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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
217/406

167話 シロの真実・前編

お疲れ様です。


超久々の休みでリフレッシュして帰ってきたら、

物凄いスピードでストレスが溜まっていく緋色です><


・・・仕事を俺に回すなぁぁぁっ!

と、思わず言いましたが、気持ちはよくわかるので、

引き受けてしまったダメな緋色・・・orz


こからも色んな意味で頑張りたいと思います^^;


ブックマークや感想など、是非っ!宜しくお願いしますっ!


次回のアップはまた「活動報告やツイッター」などでお知らせしたいと思います^^



それでは、167話をお楽しみ下さい。

「ギィィィィィー」


突然神界の門が出現すると、中から男が1人出てきてこう言った。


「それは私にやらせてもらえないかな?」


その男の出現は、誰もが予期しない事だった・・・。


神達が唖然とその男を見ている中、

クトゥナ達が駆け出すと片膝を着き礼を取って見せたのだった。


「サ、サーマン様っ!ご無沙汰しております。

 この間は大変お世話になりました。」


(って事は・・・あの人が医神・サーマンって神か?)


クトゥナ達がサーマンと話す中、悠斗はそのサーマンを見ていると、

カロンから念話が入ってきた。


(ユウト・・・)


(ん?カロン・・・どうかしたのか?)


悠斗がそう問いかけると、念話に入ってきたのはミランダだった。


(ねぇ、私も参加させてもらえるかしら?)


(あ、ああ・・・俺は問題ないけど、どうして不機嫌なんだ?)


念話で会話しながらミランダとクロが悠斗の傍にやってきた。

とても・・・不機嫌そうに・・・。


「な、何だよ2人とも~?

 どうしてそんなに不機嫌なんだよ?」


改めて悠斗がそう問いかけると、返事は念話で帰ってきた。

そしてミランダはサーマンを見ながら悠斗の肩に手を置くと・・・。


(ねぇ、ユウト・・・あの勇者の仲間達はサーマンを信用しているけど、

 私・・・いえ、少なくとも私もラウルも・・・そしてミスティも、

 あの優男(やさおとこ)の事を信用していないわ)


(待って下さい、ミランダさん・・・私も同じでしてよ?)


悠斗に笑顔を向けながらそう答えたのはクロだった。


(どう言う事なんだよ?)


(なぁ、ユウト・・・ラウルの開いた会議の事を覚えているか?)


(えっと~・・・ああ~・・・覚えてるよ。

 そう言えばその会議に医神・サーマンは出席していなかったんじゃ?)


(ああ、その通りだ。俺はその理由を知らねえけどな?)


少し口角を上げたカロンがそう言うと、続けてクロが話始めた。

視線を悠斗に向けながら・・・。


(あいつはね?油断ならない男なのよ・・・)


(だからどう言う意味なんだよ?

 医神って言うくらいだから患者が居たとか、研究で手が・・・。

 そう言う可能性だってあるんじゃないのか?)


悠斗がミランダにそう尋ねると、

そのミランダは首を振って見せたのだった。


(ん?ごめんミランダ・・・お前の意図がわからないんだけど?)


(ふぅ~・・・ユウト。

 あの会議の前にチタニアはサーマンを見かけているのよ?)


(・・・どこで?)


その悠斗の問いに今度はクロが答えた。


(・・・ミューレの村です)


(ん~・・・でもさ?その村ってサーマンの庇護下にあるんだろ?

 そこに居ても別におかしくはないんじゃないのか?)


(ユウト様は覚えていますでしょうか?

 あの村には洞窟がある事を・・・)


(ああ、勿論覚えているけど?

 確か蚕をその洞窟で飼っているんだったよな?)


(はい、ですが当時はまだ養蚕業はなく、

 その洞窟は・・・元、ダンジョンだったのです)


(・・・ダンジョンか)


悠斗が腕を組み何かを考えている中、

カロン、ミランダ、クロは顔を見合わせると、小さく頷いていたのだった。

そしてその3人で念話を使用し会話を始めた。


(なあ、ユウトになら話してもいいんじゃないのか?)


(そうね?ユウトなら先入観に影響されないと思うわ)


(で、ですが2人とも・・・。

 ユウト様をこれ以上神界の揉め事に巻き込むのは、

 (わたくし)は承認しかねますっ!)


