172話 狂戦姫のポーラ
お疲れ様です。
やっと時間ができて今回書き上げる事ができましたっ!
いや~・・・時間がなさ過ぎて・・・まじでもう・・・orz
今回はポーラの話なんですが、気に入ってもらえると幸いです。
それでは、172話をお楽しみ下さい。
悠斗は神界の門の娘と契約を交わし、その名を「黒紅」と名付けた後、
アシュリナの港町へと帰還したのだった。
そして・・・。
「ギイィィっ!」と、神界の門が開かれ悠斗が戻って来た。
「ふぅ~・・・やっと戻って来れた♪」
見慣れたギルドの会議室に満面の笑みを浮かべる悠斗だったが、
周りからの視線に気付くと、目をパチクリとさせていた。
「・・・みんな、どうかしたのか?」
状況が理解出来ない悠斗がそう口を開くと、
会議室に居た全員が苦笑いをしていたのだった。
「お前・・・一体何処に行っていたんだ?
確か俺達と一緒に神界の門をくぐったよな~?」
「えっと~・・・一緒にくぐったんだけど、
ちょっと色々と野暮用があって・・・」
そう答える悠斗にカロンは訝しい表情を浮かべた。
「一緒に戻ったはずのお前が居ないから、
何かあったんじゃねーかって事で、
今、ギルドの連中とその対策を話し合っていたところなんだぜ?」
「えっと・・・時間的にどれくらい経ったんだ?」
「・・・2時間ぐらいだな」
「・・・まじか」
この時実は神界の門とシロとの会話で・・・。
「あっ・・・」
「どうしたんですか~?」
「ユウト様の時間を修正し忘れていました」
「あらあら~・・・」と、そんな会話がされたとか何とか・・・。
悠斗は念の為、神界の門とシロとの出来事を話す事はしなかった。
何故なら、悠斗が契約を交わした「黒紅」は、破滅の門だからである。
勿論一般的には知られてはいないが、
でもこの場所には元、神であるカロンが居るから話す事はやめたのだ。
「ってな事で、ラウルに色々と頼まれちゃってさ~?」と、誤魔化した。
カロンは少し疑っていたようだったが、
半ば呆れた表情を浮かべると、「わかったよ」と、そう言っていたが・・・。
(あぁ~・・・バレてるな)
そう思いながら笑顔を向けたのだった。
そしてその日はギルドの会議室で解散する事になったのだが、
部屋を後にしようとした悠斗とカロンはウェズンに声をかけられた。
「ちょっとすまんが2人とも・・・俺の部屋に来てくれ」
「・・・わかった」
「俺も別にいいぜ・・・」
そう言って承諾すると、ギルマスであるウェズンの部屋にやって来た。
ソファーに腰を下ろした悠斗とカロンは、
ポーラにお茶を出され、ウェズンが来るまでの間くつろいでいた。
「待たせて悪いな?」
そう言ってウェズンが部屋にやって来ると、
座りなれた席に腰を下ろした。
「なぁ~ウェズン?俺達に何か用か?」
悠斗がカップを口から離すとそう話を切り出した。
そしてそんな悠斗の問いを聞きながらウェズンもカップを口にすると・・・。
「いやなに、お前達のこれからの行動を聞いておこうと思ってな?」
「行動って言われても・・・な?」
悠斗はそう言いながらカロンに視線を移すと、
カロンも同様だったようだ。
「俺はユウトに着いて行くだけだからな?」
「まじで着いて来るんだ?」
「当たり前だろっ!?今はあのお嬢ちゃん達が居ないからな~
お前を野放しになんて出来ねーだろっ!?」
「何んだろ?すごい言われようなんだけど?」
そんな会話をしていると、
「コホン」と咳払いを1つしたウェズンが口を開いた。
「じゃ~・・・ユウト。お前はこれからどうするんだ?」
「どうするも何もさ?前から俺は言ってるじゃんかっ!
冒険者ライフを満喫したいってさ」
「そ、そうか・・・」
「ああ、色々とさ~巻き込まれて来たから、
ちゃんと冒険者として生活したいんだよ。
だから少なくとも数日間はのんびりスローライフを送りたいっ!
