手く出来ないのかっ!)

悠斗がそう思って顔を引きつらせていると、

グレインも後ろでため息を吐いていた。

(グレインもやっぱりそう思うよな~)


悠斗もグレインも呆れてものが言えなくなっていると・・・


「貴様ら、聞いているのか?で、だ。一度このダークエルフを取り調べるため

 ロックバルに連れて行こうかと思ってな~・・・」

「はい?ロックバルって・・・?」

悠斗は聞いた事がない街の名を聞き返すと、

グレインが後ろからフォローしてくれた。


「よー!隊長さんよー。ロックバルって岩の荒野の、

 まだずっと先にある街じゃねーかー。

 何でまた、こんな所まで出張って(でばっ)て来てんだよ」


グレインの問いに隊長はあからさまな動揺を見せる。

「な、何を貴様!わ、我らは・・・と、盗賊のだな・・・犯罪を・・・」

あからさまに動揺する隊長をグレインが追撃する。

「ほぅ~・・・さっきも言ったが俺は荒波の旅団団長のグレインだ。

 俺は盗賊の話を一度も聞いたことがねぇ・・・

 それに・・・だ、ロックバルの隊が今まで一度も見回りに来たことはねぇよ」


隊長はグレインの話に後ずさってしまう。

「ば、馬鹿な事をい、言うな!それは・・・だな

 アレだ。き、貴様が知らないだけであろう!無礼者めっ!」


隊長が手を上げると、部下達が悠斗とグレインを囲んだ・・・

悠斗とグレインは背中合わせになり様子を伺う。

囲まれた様子を見て、気味の悪い笑みを浮かべると・・・


「ふっあっはっはっ!愚か者共めっ!貴様ら愚民が調子に乗りおって!」

隊長が悠斗達に言い捨てると、イリアの腕を掴んだ。

「いやっ!!」

イリアは隊長の手を振り払うと、悠斗の元へ駆け寄る。

悠斗の背中に隠れると、小声で悪態ついていた。


悠斗は小声でグレインに話しかける。

「話・・・合わせてくれよな」

背中合わせでわからないが、グレインが小さく頷くのを感じた。


「あー・・・隊長さん。ちょっといいかな?」

「ん?何だ貴様、抵抗しても無駄だぞ」

「えっと、今更ながらこんな事を言うのもなんだけどさ・・・

 俺達がアシュリナに来たのは、領主様に呼ばれたからなんだけど?」


突然領主と言う言葉が飛び出し、隊長は慌て始めた・・・。

「なっ!りょ、領主様だとっ!ば、馬鹿な・・・嘘を言うでないわっ!」

隊長が剣に手をかけた時、グレインが薄く笑いながら口を開いた。


「ああ、本当だぜ、隊長さんよー。俺は領主様に頼まれちまってなー

 この2人を迎えに来たんだよ。

 因みに言うとだな~。俺とユウトの両親とはふる~~~い知り合いでな~

 だからこいつらの事をよく知っているんだ」


グレインは大げさに領主と自分の知り合いだと大声で言った。

そしてグレインは悠斗と肩を組んで見せた。

悠斗は思わずグレインを見る。

(おいおい、大袈裟過ぎるだろー!こいつらも馬鹿じゃないんだぞ!)

悠斗はグレインに対し目で抗議するが、「ニヤッ」っと笑うだけだった。


そしてグレインは更に・・・

「剣に手をかけるって事は・・・。

 わかっているんだろうなー隊長さんよ」

グレインの言葉に硬直してしまう。

あからさまに、動揺が隠せない隊長と部下達・・・

(あー・・・馬鹿でしたね。)思わず苦笑する悠斗。


「た、隊長・・・」

「ヤバいですぜ・・・」


悠斗は思わず声に出た部下達の言葉に・・・

(あ~・・・それ言っちゃうんだ。ありえないだろ?)

