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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
210/404

162話 決着と神の衣

お疲れ様です。


今回のお話は、カロンとの模擬戦の決着です。

いつも応援有難う御座います。


まだまだ・・・悠斗の話は続きすので、

これからも応援宜しくお願いします^^


それと、ブックマークや感想などを頂けたら、

非常に嬉しく思います。


ツイッターなどでもフォローして頂けると、

とても嬉しいです^^



それでは、162話をお楽しみ下さい。

「行くぜっ!ユウトっ!

 吠えろっ!ヴェスヴィオっ!」


カロンの左腕のガントレットの神力が今・・・開放される。


火山弾(ヴォルケニック・ボム)っ!いけぇぇぇーっ!」


神力を核とした1000℃を超える火の玉が「ゴォォォっ!」っと、

唸り声をあげながら、悠斗に向かって放たれた。

悠斗は眉1つ動かさず、右腕を引き重心を落とし、

迫り来る火の玉を見据えていたのだった。


この時、2人の女神は驚愕した。

何故なら、悠斗の取る行動は回避か防御だと思っていたからだった。

だが・・・それは違っていた・・・。


(う、嘘っ!?い、いくらユウトでも無理よっ!)


(ユウト様っ!?しょ、正面から・・・う、撃ち合うのですかっ!?)


「・・・いいね♪

 真っ向勝負と行こうじゃないかっ!

 コォォォォっ!」


悠斗は呼吸音を変えると、左の拳に鬼の気を充填していった。

鬼の気を充填された左の拳から赤銅色の気がゆらゆらと立ち昇り始めた。


そして・・・。

「はぁぁぁぁぁっ!ぶっ飛べっ!鬼火弾(おにびだん)っ!」


迫りくる火山弾に対し、悠斗は鬼火の弾丸を放ったのだった。

赤銅色に染まった悠斗の鬼火がジャイロ回転を伴いながら、

火山弾へと真っ直ぐ向かって行った。


そしてカロンの放った火山弾と悠斗の放った鬼火が衝突すると、

一瞬にして火山弾が粉砕し、核となっていた神力も粉々に砕いた。


しかし悠斗は気を緩める事はしなかった。

火山弾が迫り来る中、

カロンの神力がその後方で凝縮されるのを感じると、

悠斗もまたカロンと呼応(こおう)するかように準備に入った。



時は少し戻り、カロンが火山弾を放った直後・・・。


カロンは己の放った攻撃を見る事もせず、

すぐに次の攻撃モーションへと移行した。


(ユウトはこれくらいじゃくたばらねぇーっ!

 ならばだっ!ならば俺の全力を持ってっ!ユウトを倒すっ!)


「はぁぁぁぁぁっ!全てを滅ぼすこの力ぁぁぁっ!

 ・・・喰らえっ!ヴェスヴィオ・イラプションっ!!」


ヴェスヴィオ・イラプション・・・

それは神力を纏った火砕流だった。

カロンの右拳(みぎこぶし)から放たれた円柱状の二撃目は、

灼熱と雷を帯びたカロン最大の攻撃技だった。


放たれた攻撃は火山弾の後方2m付近まで迫り、

悠斗が放った鬼火弾が火山弾を粉砕したが、

カロンの放った二撃目に呆気なく飲み込まれてしまった。


しかし悠斗は笑みを浮かべ楽しそうに攻撃態勢に移行し、

「バシュっ!」と言う音を響かせると・・・。


(あの時は・・・まだ未完成だったけど・・・

 創造魔法の究極の一端を形としたこれならっ!)


