207話・力の片鱗
お疲れ様です。
えっと~・・・ですね。
皆さんはもうお気づきかとは思いますが、
前回緋色は・・・やっちゃいましたっ!
その事は『活動報告内』に書きましたので、
お暇な方は読んでみて下さい^^;
あぁ・・・今年は呪われてるな~・・・
って言うか・・・『大殺界』だもんな~
ってな訳で、今後も頑張りたいと思いますw
それでは207話をお楽しみ下さい。
嘗て『冥界の破壊者』と言われていた頃の自分が蘇ると、
ライトニングはその身体に纏う雰囲気を一変させた・・・。
そして悠斗の瞳を見据えライトニングは、
その身体から『冥界の神力』を溢れさせながら口を開いた。
『良かろう・・・ユウト。
ほんの少しだけ・・・私の本来の力を見せてやろう・・・。
だがな?私をがっかりさせるなよ?』
突然雰囲気も口調も変わったライトニングに、
悠斗は『ニヤり』と笑みを浮かべて見せた・・・。
「・・・いい度胸だ」
「・・・でしょ?」
悪戯っ子のように悠斗は笑みを浮かべながらそう言うと、
『くるり』と背中を見せながら再び距離を取る為歩き始めた。
だが悠斗の目は真剣そのものであり、
これから熾烈な戦いが始まる事を感じ取っていた。
「・・・どこまで通用するかわからないけど、
今の俺の限界値を知っておきたい・・・」
そう呟きながら歩いて行き、
先程の場所まで戻ると再び重心を低くし構えると、
それを見ていたライトニングはその雰囲気の違いに目を見張った。
(・・・先程とは雰囲気も何もかもが違う。
その溢れ出した・・・確か『鬼の気』と言ったか?
ソレを最初から出すと言う事は・・・
なるほど・・・それがお前の『本気』と言う事か?)
悠斗を見たライトニングはその覚悟を読み取ると、
『ならば期待に応えるとしよう』と笑みを見せながら構えた。
「・・・それがあんたの本気か?
ははは・・・怖え~・・・まじで怖えーな・・・」
悠斗は『本気』を見せ始めたライトニングの構えに、
言い知れぬ怖さを感じた。
だがその言葉とは裏腹に悠斗の口元は緩んでいたのだった。
(ほほう・・・。
怖いと言いながらも口角を上げるとはな?
フッフッフッ・・・滾らせてくれる・・・)
そして今度は呟くように『行きますよ』と言うと、
『ドンっ!』と衝撃波がその足元から湧き上がり、
一直線にライトニングの元へと駆け出した・・・。
『はぁぁぁぁぁっ!』と気合いの籠る言葉を発しながら、
悠斗はその渾身の拳をライトニングに放った。
ところがライトニングはそんな拳を難なく躱しつつ、
カウンター気味にその腹へと蹴りを放ったのだった。
「うわっとっ!」
『ザザザァァァ』と、
草花が咲き乱れるその場所の土を抉りながら滑って行くと、
身体を反転させたと同時にすぐさま攻撃に転じた。
「はぁぁぁっ!うおりゃっ!」
『ヒュンっ!ブォンっ!』
悠斗の拳と足が幾度となく攻撃を繰り返すも、
ライトニングに当たらないどころか掠りもしなかった。
「あっ、当たらないっ!?」
余裕で躱し続けるライトニングはいつの間にか、
その目を閉じ悠斗の攻撃を見てもいなかったのだった・・・。
「めっ、目をっ!?
こ、こんにゃろっ!」
「・・・・・」
ライトニングの姿に焦りを覚えた悠斗は、
異様な違和感に気付き眉を寄せた・・・。
(あ、当たらないどころか・・・これはまるで・・・)
悠斗がそう感じ始めた頃、ライトニングの口元が一瞬緩み、
悠斗の鋭敏な感覚に関心していた。
(・・・ほう。薄々感づき始めましたか?
中々どうして・・・いいセンスをしている・・・)
口角が上がったライトニングを見た悠斗は、
後方に飛び退くと『ゴクリ』と喉を鳴らした。
(にゃるほど・・・。
俺の赤銅色の鬼の気の流れから、
俺の次の行動が読めるって訳だ・・・
ははは・・・まじですげーな~?
