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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
251/405

196話 死

お疲れ様くです。


す、すみません・・・寝落ちしてましたW

仕事終ってリクライニング倒し背伸びしたところまでは、

覚えているのですが・・・orz


それでは、196話をお楽しみ下さい。

「もう一度言う・・・選択しろ・・・」


奥歯を噛み締めつつもカロンはその選択に苦悩していた。


(どっちかなんて選べる訳ねーじゃねーかっ!

 テレスは気絶したままだし、

 ユウトのヤツは見る限り地面に這いつくばっているしよ~。

 それに何だかよくわからねーがっ!念話が全く伝わらねー・・・。

 ちくしょうめっ!一体どうすりゃ~良いってんだよっ!)


カロンの奥歯が更に「ギチっ!」と音を立て、

苦悶の表情を浮かべ、壇鬼はその表情にニヤリと笑みを浮かべていた。


「クックックッ・・・元・神よ~・・・

 今、どんな気分だ?・・・あぁん?」


「・・・うっ、うっせーよ」


「実にいい表情してやがんな~?

 クックックッ・・・こんなに面白い事はねーよ」


余裕の笑みを浮かべている壇鬼だったが、

カロンはその壇鬼から流れる汗に違和感を覚えた・・・。


(あ、あいつ・・・どうしてあんなに汗を流してやがんだ?

 門ってヤツを開くとそんなに身体に負担がかかるモノなのかっ!?

 一体何故・・・?)


そうカロンが疑問に思ったのだが、

現状選択を強いられているカロンは数回頭を振ると、

気絶するテレスと這いつくばっている悠斗へと視線を移した。


(ちっ!まじで一体どうすりゃ~いいんだよっ!

 つーか、ユウトもどうしてあんな事になってんだよっ!?

 くそったれっ!あいつの状況がまるっきりわからねーっ!)


そう心の中で声を挙げた時だった・・・。

カロンはふと、前に見た夢の中で出会った男の言葉を思い出した。



(・・・君はこの地である選択を強いられるんだ)


(やはり選択ってのはこの事だったんだな・・・。

 確かヤツの名は・・・「ヲグマ」・・・

 あれ?「ヲグナ」・・・だっけか?

 まぁ~どっちでもいいが、

 もっとヒントぐらいくれても良かっただろうによっ!)


夢の中で出会った男・・・「ヲグナ」に対しそう悪態つくと、

何故か自然に心が軽くなったように感じるのだった。


(はいはい・・・。選択ね・・・選択。

 決めればいいんだろ?決めれば・・・よっ!)


カロンは地面に伏せながらもニヤリと笑みを浮かべると、

再び悠斗を見ながら心の中で呟いた。


(すまねーユウト・・・)


拳をギュッと握り悔しさを見せていると、

壇鬼がドスの効いた口調で最後通告してきた。


「いい加減決まったんだろうな?」


「・・・ちっ!」


「クックックッ・・・まぁ~どちらを選択したかは知らねーが、

 お前の身体が動けるかどうかは別問題だからな?」


笑みを浮かべ壇鬼の見下すその視線に、

カロンは再び「ちっ!」と舌打ちをして見せた。


(動けば・・・か・・・。

 確かにそうだけどよ~・・・手が無いって事はねーんだよっ!)


「・・・やって見なくちゃ、わかんねーだろうがよっ!」


苦し紛れ・・・。

壇鬼はカロンの言葉をそう捉えると・・・。


「ざまぁ~ねーな~・・・元・神・・・」


「・・・てめーだけは必ず・・・殺す。

 俺の全身全霊を持って・・・必ずぶっ殺すっ!」


「クックックッ・・・そうか・・・。

 お前はまだそんな態度を取るのか?」


そう呟くと壇鬼は悠斗が居る方向へと再び手をかざすと・・・。


「お、おいっ!?待てっ!?」


「クックックッ・・・ドォーンっ!」


「なっ!?」


壇鬼はカロンの言葉に耳を傾ける事なく、

かざした掌から鬼魂砲を放ったのだった・・・。


「ユウトォォォォっ!?」


カロンの叫びも虚しく撃ち放たれた鬼魂砲は、

壇鬼が作り出した結果を突き破り、まっすぐ悠斗達へと向かって行った。



そして一方悠斗と童鬼は・・・。


地面に這いつくばる悠斗に対し、童鬼は更に説得を試みていた・・・。


「ユウト・・・。どれだけ抗っても無駄だ・・・。

 今のお前程度の力では、俺の重力から逃れる事など出来ん。

 お前を傷つけたくはないが、流石にこれ以上ともなれば・・・」


厳しい視線を悠斗に向けつつも冷静に話を続けていた。

すると悠斗が圧し掛かる重力の重さに耐えながらも口を開いた。


「た、確かに・・・こ、この重力は・・・キツイ。

 だ。だけどさ・・・。今の俺には・・・って事だろ?

