179話 麓の異変と少女
お疲れ様です。
社畜過ぎる今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
と、言う事で今回179話ですねw
何がと、言う事なのかは置いておくとして、
今回の話ですが・・・。
全部書き換えましたっ!orz
あまりにもマニアックな話になってしまい、
後で読み返した時に・・・何だこれ?
そう思ってしまったので書き換える事になりました。
あまりにマニアック過ぎる自分に頭を痛めましたが、
何とか書き終える事が出来ました。
それでは、179話をお楽しみ下さい。
港町から旅立った悠斗達3人は、一路テレス山脈へと向かい旅立った。
まだ遠くに見える山脈を目指して歩いて居る訳なのだが、
それには深い事情があったのだった。
そしてここに1人・・・その事についてブツブツと文句を言う男が居た。
「それにしてもよ~・・・どうして歩かなきゃ行けね-んだよ!」
「いやいや、だから何度も言ったよね?
ヴォルカニック・ドラゴンのせいで、馬車が出ないってさっ!」
「わかってはいるけどよ~・・・納得出来ないつ-かよ?
俺達の為に別に馬車くらい出してくれてもいいんじゃね-のか?」
カロンの物言いに悠斗は苦笑しつつも、
ミレイと2人で説得し続ける事になってしまった。
そして夜更けが迫って来た頃・・・。
歩き疲れたカロンがはぁ、はぁと息を乱しながら声をかけてきた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・な、なぁ~ユウト~・・・。
ま、まだ着かねーのか?今夜の宿はどうなってんだよ~」
そう口を開いたカロンに対して悠斗はミレイに視線を移すと、
やれやれ・・・と言った表情を浮かべながら答えていった。
「もうすぐしたらヤンキ-って言う宿街が見えて来るから、
そこで一泊する予定よ?」
「そ、そうか・・・よ、良かった」
そう答えるカロンは安堵の息を漏らしていたが、
悠斗はその名称を聞いてポツリとつぶやいた。
「ヤンキ-か~・・・不良達の巣窟みたいな感じなのかな?」
そのつぶやきにカロンとミレイは互いに顔を見合わせると、
肩を竦めてスル-するだけだった。
それから1時間後・・・。
悠斗達は漸く今夜の宿となる宿場町「ヤンキー」に辿り着いた。
カロンは悠斗に借りたシルバーロッドを杖代わりにし、
ぜぇ、ぜぇ・・・と、肩で息をしながら弱々しく、
宿街のゲートを潜ったのだった。
「ユ、ユウト・・・お、俺はもう・・・げ、限界だ・・・」
先頭を歩いて行く悠斗とミレイの背後からそんな声が聞こえたが、
2人はその声をスルーしつつ目的の宿へと向かって行った。
ミレイは後方をチラっと見ると、シルバーロッドに寄りかかりながら、
ヨロヨロと歩くカロンに疑問を持っていた。
それを察した悠斗がそんなミレイに声をかけた。
「ミレイさん・・・カロンの事が気になっているんだよね?」
「え、ええ・・・」
「ん~・・・それって多分・・・元・神であるカロンが、
この程度の距離でへばっているのか?って事かな?」
悠斗の言葉に困った顔をして見せたミレイは、
思った事を口にしたのだった。
「元とは言えカロン様は武神だった事に間違いはないんでしょうけど、
どうしてああも体力がないのかなって・・・・?」
ミレイの疑問に悠斗は苦笑しつつも答えていった。
「何でもさ~?移動は基本神力や神界の門なんかに頼っていたら・・・
まぁ~カロン自身がそう言っていたんだけどね~・・・」
「違うのですか?」
「ん~・・・俺も確信が持てる訳じゃないんだけど、
生身の肉体に馴染んでないからかも・・・って思ってるんだけどね」
「・・・生身と言うのはそれほど神達にとっては不利になる・・・と?」
「さぁ~・・・どうだろうね?」
悠斗はそう返答しておどけて見せるが、
要するに、まだ何一つわかっていないと言う事は理解したのだった。
(生身のカロン様が今後ユウト様に不利にならなければいいけど・・・)
そう心の中で思った事は口にしないミレイだったが、
その不安は拭い切れなかったのだった。
そして今夜止まる宿の前に着くと、
ミレイは中へと入り2人部屋と1人部屋を取り、
外でカロンを待っている悠斗へ部屋の鍵を渡したのだった。
カロンの到着を待ち宿の中へと入った悠斗達は食事を済ませ、
悠斗とカロンの部屋で明日の予定を話し合っていた。
「こ、ここからは馬車は出るんだろうな?」
ベッドにうつ伏せになりながらカロンがそう言うと、
ミレイは静かに首を横に振って見せた。
それを横目で見ていたカロンがガバっ!と顔を上げると、
疲れによる苛立ちのせいか、ミレイに食ってかかり始めた。
「ミレイっ!話が違うじゃねーかっ!?
