表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
232/406

閑話・ 夢

お疲れ様です。


フリーランスなのに社畜な緋色ですが、

実は緋色の部屋にエアコンがつけられないのですっ!orz

ってなことで、只今の部屋の温度は33℃となっております><


で、今回は閑話と言う事で・・・。


179話でカロンが見た夢のお話となりますので、

楽しく読んで頂けたら幸いです^^


それでは、閑話をお楽しみ下さい。

俺はカロン・・・かつては武神と言われた元・神だ。


そう、俺はあの日・・・テレス山脈へ向かう為に、

宿屋に泊まった時に見た夢の話だ・・・。


宿で食事を終えた俺達はその後、部屋で話し合った結果、

明日は馬車を買い、その馬車でテレス山脈へと向かう事になった。


そして話し合いを終えるとミレイは部屋へと戻って行くと、

ユウトは俺に少しキツめの視線を向け口を開いた。


「お前・・・何をそんなにイライラしてんだよ?」


「べ、別に苛ついていた訳じゃねーけどよ・・・」


図星だった・・・。


俺は自分ではどうしようもない感覚に苛立ちを感じていた。

その感覚とは・・・。

この生身の身体の事だ・・・。


それを薄っすらと感づいているユウトが、

俺に意味有り気な視線を向けてくるのだが、

その俺を憐れんだ目で見ていると錯覚し、

それを俺はどうにも我慢がならなかった。


更にユウトは話を続けた。


「お前の体力の無さと何か関係があるのか?」


・・・そうぬかしやがった。

またしても図星で正直こいつの観察眼には恐れ入るぜ。


「体力っつーかよ?まだ生身の身体に馴染んでねーだけだ。

 てめーが心配するほどの事じゃねーよ」


「本当にそれだけなのか?

 俺にはまだ他に何かあるんじゃないかと思っているんだけど?」


「・・・ねーよ」


「・・・そうか、お前がそう言うのなら・・・」


ユウトのヤツはそう言うと、再び意味有り気な視線を向けてきやがった。

ったく・・・てめーはてめーの身の心配でもしてやがれってんだよっ!

ほんとにお前は・・・どこまでもお節介野郎だな?


こいつはきっと、純粋に俺の事を心配してくれているだけなんだろうが、

人族の優しさ・・・っつーのか?

まだ慣れていない俺には、かなりキツイってんだよ・・・

ったく・・・苛つくぜ。


ユウトは「明日は早いから寝ろよ?」って言いやがるが、

俺は「・・・ああ」としか言えなかった。



やはりと言うか何と言うか・・・。

俺は寝着けずに居た。


俺はベッドから身を起こし暗いその部屋へ視線を向けると、

ユウトのヤツはぐっすりと眠っていやがった。


「・・・人の気も知らねーで、救世主様はもうぐっすりかよっ!」


あまりにその安らかな寝息に、

俺は無意識にそう言葉を漏らすと・・・。


「・・・早く寝ろよ」


「!?」


俺の無意識に出た言葉に、ユウトのヤツから突然そう言われ、

俺の心臓はドクンっ!と激しく脈打った。


「起きているのならそう言いやがれってんだっ!」


「・・・・・」


そう俺はユウトのヤツに言ってやったんだが・・・。


「・・・ムニャムニャムニャ」


「寝言かよっ!?えらくハッキリとした寝言だな、おいっ!」


と、思わず突っ込んじまった・・・ははは、まじで驚いたんだけどな?



そして寝着けない俺はベッドを抜け出し、

心地いい風が吹き込んで来る窓辺へと移動し、

マジック・ボックスからティーセットを取り出すと椅子に腰を降ろした。


紅茶を飲み何気に視線を外へと向け、

俺は物思いに(ふけ)った。


そして寝返りを打つユウトを見た時、

こいつとも色々とあったよな?

そう考えると、俺は自然と苦笑していたようだった。


訳のわからないモノに操られ、

神として理不尽をし始めた時、俺はこいつに出会った。


最初はたかが人族だと、正直舐めてかかっていたが、

こいつの実力は間違いなく本物だ。


はっはっはっ・・・まさか操られているとは言え、

他所の星から来た人族に助けられる事になっちまったのは、

まじで・・・驚いた。


あぁ~・・・そう言えば「まじ」って言葉は、

ユウトに聞いたところによると、「本気」と書いて「まじ」と言うらしいな?