 そ、それなら・・・俺は今の自分を越えれば・・・」


「・・・そんなに容易くどうにかなる問題ではないだろう?」


その言葉に童鬼は呆れていたのだが、

悠斗の目は虚勢を張る目をしていなかったのだ。


(ま、まさか・・・だよな?)


そう心の中で呟いた時だった・・・。

突然壇鬼達が居る方向から鬼の気を感じ取ると、

悠斗と童鬼は視線をそちらに向けた。


「あのデブっ!?二門を開けたのかっ!?」


(・・・二門っ!?)


「あんな雑魚程度に力の無駄遣いをしやがってっ!」


(・・・無駄遣いって?一体どう言う意味なんだ?

 俺を欲しがっているこいつなら・・・答えてくれそうだ・・・な

 って言うか~これはあれだな?

 俺が門を使えるって事は隠しておいた方がいいかもね~♪)



そんな童鬼の言葉に違和感を覚えた悠斗は、

顔を顰めながらも質問する事にした。


「な、なぁ~・・・ど、童鬼・・・だっけ?

 そ、そのも、門ってヤツを開いたら・・・

 そ、そんなに消耗するモノなのか?」


悠斗の質問に童鬼は悠斗の方へと向き直ると、

その質問に返答し始めるのだった・・・。


「まぁ~いずれお前も知る事になるだろうから、

 今、教えておくのもいいだろう・・・」


「い、いいのか?敵である・・・俺に話して?」


「フッ・・・構わんさ。

 いずれ俺達の仲間になるのだからな?

 ここで話ておけば手間が省けると言うものだ・・・」


そう言いながら童鬼は優しい笑みをほ浮かべ、

門の話をしていった。


「俺達は5本角の鬼だ・・・。

 序列は角の数が少ない方が強い・・・それは単純な事なんだが、

 だがそれは門の数にも比例するんだ」


「門・・・の、数?」


「ああ、俺達5本角の鬼は基本的に門の数は・・・2つだけだ。

 まぁ~俺の場合、ちょっと訳有りでな~?

 三之門まで開けられるんだけどな・・・」


そう話す童鬼に悠斗は前に出会ったゼツの事を思い出していた・・・。


(あのおっさん確か鬼には五之門まで在るって・・・

 そう言ってなかったか?

 それはあのおっさんが五之門まで在るって言う意味なのか?

 それとも・・・)


そう考えていた悠斗はその事に集中し過ぎて、

童鬼の話の続きを聞いていなかった・・・。


「おい、聞いているのか?おいっ!」


「えっ!?あっ、ごめん・・・それで?」


「・・・しっかり話を聞けっ!」


「・・・す、すみません」


悠斗の謝罪に童鬼は軽く頷くと、壇鬼達の居る方向へと向きながら、

話の続きを始めた。



「ユウトもしっかりと覚えておくといい・・・。

 門を開けると言うのは、鬼にとってもリスクがある」


「・・・リスク?」


「ああ、2本角から上はリスクなどほぼ無いに等しいが、

 それ以下の鬼にはリスクがあるんだ。

 それは異常なほど体力や精神力を消耗してしまうって事だ」


「・・・つまり、それは・・・長時間は開けていられないって事?」


「・・・ああ、さっきも言ったが俺は訳有りだから、

 ある程度の時間は維持していられるが、

 あいつは・・・壇鬼はそうじゃない」


「・・・普通の鬼って事?」


「普通と言えば普通なのだがな・・・。

 あいつの場合は元々力自慢でな?