てめーがこの宿町からなら馬車は出ているって言ってただろうがっ!」
「す、すみません・・・。この宿の主人に話を聞いたところ、
やはり火山竜の影響で馬車は出ないそうです」
申し訳なさそうに謝罪しながら説明するミレイに、
カロンは顔をピクリと引きつらせていた。
「てっ、てめぇーっ!いいかげ・・・」
「ゴツンっ!」
「・・・ぐはっ」
そして怒鳴ろうとした瞬間、
悠斗がカロンの頭を拳で殴りつけていた。
「ぐぅおぉぉぉぉぉっ!」とひとしきり痛みに悶えた後、
カロンが涙目で悠斗を睨んだ時、
その悠斗の表情が無表情になっていた事に気付き言葉を詰まらせた。
「・・・うっ」と言葉を漏らしたカロンに、
悠斗が感情のこもらない声で言い放った。
「これ以上ミレイに絡むつもりなら・・・」
「・・・ゴクリ・・・な、なら?」
「・・・また、あの渚で燃やすぞ?」
「・・・うっ。そ、それだけはっ!」
悠斗はそう言いながら異能を発動させようとした時、
カロンは慌ててベッドから起き上がり正座をすると頭を垂れたのだった。
「す、すみませんでしたっ!」
「謝る相手が・・・違うんじゃ・・・ね?」
土下座をしながらも悠斗の殺気を感じたカロンは、
瞬時にミレイの方へと向き直ると、再び土下座をする事になってしまった。
この後、悠斗達は話し合い馬車を購入する事に決め、
明日に備え休む事にしたのだが・・・。
話し合いを終えた悠斗はミレイが部屋を出て行ったのを見届けると、
カロンに視線を移し口を開き、その後カロンは夢を見るのだが、
それはまた別の話である。
そして翌日・・・。
悠斗達は宿で食事を終えるとチェックアウトし宿屋を出て、
昨晩話し合って決めた馬車を購入する為、
宿主に教えてもらった商店へと足を運んだ。
「へい、いらっしゃいっ!」っと威勢のいい店主が出て来ると、
悠斗は事の説明をしていった。
「なるほどね~・・・」
そう言うと店主は悠斗達3人を見渡すと、
事情を察し展示してある馬車と厩舎へと案内してくれたのだった。
「お客さん、何人乗りが必要なんですかい?」
店主の問いにミレイが口を開き、昨晩決めた事を伝えていった。
「豪華なモノはいりません。
こちらとしては4人乗りで値段もお手頃でお願いします。
あっ、でも・・・出来れば屋根付きで♪
ユウト・・・それでいいのよね?」
「・・・うん」
ミレイは悠斗とカロンに視線を送りながら、店主にそう伝えると、
店主は悠斗に視線を向けながら暫く何やら考え込んでいた。
(・・・ユウト?もしやあの港町の?)
