218話・刻まれしモノ
お疲れ様です。
出張続きで体力の限界にきている緋色で御座います。
ここ最近プライベートが一切なく、
ウダウダと仕事に飲まれておりました・・・。
さて今回ですが・・・。
ある方からヴァンの容姿などを聞かれたのですが、
前回はボカしておりました・・・。
その理由は・・・。
今回読んで頂ければ・・・と、思います^^
それでは、218話をお楽しみ下さい。
南雲と黒犬が話し合う中・・・。
悠斗達は『擬体』について話し合っていた・・・。
そしてその話のきっかけとなったのは、
そう・・・『素体』のままで居るヴァンに質問したからだった・・・。
「なぁ~ヴァン・・・ちょっと聞きたいんだけど、
その腕・・・?翼?それって邪魔にならないのか?」
「あぁ~・・・コレか?
コレは複翼って言ってな?
高速移動する時に使う翼なんだ・・・。
だから必要のない時は折り畳んでいるんだ」
悠斗は『複翼』を簡単に出し入れするその左腕を見て、
とても興味深そうにしていた・・・。
「じゃ~さ・・・メインとなる翼は?」
「翼はちゃんと背中にあるぞ?
お前達にも分かりやすく言うとだな・・・。
肩甲骨から俺の翼は生えている。
もちろん・・・『人型』の時も収納可能だ」
「・・・べ、便利~♪」
一通り質問し終えたところで悠斗はふと気になった事があり、
そんな態度を見せるヴァンは少し顔を引き攣らせながら聞いた。
「・・・ん?な、何だよ?」
「・・・なぁ~、ヴァン?
お前はどうして擬体なんかに入っているんだよ?」
「・・・何でって、そりゃ~・・・」
悠斗の質問に困り顔を見せたヴァンは、
『やれやれ』と溜息を吐くとその口を開いていった・・・。
「・・・理由はまぁ~・・・色々とあるんだが・・・。
1つは『神界の神族』とは違って『冥界の神族』は、
その姿形が『異形』である事が多いんだ・・・」
「・・・異形?」
「あぁ・・・。要するに『人型』ではないタイプが多い・・・」
そう答えるヴァンに悠斗はライトニングの、
あの『長方形の瞳』を思い出した・・・。
「でもさ?ライトニングさんって・・・人型だろ?
瞳は流石に怖くは感じるけど・・・」
そう言った悠斗はやや渋い表情を見せると、
ヴァンは『わかってないな~』と言い始めた・・・。
「言っておくがユウト・・・。
ライトニングの本当の姿は・・・『山羊』だぞ?」
「・・・はい?」
「で・・・だ。
改まって言うのもなんだが・・・。
このスタークはライトニングの血縁にあたる・・・」
悠斗はそう言われると『いやいやいやいや』と反論し始めた。
「羊と山羊は違うだろっ!?」
「・・・同じだぞ?」
「・・・まじか?」
「あぁ・・・。お前が居た星系ではどうだか知らないが、
俺達の常識じゃ・・・。
『ウシ科ヤギ亜科』で特徴が少し違うだけで、
別段何ら変わらんぞ」
「・・・知らなかった」
悠斗は首を傾げるスタークを見ながらそう言うと、
『じゃ~・・・』っと話を続けた。
「・・・ライトニングさんの素体って・・・
ま、まさか・・・?」
「・・・ま、まぁ~素体について俺は何とも言えないが、
お前が思っている通りだと思っていいんじゃないか?」
「・・・ま、まじか」
頭の中で悠斗が何を思い浮かべていたかは分からないが、
一応の納得はしたようだった・・・。
だが悠斗はそう話すヴァンを再び見ると、
『あのさ~』っと再び声を挙げた・・・。
「お前が『鳥』って事は・・・
その身内であるヴァマントやサンダラーも『鳥』なのか?」
「と、鳥って・・・お前な~?」
素朴な疑問ではあるが悠斗のその質問に、
ずっと黙っている虎恫も小さく頷き興味を持っていたようで、
小声ながら口を開いた。
「ヴ、ヴァン・・・。
ず、ずっと言い辛かったんだが・・・」
「な、何だよ?」
「お前のその素体からして・・・」
「・・・・・」
「ひょっとしてお前って・・・
『ヘビクイワシ』ってヤツじゃないのか?」
『ヘビクイワシ?』
虎恫が言った『ヘビクイワシ』を知らない悠斗が首を傾げると、
ヴァンに好奇心剥き出しの視線を向けて来た・・・。
「ヘ、ヘビクイワシっ!?