 門を開けても基本的に力自慢な所は変わらない。

 門の力を全て・・・力に変換してしまうんだよ」


「つまりそれって・・・」


「ああ、今ユウトが思った通りだ。

 力に全振りしているせいで、その力を維持出来る時間は、

 とても短い・・・」


そう話をしたところで童鬼は何かを感じると、

反射的に身構え警戒し始めるのだった。


「・・・ど、どうしたんだっ!?」


「・・・嫌な予感がする」


「・・・えっ!?」


童鬼からそう言葉が漏れたたとほぼ同時に、

「ドォーンっ!バリンっ!」と言う音が悠斗の耳にも届いた。



「あ、あの馬鹿野郎がぁぁぁっ!?」


そう叫びながら駆け出した童鬼は、

向ってくる鬼魂砲の前に立ち塞がり、

赤銅色の気を色濃く立ち昇らせながら右拳に力を溜めていった。


「はぁぁぁぁぁっ!重力掌破ぁぁぁっ!」


童鬼の右拳に凝縮された力が掌打を離すと同時に解放され、

一気に撃ち放たれると、

その赤銅色の塊が壇鬼が放った鬼魂砲と衝突した。


「ガっ!ガガガガガっ!」


衝突し激しい音を立てる鬼魂砲と重力掌破・・・。

2つの強烈なエネルギーが激しくぶつかり合い、

やがて・・・。


「ドカーンっ!」と派手な爆発音を立てながら、

その2つのエネルギーは赤銅色の煙を立ち昇らせながら消滅した。・



「貴様ぁぁぁぁっ!壇鬼ーっ!一体どう言うつもりだぁぁぁぁっ!」


そう怒号の声を響かせる童鬼に対して、

壇鬼は「クックックッ」っと、静かに中指を立てて見せたのだった。


「あの野郎・・・後でぶっ飛ばしてやるっ!」


そう声を挙げながら悠斗の方へと一歩一歩後ずさりながら、

壇鬼の行動に警戒していくのだった。



そして再びカロンと壇鬼は・・・。


「てめーっ!いきなりぶっ放してんじゃねーよっ!

 それにてめーの仲間を巻き込む気かっ!)


「巻き込む・・・だぁ~?

 あんなヤツ・・・が、仲間だなんて・・・

 一度も思って事・・・ねぇーよっ!」


「てめー・・・どこまで腐ってやがんだよっ!」


「力が全てな世の中で・・・何を生っちょろい事をっ!」


カロンの声に壇鬼はギロリと視線を向けると、

やや呼吸を荒くしながらも口を開いた。


「それにな~雑魚神・・・。

 こうなったのは、とっとと決めないお前が悪いんだろうが?

 恨むならお前の優柔不断さを恨むこったな~?」


カロンにそう言いながらも壇鬼の額からは大粒の汗が流れ始め、

どこかしらその態度にも余裕がなくっているように見えた。


(力の消耗が激しいって事なのかっ!?

 もしそうなら今度はバレずにしねーとな・・・)


カロンは壇鬼から視線を反らす事無く、

集中し己が成すべき事だけに意識を向けて行った・・・。


すると唐突に壇鬼はこう告げた。


「もうお遊びは終わりだ・・・。

 俺様は忙しい身・・・なのでな・・・」


そう告げると大きく呼吸すると両腕を真横に開いて見せ、

鬼の気を高める為、集中し始めた。


(もう時間がねー・・・。

 それにこの嫌な感じはさっきの「滅破」とか言うヤツかっ!?

 あんなモノ喰らったらまじで洒落にならねーっ!

 もう、やるしか・・・ねぇ~よな~・・・)


そして壇鬼の鬼の気が充填し終わると双眼を見開きながら、

声を轟かせた。


「これで最後だぁぁぁぁぁっ!雑魚神ーっ!

 己の力の無さを後悔するんだなぁぁぁぁっ!

 鬼魂砲・滅破ぁぁぁぁっ!」


壇鬼が最大限に凝縮した鬼の気を掌から撃ち放つと同時に、

カロンの右手の中で何かが光り輝きながらカロンが咆哮した。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!

 俺の選択は最初から決まってらぁぁぁぁっ!