「うむ・・・」
悠斗達は首を傾げながら店主が話すのを待っていると、
小さく頷き口を開いていった。
「わかりました・・・。
まず馬車の方は4人乗りって事ですよね?」
ミレイが小さく頷き店主は店の者を呼び何か耳打ちすると、
4人乗りの馬車がある所へ案内するよう伝えた。
その案内に従い移動しようとすると・・・。
「お客さん、ちょっと宜しいでしょうか?」
「えっ?俺・・・ですか?」
移動しようと歩き始めた悠斗だったが、
突然店主に呼び止められ足を止めた。
この時カロンが少し何かを懸念するような顔を見せたが、
悠斗が軽く頷くと頷き返し、ミレイと一緒に移動していった。
そしてその場に残った店主と悠斗・・・。
悠斗は店主に向き直ると、その店主は話を切り出してきた。
「呼び止めてしまって申し訳御座いません」
突然口調が変わり驚く悠斗はその理由を聞くと、
店主の話はこうだった。
悠斗の事はこの宿町では名が通っており、
港町と交流がある者達の中でも有名らしい。
そしてその風貌も知れ渡り、
A級冒険者の旅団として、ミレイの顔も知っていたと言う事だった。
「あぁ~・・・だから俺の事を見ていたんですね?」
「はい、大変失礼致しました。
神がお認めになった御方ですからね~
失礼があっては私共も商売人として恥をかいてしまいますからな~」
「あははは・・・」
腹を割り本音を正直に話す店主に、
悠斗は頬をポリポリと掻きながら苦笑するしかなかった。
そして店主は更に話を切り出してきた。
「実は貴方様に見てもらいたい馬が居るのですが?」
そう話された悠斗は「わかりました」と答えると、
店主の後を着いて行き、厩舎に向かったのだった。
黙々と早歩きで向かう店主に悠斗は首を傾げるも着いて行ったのだが、
何故か店主はその厩舎を通り抜け、奥にある小屋の前で立ち止まった。
「百聞は一見に如かず・・・と、言う事で・・・」
そう話し始めた店主はその小屋の扉を開き中へ入ると、
純白の馬が1頭、悠斗をただ静かに見つめていた。
「・・・綺麗な馬ですね?
店主さん・・・この馬は?」
「はい、実は・・・」
そう店主が話を切り出すと説明を始め、
悠斗はその話に興味深く聞き入ったのだった。
そして話はこうだった。
ある日仕入れで山奥を歩いていると見知らぬ少女に出会い、
その少女にこの白い馬を預けられたとの事だった。
店主は一度は断るものの、馬の世話の費用なども含め、
かなりの金額を渡されたと言う。
店主は商人として金銭が発生してしまった以上は、
自分のポリシーを守るべく、預かる事になったようだった。
そしてその時、山奥で出会った見知らぬ少女からこう言われたらしい。
「いずれ貴方の店に、
テレス山脈へと向かう為に馬車を必要する者が現れます。
ですからその時にこの馬を渡して欲しいのです」
そう少女に言われ、今日まで丁重に世話をしていたらしい。
悠斗はひと通り話を聞き終えると疑問に思った事を口にした。
「その少女の言葉にあった・・・いずれって話ですけど、
どうしてそれが俺達だと思ったのですか?」
疑問に思った悠斗がそう言うと、
店主は自信に満ちた表情を浮かべながら、悠斗の問いに答えて行った。
「はっはっはっ!私は生粋の商人ですからね。
それに貴方様は神がお認めになられた方ですよ?
貴方様以外に誰が居ると言うのですか?」
「・・・ははは。そ、そんな理由で?」
「はい♪私はこれでも長年商人をしておりますので、
お客様の真意を見抜く事には自信があります♪」
「・・・あははは・・・経験に基づく事でしょうから、
俺が何か言う事はないですね」
悠斗はまいったと言わんばかりな表情を浮かべていると、
店主は満面の笑みを見せつつその馬を悠斗の前に連れて来た。
目の前に立つ純白の美しい馬に、
悠斗はそっとその頬に触れながら言葉をかけていった。
「お前が待っていたのは、本当に俺なのか?」
「・・・ヒィヒィ~ンっ!」
「ははは・・・ま、まじか~?わかった。
店主さん・・・こいつの面倒を見てくれて有難う。
確かに俺で間違いないみたいだ」
「・・・それは良かったですな♪しかし何ですな~・・・?」
「どうかしましたか?」
「神がお認めになられる方は、動物とも会話出来るとは・・・。
私も商人としてまだまだ未熟と言う事ですかな?