隊長は慌てていると、部下の一人が声を上ずらせながら悠斗に問う。


「き、貴様・・・。じゃ、じゃーりょ、領主様の名前を答えてみろ!」

その部下の言葉に隊長の顔はニヤつきが戻る。

「そ、そうだ! 言ってみろ!我らに嘘など・・・わかっているのだろうなっ!」

悠斗は隊長の恫喝が聞こえなかったように・・・


「えっとー、サウザー様ですけど?サウザー・アシュリナ子爵です」


悠斗のあまりにも平坦な口調に、見回り隊は沈黙してしまった。

「おーい。聞いてますかー?」悠斗が声を出しても反応がない。

悠斗は「にやり」としていた。

「ふむ・・・これは~アレだな」


悠斗の言葉に?マークになる、イリアとグレイン

「コホン。反応がない!・・・ただの屍のようだ!」

悠斗は一度言ってみたかったセリフの一つだったので、

只今絶賛、御満悦中である。


そんな事とは知らない2人は・・・

「何言ってんだお前・・・?」

「・・・ねぇ、馬鹿なの?」

2人からの反応は悠斗の期待しているモノではなかった。

「ふんっ!これでいいんですぅ~~」と、捻くれる。


そんなやり取りをしていると、隊長が復活してきたので、

再び悠斗が少し口角を上げると、追い打ちをする。


「あー、隊長さん、もし何だったらですね。

 サウザー様を此処にお連れしようかと思っているのですが?」


悠斗の言葉に再び慌て始める隊長。

「い、いやーもう良い!貴殿らの疑いは晴れた!」

汗を「ダラダラ」と流しながら悠斗達から離れ、隊長は部下達を集めた。


その様子を伺いながらグレインが話しかけてくる。

「ユウト、お前な~ほんとに容赦ねーなー!

 見てるとあの隊長が可哀想になってきたぜ」

「ふっ、悪は滅びるのだ!」

腕を組みながら決めポーズを取っていると、イリアに頭を叩かれた。

「いてーよ・・・普通に・・・」

「でしょうね~。さっきからユウトのテンション可笑しくなってるし・・・」

「あっそ。じゃ~まぁーふざけるのは、これくらいにしてっと・・・」


急に真面目モードになる悠斗を見ると

二人共、頭を抱えているポーズを取っていた。


気を取り直したグレイン達は悠斗とこれからの事を話す。

「で・・・ユウト。これからどーすんだ?」

「まぁ、相手の出方次第なんですけどね。簡単な流れなら頭の中で出来てますよ」

「ほ、本当なの?」

「まぁね。んー。簡単に言うと・・・

 あの連中は俺達に金を握らせ追っ払い、

 あの女性を森で殺害し、ヤツらは報酬を得る・・・そんなところかな?」


見回り隊の話し合いを待つ間、イリアとグレインは、この後の事を考える。

「ん~。やはりここはだな、無理矢理にでもあの女性を連れて行くか?」

グレインはイリアの顔を見ると「どうだ?」と、聞いてみた。

「そうね・・・それがいいかも。今ならまだ人がたくさんいるしね」

グレインの問いにそう答えると、2人は悠斗の顔を見た。


2人の顔が「これで行こう!」と、告げてはいるのだが

悠斗は首を横に振る。

「何故だ!」と、グレインは言い

「どうしてよっ!」と、イリアは悠斗に詰め寄る。


「はぁ~?あのさ、こんな人が多い所でもめるとさ、

 周りも巻き込んじゃうぞ?いいのかーそれで?」


悠斗の返答は当然の事だった・・・

もし、巻き込んでしまうと犠牲者がどれだけ出るか・・・。


「じゃー・・・どうするのよ?」イリアは少しむくれながら聞く。

「じゃ、これはどうだ?俺の仲間を使って、あの女性を奪うってのは?」

悠斗はグレインの仲間の手を借りる事も考えていたのだが・・・

「なぁ、グレイン。アシュリナとロックバルって領主の仲はいいのか?」

「あー・・・それな。お世辞にも仲がいいとは言えんな」

「まぁーそんなところだろうね。

 グレインの仲間を使わないのは、万が一があった場合、

 荒波の旅団を巻き込むのは勿論、領主まで巻き込んでしまうからだよ」


悠斗はそう答えつつ、見回り隊の動きに警戒している。


もったいぶった言い方をする悠斗にグレインがしびれを切らす。

「なぁーユウト!じゃー俺達はどうするんだよ?