って言うか、冒険者として色々と活動したいんだ」
「お、おうっ!そ、そうか・・・」
悠斗の熱弁にウェズンやカロン・・・。
そしてウエズンの隣の居たポーラまでもが苦笑していた。
それから暫くの間、ポーラから色々と説明を受け、
その話が終わる頃には、すっかりと陽は傾いてしまっていた。
ギルマスの部屋から腰を上げ窓の外を見た時、
悠斗は溜息を吐きポツリとつぶやいた。
「・・・陽がもう傾いてるし」
そうぶつぶつ言いながら悠斗とカロンはギルマスの部屋を後にしたのだった。
悠斗とカロンが1階へ降りると、
そのまま依頼が張り出されている掲示板に向かった。
「ん~・・・冒険者としての基本って何だろう?」
そう言葉を漏らすと、背後からポーラがその問いに答えた。
「そうですね~?ユウト様の実力でしたら、
やはり討伐依頼をされるのが一番なのでしょうけど・・・」
悠斗はそんなポーラの言葉に少し首をかしげて見せたのだった。
「ユウト様・・・。どうかされましたか?」
「いや、正直討伐の方が簡単だろうな~って・・・」
そう答える悠斗にポーラは「あぁ~」と察すると、
低ランクのボードから1枚の依頼を持って来た。
「ユウト様・・・。これなんていかがでしょうか?」
そう言ってポーラが持って来たのは・・・。
「快癒草20本」と書かれた依頼書だった。
その依頼書を手にした悠斗はにこやかに微笑むと、
ポーラの手を握ってブンブンと振りながら喜んでいた。
「これだよっ!これこれっ!まずは冒険者の基本って言ったら、
薬草採取だよねっ!有難うポーラっ!」
無邪気に喜ぶ悠斗の姿に、ポーラもまた顔を赤らめ笑顔を向けたのだった。
するとその様子を見ていた者達が冷やかしながら近付いて来た。
「ヒュ~♪お熱いね~?お二人さん♪」
「俺達もお姉さんとお近付きになりたいもんだぜ~?
なぁ~いいだろ?ちょっと俺達にそのお姉さんを貸してくれよ~」
そう言いながらニヤニヤとしながら近付くと、
ポーラの肩を掴み顔を近付けてきた。
「や、やめて下さいっ!」
嫌がるポーラにその男達はいやらしい笑みを浮かべていた。
(こう言う連中ってまだ居たのか・・・実に興味深い)
そう思いながら、そんな様子を黙って見ている悠斗に、
その男達は調子づいていく。
「ん~?そこのガキ~?
ビビッて声も出せねーってかぁ~?」
「おいおい兄ちゃんよ~?
女を取られたくなかったら、かかって来いよ~」
男達に挑発される悠斗だったが、
その本人は全く気にする素振りも見せずただ黙って見ていた。
そんな悠斗にカロンは苛立ちを抑えつつ念話を飛ばした。
(お、おいっ!ユウトっ!いいのかよっ!?)
(ん?いいって・・・何が?)
(何って・・・そりゃお前っ!このお嬢ちゃんがだなっ!)
(はっはっはっ!気にしなくていいと思うよ?)
(何でだよっ!明らかにやべーじゃねーかっ!)
カロンは拳を握り締め、
苛立ちがピークに差し掛かっていると判断した悠斗は・・・。
(カロン・・・。ポーラの顔・・・見てみなよ?)
(顔・・・だぁ~?)
カロンは悠斗に言われた通り、
未だ男達に肩を掴まれているポーラを見ると、
「ああ~・・・なるほどな」そう言って苦笑したのだった。
相も変わらず男達は、何も言って来ない悠斗に対し、
暴言を繰り返して大いに賑わっていた。
するとギルト本部の正面の扉が「ギィー」っと開き、
顔を覗かせたのは、悠斗を兄貴と慕うシーバだった。
一瞬この状況に目を鋭くしたシーバだったが、
悠斗の様子を察すると、静かに頷いて見せたのだった。
「YOYOっ!ねーちゃんっ!
もうこんなガキは放っておいて俺達といい事しようぜ~♪」
「そうだぜ~♪こんなシケた港町の冒険者連中など虫ケラ以下だぜ?