 神力プーストォォォっ!」


カロンは壇鬼の一瞬の隙をつき、

マジックボックスに残っていた10個の魔石を握り締めると、

そこに蓄えていた5個の神力を吸収し、己の力に変えた。


「っ!?」


壇鬼が驚くのも束の間・・・。

カロンは一瞬にして気絶し横たわるテレスの前に移動しつつ、

「滅破」の威力の凄まじさに苦笑いを浮かべると・・・。


「けっ!今の俺じゃ~どうしようもねーよなぁぁぁっ!」


そう声を挙げながら、

カロンは後方で横たわるテレスへと視線を一瞬向けると、

満面の笑みで声を張り上げた。


(だがよ・・・この新米女神はなんとしてでも守らねーとなっ!

 人生最大の俺の見せ場だぜっ!)


「ヲグナーっ!聞いてるかっ!?

 こ、こんなモノっ!俺にとっちゃ選択なんて言えねーぜっ!

 これは選択じゃねーっ!これは当たり前ってんだよっ!

 覚えとけーっ!」


夢の中で出会った「ヲグナ」に対しそう声を張り上げると、

カロンは「滅破」受けようと腰を落とし、

踏ん張る態勢を取ったのだった。


そして壇鬼の滅破がカロンにぶつかる直前、

掌に握られた残り5個の魔石が光り輝き神力を吸収すると、

その力を全て・・・テレスを守る為の強固な防御壁へと回した。


(お前は生きろっ!テレスっ!

 そして人族達をお前の力で守ってやれぇぇっ!)


それを視認した壇鬼は驚きながらも歪んだ笑みを浮かべると、

絶叫しながら己の血が滾る快感に酔いしれていた。


「くたばれぇぇぇっ!雑魚神ーっ!

 お前如きが俺様に勝てる訳ねーんだよぉぉぉぉっ!

 ハァ~ハッハッハァァァっ!」


壇鬼の声がカロンに届く事はなかったが、

己の死を確信したカロンは最後にこう心の中で呟いていた。


「・・・ユウト。あばよ♪楽しかったぜ♪」



「ドカーンっ!」と凄まじい爆発音を伴いながら下半身だけを残し、

かつてカロンだった肉体の欠片が、あちらこちらに散らばっていた。


「・・・てこずらせやがってっ!雑魚神がぁぁぁぁっ!

 って・・・何だ~っ!?

 あの女、死んでないのかよっ!?

 ちっ!あの雑魚神も余計な事しやがってっ!」


残された神力によって守られたテレスは無傷であり、

その事に苛立ちを見せる壇鬼・・・。


だがこの時まだ壇鬼は気付かなかった・・・。

その後方で怒りに震える男の存在に・・・。



そして時は少し戻って悠斗と童鬼は・・・。


再び壇鬼の気が高まり凝縮されていくのを感じると、

童鬼は悠斗に声をかけていった。


「ユウトよ・・・」


「・・・な、何だよ?」


「お前だけは何があっても守ってやるからな?」


「へっ!?・・・な、何だか、キモいんだけど?」


悠斗の言葉に「ハッ!」とした童鬼は、

「誤解」だと振り返りながらも否定していたが、

その表情には緊張感はなかった。


「お前は今、俺の重力場に居るから感じ取れないだろうが、

 壇鬼のヤツが再びこちらに攻撃しようとしてやがる」


「まじかっ!?お前も・・・居るのに・・・か?」


「あぁ、元々俺とあいつは反りが合わない・・・。

 それに俺は御館様達のように、力での支配は望んでいない」


童鬼から思わぬ心の内を聞かされた悠斗は驚いてはいたが、

この短い時間の中で、

童鬼と言う男の事が分かったように気がしていた。


「ははは・・・。それならとっととこの重力場・・・。

 何とかしてくれないかな~?」


「ダメだ・・・。それは出来ない」


「何でだよ?」


「御館様やあいつのやる事には虫唾が走るが、

 それとお前を仲間にすると言うのは別モノだからだ」


童鬼の口調からも冷静さを感じ取った悠斗は、

地面に這いつくばりながらも肩をすくめるようなジェスチャーをした。


「・・・あんたって面倒臭いヤツなんだな~?」


「・・・フンっ!大きなお世話だ」


すると突然童鬼が「来るぞ」と声を挙げると、

童鬼は再び「重力掌破」で「滅破」を消滅させたのだが、

童鬼の声が少し震えている事に気付いた。


「お、おい・・・。童鬼?」


「・・・すまない・・・ユウト」


そう言いながら童鬼はユウトに見えるようその場から動くと、

ユウトが見たモノに・・・戦慄が走った。


「な、なぁ・・・。アレ・・・な、何だよ?