3人の神達がそう話している時だった。

クトゥナ達と話をしていた医神・サーマンの視線がクロへと移った。

そして微笑みを浮かべながら近づくと、横目で悠斗を見ながら口を開いた。


「やぁ、3人とも・・・久しぶりだね?」


「あんた・・・ちょっと気安く私に話しかけないでもらえる?」


「ははは・・・相変わらず手厳しいね・・・ミランダは・・・」


「ふんっ!」


ミランダがそっぽ向く中、今度はカロンが口を開くのだった。


「うっす、サーマン・・・元気そうで何よりだな?」


「カロン・・・話は聞いたよ?

 でも人族になったからって私達は友だからね?

 何か困った事があったら、必ず連絡してくれよ?」


「ああ、その時は頼らせてもらうからよ。

 覚悟しておくんだな?」


「ははは、お手柔らかに頼むよ?」


気軽に話しているように見えたのだったが、

サーマンの視線がクロを捉えると、少し険しい表情して見せた。


「・・・なんですの?何か言いたい事があるのなら・・・おっしゃいな?」


「うむ・・・君には色々と聞きたい事もあるのだけどね?

 でもまずは・・・だ。

 そこで私を無視している人族の事を教えてもらってもいいかな?」


苦笑しながら悠斗を見ていたサーマンの言葉で、

みんなの視線が悠斗へと集まると、

その悠斗は、腕を組んで何やら考え事をしているようだった。


そんな悠斗に苦笑しながらも、答えたのはカロンだった。


「ああ~・・・あいつの事は気にするな?

 まぁ~かなりの変わり者だが、俺を助けてくれた大恩人だ」


「へぇ~・・・あの人族が・・・ね~。

 と、言う事はアレが噂の・・・ふ~ん・・・」


医神・サーマンのその何気ない一言にキレたのは、

ミランダとクロだった。


「サーマン・・・今何て言ったの?」


「・・・えっ?」


「・・・今、ご自分が何をおっしゃったか・・・と、ミランダは聞いたのです」


2人の女神のその鋭い眼差しに、サーマンは気圧されながらも、

苦笑しその問いに答えたのだった。


「えっと・・・。私が人族の事を、人族と言って何が悪いのですか?」


「あんた・・・ユウトがどれだけこの世界の・・・

 いえ、この神界をどれだけ救ってくれたのか・・・知ってるはずよね?」


「ははは・・・これは手厳しいね?

 ごめん、僕はあまり詳しく知らないんだ・・・ごめんね?」


「白々しいですわね?」


「ははは・・・どうして君達がそれほどまでにこの人族を過大評価するのか、

 私にはそれが全くわからないよ」


その言葉にカロンも含めミランダとクロが怒りを(あらわ)にすると・・・。


「あのーっ!ちょっとここで揉めないでもらえますか~?」


「「「「!?」」」」


そう口を開いたのは悠斗だった。

悠斗は溜息を吐きつつ勇者を指差すと、無言で首を振って見せたのだった。

そのやり取りを見たサーマンは険しい顔をして見せると、

悠斗に話しかけた。


「やぁ、初めまして・・・だね?

 私の名はサーマン・・・医神・サーマンだ」


「初めまして、俺は悠斗・・・カミノ・ユウトです。

 今後とも宜しくお願いします・・・サーマン」


「!?」


「・・・何か?」


悠斗は顔を顰めたサーマンに、薄く笑って見せると、

視線をカロン達に向け話を続けるのだった。


「カロン・・・今は揉めている場合じゃないからな?」


「あ、ああ・・・す、すまねぇ」


カロンは何度かサーマンをチラ見しながら、冷や汗を浮かべていた。

そんなカロンの様子がまるで目に入らないかのように、

悠斗は話を続けていった。


「兎に角・・・今は寿限無を何とかしなくっちゃな?」


そう言った時だった・・・。

あからさまに不機嫌な顔をしたサーマンが会話に割り込んできた。


「ちょっと・・・ちょっといいかな~?人族君?」


顔を引きつらせたサーマンがそう言葉を発するも、

悠斗はお構いなしに返答したのだった。


「あ、すみません・・・今、とても忙しいので・・・」


「なっ、何をっ!?わ、私が一体誰かわかって・・・」


「ええ、勿論わかっていますけど?