ヴァン・・・お前・・・蛇を食うのかっ!?
って言うか・・・そんな『鳥』が居るのかっ!?」
「・・・なっ!?」
「ヴァンはヘビを食べるメルっ!?」
悠斗だけではなくスタークも興味を持ったのだろう、
その熱き視線は悠斗と同じモノだった・・・。
「お、お前までっ!?
って言うかスターク・・・」
「・・・メル?」
「お前・・・俺がヘビを食べるのを見た事あるか?」
「・・・・・」
ヴァンにそう問われたスタークは、
暫くの間空虚を見つめ考え込むと・・・。
「・・・ないメル」
「・・・だろ?」
そんな姿を一度も見た事がない事を思い出したスタークは、
とても不満そうな表情を浮かべていた事に、
ヴァンは『何でがっかりしてんだよ?』と呟いていた。
そんな会話を聞きながら、
悠斗は笑みを浮かべると同じように笑う虎恫にこう言った・・・。
「しかし虎恫・・・。
『ヘビクイワシ』なんて『鳥』をよく知っていたな~?」
単純な・・・質問だった・・・。
何気ない悠斗の質問に虎恫は『はっはっはっ』と笑うと、
悠斗も思いがけない言葉を聞く事になった・・・。
「・・・あぁ~その『鳥』の事はだな?
『ヨウツベ』でたまたまその『鳥の動画』を見て、
俺も知ったんだよ」
「っ!?」
「ん?何だユウト・・・?」
笑みを浮かべながらそう言って懐かしい表情を見せた虎恫に、
悠斗が纏う空気が一瞬にして変化すると、
後方に飛んだ悠斗は腰に携えた『刀』に右手を添えた・・・。
「お、おいユウト・・・一体どうしたんだよ?」
そう訝しげにそう言った虎恫同様、
唖然としたヴァンとスタークも声を発した・・・。
「おいおい・・・ユウト・・・。
突然何だよ?」
「・・・ユウト、どうしたメル?
お前の雰囲気が・・・」
突然豹変した悠斗に誰もがそう声を挙げるも、
虎恫に対し殺気を放っていたのだった・・・。
「ユ、ユウト・・・何だってんだ?
か、勘弁してくれ・・・」
流石に虎恫も悠斗の変化に焦ったのか、
両手を上げ戦う意思が無い事を見せるも、
悠斗のその態度は何一つ変わらなかった・・・。
そしてその態度に苛立ちを見せたヴァンは、
『いい加減にしろっ!』と殺気立つ悠斗に声を荒げると、
より一層険しい視線を見せた悠斗が呻くように口を開いた・・・。
『・・・虎恫・・・お前・・・。
地球に・・・居たのか・・・?』
悠斗の問いに虎恫は『一体お前は何を言って?』と声に出すと、
一瞬にして『ハっ!?』となった虎恫の顔色が変わった・・・。
「・・・日本に居たのか?」
悠斗の声は虎恫を芯から凍えさせるには充分だった・・・。
そしてその殺気はヴァンと戦った時にも見せていないモノであり、
離れた場所で話していた『南雲と黒犬』にも、
『異変』を感じさせるモノだったのだ・・・。
「悠斗のヤツ一体どうしたのじゃっ!?
こ、この殺気は・・・じ、尋常ではないぞっ!?」
凄まじい悠斗の殺気に驚きの声を挙げた南雲は、
咄嗟に駆け出そうとするも、ソレを黒犬が止めたのだった・・・。
「待て・・・南雲よ」
「なっ!?ど、どうして止めるのじゃっ!?