 なぁ~・・・童鬼・・・?

 アレって一体・・・どうなってんだよっ!?

 カ、カローンっ!?

 へ、返事くらい・・・し、しろよっ!!

 カローンっ!」


「落ち着けっ!ユウトっ!」


「落ち着ける訳・・・ないじゃんよっ!?

 童鬼ーっ!この重力場を解けよぉぉぉっ!

 俺があいつをぶっ殺すっ!!」


下半身だけになったカロンの姿を見て、

悠斗の精神が異常なまでに波立たせた。


「落ち着けっ!ユウトっ!

 いくらお前でも壇鬼には勝てんっ!

 今のユウトに壇鬼は殺れんのだっ!わかってくれっ!

 あ、あいつには・・・か、必ず俺がっ!落とし前をっ!」


「いいからこの重力場を解けよぉぉぉっ!

 まじでお前でも・・・許さないからなぁっ!

 童鬼ーっ!早くこれを解けぇぇぇっ!」


悠斗がそう言い放った瞬間だった・・・。


「ゾワっ!」とした寒さが童鬼の全身を駆け巡った。


(なっ、何だよ・・・この寒気はっ!?)


急激な寒さに童鬼は身体を震わせていると、

その原因が悠斗である事は一目瞭然だった・・・。


「カ、カロン・・・ご、ごめん・・・」


そう口から言葉が漏れると、悠斗はある事を思い出し、

何故そうだったかと言う理由にも気付いた。


それは・・・。


(ははは・・・そうか・・・そうだったのか~・・・。

 お、俺がカロンを見捨てなかった理由って・・・。

 あはは・・・あ、あの話し方が・・・

 先輩に・・・。英二先輩に似ていたから・・・か・・・

 ダメダメさも・・・ほ、本当に・・・よく・・・似ててさ・・・

 俺・・・お前の事ほっとけなかったんだよな~・・・)


悠斗はそう心の中で言いながら、

地面に着いた手をゆっくりと握り締めると、

悠斗の身体中から赤銅色の気がゆっくりと溢れ出した。


「ユ、ユウト・・・?」


悠斗から放たれるその圧力に童鬼は恐れを抱きながらゆっくりと、

静かな歩調で後ずさっていた。


「許さない・・・。

 何があっても・・・あいつだけは・・・許さない」


ブツブツとまるで念仏のように唱えながら、

悠斗は赤銅色の気を溢れさせていった。


「一之門・・・解・・・」


「えっ!?」


悠斗の呟きが童鬼の耳に入ると、

後ずさり始めた足が自然と止まり、悠斗から溢れ出す赤銅色の気が、

色濃くなって行く事に戸惑った。


(も、門・・・だと?

 はぁ?・・・い、一・・・之門?

 な、何が・・・一体何がどうなってっ!?)


「二之・・・門・・・解っ!」


(こ、これは・・・ゆ、夢・・・なのかっ!?

 ユ、ユウトが何故・・・も、門をっ!?

 も、門の存在など、ユウトが知るはずも・・・)


今の悠斗を見て童鬼は理解不能に陥り、

動く事など出来るはずもなかったのだった・・・。


「童鬼・・・頼むから俺の邪魔はしないでくれ・・・」


突き殺されるような視線を向けられた童鬼は、

ただただ「コクリ」と頷く事しか出来ず、

言い表しようのない悠斗の力に身体を震わせるしかなかったのだった・・・。


「この重力鬱陶しいっ!」


そう言うと一瞬にして「バリン」と言う音と共に、

童鬼が使った重力場が破壊された。


「よっとっ!さ~て・・・ぶっ殺そうか~♪」


その軽い口調とは対照的に、悠斗の瞳は怒りに染まっており、

その身体から立ち昇る赤銅色の気は更に色濃く増していたのだった。


「カロン・・・お前の敵は俺が取るっ!」


と、言う事でいかがだったでしょう?


今回カロンが亡くなってしまいましたが・・・。

カロンフアンの皆さんすみませんでした><


これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^^



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] カロンがめっちゃいいヤツになってしまいましたね。 しかしこういう状況でも悠斗の天然会話のおかげでなごみますね♥︎ ちなみに英二君はダメダメじゃないですから〜(笑)
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