王都でBランクの精鋭である「金色の旅団」と言われる俺達がよ~
いい目を見せてやるってんだっ!
素直に着いて来た方が身のためだぜ~?」
「へっへっへっ!お姉ちゃん・・・見てみなよ~?
この港町の冒険者達は、俺達にビビッて何もしてこねー・・・。
ヘタレ過ぎて反吐が出るってもんだぜ~」
「ぶっ・・す・・・」
調子に乗った男達はポーラから漏れ出た言葉に一瞬固まった。
「・・・今、なんて・・・言ったんだ?」
ゴクリと喉を鳴らした一人がそう言うと、
ポーラから溢れ出る殺気に思わず肩から手を離したのだった。
「あんた達・・・さっきからゴチャゴチャゴチャゴチャ・・・と」
「な、何だよっ!ねーちゃんっ!急にどうしたってんだっ!?」
「な、なんて殺気を放ちやがる・・・」
ポーラの殺気がギルドのフロアを覆いつくすと、
そのポーラが2階へと視線を投げかけた。
するとそこにはギルマスであるウェズンが頬杖着きながら、
楽しそうにニヤリと笑みを浮かべつつ頷くと・・・。
「・・・どうやら許可が出たようです」
「きょ、許可っ!?」
素っ頓狂な声を出した男達にポーラは冷笑を浮かべると、
腰にあるアイテムポーチから、メリケンサックを取り出した。
首を捻りコキコキっと鳴らしながら、
両手にメリケンサックを装備して行くと、
顔を伏せ気味にしていたポーラは、スゥっとその視線を上げた。
そのポーラの視線に男達は背中に悪寒が駆け抜けて行った。
「こ、こいつ・・・やべぇーんじゃ?」
「ハハハ・・・そ、そんな訳・・・」
「お、俺達は王都のBランク・・・だぜっ!?
い、いくらなんでも・・・そ、そんな俺達が・・・女一人に・・・」
「・・・だ、だよな~?お、俺達に・・・敵う訳が・・・」
顔を引きつらせながらに、己の自尊心を総動員し、
この予想できない出来事に対応しようと必死なようだった。
そんな男達にポーラは冷笑を浮かべ口を開いた。
「・・・このまま無事で済む・・・なんて甘い事、
まさかとは思うけど、そう思っていませんよね~?」
両拳に装備したメイケンサックをガキンっ!と打ち着け合わせると、
ジリジリと男達に歩み寄って行く。
その余りのポーラの迫力に、男達は再びゴクリと喉を鳴らすと、
額に浮かんだ汗を拭いながら吠えた。
「バッ、バカにしてんじゃねーぜっ!」
「お、女がい、命を無駄にしてんじゃねーっ!」
「血祭りにしてやんよっ!」
「・・・やるしかねーな」
男達は口々にそう言ってポーラの迫力に飲まれないように気を張っていた。
そんな男達に構う事なく、ポーラはにじり寄りながら口を開いた。
「・・・御託はいいから・・・来なさいよ」
ポーラがそう言葉を発した時、
その背後に居た悠斗が後ろの方で見物していた男達に合図を送った。
(そっちに一人飛んで行くはずだから、巻き込まれないように移動してっ!)
悠斗のジェスチャーで意図を察した冒険者達は、
指定された場所から立ち去ると、これからの展開に胸を躍らせた。
すると背後に居た悠斗に念話が送られて来た。
(ユウト様、お心遣い痛み入ります)
(えっ!?ポーラって・・・念話使えるのっ!?)