だけどさ・・・)
『ふぅ~』と一瞬短く息を吐いた悠斗は、
再びライトニングに接近するとその眼前で姿を消した・・・。
(ほう・・・これは先程の?)
そう感づいたライトニングは迷う事無く、
地面に向かってその拳を放つと『ドカっ!』と地面が抉れた。
その放った拳は地面を抉ったばかりではなく、
飛び散ったその土の一片にまで『冥界の神力』が宿り、
その土は鉄のような強度を得たのだった・・・。
『ビシっ!ピシっ!ビシっ!』と、
一瞬にして姿を消した悠斗にその鉄の強度を持った土片が、
その身体にまるで・・・
『散弾銃』の放った弾が炸裂するほどの衝撃を喰らった。
『ぐあっ!痛っ!』と苦痛な声を漏らすと、
その声で居場所を察知したライトニングが既に、
悠斗の背後で攻撃態勢を取っていた・・・。
「・・・遅いぞ」
「ちっ!
まだまだぁぁぁっ!」
『ブォンっ!』と物凄い風切り音を発しながら、
ライトニングは重い一撃を放った。
「な、何とっ!?」
悠斗はライトニングのその薙ぎ払うように放った脚に乗り、
その威力を利用しその場から離脱した見せた・・・。
だが悠斗の額からは一筋の汗が流れ落ち、
一瞬の気の緩みも許されないと感じていた・・・。
「ふぅ~・・・ヤ、ヤバかった・・・」
「・・・やるな、ユウト。
今のは躱されるとは思わなかったぞ」
そう言いながら笑みを浮かべるライトニングに、
悠斗は『ちょっとは悔しそうな顔しろよっ!』と、
笑みを浮かべながら抗議した。
「はっはっはっ・・・。
このくらいの攻撃を喰らうようでは、
お前と手合わせしている意味を持たないからな?」
「・・・言ってくれんぜ」
悠斗はこれまでライトニングの動きを見て、
『やはり只者じゃないな』と感想を口に出すと、
『さ~て・・・試させてもらおうかな♪』と楽し気にしていた。
(・・・何かやる気だな?)
悠斗の様子に鋭く反応を見せたライトニングは、
再び『冥界の神力』による結界を張ると、
『スタっ、スタっ、スタっ』とその場でステップを踏んで、
悠斗の攻撃に柔軟に対応出来るよう対処していた。
「・・・嫌なステップだな」
そう感想を口にした悠斗だったが、
身体から『霧状の赤銅色の気』を放ち始めると、
『行くよ・・・』と誰に言うでもなく呟いた。
『ドンっ!』
再び足元より衝撃波を生みながら駆け出した悠斗は、
1人で『擬体操作』をしていた時のイメージを膨らませた。
(そう・・・確かあの時・・・)
~ 回 想 ~
意識もせず『擬体操作』のみに集中していた時、
俺はこの『擬体』と俺の身体の『感覚』にズレがある事に気付いた。
そして俺はその『ズレ』を修正すべく、
重心のバランスや足の運びを意識していたんだが・・・。
ふと・・・。
自分の身体の周りに『赤い霧状のモノ』が、
纏わり付くように漂っている事に気付いた・・・。
『・・・何だコレ?』
最初俺はそんな印象しか持たなかったが、
『身体操作』をしながら前方に拳を放った時、
その『赤い霧状のモノ』が、
俺の拳を『加速』させている事に気付いたんだ・・・。
『・・・これって一体?』
今の俺は『魂』だけの存在だ・・・。
だから魔力や神力・・・
そして『擬体』である為当然『気道』も使えない。
『・・・だったらコレは?』
そう思った時、その答えはすんなりと口から出ていた・・・。
『・・・赤銅色の鬼の気かっ!?』
あの濃い『赤銅色』とは違い『霧状』であるものの、
その『赤い霧状のモノ』は間違いなく『鬼の気』だと確信出来た。
『間違いない・・・。コレは『鬼の気』だ・・・。
でも何故『魂』だけの存在であるはずの俺から、
『鬼の気』が出ているんだ?』
そう疑問に思った時、俺はこう思った・・・。
『絶が言っていた『隔世遺伝』って言うのは、
『遺伝子』だけの事じゃなかったのか?』
そう考えた瞬間・・・。
