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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第三章・冥界編
303/407

208話・もう無理っ!

お疲れ様です。


ほんの僅かではありますが、

仕事が落ち着き・・・正確には1つ減っただけですがw

『脳のバグ』も落ち着いてきましたw


さて今回ですが・・・。

そう・・・ネタバレ回となっております><

いくら脳がバグってたからと言って・・・。

ぐぬぬぬぬ。


まぁ・・・そんな回ですw


楽しんで頂けたなら幸ですが、

感想や登録など頂けたなら大変嬉しく思います^^


それでは、208話をお楽しみ下さい。

悠斗とライトニングの激突を喰い止めて見せた『女帝と王』


気絶する悠斗が目覚めるのを暫く待っていた時の事だった・・・。


ヴァマントはライトニングに『ジト目』を向けながら、

隣で恐縮する男に呆れながら声を掛けていった・・・。


「それにしても何んだね~・・・ライよ」


「・・・は、はい」


「貴様ほどの者が一体どうしたのよ?」


そのヴァマントの声にライトニングは、

『・・・何と申しましょうか』と冷や汗を滲ませながらそう言うと、

荒れ果てた地面に腰を降ろしながら話しを続けた。


「貴様の事だから今後の為にって事で、

 この坊やの実力を計ろうとしたんじゃないの?」


「・・・・・」


その問いが図星だったのか、

ライトニングは押し黙って見せると呆れた表情を浮かべた。


「・・・冥界の破壊者が事も在ろうにさ~

 こ~んな坊やにほんの少しとは言え、

 本気になっちゃうんだから・・・ったく~・・・

 一体何やってんのよ?

 それとも何~?この坊やにはそれだけの力が在るっての?」


ヴァマントの問いにライトニングの顔に一瞬であるが、

緊張からの力みが見て取れると、

『冥界の女帝』の表情が強張ったのだった・・・。


「ちょ、ちょっとっ!ライっ!?

 ま、まさか・・・よね?」


「じ、実は・・・」


俯き汗を滲ませるライトニングの反応に、

ヴァマントは驚きの余り立ち上がりその肩を掴んだ。


「ちょっ、ちょっとっ!ほ、本当なのっ!?

 本当に貴様の血をざわつかせることがっ!?」


「・・・ま、誠にい、遺憾ながら・・・」


そう口を開いたライトニングは、

事の説明をしていくと、ヴァマントは力なく地面に腰を落した。


「あ、赤い・・・霧状の鬼の気・・・?

 な、何よ・・・ソレ?

 絶からもそんな話・・・聞いてないんだけど?」


「さ、左様で御座いましたか・・・。

 もしかすると彼のその力の事を、絶様も御知りにならないのでは?」


そうライトニングが言うものの、

ヴァマントは『鬼神である『絶』が知らないなんて事あるの?』と、

そんな言葉が漏れ出たのだった・・・。


「絶は確か『隔世遺伝』と言っていたけど・・・

 今の坊やって魂だけの存在なのよ?

 細胞なんてモノ・・・持ち合わせてる訳ないでしょ?

 それなのに・・・鬼の気?

 全くもう・・・意味わかんないわ」


「はい、正直・・・この(わたくし)もわかりかねます。

 ですから私はソレを確かめようとしたのですが、

 それを確かめる事も出来ず血がざわめいてしまいまして・・・」


「はぁ~・・・」


悠斗の力に関して何の手がかりもない事に、

ヴァマントとライトニングは溜息を吐くしかなかった。


そしてヴァマントは気絶している悠斗に視線を向けると、

『この坊やは一体何者なのよ?』と呟いた。



暫くして『ぜぇぜぇ』と荒い息をしたサンダラーが戻り、

姉に対し一通り愚痴を言い終わると、

顔色の優れない『女帝』と『破壊者』に、

その理由を聞いたのだった・・・。


そしてその理由を聞いたサンダラーは驚きの表情を浮かべ、

自らも目の前に居る2人と同じような表情になると・・・。


「・・・ま、まじか?

 こ、このガキって・・・そ、そんなにっ!?」


「・・・えぇ」


「はい」


「このガキって・・・

 ま、まさか、あ、兄貴を越えるほどの器だとっ!?」


そう言いながらライトニングに厳しい視線を向けるも、

ただ『はい』と答えるだけだった。


「・・・それが本当なら・・・よ。

 兄貴が創った擬体じゃ・・・役不足って事か?」


サンダラーの疑問に眉間に皺を寄せたライトニングは、

肩を落としながら無言で頷いた。


「一体何なんだよ・・・このガキは?」


「・・・私が知る訳ないでしょ?