(・・・はい。この件に関しましては、後日お話させていただきますので・・・)
(・・・りょーかい♪)
悠斗はポーラの背後で優しく微笑むと、
成り行きを見守る事にした。
「あんた達・・・覚悟は出来ているわよね?」
威圧を放ちながらポーラは男達に迫って行った。
すると一人の男が恐怖に歪んだ顔を向けながら、
剣を抜きポーラへと襲いかかった。
「お、お、お前が悪いんだぁぁぁっ!」
「・・・ダッサい男ねっ!」
そう言葉を吐き捨てると、
ポーラは斬りかかってきた男の肘に掌低を放つと、
その男の剣を奪って喉元に当てて見せた。
「す、すげ・・・」
「ポーラって・・・あ、あんな事出来たのかっ!?」
「お、俺・・・も、もう、からかうのをやめようっと・・・」
そんな声が周りから聞こえてきた。
周りの声にポーラは苦笑して見せるも、
剣を奪い去った男の鼻先で睨みを利かせていた。
「王都の・・・なんですってぇーっ!?」
「ひぃっ!」
ポーラの叫びに男はおびえた表情を浮かべると、
くるっと身体を回転させ、男の腹に回し蹴りを食らわせた。
「ぐはっ!」っと、呻き声を漏らしながら、
その男は悠斗が指定した場所へと飛んで行った。
「あっ!や、やり過ぎちゃったっ!?」
そんな声がポーラの口から洩れた時、
「やれやれ」っと含み笑いを漏らしていた悠斗が、
壁に激突する寸前でその男を受け止めたのだった。
「よっとっ!あ、あのさ~ポーラ・・・力入り過ぎだよ?」
「・・・も、申し訳御座いませんっ!
久しぶりだったものですから・・・つ、つい・・・」
悠斗とポーラが苦笑し合っていると、
その他の仲間達がワナワナと震えているのが見て取れた。
その様子を見ていた悠斗はシーバに無言で頷くと・・・。
「てめぇーら・・・あまり調子に乗らないほうがいいぜ?」
「なっ!?」
そう言って背後から短剣を男の首筋にペタリと着けていた。
驚いていたとは言え、この冒険者達は王都でBランクの手練れだ。
(ま、まさか俺達がこんなヤツらに・・・
そ、それに油断していたとは言え、俺が後ろを・・・!?)
未だ信じられないと言わんばかりに、
男達はただ唖然としていると、2階から様子を見ていたウェズンが口を開いた。
「お前らっ!王都の冒険者か・・・なるほどな。
それじゃ~いい事を1つ教えてやろう」
「い、いい事・・・?」
「ああ、王都でこんな名を聞いた事ないか?
「狂戦姫」って名をよ~?」
その瞬間、王都の冒険者達は見る見る顔が青ざめていった。
「う、嘘・・・だろ?
そ、その名は・・・俺も聞いた事が・・・ある」
「む、昔、王都で子爵が反乱を起こした時、
手練れの騎士達100名をフルボッコにしたと言われる・・・あの?」
「し、死んだんじゃ・・・ないのかよっ!?
そ、その時の怪我が原因で・・・」
「た、確か・・・その女の名は・・・ポ、ポーラ・・・。
Bランクでありながら、あの子爵の反乱をほぼ一人で沈めたって言う・・・?」
そんな事を言いながら、男達はポーラへと視線を向けるのだった。
「えっと~・・・ま、まぁ~そんな事もありましたね。
当時の私は力の欲求に抗えませんでしたから・・・ははは」
苦笑しながらそう答えたポーラに、男達は戦慄したのだった。
2階からニヤリと笑みを浮かべたウェズンは、
とどめ・・・とばかりに口を開いた。
「お前ら~・・・言っておくがな?
お前達が数々の暴言を浴びせたその男なんだが・・・」
ウェズンがそう言うと、男達は悠斗に視線を移すのだった。
「あ、あのガキに・・・何があるってんだよっ!」
苦笑を浮かべる悠斗の姿に男達は苛立ちを覚えつつ口を開いた。
「そのガキが一体なんだってんだよっ!」
「ああ、そうだぜっ!こ、この狂戦姫に助けられただけだろうがっ!」
そう吠える男達にウェズンが溜息を吐く、
不気味な笑みを浮かべて見せたのだ。
「はぁぁ~・・・お前らはそれでも本当に冒険者なのかっ!?