俺の頭の中ではこの力を活かす為の『2つ』の方法を思い付いた。
1つはこの『赤い霧状の鬼の気』と・・・。
もう1つは・・・。
そう考えた時、俺はそれを確かめるべく、
この『擬体』を動かし、その癖や反応などを把握する事に努めた。
そしてその結果・・・。
~ 回想終了 ~
「そう、俺は・・・」
余裕を持って悠斗の攻撃に対処しようとし、
『冥界の神力』であらゆる方向にも反応して来るライトニングに、
悠斗は拳を放つ寸前咄嗟に・・・
『行くぜ・・・鬼道(仮』と呟いた。
『っ!?』と一瞬悠斗の呟きがライトニングの耳を触ったが、
次の瞬間悠斗の放った拳が凄まじいまでの加速をして見せた。
『ガキっ!』と咄嗟に両腕で防御したその腕に、
悠斗の加速し『赤い霧状の鬼の気』を纏ったその拳が、
ライトニングの腕に炸裂すると、
有り得ないほどのその衝撃と重さに顏を顰めたのだった。
『ぐぁぁっ!』
そう呻き声を挙げるもライトニングは蹴りを放ち、
それを躱す悠斗の隙を付きその場から逃れた・・・。
「うぐっ・・・こ、拳が加速してっ!?」
ライトニングの両腕は今・・・。
その重さと衝撃で完全に腕が痺れてしまい、
その痺れから早く脱するべく、
何度も両腕を『ブルブル』と振っていたのだった。
その両腕に視線を落とし再び悠斗に視線を向けた時、
悠斗の身体からは先程よりも濃度が濃い、
『赤い霧状の鬼の気』がその『擬体』を包んでいたのだった。
「ま、まさか・・・」
「・・・正解」
「・・・我が主が創り出したその『擬体』が、
オーバーヒートしていた原因が・・・ソレか?」
驚愕しつつ冷静にそう判断したライトニングに、
悠斗は構えを取ると・・・。
「・・・あぁ、半分正解だよ」
「は、半分?」
「あぁ・・・さっきは加減が分からなくてさ・・・。
この『擬体』に予想以上の『負荷』がかかっちゃったみたいで、
あんな事になっちゃったんだけど・・・」
構えを崩さずそう答える悠斗に、
ライトニングは『・・・これは現実か?』と口にした。
(我が主のレベルは『神力』だけなら『カンスト』しており、
『擬体製作』に置いても、この『冥界』を含め、
並ぶ者無しとまで言わしめたユウナギ様の擬体を・・・。
オ、オーバーヒートさせるとは・・・。
やはりこの男・・・)
そう考えていたライトニングは、
無意識に奥歯を『ギチっ!』と噛み締め、
その口から血液が滲み出していたのだった・・・。
睨みつけるように悠斗を見ると、
『少々手加減が過ぎたな・・・』と、
その悔しさからか、そんな言葉が口からこぼれていた。
「・・・ユウト」
「・・・何?」
「貴様の『力の片鱗』は確かに見せてもらった・・・」
「・・・それで?」
「だがな・・・。
上には上が居ると言う事を・・・。
次の俺の『一撃』を以って教えてやろう・・・」
互いに構えを崩さずそう会話した時、
ライトニングの身体からは、
先程までとは比べ物にもならない程の『冥界の神力』が溢れ、
またその色濃くなった『青紫色』が妖しく光り、
身体に纏い始めたのだった。
(・・・な、何だ?一体何が起こるんだよ?)
悠斗が『ゴクリ』と言い知れぬ緊張をしていると、
ライトニングは『真の恐怖を教えてやろう』と言いながら、
一度も外すことが無かった『白い手袋』を脱ぎ捨てた。
「いよいよ・・・本気ってか?」
「この程度で本気だと勘違いしているようだが・・・」
ライトニングからこぼれ出た言葉に、
悠斗の顏は一瞬引き攣りはして見せたが、
それは次第に覚悟を決めた表情へと変わったのだった・・・。
「・・・ま、まじで半端ない程の力を感じる・・・
だけどさ・・・ライトニング。
俺にも『負けられない理由』ってのがあるんだ・・・。
だからさ~、精一杯抗ってやるっ!」
「・・・ほう。いい心がけだ・・・ユウト。
真の恐怖・・・貴様の魂に刻みつけろっ!」
「・・・ぜっっっったいにっ!
