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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
外伝・壱
281/404

18話・日本・監視する者と見守る者

お疲れ様です。


先週仕事仲間達とデイキャンプに行ってきました。

真夏かっ!?と思うほどの暑さだったのですが、

やはり季節は秋と言う事なのでしょう。

ありえないほど虫が多く、

特に『カメムシ』の多さに驚きました。


ってな感じで今回は『新キャラ』が登場します。

外伝ではこれからも出てきますので、

宜しくお願いします^^


それでは、外伝18話をお楽しみ下さい。

人化していた『白蛇』と別れた黒蝶は、

直次達の捜索を再び開始した・・・。


『探知っ!』


『冥府魔道の術』を使用すると、

『探知の術』が黒蝶を中心に円形に広がって行った・・・。


(・・・や、やはり直次さん達は何処にも居ない・・・。

 そう言えば『白蛇様』は今の私には見つけられないと・・・)


『白蛇』の言葉を思い出した黒蝶は、

傍に控えていた『黒猫』へと視線を向けた・・・。


「『黒猫さん』直次さん達の居場所はわかる?」


『黒猫』にそう問いては見たものの、

こちらを見つめ『ニャ~オ♪』と愛らしく鳴くだけだった。


「・・・どう言う事?

 白蛇様はこの黒猫に聞けば・・・そう言って・・・」


険しい表情を浮かべじっと『黒猫』見つめていると、

その黒蝶の眉間に『ぐっ』と・・・皺が寄った。


(そ、そう言えば・・・この『白蛇様』は、

 この『黒猫』が私の『補助』を・・・。

 と、言う事は・・・?)


そう考えた黒蝶はこちらをじっと見つめる『黒猫』に命じた。


「『黒猫さん』私をサポートしてっ!」


すると『黒猫』は黒蝶を見て『ニャ~オ♪』と鳴くと、

何処かへと向かって駆け出したのだった・・・。


「あっ!ま、待ってっ!」


『ニャオ~ン♪』


黒蝶の声に駆け出しながら振り向いた『黒猫』は、

まるで『着いて来い』と言っているかのように思えた。


「・・・私に構わず走ってっ!」


『ニャオ~ン♪』


『黒猫』は黒蝶に構う事無く、

『時空洞』の元へと向かって行く。


そんな『黒猫』を追いかけて、黒蝶もまたその後を追った・・・。




その頃、合流ポイントに居た『桜達』は・・・。


「え、英二さん・・・実はですね・・・」


そう話を切り出し始めた大介は、

桜達全員の表情に緊張が走ったのだった・・・。


「い、今から1時間前くらいですかね?

 『戒斗様』から合流ポイントへと戻ると連絡がありまして・・・」


そう話し始めた大介に『沙耶』内心呟いていた・・・。

(・・・私の悪寒は的中って訳ね?)と・・・。


『沙耶』がそう思う中も大介の話は続いていた。


「戻って来た『戒斗様』にタオルをお渡ししたのですが、

 『修一が戻り次第すぐに出る』とおっしゃいまして・・・」


「・・・どうしてだ?

 生存者は確保したんじゃないのか?」


『沙耶』は訝しい表情を浮かべそう聞くと、

ワゴンの中に居るであろう『生存者達』へと視線を向けた。


「い、いえ・・・。

 実は直次がもう1人・・・『生存者』を発見したのですが、

 『戒斗様』の話によると、その『生存者の方』に道案内をと・・・」


「ま、まじかよ?『戒斗』のヤツ・・・一体何考えてんだよ?

 大体よ~?万が一その『生存者』に何かあったら、

 どう責任を取るってんだよ?」


大介の話に英二は『戒斗』に対して苛立ちを見せるが、

それを諫めたのは『桜』だった・・・。


「いや・・・英二・・・。それは違うわよ?」


「な、何が違うってんだよ・・・?桜さん・・・」


「私達は当然この村の事を何も知りはしない・・・」


「あ、ああ・・・だからってよ?」


「聞けっ!英二・・・。

 ゴブリン共に捕らえられたと言う事は、

 男なら即処刑・・・。

 女なら・・・?」


腕を組みながらそう言って鋭い視線を向けて来る桜に、

英二の喉が『ごくり』と鳴ると・・・

『は、繁殖・・・か?』と震える声でそう言った。


「そう・・・ね。

 間違いなく『繁殖』として飼われるでしょうね?」


「・・・ま、まじかよ?」


再び英二の喉が『ごくり』と鳴ると、

桜は『大介』に視線を向け『話の続きを・・・』と促した。


「で、ですからそう『戒斗様』が言われましたので、

 俺は急ぎ『戒斗様』の装備の補充を開始したのですが、

 それから10分後・・・くらいですかね?