あ、あやつの殺気は尋常ではっ!?」
南雲の肩を掴んだ黒犬のその手に力が加えられると、
『うぐっ』と南雲は呻き声を挙げた。
「・・・もう少し待て。
あの状態の『孫殿』ならば・・・もしや・・・」
何かを期待するかのようにそう言った黒犬に、
南雲はただ顔を顰めるしかなかった。
様子を見守る事となった『南雲と黒犬』を他所に、
悠斗の殺気はやがて・・・
『霧状の赤銅色』をその『擬体』である身体から立ち昇らせた。
「ユ、ユウト・・・」
悠斗が『霧状の赤銅色』を立ち昇らせたと同時に、
虎恫の額からは汗が滴り落ち始め、
その強烈な殺気にヴァンとスタークまでもが息を飲んでいた。
「虎恫・・・もう一度聞く・・・。
お前・・・日本に居たのか?」
静かな口調ではあったものの、
その張り詰めた空間が身動き一つする事さえ許さなかった。
「ま、待て・・・ユウト・・・お、俺は・・・」
「・・・さっさと話せ」
「い、いや、だから・・・」
「・・・じゃあさ」
そう言った悠斗の右腕に力が入った瞬間、
悠斗は虎恫の眼前から姿を消し、
気付いた時には目の前にヴァンの背中が立ち塞がっていた。
『ガキンっ!ギチギチギチ・・・』っと、
ヴァンは2本のロングソードを抜くと、
鬼気迫る悠斗と鍔迫り合いをしていた・・・。
「ユ、ユウト・・・お、落ち着けっ!」
「どけっ!ヴァンっ!」
「・・・い、一体お前・・・どうしたって言うんだっ!?」
虎恫には眼前で起こっている事がわからず、
状況を理解出来ずに居た・・・。
「お、おい・・・ヴ、ヴァン・・・?」
「こ、虎恫・・・。
悪いが今・・・お前は口を開かないでくれっ!」
「・・・えっ?」
ヴァンの声に虎恫の動揺は止まる事無く狼狽えていると、
スタークの荒げた声が耳に届いた。
「虎恫は早く離れるメルっ!」
「・・・い、いや、でも・・・どうして?」
「しっかりするメルっ!」
『ドスっ!』と虎恫の腹にスタークの強烈な蹴りが放たれると、
『うぐっ』と呻き声を挙げ蹲った。
(なっ、なんて・・・力だ・・・。
ど、どこにこんな力がっ!?)
「ス、スタークっ!こ、虎恫を・・・」
「わかったメルっ!」
その小さな身体にどれだけの力が・・・?
そう思わせるほど蹲った虎恫の身体を持ち上げると、
少し離れた場所まで担いで行った・・・。
「お前はここから動かない方がいいメルっ!
ヴァンが突破されたとしても・・・俺がお前を守るメルっ!」
小さな背中を見せたままそう声を挙げたスタークは、
緊急時に備え徐々に・・・その体毛を赤くしていった・・・。
『ギチギチギチギチ・・・・』
「ユ、ユウト・・・頼む・・・から・・・落ち着いてくれっ!」
「五月蠅いぞっ!ヴァンっ!
お前達がこの話に入って来るなよっ!