その顔面に一発入れてやるからなーっ!」
「行くぞっ!」
「来いよっ!」
対峙し構えを取る2人は、
身体から各々の力を吹き出させると、
互いに雄叫びを挙げながら地面を踏み抜き駆け出した。
「負けるかぁぁぁぁぁっ!」
「刻めぇぇぇぇぇっ!ユウトーっ!」
互いの踏み出した足場から衝撃波が後方の地形を変え、
2人が覚悟を以って激突しようとした瞬間だった・・・。
『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』
『ギィィィィ』
『っ!?』
突然『勇者の国』に現れた豪華な『冥界門』が開かれると、
飛び出した何者かが激突しようとしている2人の間に割って入った。
『ガシっ!』
『ガシっ!』
『プシュゥゥゥ』
2人の拳を受け止めた何者かは、
その手から摩擦熱による蒸気が発生しており、
互いの一撃の強力さが計り知れたのだった・・・。
「い、痛ってーな~・・・まじでよ・・・」
「ちっ・・・坊やの癖に小賢しいわね」
その威力の強さに愚痴をこぼした2人は、
荒ぶる悠斗とライトニングに声を荒げた。
『貴様らぁぁぁぁっ!
兄貴の国で一体何をやっとるかぁぁぁっ!』
『坊やっ!このまま殺り合ったらっ!
あんたもただじゃ済まない事くらいわかるでしょっ!?』
突然『冥界門』から現れたのは、
姉であり『冥界の女帝』であるヴァマントと、
弟であり『冥界の王』であるサンダラーが現れ、
激突する直前の攻撃を喰い止めたのだった・・・。
「は、離せーっ!ヴァマントーっ!
そこをどけーっ!」
「離せっ!サンダラーっ!
さもないと貴様もぶっ殺すぞっ!」
場の雰囲気と『力の優劣』を本能で決着を着けようとした2人は、
『女帝』と『王』が間に入ってもその激しさを・・・
そう・・・その本能を消え去る事が無かった・・・。
「いい加減にどきやがれーっ!」
「この戦いを止める権利など貴様達にはないっ!」
2人はひどい興奮状態にあり、留まる事など予想出来なかった。
すると『女帝』と『王』は攻撃を喰い止めながらも、
念話を通じ仕方がなく対処する事にした。
「これだけ言ってわからねーとはなぁぁぁっ!
ライトニングっ!目を・・・目を覚ませーっ!」
『バキっ!』
「ぼ、坊やっ!あんたもいい加減にしなっ!
愛しの御方の国でっ!
一体何やってくれちゃってんのよぉぉぉっ!」
『ドカっ!』
ライトニングはサンダラーの強烈な拳を顔面に喰らうと、
『ヒューン』と風切り音を発しながら森の樹木に激突し、
悠斗はヴァマントの凄まじい蹴りを腹に喰らうと、
『ブォンっ!』と風切り音を発しながら、
森の樹木に激突したのだった・・・。
そして『爆発音』を放ちながら2人が地面に落ちると、
『女帝』と『王』は声を揃え怒鳴り声を挙げた。
『ぶっっっとばすぞぉぉぉぉっ!』
打ち合わせも何もしていない・・・。
『女帝』と『王』は見事なまでにシンクロして見せると、
それに気付き2人は恥ずかしさの余り顔を真っ赤にしたのだった。
「ね、姉・・・ちゃん・・・?」
「な、何も・・・何も言うな・・・弟よ」
「い、いや、しかし・・・い、今の・・・は?」
「・・・言うなと言っているでしょっ!?
