22話 失策と煩悩退散
お疲れ様です。
暑くて・・・眠れないorz
クーラーの掃除をしないとね・・・。
この寝苦しさだから・・・短くなったのか・・・
と、言い訳をしてみました。
暑さ対策をしっかりとしようと思う今日この頃でした。
ブックマーク及び感想など、宜しくお願い致します。
では、22話をお楽しみください。
悠斗はイリアに手を取られ、引っ張られる形で聖域を出た。
「お、おい、イリア!そんなに慌てなくても・・・」
悠斗は前のめりになりながらイリアを諭す。
イリアは楽しそうに笑いながら・・・
「ふふふ♪早く来ないと置いて行っちゃうぞ~♪」
綺麗な笑顔に見惚れながらも悠斗はイリアを諭す。
「アシュリナは逃げないからさー!ゆっくり歩いて行こうよ」
イリアは残念そうな顔をしながらも、腕を後ろに組み
スキップをしながら「クルッ」っと、一回転していた・・・
「まるで踊っているみたいだな・・・」
「ふふ♪今日はとっても気持ちがいい天気ね♪」
「ああ、そうだね。だけどさ、もう少し景色を楽しまないか?」
「んー。そうね。急いでも何だかもったいないものね♪」
その仕草に悠斗は「ドキッ」っと、してしまうが・・・体は15歳である。
顔を少し赤らめた悠斗は、イリアから視線をはずした。
「クスッ」っと笑ったイリアは、悠斗の視界に入ろうと走り出す。
「どうしたの?ユ・ウ・ト♪」
急に視線に入り込んできたイリアから視線を再び外すと・・・
「むぅぅぅ!」と、言う呻きとともに左腕に組み付いた。
「なっ!な・・・な・・・」と、言葉が出ない悠斗の顔を覗き込むと
「えへっ♪」っと可愛さをアピールしていた。
・・・神野 悠斗は15歳である!
そっぽ向きながら歩くのだが、当然歩きにくい・・・
「ちょっと、イリア!歩きにくいだろ!」と、抗議をしても
イリアは全く止める気配がない。
悠斗はため息を吐くと、歩みを止め座り込んだ。
「ちょっ、ちょっと!いきなりどうしたのよ!!」
突然の出来事に驚くイリアを見ながら・・・
「あー、イリアが少し落ち着くまで休憩だ!」
不貞腐れる悠斗を尻目にイリアは先へ歩いて行く・・・
「いいもーん!先に行っちゃうんだからねっ!」
イリアもまた不貞腐れ歩いて行く。
(どうせ悠斗の事だから、すぐに追いかけてくるわよね♪
まぁ、すこーし、やり過ぎた感はあるけど、ユウトは優しいから♪)
空を見上げながら歩いて行くイリア。
風に吹かれ、草花の匂いを感じていた・・・。
(昨日の出来事が全部嘘みたいね・・・。
私もユウトに出会わなかったら、一体どうなっていたか・・。
みんな逃げたわよね?・・・無事だといいけど・・・)
昨夜の事を思い出し、暗い気持ちになってしまったイリアは少し頭を振ると、
振り返り、ユウトに話しかけた・・・。
「ねぇ、ユウト・・・って・・・えっ?あれ??」
追いかけて来てくれていると思っていたイリアだが、
少し遠くの方に、悠斗がコーヒーを入れているのが見えた。
「ちょっ・・・ちょっと・・・何で追いかけて来ないのよぉぉぉ!!」
イリアは悠斗の予想外の行動に、思わず叫んでいた。
その声が聞こえた悠斗は、イリアの方に顔を向けると
「えー?何だってー?コーヒー冷めるぞぉぉぉ!!」っと・・・。
イリアは悠斗の言葉と同時に、膝から崩れ落ちていた・・・。
そして、「ブツブツ」と、何か言い出した。
「えっ?何?どうして?・・・何であんな所に居るの?ん?おかしくない?」
イリアの「ユウトとイチャらぶ作戦」は、水泡に帰した。
「失敗だわ・・・失敗・・・私がこんな失策を・・・」
暫くその場で地面と見つめ合い、再び「ブツブツ」と、言い始める。
そしてそれが終了すると、
「ありえないわ・・・」と、一言つぶやく。
強敵と認め認識を改めると、悠斗の元へ駆け出した・・・。
それを見ていた悠斗は・・・
「はぁ~、やっと来たか・・・」と、面倒臭そうにつぶやいていた。
しかし、イリアが駆け出し・・・その様子を見ていた悠斗は1つ気がついた。
(ぐはっ!!な、な・・・む、胸がっ!!すっごい勢いで揺れてるッ!)
悠斗はイリアの激しい胸の揺れにコップを落とすほどの動揺を見せた。
(し、しかも・・・服の生地は薄いではないかっ!!)
・・・・もう一度言おう。神野 悠斗は、只今15歳であるっ!
心は24歳ではあるが、体は心と比例しないのである!
まさに・・・今、悠斗を釘付けにしているのは・・・おっぱいである!
※ 思春期な男子である今の悠斗には、この現象は健全なモノである。
我に返った悠斗は意識を取り戻すと座禅を組み
「色即是空・色即是空・色即是空」と、唱え始めた。
そして、イリアが到着した頃。
イリアの方へ顔を上げると・・・
「コーヒー入ってるよ」と、何かを悟った悠斗の笑顔がそこにあった。
「え、ええ・・・あ、ありがとう」
悠斗の様子がいつもと違う事に気づいたイリアだったが
その何かを悟った笑顔の前に、言葉を失ってしまった。
イリアはコーヒーを手に座ると悠斗に聞いてみた。
「私がここに来る前、何か魔法を唱えてなかった?」
「ああ、それはね・・・禁断と言われている魔法の習得を試みたのさ♪」
「き、禁呪ってこと??」
驚きのあまり、コップを落としそうになるイリアだったが
「禁呪の習得って・・・ユウト、貴方は一体・・・」
その質問を遮るように、悠斗は再びあの笑顔をイリアに向ける。
「・・・・・・・」
「ごくり」と、喉を鳴らすイリア。
(あれはただのメロンだ!あれはメロンだ!あれはメロンだ!)
再び意識下で制御を始める悠斗。
「ご、ごめんなさい。禁呪・・・だものね。何かきっと事情があるのね」
勘違いをしているイリアを訂正する事もなく
「ああ、すまないな」
スルーを決め込む事にした悠斗であった。
悠斗は制御に成功すると・・・
「ピピッ」精神耐性Lv.8に上がりました。
(はい?ま、まじか!おっぱいで上がる精神耐性ってなんだぁぁぁ!)
悠斗は思わぬ事でレベルが上がり
(あれで上がるなんて・・・俺って一体・・・)と、戸惑っていた。
悠斗は落ち着きを取り戻すと
「さてっと、ぼちぼち行きますか?」
イリアに声をかけ立ち上がった。
「そうね、少しは景色を見て歩きましょ♪」
2人は景色を楽しみながら歩いて行く。
港町・アシュリナを目指して・・・。
ラウル ・・・ 何?今回の話は?
ミスティ ・・・ 私的には、不愉快極まりないですわ!
ラウル ・・・ んー。悠斗君も立派な男って事だね~♪
ミスティ ・・・ やはりあの女・・・邪魔ですわね・・・
ラウル ・・・ 駄目だよ!そんな事をすると悠斗君に恨まれるよ?
ミスティ ・・・ はっ・・・そ、そんな残酷な・・・orz
ラウル ・・・ これも一つの人生ってこと・・・だね♪
ってなことで、緋色火花でした。