関係ないだろっ!?」
そう言って鍔競り合いをする悠斗は顔を上げると、
擬体であるはずのその瞳が・・・
『赤く縦に割れていた』のだった・・・。
「お、お前っ!?そ、その瞳は何だっ!?」
「・・・何の事だよ?」
「ユ、ユウト・・・お、お前は今・・・
自分が一体どういう状況か・・・わかっているのかっ!?」
一瞬悠斗が『ん?』と呟くも眉間に皺を寄せると、
『はぁぁぁっ!』と声を放ちながら更に『鬼の気』を放出し始めた。
『ギチっ!ギチギチギチギチっ!』
「ぐぁぁっ!お、押さ・・・れ・・・る・・・
な、何て・・・力・・・だっ!?」
「どけぇぇぇぇっ!」
悠斗が抵抗し譲らないヴァンに声を張り上げた瞬間、
『バシュっ!』と『霧状』だった鬼の気が、
『爆炎』の如く猛り、
やがてその『爆炎の鬼の気』はヴァンの両腕を飲み込んだ。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
『ヴァァァンっ!?』
『ジュゥゥゥゥゥ』
その『爆炎の鬼の気』に両腕を飲み込まれたヴァンは、
激痛から来る悲鳴を挙げた・・・。
そしてその声に後方で警戒していたスタークは危険を感じとると、
焦りの声を挙げた。
「ま、まずいメルっ!?」
ヴァンのピンチにスタークは虎恫へと振り返ると、
『・・・お前は此処に居るメルっ!』と言って駆け出した。
「ユウトォォォォっ!もう止めるメルーっ!?」
体毛を完全に真っ赤に染め上げたスタークは猛然と突進し、
『爆炎の鬼の気』に飲み込まれるヴァンを強引に引きずり出した。
『ドサっ!』と地面に転がったヴァンの両腕は焼けただれ、
その両腕にあったはずの『複翼』は、
見事に焼失していたのだった・・・。
「こ、これは・・・ひどい・・・メル」
「ぐぁぁぁ・・・」
地面に転がっているヴァンは、その激痛に呻き声を挙げ、
それを見たスタークは怒りに顏を歪ませていた・・・。
「ユ、ユウト・・・いい加減に・・・するメル・・・」
唸るように悠斗へと向き直りながらそう言ったスタークは、
『爆炎の鬼の気』の中で見た悠斗の表情により一層顏を歪めた。
「・・・な、何て顏してるメル?」
惜しみなく放出される『爆炎の鬼の気』の中で、
悠斗は冷笑を浮かべ、その縦に割れた瞳が妖しく光っていた・・・。
「・・・お前も邪魔をするなら・・・焼くぞ?」
「・・・ユウト、お、お前は・・・もう・・・」
対峙する悠斗とスターク・・・。
そしてそれをただ見ていた南雲は呻き声を挙げていた・・・。
「こ、これが・・・悠斗の・・・力とでも?」
南雲の震える声に黒犬は冷静に口を開き、
その見つめる3つの目は、そんな悠斗を捉えて離さなかった・・・。
「いや・・・今の状態はただ『暴走』しているだけだろ?
だが・・・こやつのポテンシャルはやはり・・・」
「く、黒犬様・・・わ、儂はもう・・・」
「あぁ・・・わかっている・・・南雲よ。
流石にこのままでは・・・まずいからな~・・・クックックッ」
この危うい状態を目にしても、
黒犬はそう笑い何処か余裕を見せていたが、
そんな態度に南雲は険しい表情を見せた・・・。
「く、黒犬様・・・。
まさか・・・儂を止める事など・・・?」
「あぁ、止はしない・・・。
逆に俺もあやつを止める事に力を貸そう・・・。
『孫殿の魂に刻まれしモノ』が見られた今・・・。
このまま放置しておく理由もないからな~?」
『魂に刻まれし・・・モノ?
黒犬様・・・それは一体どういう事ですじゃっ!?」
「・・・南雲よ。
今はその話は出来ぬのだ・・・すまぬ」
「・・・うぐぐぐ」
何かを知っている『黒犬』に問い質そうとしても、
この状況ではそんな時間などなかった・・・。
南雲は黒犬の理不尽さに唸りながらも、
今はこの状況を打破するしかなかったのだった・・・。
頭を切り替えた南雲は豹変する悠斗を見据えると、
『・・・参りますじゃっ!』と声を挙げ駆け出し、
『おうともっ!』と声を挙げた黒犬は追従した・・・。
南雲に追従する黒犬は念話を飛ばし忠告した・・・。
{南雲よ・・・貴様は『死神モード』になり、
『孫殿』を引き着けろ}
{し、死神モードにっ!?}
{あぁ・・・死神モードなら『アレ』の相手・・・出来るだろ?}
{そ、それほどにっ!?}
南雲は眉間に皺を寄せながら、
前方で鬼の気を噴き上げている悠斗を見ると覚悟を決めた・・・。
『・・・死神モードっ!』
そう声を発すると南雲の身体は『スゥ~』と消え、
刹那の間に真っ黒いフードを被り、
大鎌を携えた『死神』へとその姿を変え『髑髏』の顏を覗かせた。
そして音もなく荒れ狂う悠斗へと接近した南雲は背後へと忍び寄ると、
『悠斗ーっ!』と声を張り上げながらその大鎌を振りかざした。
『っ!?』
『ガキンっ!』
間一髪・・・。
『死神』とその姿を変えた南雲の大鎌を悠斗が『刀』で受け止めると、
再びその背後から黒犬の渋い声が聞こえた・・・。
『悪いが少しその動きを止めさせてもらおうか?』
『ちっ!』
背後を取った黒犬はすぐさま行動に出た・・・。
その太い両腕の掌を悠斗のがら空きとなった背中に当てながら、
冥界の青紫の神力を両腕に纏わせ声を挙げた。
『黒門籠城陣っ!