私もかなり恥ずかしいんだからっ!」
「ははは・・・や、やっぱ、そう・・・だよな?」
「・・・うぅぅ。
こ、こんな姿・・・ユウナギ様に見られでもしたら・・・
わ、私・・・お嫁に行けなくなっちゃうじゃないのっ!」
「・・・知らねーし。
別に元々嫁き遅れてんだから・・・いいじゃねーか」
苦笑気味に笑みを浮かべたサンダラーに、
『女帝』の眉間に激しく皺が寄った・・・。
そしてその瞬間・・・。
『バッッッキィィィっ!』と・・・。
先程の攻撃など可愛いと思えるほどの炸裂音を発すると、
一瞬にして『キランっ♪』と・・・。
サンダラーは空の彼方に消えたのだった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・。
や、やっぱり愚弟には修正が必要よね・・・うんうん」
堅く握り込まれた拳にそう誓いを立てると、
ヴァマントは吹き飛ばされた2人を見てこう呟いた。
「・・・戦う相手が違うでしょ?
男ってほんっっっとに、脳筋だから困っちゃうわ♪
って・・・誰も聞いてないんだけどね~♪」
『やれやれ』と言ったようなポーズをしながら、
樹木の下で伸びているライトニングの元へと向かい、
叩き起こし正気に戻すとそのまま悠斗の元へと向かったのだった。
そしてその道中・・・。
『最近のガキはさ~・・・』と言いながら歩いていると、
ふと・・・ヴァマントはある事に気付き顔面を蒼白にさせていた。
『・・・ヤ、ヤバく・・・ないっ!?』
血相を変え駆け出したヴァマントは、
悠斗の元へと辿り着くと気絶する悠斗の擬体の肩を掴み、
激しく揺らしながら声を張り上げた。
「ちょっ!ちょっとっ!ぼ、坊やっ!?
お、起きなさいよっ!ねぇっ!ねぇってばぁぁぁっ!」
激しく悠斗の擬体の身体を揺らすヴァマントに、
背後に居たライトニングが申し訳なさそうに口を開いた。
「あ、あの・・・ヴァ、ヴァマント様・・・?」
「な、何よっ!?五月蠅いわねっ!
私は見ての通り今忙しいのよっ!?」
「い、いや・・・あ、あの~・・・ですね?」
そう再び声を掛けるもヴァマントの耳に、
ライトニングのその声は届いていなかった・・・。
「あぁぁぁぁっ!もうっ!
坊やっ!坊やったらぁぁぁぁっ!
目を覚ましなさいよぉぉぉっ!」
『ガクガク』と大きく身体を揺らすヴァマントは、
焦る原因を口にしたのだった・・・。
「こ、この身体は『擬体』なのにっ!
わ、私ったら・・・
私ったらっ!割と本気でマジ蹴りしちゃったぁぁぁっ!
も、もしこの擬体が壊れでも・・・した・・・ら?」
突然言葉の勢いを止めたヴァマントは、
その先に見えた未来に顔色を変え青ざめていった・・・。
そんな様子にライトニングは心の中で・・・。
(流石は私の敬愛するヴァマント様・・・。
彼の心配を心底しておられる・・・。
まさに、この冥界において『女帝』と言われるだけはありますな♪)
『うんうん』と何かに納得し頷いているライトニングを他所に、
ヴァマントは『あわわわ・・・』と狼狽えながら口を開いた。
「も、もし・・・もしこの擬体に何かあったら・・・」
(・・・はて?ユウト様ではなく・・・擬体ですか?)
「・・・ユ、ユウナギ様に、
冥界全土よりも愛しているユウナギ様に・・・
嫌われるじゃないのよぉぉぉぉっ!?
嫌ぁぁぁぁぁぁっ!
それだけは絶対にっ!嫌ぁぁぁぁぁっ!」
そう悲痛な叫びを挙げながらヴァマントは大量の涙を流し、
それを呆れ顔で見ていたライトニングはの心の中では・・・。
(あっ・・・そちらでしたか?♪)
と、ただ意味もなく笑みを浮かべながら、
絶叫し号泣するヴァマントの背中を見て微笑んでいたのだった・・・。
まぁ~そんなこんなで・・・。
今回のお話はいかがだったでしょうか?
ぜ、前回はこの『あとがき』でやっちゃったので、
今回は大人しく・・・。
えっと~・・・これからも頑張りたいと思いますっ!
ってなことで、緋色火花でした。