悠斗は一瞬で神力を巡らせると、右手を強く突き上げ、

神界へ轟くほどの声を挙げた。


雷神神衣(ライジンカムイ)っ!」


悠斗の叫びで刹那の瞬間、悠斗の身体が白銀に光輝くと、

白銀の衣を纏い、(おびただ)しい雷が、悠斗の身体から放電され、

神力と青白い雷の神の衣・・・神衣カムイ)を纏った。


「・・・神衣カムイ)・・・雷神モードっ!」


そして悠斗は瞬時に右拳に力を凝縮すると、

その右拳を放つ瞬間、電磁砲(レールガン)のように、

神力で加速させ白雷(はくらい)を撃ち出した。


「ブブゥンっ!バリバリっ!ドシャッ!」っと轟音を響かせ、

眼前に迫るカロンの攻撃にその拳を放った。


「白雷・雷神拳っ!」


悠斗が拳を放った刹那の瞬間に、

カロンの「ヴェスヴィオ・イラプション」は、

轟音と共に(またた)()に撃ち消されてしまった。


(一体何がっ!?)


そして悠斗の放った白く輝く雷神の拳は、威力が弱まる事なく、

「ドシャァァァっ!」と、

轟音を響かせながら一直線にカロンの左頬を(かす)め、

クロの作った結界壁に炸裂すると消滅したのだった。


「シュゥ~・・・」っと、煙と水蒸気が立ち込める結界の中、

全ての者達が結界内の灰色のモヤが消えるのを待っていた。



「い、一体な、何が・・・何がどうなって・・・!?」


「ま、まだあの灰色のモヤは消えねーのかよっ!

 って言うかっ!な、何だよっ!あの威力はよっ!?」


「・・・け、決着はっ!?い、一体どうなったのだ・・・」


(マ、マスターっ!ついに一人で完成させたのかよっ!)


(こ、これじゃ・・・これじゃあーっ!何もわからないじゃないのっ!)


サウザー達やスピリット達が、

固唾を飲んで灰色のモヤが晴れるのを待つ中、

その灰色のモヤの中でも、ハッキリと見えていた女神達。


そんな女神達・・・ミランダとクロだけはただ愕然としていたのだった。


(あ、あんな・・・あんな大技があったなんて・・・。

 わ、私の聖域では・・・い、一度もそ、そんな技・・・。

 そ、それにあれって・・・神の衣じゃ・・・!?)


ミランダはその悠斗の姿を聖域内でも1度も見た事がなく・・・。

そしてその神々(こうごう)しさに打ち震えていた。


(あ、あれは・・・ま、前に一瞬だけ見せた・・・

 か、神の衣・・・で、でも、あの時よりも、更に精錬されて・・・

 それにあの・・・し、白い雷は・・・)


以前クロはその姿を一瞬だけ見た事があった。

クロ自身が乗っ取られ、勇者一行と共に悠斗と対立した時、

あの時見たほんの一瞬の姿をクロは今でも忘れてはいなかった。

だが、以前見たモノとは全く別モノだった事に胸を熱くしていた。



それから暫くすると、結界内の灰色のモヤが晴れた時・・・。

見守る者達は・・・驚愕の現実を垣間見る事になった。


「モヤが晴れてきたぞっ!」


「お、おい・・・あ、あの壁を見ろ・・・よ」


誰かの声に全員の視線が結界内へと向けられた。

すると白い雷が衝突したであろうその結界の壁は、

あろう事か、融解していたのだった。



そしてモヤの晴れた結界内では、

地面に倒れていたのが元・武神であるカロンであり、

白銀の衣を纏った男が、その場に立っていた事実に・・・

見ていた者達全員がただ言葉無く立ち尽くしていた。


だが行方を見守っていた者達はわからなかった。

そう・・・あのチタニア達と戦った者達以外は・・・。


そんな中、いち早く声を上げたのは、

誰でもない・・・雷帝の勇者だった。

その雷帝の勇者は、最後尾にて模擬戦を見ていたのだった。


何故こんな最後尾のこの場所で・・・?