 医神・サーマンだよね?」


「なっ、何だ・・・とっ!?」


悠斗は鋭い視線をサーマンへと向けながらそう答えると、

そのサーマンは身体を小刻みに震わせていたのだった。



その様子を見ていた者達は、ただ見守る事しか出来なかった。


ダンケルは念話を通じ、クトゥナやフォルティナと会話していた。


(ユウト様のあの態度・・・間違いなく神への冒涜なのですが・・・)


(はっはっはっ!私は流石にもう慣れちゃったわよ?

 あのユウトがあんなあからさまな態度を取るなんて・・・ね?

 驚きではあるけど、ユウト・・・だからね~♪)


フォルティナはどこかでこうなる予感があったらしい。

あまり動じてはいないようだった。


(はぁ~・・・ほんとにあいつは誰と会っても態度を変えないのね?

 私達にとってはサーマン様はリアーナの恩人でもあるわ。

 だからちょっとは・・・って思うわよね?)


そんなクトゥナの言葉にフォルティナは笑みを浮かべると・・・。


(クトゥナ、じゃ~何かい?あんたはサーマン様に着くって事でいいね?)


(そ、それはどう言う意味なのよっ!?)


(意味も何も・・・そのまんまの意味だけど?)


そんなやり取りに笑みを浮かべたダンケルも、

楽しそうに参戦して来たのだった。


(私は~・・・ユウト様の味方をしますぞ♪)


(はっはっはっ!ダンケル~・・・あんたはもう立派なユウト信者だからね~?

 それで・・・クトゥナ、あんたはどうなのさ?)


(わ、私は・・・も、勿論・・・ユ、ユウトに・・・)


(フフフ・・・なら、決まりだね?)



そして悠斗の態度を見ていたロジー達は呆れた表情を浮かべていたが、

1人だけ・・・不安に胃をキリキリさせていた。


「ああ・・・ま、またユウト様が・・・」


まずそう言葉を漏らしたのはサウザーだった。


「フフ、お父様・・・いい加減に慣れなければ、

 ユウト様に付き従う事などできませんよ?」


「い、いやはや、また何ともまた・・・。

 ユ、ユウト様はどうしてこう・・・トラブルが・・・」


そんなサウザーに豪快に笑って見せたのは、

グラフィス・ベルフリードだった。


「わっはっはっ!」


「グラフィス殿っ!?わ、笑い事でありませんぞっ!?」


「これでこそ我が主と認めたユウト様だっ!

 サウザー殿?ユウト様が敵とみなした相手ならば・・・、

 たとえ神であっても儂は剣を向けるぞっ!」


「そ、そんな・・・グラフィス殿まで・・・はぁ~・・・。

 わ、私の寿命がどんどん削られていくような・・・」


力なく項垂れるサウザーに対し、ロジー含めここに居る全員が、

たとえ相手が神であったとしても、刃を向け戦う事を誓った者達だったのだ。


そんな中、1人ポツンとしているサウザーの顔色は、

どんどん青ざめ生きた心地がしないようだった。



そして睨み合う悠斗とサーマン・・・。

この場の空気を察したのは、悠斗ではなくサーマンだった。


「はぁ~・・・わかりました。

 無礼だったと私は非を認めます。大変申し訳ありませんでした。」


「・・・こちらこそ・・・失礼しました」


軽く頭を下げた悠斗は、早速話を本題へと戻すと・・・。


「寿限無の治療しなくちゃいけないんだけど・・・」


そう話を切り出した時だった・・・。


サーマンが悠斗の言葉を遮るように話始めた。


「私が治療しましょう」


全員がサーマンの話に頷いて見せたのだったが、

悠斗がその申し出をあっさり断ってしまった。


「すみませんが・・・サーマンに頼むつもりはないんだけど?」


その悠斗の一言に全員が唖然とし首を捻っていた。


「まっ、待ちなさい・・・ユ、ユウト君っ!」


「・・・何ですか?」


「い、いや・・・ほら、私・・・医神・・・なんだけど?」


「ええ、知ってますけど?」


「えっ!?い、いや・・・だからね?

 私以外に一体誰が治療すると?」


その言葉に笑みを浮かべて見せた悠斗に、

悠斗をよく知る者達は苦笑いを浮かべていたのだった。


(まぁ~ユウトの事だからそんな気はしてたけど・・・。

 どうせあんたが治すって言うんでしょ?

 多分あんたが治した方が、私達は安心出来るんだけどね~?)