 って言うか・・・わからない事だらけなのよっ!」


何とも言えない表情を浮かべた『女帝と王』に、

ライトニングは横たわる悠斗をじっと見つめながら口を開いて行った。


「まさか器であるこの擬体のポテンシャルを凌駕するとは・・・

 正直信じがたいのですが・・・

 しかし私はそれをこの目で見て体感しておりますので、

 ユウト様にはこの擬体では役不足やも・・・しれませんな」


『っ!?』


ライトニングの言葉に『女帝と王』は激しく驚いた。

何故ならライトニングが敬愛し誰よりも信頼している主・・・。

ユウナギの製作した擬体の事を、

『役不足』と言ってのけたからだった・・・。


「・・・どうかされましたか?」


平然とそう答えるライトニングに、

2人は瞬きを数回して見せると声を挙げた。


「お、お前がそんな事言うなんてっ!?」


「・・・はて?どう言う意味でしょうか?」


「ラ、ライ・・・。

 貴様が敬愛するユウナギ様の創ったモノに対し、

 『役不足』だなんて・・・」


ライトニングは2人の声に首を傾げて見せると、

『ふむ・・・』と声を置くと、その口を開いていった。


「私は我が主を敬愛もし尊敬し畏怖しております・・・。

 ですが今回のこの事象は紛れもない事実であります故、

 それを認めこの事象をユウナギ様にご報告するのが、

 この執事たる私の務めかと・・・」


真顔でそう言ってのけたライトニングに、

『女帝と王』はただ頷く事しか出来なかったのだった・・・。



そしてライトニングは『しかしなんですな~?』と、

そう言葉を続けようとした時だった・・・。


『んんっ・・・』と目を覚ました悠斗によって、

続くはずの言葉が遮られてしまった・・・。


「おや?お目覚めになられましたな♪」


『あ、あぁ・・・』


2人がそう声を挙げた時、

身体を起こした悠斗は現状が理解出来ず首を傾げていた。


「・・・えっと~」


「ユウト様・・・ご気分はいかがでしょうか?」


微笑みながら悠斗の元へとやって来たライトニングに、

『・・・び、微妙』と複雑そうな笑みを浮かべた。


「ほっほっほっ♪実に愉快な御方ですな~♪」


ライトニングがそう言って笑い声を挙げると、

『坊や・・・』とヴァマントが声を掛けた。


そして一通り状況を説明し終わると、

ユウナギが製作した擬体の具合を聞き、

『問題ないみたい』と笑顔で答えた悠斗は立ち上がった。


するとその様子を見ていたライトニングは『ふむ』と声を挙げると、

悠斗の足を見つめながら話していった。


「ユウト様・・・そう言えば私と戦っている時、

 その脚部のスラスターをどうしてお使いにならなかったのですか?」


悠斗は脚部を見ながらそう言うライトニングに、

『あっ・・・』と声を漏らすと笑みを浮かべながらこう言った。


「・・・忘れてた♪」


『・・・・・』


無邪気にそう言いながら舌を『ペロっ』と出した悠斗に、

この場に居た全員が唖然とした。


「・・・ユウト様?」


「いや~だってさ~・・・

 正直この擬体を操るだけで精一杯だったし、

 スラスターの事なんてすっっかり忘れてたから~♪」


あっけらかんとそう言ってのけた悠斗に、

ヴァマントは溜まらず声を挙げた。


「いやいやいやいやっ!

 ちょっ、ちょっと坊やっ!?」


「・・・ん?」


「そ、その擬体の性能を生かす事無く、

 ぼ、坊やはライとやり合ってたって言うのっ!?」


物凄い勢いでそう話して来るヴァマントにドン引きしたが、

どうやらサンダラーとライトニングも同様・・・。

無言で激しく頷いていたのだった。


「い、いや・・・だってさ?

 考えても見てよ・・・」


「・・・何をよ?」


「俺・・・擬体使うの初めてだし・・・

 それに慣れる為に色々と試していたら、

 この擬体がオーバーヒートしちゃった訳で、

 そしてそのすぐ後・・・ライトニングさんとの模擬戦だよ?

 いつスラスターの練習なんてする暇があるんだよ?」


悠斗はやや不貞腐れた表情を見せながらそう言うと、

流石の『女帝と王と破壊者』は何も言えず顔を顰めていた。


「・・・なっ?