そう・・・何故なら・・・。

悠斗が帰還した際、声を掛け会えなかったのは、

自分達の罪と不甲斐なさ・・・そして悠斗の助けになれなかった失望感に、

今の今まで悠斗に声を掛ける事が出来なかったからだった。


悠斗を避け、遠くから見守るにように見ていた・・・。

そんな勇者が身体を震わせながら思わず声を漏らした。


「・・・か、神だ」・・・と。

そう消え入りそうな声を漏らしたのだった。


白銀の衣を纏った悠斗の姿は、神々しいばかりではなく、

その顔立ちと、その神の肌の白さと独特な琥珀の瞳・・・。

そしてその白銀の髪の色に・・・。

ただ神が降臨したと見間違うほどだった。



その雷帝の勇者の声が聞こえたのか、

悠斗はその視線を向けると・・・。


「・・・あ、兄貴・・・なの・・・か!?」

その言葉にクトゥナ始め勇者一行達の視線が悠斗へと集まった。


「あ、あれは・・・ユウトなの!?

 ユウト・・・か、神様に・・・う、嘘っ!?」

クトゥナは眩しく見える悠斗の姿に、戸惑いを隠せなかった。


「はは・・・やっぱりいい男ってのは、こうでなくっちゃね~?

 男も女も関係なく・・・ありゃ~惚れちゃうわ♪」

フォルティナは見惚れつつ笑みを浮かべ、悠斗に見惚れる連中の顔を見ていた。


「おおお~っ!?あ、あれぞまさしく・・・か、神っ!?」

ダンケルは両膝を着き、胸の前で手を組み重ね合わせると、

涙を流し悠斗に祈りを捧げていたのだった。


その勇者一行の姿に、

他の者達も相次ぎ悠斗に対し(ひざまず)き礼を取って見せていた。



そして一方クロの作り出した聖域内では・・・。


悠斗の前にうつ伏せに倒れているカロンの姿があった。


すると悠斗は結界の外から、

(わず)かに聞こえた方へと視線を送り、

ただ微笑んで見せると、ハゲた者が両膝を着く姿の後に、

全ての者達が悠斗に対し跪き頭を垂れる者達に苦笑していたのだった。


(みんな、な~にやってんだか・・・ははは)


そして悠斗はカロンの元へと歩みを進めると、

ヒールを使用し全快させ、カロンをそっと抱え立ち上がった。


そんな様子を伺っていたクロが尊敬の眼差しを向けながら、

カロンを抱きかかえる悠斗へと近づき声をかけてきた。


「お疲れ様です・・・ユウト様

 とても素晴らしいお姿が拝見でき、このクロ・・・感動致しました」


そう言ってクロは片膝を着くと頭を垂れ礼を取って見せた。


結界内の様子を見た者達が、その姿に感動の声をあげる中、

ミランダもまた瞬間移動で悠斗の前へと移動すると・・・。


「・・・ユウト、見事としか言いようがないわ♪」


「ええ、(わたくし)感動で胸が・・・」


ミランダとクロがそう感想を述べると、

悠斗は屈託のない笑顔を2人の女神へと向けるのだった。


「・・・2人ともありがとな?

 俺達のバカな頼みの為に頑張ってくれて感謝してるよ♪

 だからさ・・・こいつの分も含めて礼を言うよ。

 ミランダ、そしてクロ・・・本当にありがとう♪」


その悠斗の声に2人の女神達は改めて跪くと、

自然に頭を垂れ礼を取っていた。


悠斗の神々しさと、より精錬されより大人びたその姿に・・・。

2人の女神は心からの礼を取ったのだった。



神衣を解いた悠斗は「ふぅ~」と、息を吐き、、

結界の外に居た数人の騎士達に声をかけると、カロンをそっと預けた。


「今はただ気絶しているだけだから、

 カロンをどこか休める部屋へ連れて行ってもらえないかな?」


悠斗は数人の騎士達にそう頼むと頭を下げ笑顔を向けた。


「か、かしこまりましたっ!ユ、ユウト様っ!」


騎士達の声を聞いた悠斗はミランダとクロへ向き直ると、

ミランダが笑みを浮かべ悠斗の腕を取り悔しそうに口を開いた。


「な、何よっ!神の衣を纏えるなんて聞いてないわよっ!