 ここに『修一さん』が戻って来られたのです」


「・・・しゅ、修一さんが?

 んっ!?修一さんって、誰かと一緒にって・・・

 もしかして・・・『直次君』と一緒に居たのっ!?」


「・・・あ、あぁ・・・そうなんだ・・・」


ちょ、ちょっと待ってよっ!大介さんっ!?」


「なっ、何だよ・・・」


「そんな連絡・・・一度も来てませんよっ!?」


「・・・みたいだな」


驚きそう声を荒げたいちかに大介は説明を始めたのだが、

その説明の最後に大介は『戒斗』が分析していた事を話した。


「『戒斗様』の話では・・・。

 通信が行えなかったのは、

 『何者かの『介入』によるものじゃないか?』と、

 そうおっしゃっておりました」


「・・・『介入』って、大介・・・それってまさか?」


顔を引き攣らせながらそう呟いたのは英二だった・・・。


その英二の言葉に『桜達』も頷き確信を持つがふと・・・

いちかにはこんな疑問が生まれたのだった・・・。


「あ、あの~・・・大介さん?」


「・・・なに?」


「『戒斗様』と『修一さん』が~・・・

 此処で合流したのはわかりますけど、でも・・・」


そう疑問を呈したいちかに、他の者達も同意のようだったが、

大介はそれについても説明してくれた。


「な、なるほど~・・・流石『修一さん』ね♪」


腕を組み関心して見せるいちかに、

大介は笑みを浮かべながら首を振って見せた。


「いや、それを提案したのは『直次』だよ?」


「ま、まじでかっ!?」


「はい、英二さん・・・。

 『修一さん』がそう言ってましたよ?」


「じゃ、じゃ~・・・何か?

 俺達が『戒斗達』の後を追おうと思ったら、

 『修一』が残したナイフを探せばいいってのかっ!?」


「は、はい・・・。

 それに『修一さん』は道の真ん中にナイフを残して置くって、

 そう言われていたので、そのナイフを見つければ・・・」


「なるほど・・・そのナイフが在る場所が、

 『戒斗達』の居る場所って事だな?」


「はい、『沙耶様』」


そう結論付けた『桜達』は急ぎ装備の補充をし始めたのだった・・・。




そして再び『直次達』を捜索する『黒蝶』は・・・。


『時空洞』へと誘う『黒猫』の後を追っているのだが・・・。


「っ!?く、黒猫さんっ!」


黒蝶の声に『黒猫』が反応し足を止め振り返ると、

『黒蝶』の表情が強張っている事に気付いた。


「・・・『黒猫さん』隠れて」


そう言いながら『黒蝶』は懐から『黒い扇子』を取り出した。


『黒蝶』の指示に従い『黒猫』は樹木の後ろで身を隠すと、

緊張感高まる『黒蝶』の頬を、

糸筋の汗が流れ落ちるのを見ていたのだった・・・。


「そこに居るのはわかっています。

 何者なのです?出て来なさい・・・」


『黒蝶』が静かにそう言うと、

その視線の先の空間が僅かに歪んでいた・・・。


「へぇ~・・・まだ『冥府魔道の力』を与えられたばかりなのに、

 私の『隠ぺい』がバレるなんて・・・。

 『お嬢ちゃん』・・・中々やるじゃない?」


そう楽し気な声がその歪んだ空間がある場所から聞こえると、

その空間が螺旋状に開いていった・・・。


そしてその中から出て来たのは、

長い青髪を後ろで束ねた2ⅿ近い女性だった・・・。

だがそれよりも特徴的なのは・・・

その身体中に『謎の図形と文字が刻まれたタトゥー』が、

見て取れた事だった・・・。


警戒し身構える『黒蝶』にその女性は笑みを浮かべ、

目の前で身構える『黒蝶』を品定めしているように見えた。


「ふーん・・・あんたが『黒蝶』・・・。

 『時空洞内』から見ているのとちょっと雰囲気が違うわね?」


その低い声と筋肉質な身体を見ただけで、

『接近戦タイプ』だと容易に想像出来た。


「・・・何者なのです?」


緊張した面持ちでそう問いかける『黒蝶』に、

その女性はニヤりと笑みを浮かべた。


「・・・何者ね~?