南雲っ!そこから離れろぉぉぉっ!』
「うむっ!」
黒犬から発せられたその声に応えるように、
悠斗の背中に『黒い犬の横顔』が現れると、
その四方から突然『真っ黒い門』が地中より姿を現し、
『バタンっ!バタンっ!バタンっ!バタンっ!』と音を立て、
出現した『黒い門の扉』が閉まった・・・。
すると悠斗の頭上に大きく黒い瓦葺の屋根が出現すると、
まるで封印するからのように頭上を塞いだのだった・・・。
「よしっ!これでいいだろう・・・。
ご苦労だったな・・・南雲」
『ふぅ~』っと安堵の息を漏らした南雲は、
黒い四つの門に封印されている悠斗に向けて口を開いた・・・。
「お前の力は一体・・・?」
そう口を開くもその四つの『黒い門』からは一切の音がなく、
中の様子は南雲には分からなかった・・・。
「フフフ・・・心配するな、南雲よ。
な~に・・・少しばかり『孫殿』には頭を冷やしてもらうだけだ」
ニヤついた顔を見せながらそう言った黒犬は、
未だ地面で苦悶に身を捩らせているヴァンの元へと向かうと、
その火傷の酷さに流石の黒犬も顔を顰めた・・・。
「・・・想像以上にひどいな」
そう呟いた黒犬がヴァンの身体を起こそうとした時だった・・・。
『・・・クンっ』と黒犬の鼻が鋭敏に何かの匂いを嗅ぎ取ると、
この場に居る全員に厳命した。
『おいっ!お前ら・・・。
ヴァンの身体に絶対に触るんじゃないぞっ!』
『えっ!?』
その言葉の強さに一同が『ビクっ』と反応した。
そしてその表情を見た黒犬は言葉をこう続けた・・・。
『予想しなかったモノで焼かれたようだ・・・。
コレは・・・『感染する火傷』だ』
その聞き慣れない言葉に南雲は説明すねよう求めて来ると、
黒犬は『確証はないが・・・』と口を開いていった・・・。
「かなり昔の話だが・・・。
とある『鬼神様』に聞いた事があってな?
その時聞いた話から・・・恐らく・・・。
『鬼黒炎』と言う『炎』で焼かれたモノかもしれん」
『鬼黒炎』なる『炎』によって、
ヴァンの両腕が焼かれたと黒犬はそう言ったのだった・・・。
「な、なんですか・・・その『鬼黒炎』と言う『炎』はっ!?」
そう声を挙げた虎恫に黒犬は無言で掌を向けると、
『もし、そうならコレは俺の手には負えんな』と呟き、
『とある者』に緊急である事を念話で飛ばした。
そしてその『とある者』から返答が帰って来ると、
『お次は冥王への報告だな・・・やれやれ』と呟いた。
そして黒犬は念話を通してサンダラーへと報告すると、
事の重大さを確認した冥界の王は、
医療班と共にこちらに向かうとの事だった・・・。
その間にも苦しむヴァンをただ見る事しか出来ない黒犬は、
少し渋い表情を浮かべながらこう呟いた・・・。
『もしかしたら・・・あいつなら・・・。
『卑弥呼』なら・・・なんとか・・・』
そう呟いた黒犬に南雲は双眼を大きく見開き驚愕していた。
ってな事で・・・。
ヴァンの容姿などについてはおわかり頂けたかとw
『ヘビクイワシ』をご存じない方は、
・・・動画などでw
『掛川花鳥園』で緋色も見学させて頂きました^^
面白いと思って頂けたのなら、
登録や感想のほど宜しくお願いします。
ってなことで、緋色火花でした。