 わ、私の時だってあんな技使ってなかったじゃないのよっ!」


赤く染めた顔でそう怒って見せたミランダに、

悠斗は苦笑するしかなかった。


「あはははは・・・ご、ごめん、ごめん」


そしてクロもまた、そんなミランダの行動に慌てて、

悠斗の空いた腕を取ると興奮を押さえながら口を開いた。


「ま、前に一度見せた・・・あ、あれがそうでしたのね?

 本当に・・・本当に素晴らしいですわっ!」


「ああ、あれはまだ未完成で練習中だったからね?

 存在進化の賜物・・・って事だね?」


そう言って微笑んで見せたのだった。



そして時間が流れ翌朝・・・。


ベッドの上で目覚めたカロンは体を起こすと、

自分の肉体へのダメージをチェックしていった。


「・・・何ともなっていないようだが、

 ハハハ・・・そうか、俺・・・負けたんだな?

 そっか~・・・はっはっはっ!負けたかぁ~♪」


勝負の行方の記憶がないカロンだったが、

己の現状にスッキリとした笑みを浮かべていた。


(一瞬すら・・・あいつの攻撃が見えなかったなんて・・・な?)

「・・・おかげでっ!と・・・」


勢いよく起きたカロンはベッドが降りると、

そのまま部屋を出て、悠斗が居る部屋へと歩いて行った。


(あの最後の一撃は見事だったな?

 最後まで記憶がないのは悔しい限りだが、

 ただ何かが俺の頬を掠めた事だけは覚えている・・・。

 恐らくあれが・・・ユウトの放った一撃なのだろう。

 フッフッフッ・・・格が・・・違うってか?はっはっはっ!)


ニヤけるでもなく、苦笑するでもなく、

様々な思いが入り混じった表情を浮かべ悠斗の部屋の前に辿り着いた。

カロンはドアノブに手をかけ部屋をノックしようとすると、

悠斗が居るであろう部屋の中から怒鳴り声が響いてきた・・・。


「だいたいねぇー、どうしてあんたが此処に居るのよっ!

 とっとと、私のユウトを出しなさいよっ!」


「うわっとっ!?なっ、なんだぁ~!?」


突然聞こえてきた怒鳴り声にカロンは顔を引きつらせて、

ドアノブに掛かった手を思わず引っ込めてしまった。


「わ、(わたくし)も今っ!たった今っ!来た所なのですっ!

 ミ、ミランダがユウト様を隠したに決まっていますわっ!

 私のせいにしないでいただけませんかっ!」


「どうして私がユウトを隠さなくちゃいけないのよっ!

 あんたが隠したに決まっているでしょっ!

 さっさとユウトを出してっ!

 さもないと・・・()かせるわよっ!」


「逝かせるですってぇぇーっ!?

 邪神の女神が何を偉っそうに言ってるんですのっ!?

 フフフ・・・片腹痛いですわねっ!」


「ふふ~ん・・・いいのね?

 今からボロ雑巾のようにしてあげるから有り難く思いなさいよっ!」


「ボ、ボロ雑巾ですってぇーっ!

 だ、だいたい貴女は前から気に入らなかったのですわっ!

 いつも、いつも、いつも・・・私とユウト様の邪魔ばかりっ!」


「はぁ~っ!?いつも、いつも、いつも、いつも邪魔してるのは・・・

 クロっ!あんたでしょうがぁっ!