相手の実力も図れないとは・・・どあほうどもだな~」
男達はウェズンから再び悠斗へと視線を向けると、
それぞれが訝しい顔を向けたのだった。
その瞬間・・・。
「これでわかってもらえると、有難いんだけど・・・?」
男達が訝しい顔を悠斗に見せていたのにも関わらず、
気が付けば悠斗は既に男達の前に立って居たのだった。
「・・・ほぇっ!?」
「い、いつの・・・間に・・・!?」
「・・・嘘だろっ!?」
男達が唖然としていると、突如何かが悠斗の前に落ちてきた。
「ドサっ!」
「よいしょっとっ!」
悠斗の腕に落ちてきたのは、先程ポーラに蹴り飛ばされた男だった。
男達の前に移動する前に、男を上へと放り投げていた。
「この人は気絶しているだけだから・・・ほら、返すよ」
悠斗はそう言って、男達の前に気絶した男を放り投げた。
「ドサッ!」
事の次第がまだ飲み込めずに居た男達だったが、
未だ短剣を首筋に当てていたシーバが冷笑を浮かべ口を開いた。
「お前ら・・・本当に冒険者なのか~?
まだ兄貴の実力がわからねえなんてよ~・・・。
兄貴はな?Sランクの冒険者様なんだぜ?
だからわかるよなぁぁぁ~?
お前達がいくら束になったところで、
兄貴に傷の1つも着けられないって事がよぉぉぉっ!」
シーバの言葉にどう反応していいかわからない男達を見て、
ポーラが悠斗に念話を送って来た。
(ユウト様?)
(ん?)
(あの事を話しても宜しいでしょうか?)
(えっと・・・)
(ベルフリード家の件・・・です)
(うっ・・・。わ、わかった・・・よ)
悠斗から了承を得たポーラは、冷笑を浮かべ口を開くのだった。
「王都に居たのなら聞いた事もあるでしょう?
ベルフリード公爵の軍が敗れた事を・・・」
ポーラの問いに男達は無言で頷くと・・・。
「・・・ま、まさか、い、いや・・・でもっ!」
「・・・あ、あの話は・・・本当だったってのかっ!?」
「・・・たった一人の男に・・・か、壊滅したって話は・・・」
男達は呻き声をあげるかのようにそう口走ると、
そのまま床に膝を着き土下座を始めたのだった。
「申し訳・・・御座いませんでしたっ!」
男達が口々にそう言うのだが、
悠斗はしゃがみ込み、男達の顔を覗き込みながらこう言った。
「謝る相手が違うよね?」
「「「は、はいぃぃぃっ!」」」
そして男達はポーラに対して向き直ると、
心を込めた土下座を披露する事になったのだった。
そんな様子にアシュリナの港町のギルドは大賑わいを見せ、
こうして日が暮れたのだった。
こうしてギルド内でのトラブルは無事に解決したのだが・・・。
「な、何故だ・・・ま、また日が暮れてしまった」
悠斗はそう言って蹲ると、
ブツブツと何かを言い始めた。
「ないわ~まじないわ~・・・トラブル続きじゃんっ!
って言うか、もう俺ってトラブルの申し子じゃんっ!
ないわ~・・・まじないわ~」
そんな独り言に苦笑いする者達はこの後、
悠斗の気分を上げて行こうと必死になるのだった。
ウェズン ・・・ え~・・・アシュリナでギルマスやっているウェズンだ。
シーバ ・・・ え、ええっと・・・ほ、冒険者やっとります、シ、シーバです。
ウェズン ・・・ ポーラの事はお前達は知っていたのか?
シーバ ・・・ いやいやいやっ!知らねーですよっ!
ウェズン ・・・ そうか~まぁ~バレちまったものはしょうがねーな?
シーバ ・・・ え、えっと・・・バラしたのはギルマスじゃないですかっ!
ウェズン ・・・ はっはっはっ!そうだった、そうだったっ!
シーバ ・・・ ここで笑うんだっ!?少しは反省してくだーせよ?
ウェズン ・・・ どうして俺が反省しなくちゃいけねーんだよ?
シーバ ・・・ はぁ~・・・あっしは知りませんぜ?
ウェズン ・・・ な、なにがだよ?
シーバ ・・・ この後、ポーラのあねさんにどんな目にあっても・・・。
ウェズン ・・・ うぐっ!?・・・はぁぁ~・・・今日は俺、早退するわ
シーバ ・・・ そりゃねーですよっ!
ってなことで、緋色火花でした。