 まぁ~これでも一応・・・?

 『黒蝶ちゃん』の『監視役』みたいなモノね?」


「・・・か、監視役っ!?」


「えぇ、そうよ?」


「どうして私に『監視役』なんて着くのですか?」


その女性はそう話をする『黒蝶』を無視するかのように、

周辺の様子を眺めていると、ふと・・・。

その視線をある樹木へと向け止めた・・・。


その女性の視線の先に気付いた『黒蝶』は、

樹木の後ろに隠れる『黒猫』を気遣うように割って入ると、

再び同じ質問を口にした。


「・・・貴女は何者なのです?」


静かだが『殺気』が含まれる『黒蝶』の物言いに、

その女性は『ピクリ』と顔を引き攣らせた・・・。


「・・・『黒蝶ちゃん』のその目付きは気に入らないけど、

 でも・・・その『殺気』は心地いいから今回は見逃してあげる。

 だけど・・・次はないからね?」


そう話す女性から溢れ出す『青い気』に、

『黒蝶』はその女性が何者かを理解した・・・。


「貴女・・・鬼ね?」


冷静な口調で話す『黒蝶』に、

『鬼』と呼ばれた女性は笑みを浮かべると、

『中々やるじゃない?』と楽し気にしていた。


「・・・それに似た『気』を何度か見たから」


『椿鬼』から流れ落ちる『青白い気』に、

『沙耶』と似た『鬼の気』を感じ取っての言葉だった・・・。


「へぇ~・・・何度か・・・ねぇ~?

 あんた・・・いい度胸してんじゃない?

 ふっふっふっ・・・気に入ったわ・・・『黒蝶』」


つい先程まで『ちゃん』付けしていたその女性だったが、

たった今・・・『呼び捨て』に変わったのだった・・・。


「黒蝶・・・私があんたを気に入ったから名乗ってあげる。

 私は『御館様』配下の『三本角の鬼』・・・。

 名を『椿鬼(ツバキ)』・・・宜しくね?」


「・・・『椿鬼』

 『御館様』って誰なの?」


「あら・・・?いきなり呼び捨てなのね?

 それと『御館様』に関しては、まだ話す事は出来ないけど、

 いずれ・・・面通ししてあげるわ」


「・・・・・」


「はっはっはっ!まぁ~いいわ・・・黒蝶。

 とりあえずお互いに呼び捨てって事で・・・いいわね?」


『こくり』


静かに頷いて見せた『黒蝶』に、

『椿鬼』は楽し気に笑みを浮かべると話を切り出して来た。


「面通しも終わった事だし・・・

 どうして私があんたの前に現れたかを教えてあげる」


「・・・・・」


「まぁ~でも・・・

 あんたがこの空間に来てから見ていたんだけど、

 あの役立たずの『ヴァンパイア』は置いといて、

 黒蝶・・・。

 あんた・・・あの『人間共』を利用しようとしているのよね?」


「・・・えっ?

 それに『ヴァンパイア』って・・・?」


「あぁ~・・・あんな『屑雑魚共』の事は気にしなくていいわ」


「・・・・・」


『椿鬼』の話に『黒蝶』の目は大きく開かれていた。

それを見た『椿鬼』はニヤりと笑みを浮かべると、

確認するかのように話しを続けたのだった・・・。


「本当はさ~?

 あの『人間共』をあんたが確実に『抹殺』出来るかどうか、

 それを『監視』する為に見ていたんだけど、

 あんたはあの『人間共』を利用しようとしている・・・。

 目的の為に・・・ね?

 ・・・違う?」


『こくり』


『黒蝶』は声に出す事はなく、

先程と同様にただ頷いて見せたのだった・・・。


『椿鬼』は『黒蝶』の反応を見て、

まるで悪戯っ子のように笑みを浮かべると、

『いいね~・・・それ♪』と何故か楽し気だったのだ。


「・・・『人間共』を利用する・・・。

 はっはっはっ!流石は『元・人間』ね~?

 考える事が陰湿でいやらしい・・・私には無い発想だわ♪」


皮肉・・・ではないようだった。

何故なら『椿鬼』の表情が実に楽しそうにしていたからだった。


そう見えた『黒蝶』は『敵』ではないと判断すると、

『椿鬼』に確認するかのように質問した。


「『椿鬼』・・・。

 今回この空間に居る『人間達』を・・・

 私は『殺害』するつもりはないわ」


「ふ~ん・・・別にいいんじゃない?

 私的にも・・・そっちの方が楽しそうだしね~?