わっはっはっはっ!」
そう話すと店主はしてやったりと笑いながら歩き始め、
その後、カロンとミレイに合流すると代金を払い、
店を出て一路・・・テレス山脈にある採掘場へと向かうのだった。
そしてその道中・・・。
馬車の中ではカロンが快適そうに寝そべり眠りに着き、
ミレイは魔法書を熱心に読んでいたが、
いつからだろうか?
外から歌声が馬車の中へと流れて来ていた。
「・・・ん?歌声が・・・?
こ、これって・・・ユウト様の声っ!?」
馬車を操っていた悠斗は冒険者らしい生活に満足し、
馬車の手綱を握り楽しそうに歌っていたのだった。
「・・・あいつも歌なんて歌うんだな?」
いつの間にか目を覚ましていたカロンが「フッ」と笑みを浮かべていた。
その言葉にミレイも微笑むとカーテン越しに馬車を操るユウトを見ていた。
「愛を数えて12345♪今宵は時を止めて♪
愛のない遊びの相手でもいいわ♪
だけど本当は好きなのに♪あなたに尽くしてるのに♪
全然あなたは気付かないフリ♪
この鈍感♪」
そしてこの歌詞を聞いたミレイは苦笑しながら言葉を漏らした。
「・・・はぁ~。
鈍感な人が、この鈍感とか歌っちゃってるし・・・」
ミレイの複雑そうな言葉にカロンは苦笑いしながらも口を開いた。
「まぁ~、その何だ~。
お前さんも惚れた相手が悪かったと思ってよ~
諦めるこったな?」
カロンからそんな言葉が聞こえると、
ミレイは口をパクパクさせながら顔を赤らめていた。
そしてミレイがニヤニヤと笑みを浮かべるカロンに、
何かを言おうとした時だった・・・。
「なっ、何だよ・・・この森は・・・」
そんな言葉が聞えると、カロンはガバッと起き上がり窓から顔を出し、
ミレイもカロンから少し遅れて悠斗の背後から顔を出してきた。
「・・・も、森が・・・死にかけてやがるのかっ!?」
カロンの驚きの声に、悠斗は深刻そうな表情を浮かべ、
ミレイは変わり果てた森の風景に茫然とし言葉を失っていた。
「ミレイさん・・・ここってこんな風景なの・・・か・・・?
・・・じゃ~ない、みたいだね?」
悠斗はミレイに意見を求めようと話したのだが、
茫然としているミレイの気持ちを察し口を閉じたのだった。
その変わり果てた森の様子はこうだった。
テレス山脈に近付くにつれ、森の木々が枯れ落ち、
所々、燃えた後のようになっていた。
そして悠斗達が感じる気温もまた・・・あからさまに変わっていった。
「・・・この森とこの気温・・・ユウト何か関係があると思うか?」
「・・・多分、関係あると思うよ?
それに、動物達の声も聞こえない・・・」
そう答えた悠斗にカロンは顔を顰めミレイもまた同様だった。
そんな2人を気にしながらも悠斗は考えて行く。
(・・・木々の枯れ方や焼け方から察すると、
この異常な熱なのは間違いないんだけど・・・ね。
だけどこの刺激臭って・・・)
そう考えていた悠斗だったが、
何かに気付くと急いで走る馬車に結界を張った。
突然張られた悠斗の結界に、
カロンは悠斗の背後から顔を出すと説明を求めて来た。
「ユウトっ!一体どうしたんだっ!?突然結界なんか張りやがってよっ!
ちゃんと説明はあるんだろうなっ!?」
物凄い剣幕で声を挙げて行くカロンに、
悠斗は馬車を操りながら答えていった。
「匂いだよ」
「匂い?」
「ああ、さっきほんの少し刺激臭がした。
だから念の為に結界を張り、それに備えたんだ」
するといつの間にか悠斗の隣に座っていたミレイが、
怒った口調で口を開いた。
「だからソレって何なのよっ!」
苛立ちを見せるカロンとミレイに、悠斗は馬車を操りながら答えた。
「亜硫酸ガス・・・。火薬が燃えた後のような匂いがしたし、
それにこのまま対抗策もなしで行けば、
必ず呼吸器系に障害が出るからだよ」
「こ、呼吸器系・・・?」
「よ、よくわからねーが・・・。
と、兎に角このまま放っておけばヤバイって事だな?」
「そう言う事っ!一応結界で対処はしたけど、油断は出来ないからっ!