 そんな練習する暇なんてないだろ?」


「そ、そう・・・ね」


納得した3人は何とも言えない表情を浮かべると、

突然『門』が現れサンダラーの部下らしき男が、

申し訳なさそうにやって来た・・・。


「あ、あの・・・サンダラー様」


「・・・な、何だ?どうかしたのか?」


「玉座の間でずっと『虎恫様』が佇んでおられるのですが、

 どう・・・すれば宜しいのでしょうか?」


苦々しい口調でそう言った部下の言葉に、

3名は『・・・あっ』と声を合わせてそう言ったのだった・・・。


その声にサンダラーは『すぐに戻る』と伝えると、

その部下と共に『門』を潜る前にヴァマントに声をかけた。


「姉ちゃん・・・すぐに来るんだよな?」


そう聞いて来たがヴァマントは悠斗を見ながら少し悩んでいた。


そして少しの間考え込むと・・・

『もう少しだけ待ってて』と返答した。


ヴァマントのその表情を何となく理解したサンダラーは、

『わかった』と言葉を残し『門』の中へと姿を消した。



この場に残る形となった者達は・・・。


「坊や・・・」


「・・・ん?」


「ソレ・・・何?」


「・・・はい?」


そう言って来たヴァマントに悠斗は首を傾げて見せたが、

ライトニングも同じような視線を向けている事に気付くと、

悠斗は自分の身体を確認して行く中、

『・・・あれ?』と首を傾げたのだった。


「・・・コレって~・・・何?」


首を傾げながら悠斗は器用に自分の足元を見ると、

薄くではあるが『赤い霧状の鬼の気』が、

その足元から出ている事に気付いたのだった・・・。


「何って・・・坊や・・・。

 私がソレの事を聞いたんだけど?」


「んんんんんんー・・・。

 やっぱコレって、鬼の気・・・だよね?」


「・・・私に聞かれても」


そう返答したヴァマントに悠斗は、

『何故今も出ているんだろ?』と不思議がっていた。


すると今まで黙って悠斗を見ていたライトニングが、

『もしかして・・・』と言うと、

悠斗に近付きその胸に掌を当て目を閉じた・・・。


(・・・こ、これはっ!?

 いやはや、まさかこれ程とは・・・)