 まぁ~それに・・・『御館様』もいつも言ってるわ。

 『お前達が楽しいと思う事をやれ』・・・ってね?」


「・・・そう。

 なら・・・私の好きにしていいのね?」


「・・・勿論いいわよ?

 はっはっはっ!ねぇ~・・・『黒蝶』」


「・・・何?」


「・・・楽しくなりそうじゃない?」


「・・・そうね」


『黒蝶』と『椿鬼』がそう話す中・・・。

その様子を樹木の後ろでじっと見つめている『黒猫』の姿があった。


だがその『黒猫』の見るモノ全ては、

『冥界に住まうある者達』にも筒抜けだった・・・。




~ とある屋敷の一室 ~


その一室に『黒猫』が見ているモノがモニターに映し出され、

一連の様子を『見守る者達』が居た・・・。


「うむ・・・やはりこのような事態になったの?」


そう言ったのは先程『黒蝶』を『我が子』と言った、

『白蛇』だった・・・。


「・・・そうか?

 でもこれはこれで別に問題ないだろ?

 それにこれも俺達の『想定内』ではないか・・・」


『白蛇』の声に答えたのは『三つ目の真っ黒い犬』・・・。

『黒犬』だった・・・。


「うむ・・・じゃがの?

 念の為『主様』には報告せねばなるまいて・・・。

 何かあっては我ら、

 『四獣(しじゅう)』の沽券こけん)に関わるじゃろて・・・」


「・・・フンっ!沽券って『白蛇』・・・。

 今更気にする事でもないだろ?

 俺達は俺達の仕事をすればいいだけだからな?」


「ふっふっ・・・。

 相変わらず『黒犬殿』は冷たいの~?

 『仕事』と割り切る事は我には出来ぬよ・・・」


「・・・『白蛇」。

 お前は昔から甘過ぎるんだよ・・・。

 無駄に『人間』に甘い・・・

 『冥界に住まう者』として、それはどうなんだろうな?」


「・・・ふっふっふっ。

 良きかな良きかな・・・♪

 『命在る者』は『儚い』モノじゃて・・・。

 それを愛おしむ事が出来ぬのなら・・・

 我らに価値はのうなってしまうじゃろ?」


「・・・フンっ!

 いつまでも戯言を言ってろっ!」


モニターを見ながら『四獣』がそう話す中、

ふと『黒犬』と呼ばれたモノが辺りを見渡し始めた・・・。


「・・・どうかしたのかの?」


「い、いや・・・そう言えばよ?

 あの『赤鳥』野郎は何処へ行ったんだよ?

 まぁ~『黒猫』は置いといて・・・。

 今日は『四獣』だけの『打ち合わせ』があるはずだろ?」


『黒犬』が苛立ちながらそう言うと、

『白蛇』は『赤鳥』について話しをしていった・・・。


「うむ・・・今『赤鳥殿』はの?

 『主様の命』を受け・・・

 『冥王様の姉上様』の元へ行っておるのじゃて」


「・・・うげっ!

 あ、あの御方の所に行ってんのかよっ!?

 俺・・・あの御方が苦手なんだ・・・」


「ふふふ♪

 強引な御方じゃて・・・

 『黒犬殿』にとってはまさに『地獄』とな・・・♪」


「わ、笑い事じゃないからな?

 会う度に撫でて来るんだが・・・あの御方は力加減ってものがっ!

 それこそあれだっ!

 俺の自慢の毛並みが擦り切れんばかりにだな・・・」


「・・・ふふふ♪」


「笑うんじゃないっ!

 痛いのは勿論だがこっちは毛皮がはがれる思いなんだぞっ!?」


そんな会話を交えながら、

『黒猫』が見る様子をモニターを通して見守る『四獣達』


そして見守るそのモニターの中では、

『黒蝶』が再び動き始め・・・。

雑談しつつもその眼光は真剣そのものだった・・・。



そして再び『黒蝶』と『椿鬼』は・・・。


『黒蝶』と『椿鬼』の会話が終わり、

その背後で身を隠す『黒猫』を呼んだ時だった・・・。


背を向け移動しようししていると、

『椿鬼』が声をかけ呼び止めた・・・。


「黒蝶・・・ちょっと待ちな・・・」


「・・・何?

 悪いけど私・・・急いでいるから・・・」


振り返る事無く背中を向けたままそう返答する『黒蝶』に、

『椿鬼』は肩を竦ませながら口を開いていった・・・。


「あんたの探す『人間共』は私が預かっているわ」


「・・・えっ!?