何か手があるなら教えろよ!」


悠斗は少し面倒臭そうにすると・・・。

「はぁ~、そうだな・・・。

 ここは素直にお金をもらいアシュリナを目指し・・・」

悠斗の言葉の途中で絶句する2人。


「て、てめぇー!ユウト!お前はそんなヤツだったのかっ!

お前なら、この状況をどうにかしてくれると思ったんだがな!

がっかりしたぜ!」

「どうしてよっ!急にどうしたのよっ!そんなのユウトらしくないっ!」


2人は見回り隊の事を忘れて大声で抗議する。

見回り隊の全員が悠斗達を見てくるが、すぐに話に戻る。


悠斗は耳を抑えしゃがみ込む。

(らしくないって・・・なんだよ)

大声が終わったのを確認すると立ち上がると・・・

「二人共、落ち着けよ。それと・・・人の話は最後まで聞こうなー?

先生、そういうのはダメだと思います!」


悠斗は白々しくそう言ったのだが、

当然、地球ではないので・・・そのギャグは通じない。

2人は黙ってしまい、どう反応していいか迷っていた。


「コホン。えっとーですね。もう一度言うけどさ、

 人の話は最後まで聞け!・・・ここまではOK?」


2人はお互いの顔を見ると、悠斗に質問する。

「ユウト・・・OKって何?」

「はい?・・・まじか・・・。

 えっとー。「いいですか?」って言う意味ですっ!」

「「OK」だ」です」

悠斗の妙な迫力に思わず言ってしまう2人。


「まぁ、話を続けると・・・まず、金を受け取りこの場を去る。

 それからスキルを使って後をつけて・・・」

悠斗は2人を見ると真剣に聞いていたので、少し笑ってしまいそうになった。

何故なら、あまりにも真剣に・・・そして、まるで子供のように

悠斗の話を聞いていたからだった。


「で・・・。ん~・・・ここからは状況によるかな?

 だからまず・・・相手の出方を伺う。

 これでいいかー?」

「お、おう!OKだ!」

「OKよ♪」

(ふむふむ、もう異世界言語を使いこなすとはっ!)


どこかやっぱり、余裕のある悠斗だった。


見回り隊は、色々と話し合ったが・・・

結局いい案が出ず、悠斗達に金を握らす作戦に出ることにした。

悠斗達を見る眼差しは、とても気持ち悪い笑みだった。


(あー・・・あまりにもバレバレだよ。もっとあるだろ!

この騎士達・・・まじ・・・駄目だ。)


っと、見回り隊を見て思う今日この頃な悠斗でした。

 

 







 

ラウル ・・・ ふっふっふっ・・・ここが僕の居場所だぁぁ!!

ミスティ ・・・ ラウル様、騒がしいようですが何か?

ラウル ・・・ いや~ね。ここが僕の居場所なんだな~ってさ♪

ミスティ ・・・ はい?違いますよ?

ラウル ・・・ 此処が僕の居場所なんだっ!

ミスティ ・・・ 分かりました。  (コツコツコツコツ)

ラウル ・・・ あれ?何処かへ行ってしまったな・・・

ラウル ・・・ 早く閑話の世界も取り戻さなくてはっ!

        (コツコツコツコツ)

ラウル ・・・ あっ、戻ってきた。

ミスティ ・・・ では、此処が居場所だと言うのなら・・・

         (ドサッ!!)

ミスティ ・・・ 書類の束をお持ちしましたので、頑張ってくださいね?

ラウル ・・・・ ノ、ノーーーーーーーー!!!!


ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 被害最小限を考える悠斗君は偉いですね。 リーダーの器ですね(感心) 職場でリーダーポジションにいる自分としては、見習わねば、と思ってしまいました。 小説や漫画やアニメから学ぶこと多いです…
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