ミランダは内心そう思いつつも、心のどこかでこう思っていた。


(・・・サーマンざまぁーっ!)っと。


そしてカロンは呆れ返りつつも・・・。


(はっはっはっ!言うと思ったぜっ!ぜっっったい言うと思ったぜーっ!

 ほんっとにこいつだけは・・・フフフ、見ていて飽きねぇーな~?)


と、内心本気で爆笑したい気持ちを必死に押さえていた。


(はぁ~・・・ユウト様はそう言う御方ですものね?

 信用出来ない相手ならば尚更ですわね?)


半ば諦めつつも苦笑を浮かべていたクロは、

真剣な眼差しをサーマンへと向ける悠斗に釘付けだったのだ。


(・・・また惚れ直してしまいますわね?はぁ~)



そんな連中を他所に、戸惑うサーマンは異議を唱えていた。


「まっ、待ちなさいっ!いいですか?私は医神なのですよ?

 これ以上の適役が他に居ると言うつもりですかっ!」


医神としてのプライドが許せないサーマンは、

気持ちが高ぶり歯止めが利かなくなり始めたのだった。


「だいたい人族の分際で・・・この神を差し置く事が許されるとでもっ!?」


悠斗はそんな言葉を吐いたサーマンに睨みを利かせながら殺気を放った。


「うがっ!」

(こ、これが人族の・・・さ、殺気なのかっ!?)


地に膝を着いたサーマンから苦痛の呻きが漏れると・・・。


「あんた・・・人の話を聞かずによくもぺらぺらと・・・。

 医神だろうが邪神だろうが・・・。

 これ以上ないくらいの適役がいるんだよっ!

 神だろっ!?少しは空気読めっ!」


その言葉を聞いた全員が実はこう言いたかった。


(・・・お前も・・・なっ!)っと・・・。


それを何とか堪えると、悠斗の話の続きに耳を傾けた。



「わ、私の他に適役っ!?・・・ははは、そんなバカな・・・」


「居るよ?あそこに・・・」


そう言って悠斗が指を差すと、全員の視線がある人物に向くのだった。

そしてそれを見たサーマンが声をポツリと漏らした。


「・・・か、彼女がっ!?」


「ああ・・・寿限無の治療は・・・シロが適任だと思う」


突然悠斗に指を差され戸惑うシロに、全員が驚いたのだった。

理屈は・・・わかる。

だが何故・・・?


そう思っていると、サーマンが悠斗へと視線を移し口を開いた。


「ど、どうして彼女が?」


「・・・説明するまでもないと思うんだけど?」


そう言った悠斗に今度はシロが口を開いた。


「何故・・・私なの?」


「お前には責任があるだろ?」


シロは少し首を捻って見せると、悠斗が威圧しとぼける事に釘を刺した。

するとその言葉にクロが割って入ってきたのだった。


「ユウト様っ!?今のは・・・どう言う意味なのですかっ!?

 せ、責任ならばっ!わ、(わたくし)の方がっ!?」


すると悠斗は悲しげに少し俯き口を開いていった。


「クロに罪はないと思う。

 全部・・・シロが仕組んだ事だからね?

 それと負の種・・・

 それの出処(でどころ)が・・・シロだから・・・かな?

 少なくとも、クロがあんなふうになったのは・・・

 シロがそう仕向けたからだよな?」


「えっ!?」


「事情は当然俺にはわからないけど、

 クロがああなったのは、シロがそう仕組んだ事だからだと思う。

 勿論、チタニアが操られる前に、

 シロを分離するとわかっていたからこそ・・・ね?」


「う、嘘・・・ですわ・・・そんな事・・・」


「そうだといいんだけど・・・ね」



この場に居た全員が困惑する中、悠斗は話の続きをしていくのだった。






実は今回・・・前後編にするつもりはなかったのですが、

勇者の閑話での反省を活かし、2つに分ける事にしました。


駆け足ってやっぱり自分に合ってないようで、

勇者の閑話は3つに分けるべきだったと、今でも後悔しています><


展開が遅いのはもう緋色の特性と言うか習性と言うか・・・。

米国ドラマの24方式だとでも思って下さいw


今後とも頑張って面白いモノを書きたいと思いますので、

宜しくお願いします。



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] あー、駆け足とか書いてしまってすみませんでした(>_<) でもやっぱりじっくり丁寧な表記の方が私は好きです。 他の読者さんはわかりませんが。。。 サーマンは全く信用するにはあやういし、 …
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