するとライトニングは閉じた目を開け、

悠斗の胸に掌を当てながらヴァマントを見ると、

困惑顔を浮かべながら口を開いたのだった・・・。


「ま、誠に信じがたいのですが・・・」


ヴァマントは予想外だったライトニングのその表情に、

『・・・話せ』と言うと『有り得ない事ですが・・・』と、

戸惑いながら言葉を続けていった。


「・・・この擬体の核である魔石なのですが」


「・・・ん?魔石がどうかしたのか?」


「・・・どうか・・・したとか、

 そう言う問題ではなくて・・・ですね?」


余りの戸惑いを見せるライトニングに、

ヴァマントは痺れを切らせ苛立ちを見せると、

『さっさと申せ・・・』と怒気を込めた。


「・・・はっ、で、では・・・。

 この魔石なのですが・・・もう魔力は残っておりません」


「・・・・・はぁ?」


『ポカン』と・・・。

口を開いたまま固まってしまったヴァマントを他所に、

ライトニングは話を続けていった。


「確か我が主がおっしゃっていたのは、

 この魔石は特殊なモノで『極大魔法』を100回分・・・

 放ってもなおある程度の時間はそのまま・・・

 暫くの間は活動出来ると聞いていたのですが・・・」


そう話すライトニングに掌を胸に押し当てられている悠斗は、

『・・・ないの?』と不思議そうにしていた。


「は、はい・・・。

 不思議なのですが魔力は御座いません」


困惑した様子を見せるライトニングに、

悠斗は『でも、俺・・・動かせているけど?』と言いながら、

手足をバタつかせて見せた・・・。


悠斗の思わぬ行動に渋い顔をして見せたライトニングは、

『それが~ですね』と話を続けていったのだった。


「誠に何とも言い難いのですが・・・」


「じゃ~どうして俺は擬体を動かせているんだよ?」


そんな悠斗の声にヴァマントも同意だったようで、

ライトニングに『わかる事を話せ』と命じたのだった。


「は、はぁ・・・で、では、申し上げますが、

 この波動は恐らく・・・『赤い霧状の鬼の気』かと」


「・・・どう言う事?」


「なっ!?」


悠斗が首を傾げる中、

ヴァマントは突然慌て始めると『どけっ!』と、

ライトニングを押し退け、

自ら悠斗の胸にその掌を押し当て確かめ始めたのだった。


そして小声で何度か『バカな・・・』や、

『有り得ない』と呟くと・・・

悠斗を睨みつけながら片眉を『ピクリ』とさせ、

『・・・ぼ、坊や』と戸惑いを見せながら口を開いた。


「・・・坊やは何ともないの?」


「・・・あ、あぁ、って言うか・・・逆に動きやすい」


「・・・何それ?」


「い、いや・・・な、何て言うか・・・さ。

 ライトニングさんと戦った時よりも動きやすいみたい」


「・・・・・」


そう答える悠斗にヴァマントはライトニングに視線を向けると、

肩を竦めながら首を『フルフル』と振って見せたのだった。


その瞬間ヴァマントは『ガクっ』と項垂れると、

悠斗の両肩を掴みながら声を捻り出す様に言った。


『・・・き、規格外・・・す、過ぎる・・・わ』


「・・・ちょっと何言ってるか分からないんだけど?」


「・・・あっそ」


悠斗の言葉に再び『ガクっ』と項垂れたヴァマントがそう言うと、

『もうこの坊や嫌だぁ~・・・』と呻いていた。


そんなヴァマントに悠斗はその視線をライトニングに向けると、

目を閉じ無言で首を振って見せる姿があったのだった。


「・・・やれやれ」


悠斗に対してヴァマントは考える事を放棄すると、

その視線をライトニングに向けた・・・。


ライトニングは意味有り気なその視線に嫌な予感を感じると、

すぐさま念話を飛ばしその視線の真意を聞こうとしたのだった。


{・・・ヴァマント様・・・何か?}


{うむ・・・この坊やの事は貴様に任せた・・・}


{・・・ま、任せた・・・とは?}


念話を続ける中、

突然ヴァマントはその長い髪を掻き毟り始めると、

両手を大きく胸の前でクロスさせバツの文字を作って見せた。


{私さ~・・・もう無理っ!}


{あ、貴女は絶様にユウト様の事は任せろとっ!

 そう啖呵を切ったはずではありませんかっ!?」


{えぇぇぇ~・・・だってさ~・・・

 どーーー考えてもっ!私の手に余るでしょうがぁっ!

 って事は、もうあんたに頼むしかないでしょっ!}


{・・・ぐぬぬぬぬ。

 こ、これが我が主が日頃よりアスティナ様におっしゃっていた、

 ・・・逆ギレと言う理不尽極まりない行為・・・}


{何とでもおっしゃいっ!

 まさかこんな厄介な坊やだなんて思わないじゃないのよっ!}


{・・・1つお聞きしますが?}


{・・・何よ?}


{その言動が恥ずかしいと思う事は?}


{・・・ないっ!}


{・・・でしょうな}



そんな話を念話を通してやっている頃・・・。

悠斗は呆れた表情ほ浮かべながらその場から離れ、

『もう少しこの擬体に慣れておきたいな~』と呟いていた。


そして身体を伸ばしストレッチを行いながら、

再び『ブツブツ』と言い始めた。


「・・・この霧状の鬼の気にこの擬体を鳴らしておかないと、

 ま~たオーバーヒートしちゃうしな~・・・。

 一体どうしたらいいんだろ?」


そうボヤきながらストレツチを終えた悠斗は、

『はぁっ!』と霧状の鬼の気を身体に纏わりつかせると、

『・・・ん~と、とりあえず・・・走るか?』と言って、

とりあえず・・・走り始めたのだった。



そしてその頃・・・。


『玉座の間』に戻っていたサンダラーは、

かなりの苛つきを見せていた・・・。


『もうかれこれ2時間だぞっ!?

 あいつらは一体何やってんだよっ!?』


そう言いながらお茶をすすり、

『ははは』と苦笑いを浮かべる『虎恫』は心の中で、

『一体俺はここで何をやっているんだ?』と葛藤していたのだった。




ってな事で・・・。


はっはっはっ!

ネタバレ回なのだぁぁぁ・・・orz

あぁ~・・・まじで恥ずかしい・・・><


今回と言うかネタバレをやったのって多分・・・

初めてだったと思うんだけど・・・

ん~・・・やっちゃったな~・・・><


今後はそう言う事がないようにしなくちゃね~。


ってなことで、緋色火花でした。


P・S 活動報告なども見て頂けると嬉しいですw

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― 新着の感想 ―
[一言] まさかヴァマントが投げ出す展開とは(笑) 擬体の話は奥が深いですね。 もう1つの小説と併せていろんなタイプの擬体があるのは何か意味があるのかなー。。。 今後も楽しみにしています♥︎
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