あと念の為に馬車の中に入っててくれっ!」
「わ、わかった・・・」
「わ、わかりました」
悠斗の指示で馬車の中に入ったカロンとミレイ。
そして嫌な予感が頭を過る悠斗は急ぎ馬車を走らせるのだった。
そして暫く時が経ち、テレス山脈の麓まで辿り着くと、
悠斗達は馬車から降り、辺りを警戒していった。
「な、なぁ~ユウト?ほ、本当に大丈夫なんだろうな~?」
悠斗に亜硫酸ガスの話を聞いたカロンは、息苦しそうに言うのだが、
悠斗は呆れた顔を見せながら答えた。
「い、いや、だからさ~・・・カロン達にはセルフ結界張ってるから、
別に問題ないってば・・・」
「ま、まぁ~お、お前がそう言うのなら・・・別にいいんだけどよ?」
そう答えるカロンにミレイは少し首を傾げ何かを思い出すと、
何故か申し訳なさそうに話をしてきたのだった。
「あ、あの~・・・カロン?」
「んっ?な、何だよ?」
「確かカロンって以前イルミネイトの本部でユウト様と戦った時、
火山系の技を繰り出していませんでしたか?」
そう話すミレイに、悠斗とカロンはお互いに顔を見合わせると・・・。
「「・・・あっ!?」」と、そう声を漏らすのだった。
そして・・・。
「そ、そうだったっ!お、俺ってそう言うの平気だったんだったぁぁぁっ!
な、なんだよ~・・・ビビらせやがってぇ~♪」
あれだけビビっていたカロンは平気な顔をしてそう言って見せると、
悠斗は拳を握るとカロンの頭部を殴りつけるのだった。
「いてぇぇぇっ!」と、呻きながら蹲るカロンを他所に、
ミレイは地図を広げ説明を始めるのだった。
「このテレス山脈ははるか昔に大陸の隆起で出来た山脈で、
海側は全て・・・断崖絶壁になっており、
村などの集落はありません。
しかしながらその反対側ともなりますと、
とても人気のある温泉地などもあり、人口密度はそれなりにあります」
ミレイからそう説明を受けた悠斗は何かを考え始めると、
ふと・・・ある視線に気付き振り返った。
「・・・そこに居るのは誰だ?」
悠斗がそう言い放ったのだが、視線を向けたその先には、
ただ焼けた木々の残骸だけだった。
警戒を弱めない悠斗にカロンが近づきながら口を開いた。
「ユウト・・・誰もいねーじゃねーか?」
「そう・・・ですね?私にも確認出来ません」
カロンとミレイはそう言うのだが、未だ悠斗は警戒を解かず、
その焼けた木々から視線を外さなかったのだ。
首を傾げつつ悠斗の事を見守り、
その視線の先の空間が少し歪み始めると、
気付いた時には既にその場所には、1人の白髪の少女が立って居たのだった。
「「!?」」
そして小さな声でこう言った。
「待っていたわ・・・」
小さな声でそう言った白髪の少女に悠斗は少し笑みを浮かべると、
わかっていたかのように答えたのだった。
「・・・君だろ?この馬を俺に預けたのは?」
そう答えた悠斗に少女がコクリと頷くと、
カロンもミレイも驚き、その視線を悠斗へと向けたのだった。
そして日暮れが迫った頃、
悠斗達はテレス山脈の麓で野営をする事になり、
白髪の少女を招き入れ話をする事になったのだった。
今回本当に自分のマニアックさに唖然としました。
亜硫酸ガスやら硫化水素など、火山性ガス関連と・・・
マニアック過ぎました。
次回からはこうならないよう気をつけたいと思います^^;
ってなことで、緋色火花でした。