 そ、それが本当ならっ!どこに居るのか教えてっ!」


『キっ!』と睨みつける眼光に、

『椿鬼』は再び肩を竦ませた・・・。


「そんな目付きするんじゃないわよ・・・」


「いいから・・・早く教えなさい・・・」


鋭い眼光を向ける『黒蝶』からは、

『青く揺れる魔道の力』がゆらゆらと立ち昇っていた。


「へぇ~・・・あんた、また強くなったわね?

 流石・・・『人間辞めた』だけはあるわ・・・」


少し首を傾げた『黒蝶』だったが、

その眼光を鈍らせる事もなく、『椿鬼』に対し『威圧』し始めた。


『無言の威圧』に『椿鬼』は『・・・フっ』と笑みを浮かべると、

呆れたように話し始めていった・・・。


「あんた・・・。

 血気盛んに突っ走るのは別にいいんだけどさ~?

 『時空洞』が開いた後・・・一体どうすんのさ?」


「・・・どうするって・・・それは・・・」


鈍らせる事無く『椿鬼』に眼光を向けるも、

その言われた言葉に『黒蝶』は『・・・あっ』と声を漏らした。


「・・・気付いたようね?」


「・・・え、ええ」


『椿鬼』が言わんとする事に気付いた『黒蝶』は、

顔を顰め沈黙してしまったのだ・・・。


(た、確かに言われてみれば・・・

 見つけたところで一体どうやって・・・?)


苦悩する『黒蝶』に『椿鬼』はある提案を持ちかけた・・・。


そして『椿鬼』が持ち掛けた提案とはこうだった・・・。



『黒蝶』はその姿を変え『茜』となり、

『村の入り口』へと戻り『人間共』を呼びに行く・・・。


その間に『椿鬼』は『時空洞』から『直次達』を解放し、

眠った状態で『簡易的な檻』へと入れ『黒蝶達』の到着を待つ。


この時、『直次達』の記憶を操り、

『ゴブリンメイジ』の魔法で昏倒し、捕らえられた事にする。


そして『黒蝶達』が到着した後、

『椿鬼』が再び『時空洞』を開き・・・

数体の『ゴブリン』と1体の『ゴブリンメイジ』・・・

そして大型種である1体の『トロール』を出現させる。


この4つの提案をすると、少し考えた『黒蝶』は、

『・・・いいわ』と承諾したのだった。



「まぁ~あんたの正体が『黒蝶』だとバレちゃまずいでしょ?

 だからちょっと面倒だけど・・・

 この作戦の方があんたにとってリスクは少なくなるわね」


「・・・そうね」


『黒蝶』がそう言うと『椿鬼』の顔をじっと見つめていた。


その視線に気付いた『椿鬼』は顔を少し引き攣らせていた。


「べ、別に何かを企んでいるんじゃないわよ?」


「・・・わかっているわ」


「じゃ、じゃ~どうして私を見ているのよ?」


「それは・・・貴女が・・・。

 『人間達』の『記憶操作』なんて出来るんだ?って、

 ただそう思っただけよ?」


『黒蝶』の物言いに『椿鬼』の顔が『ピクリ』と引きつったが、

肩を竦めながら話していった。


「あ、あんたね?

 私はこう見えて結構『頭を使うタイプ』なのよっ!?

 ただの『脳筋女』みたいに言わないでよっ!」


「・・・フフフっ♪

 そうね・・・人・・・いえ、『鬼は見掛けに寄らない』ものね?」


「『黒蝶』・・・あんたも笑うのね?

 はっはっはっ!」


「・・・失礼ね」


「どっちがよっ!?」


そう言い合いながら再び2人が笑い始めると、

『椿鬼』が提案した作戦を実行するのだった・・・。



そして気が付けばもう・・・。

陽は落ち辺りは暗闇に染まっていたのだった・・・。



ってな事で、今回のお話はいかがだったでしょうか?

色々なキャラが新たに出て来ましたが、

今後も出て来ますのでw


今後の展開を楽しみにして頂ければ・・・w


それと共に・・・。

登録や感想など宜しくお願い致します^^


そして次回ですが・・・。

1話のみの閑話となりますので宜しくお願いします^^



ってなことで、緋色火花でした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 黒蝶と椿鬼のやり取り、最後の方は友人のようで微笑ましかったですね♥︎ 2人共、そんなに悪い性格じゃなさそうで、 なかなかに好印象です♥︎
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