いつの間にか俺もこいつの言葉が移っちまったぜ。


ほんとにこいつはおかしな野郎だ。


何故かは知らねーが、こいつは全てを救おうとしやがる。

そんな事、無理に決まっているだろうによ~?

それでもそうなるよう足掻いちまうんだ・・・バカだぜ。


俺はユウトの寝顔・・・じゃないな?

今は後頭部が見えているんだが、恰好つかないので寝顔って事にしてやる。


そう、こいつの寝顔を見て今までの事を思い出すと、

俺もこいつと一緒に居て、何だかんだと言いながらも、

楽しかったんだな~って・・・今、改めてそう思う。


だがっ!俺が何か言う度に、頭をボコボコ殴るんじゃねーよっ!

っと、そう思ってはいるが、

俺が悪いのだから許してやる事にした。


・・・つーかよ?俺が神であってもそうでなくても、

こいつは何も変わらないんだな?

ははは・・・ウケる。


おっと、これもユウトのヤツの口癖みたいなものか?

俺もすっかり馴染んじまったぜ。



俺は紅茶を飲みながら視線を再び外へと向けた。


「この身体・・・一体どうしたってんだ?

 生身ってのはこんなにも動きが悪いモノなのか?

 それとも生身の身体を扱えない俺に何か問題でもあるのか?

 その理由がわからねー・・・」


俺がそう言葉を呟くと・・・。


「お前はバカだからな~」


「・・・あぁ~♪なるほどっ!俺がバカだからか~♪

 はっはっは~っ!そりゃ~納得だぜ~♪

 ・・・って、おいっ!」


「スゥ~、スゥ~・・・」


「・・・お、起きてるのか?起きているんだよな?

 おーい・・・ユウトーっ!?

 って・・・まじで寝言かよっ!?

 タイミング良過ぎだろっ!

 って言うか・・・逆に凄いわっ!

 流石救世主様だぜっ!」


まぁ~この時こいつの頬でもつねってやろうかとも思ったが、

後が怖いので止めておく事にしたのは言うまでもない。


「つーかよ?忘れがちなんだが・・・。

 こいつの異能って一体何なんだ?

 こいつの星にはこういったヤツがゴロゴロ居やがるのか?

 あの力・・・普通じゃねー・・・

 こいつにはまだ得体の知れないモノが絶対に在りやがるっ!」


俺はふと思った疑問を声にして、こいつに聞かせてやった。

それはこいつがまたタイミング良く寝言のふりをして、

何か言ってくるだろうと思ったからだ。


「・・・・・」(1分経過)


「・・・そろそろ何かあるだろ?」(5分経過)


「・・・お、おーい・・・ユウトさーん?」(10分経過)


「・・・やっぱり寝てやがんのかっ!?

 ま、紛らわしいヤツだぜっ!」


それから俺は紅茶を飲み干すと、いい感じで睡魔に襲われ、

俺は眠りに着いていった。



(・・・ロン・・・カロ・・・カロン)


(ん?何だ?誰が俺を呼ぶんだ?)


俺が目を覚ました時、俺が立って居た場所は・・・


(ここはどこだ?・・・ん?滝の・・・音?)


辺りを見渡すとどうやら俺は、どこかの川辺に立って居た。

滝の音と思われる場所に自然と足が進み、

気がつけば俺の目の前には十数メートルはあるかと思える、

滝の前に俺は立って居た。


(・・・こんな所に滝?つーか・・・ここはどこだよ?)


(来たか・・・カロン)


俺は咄嗟に身を(よじ)りながら回避行動を取り、

着地と同時に構えを取った。


(誰だっ!姿を見せやがれっ!)


鬱蒼と生い茂る木々に視界を奪われつつも、

俺は気配察知と魔力察知を使用した。


だが・・・。


(・・・スキルが使えねーっ!?)


魔力や神力も使用不可となっていた事に動揺していると、

「ガサッ!」っと茂みの中から、体格のいい男が現れた。


(・・・何者だっ!?)


呼吸を整え身体の重心を落すと、俺は戦闘態勢に入った。

しかし俺の目の前に立つ男は、何故か俺に笑顔を向けていやがった。


(・・・驚かせてしまったかな?)


この男は終始笑顔でいたが、その身体から滲み出る力を

隠そうとはしていないようだった。


(・・・答えろっ!貴様は一体何者で、ここはどこなんだっ!?)


俺がそう言うと、その男は笑顔を崩さないまま口を開いていった。


(・・・まずはその警戒を解いてもらえるように、自己紹介するとしよう)


(・・・自己紹介だ?ふざけてんのか・・・てめー・・・)


(はっはっはっ!そう警戒しないでくれ。

 俺の名は・・・「ヲグナ」

 眠っている君の夢の中で語りかけている)


(ヲグナ・・・?俺の夢の中?)


(あぁ~、そう言う事だ。君の意識に直接語り掛け、

 今後君達に起こるであろう最悪から守る為に語り掛けているんだ)


(訳わかんねー事いいやがってっ!うさん臭せーぜっ!)


俺は持てる限りのプレッシャーをヲグナと名乗る男に放ったが、

それすらも不発に終わったようだった。


するとヲグナは真顔に変わるとこう言った。


(いいかい?この場所をしっかりと覚えておけ・・・。

 近い将来、君達はこの場所を必ず訪れる事になる)


(ち、近い将来・・・だと?)


(あぁ、そして君は・・・この地である選択を強いられるんだ)


(選択・・・?その選択ってのは・・・何だよ?)


(・・・フフっ、それはまだ言えないが、

 その選択次第によっては、君は死ぬ事になるだろう)


(お、俺が・・・し、死ぬ・・・だとっ!?)


(あぁ・・・だからその選択を見誤らないで欲しいんだ。

 だからこうして俺が忠告に来たって訳だ)



この時俺はこの男の言う事が理解出来なかった。

そりゃ~そうだせ?

突然そんな事言われて、理解しろってのがおかしいだろ?


俺がそう考えていると、知るか知らずかはわからねーが、

そのヲグナは言葉を続けた。


(彼には既にある方が付いておられる。

 だから一応・・・心配ないとは思うが、それでも念の為・・・。

 まぁ~そう言う事だ)


(・・・彼?ある方?・・・全然わかんねーよ)


(そうか・・・。だが今はそれでいい・・・。

 ただ、この場所を忘れないでくれ。

 君にとっても、彼にとっても・・・この場所は・・・

 ・・・もう時間・・・か。

 これもまた・・・運命と言う訳か・・・)


ヲグナはそう言うと光り輝き、

一瞬にして白鳥へとその姿を変化させると、

羽ばたきどこかへと飛んで行ってしまった。


(・・・一体何が起こるってんだよっ!)


そう言葉を吐き捨てた俺は、急激に闇の中へと落ちていった。



そして再び目を覚ました時・・・。


「ん?起きたか~・・・カロン、おはよう」


「ん、んっ?・・・ユ、ユウト・・・?」


ユウトは俺を見ると何故か不思議そうな顔をしていた。

その事をユウトに話をすると・・・。


「ほらっ・・・」


そう言って俺のベッドの上から、木の葉を数枚取って見せた。


「ほら・・・どうしてベッドに木の葉があるんだよ?」


「・・・木の葉?た、確か・・・どこかで?」


ユウトにそう聞かれると、俺は誰かに何かを言われたような気がしていた。

俺は必死に思い出そうとするのだが、

突然「グゥゥゥ~」と鳴った腹の虫に負けてしまい、

結局思い出さないまま宿屋を出て、俺達は馬車を買う為に歩き始めたのだった。



そしてその道中・・・。


俺は馬車の中で再び声を聞いた・・・。


(因果応報って事かな?色々と邪魔が入るようだな?)


その言葉と同時に、俺は馬車の中で目を覚ますのだった。







さて、今回のカロンの夢のお話はいかがだったでしょうか?


夢の中で語り掛けて来たヲグナと言う人物は、

以前にも実は出て来ています^^


それと次回のアップですが・・・。


180話は通常通り来週水曜か木曜辺りで、

問題なくアップしますので^^



ってなことで、緋色火花でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 相変わらず伏線多いですね。。。 カロンが単なる「お荷物」ではなく、 悠斗の役に立つことができるのでしょうか?w カロンも、 アホながらもだんだん愛らしくなってきましたね♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