 どれだけ私達の邪魔をすれば気が済むのよっ!」


と、この様に・・・。

悠斗の部屋から個性溢れる会話が飛び交っていたのだった。


カロンは深く溜息を吐き項垂れていると・・・。


「カローンっ!おーいっ!こっち、こっちっ!」


誰かがカロンを呼ぶ声がした。

カロンは辺りをキョロキョロと見回すと、

大きな壺の調度品の陰から、悠斗が手招きをしていた。


「お、お前っ!どこにっ!」


「しぃーっ!しぃーっ!」と、悠斗は慌てた様子を見せていた。


「あぁん?な、何だ!?」


カロンは(いぶか)しい表情を見せながら、

悠斗の元へと気だるそうに歩いて行った。


「お、お前なぁーっ!」


「うわぁっ!だ、ダメだってっ!あいつらに気付かれるだろっ!?」


悠斗がカロンの口を手で塞いだ時だった。


「バタンっ!」と、突然悠斗の部屋の扉が勢いよく開き、

中から怒りの形相を浮かべたミランダが飛び出して来た。


「誰よっ!・・・んっ!?今、確かに誰か居たような・・・?あれ?」


咄嗟に廊下の物陰へと隠れた悠斗とカロンは、

その様子を伺っていると、

ミランダが何か騒ぎながら辺りをキョロキョロと見回していた。


悠斗とカロンはお互いに頷くと、気配遮断を使用し隠蔽に入っていく。

すると悠斗の部屋の前から声が聞こえてきた。


(こ、この声・・・クロかっ!?)


悠斗は隣に居たカロンに視線を移すと、額に汗が滲んでいたのが見え、

とても複雑そうな表情を浮かべながら・・・。


(な、何でこの俺まで隠れないといけないんだっ!)


(しぃーっ!だってばっ!)


悠斗とカロンが焦る中、

スタスタと廊下をこちらに向かってくる足音が聞こえてきた。


((ヤバイっ!?))


悠斗達が隠れているほんの数歩手前に来ると、

クロの声が聞こえてきた、


「・・・このフロアには居ないかもしれませんわね?」


「・・・そうね・・・。

 ちょっと他を当たるしかなさそうね・・・?」


ミランダが残念そうにそう言うと、

クロが何やらクンクンと何かの匂いを嗅いだようだった。


「・・・クロ~?どうしたのよ?」


「い、いえ・・・でも・・・この匂いは・・・」


「ちょっと、一体どうしたのよ?」


クロの様子が気になったのか、ミランダはクロの元へと戻って行った。


((た、助かったぁ~))


安堵の息を漏らす2人に、クロが匂いを確かめながら再び口を開いた。


「こっ、この匂いは・・・まっ、間違いないですわっ!

 この匂いは・・・あの・・・ちょいワル筋肉ダルマですわっ!」


((!?))


「あんたの鼻・・・一体どうなってんのよ?

 って言うか・・・あんた・・・いつから犬になったのよ?」


「誰が犬ですかっ!誰がっ!」


クロはそう言ってミランダに抗議するが、

そのミランダは全然取り合おうとはせず話を進めていった。


「つまり・・・あれでしょ?

 あの負け犬筋肉ダルマが悠斗を拉致ったって事じゃないの?」


(は、はぁーっ!?

 な、何でこの俺がこいつを拉致らねーといけねーんだっ!

 そ、それに・・・誰が筋肉ダルマだっ!誰がっ!

 てめーらっ!あ、後で必ず謝罪させてやるからなぁぁーっ!)


心の中でそう叫ぶカロンだったが、

隣に居た悠斗が額に汗を滲ませ、必死に爆笑を堪えていたのだった。


(て、てめぇーっ!だ、だいたいてめぇーのせいでよっ!)



悠斗の胸ぐらを掴んで揺さぶろうとした時、

クロの声がまた聞こえてきた。


「つまり・・・ミランダさん?

 あの負け犬で薄汚い筋肉ダルマが私のユウト様を拉致った・・・と?」


「ええ、私の・・・っ!は置いておいて、

 クロの鼻と超絶可愛い可憐なこの私の推理が正しければ・・・。

 間違いなくっ!今度の主犯は・・・あの、筋肉ダルマZよっ!」


(き、筋肉ダルマ・・・Zって・・・ん~何だろ?

 一体何を想像してZってなったんだろ?それが気になる・・・)


悠斗の疑問を他所に、2人の女神は固くがっちりと握手すると・・・。


「絶対に・・・絶対に捕まえてやるわっ!

 私のユウト・・・待っていてっ!

 必ず悪の筋肉魔王ダルマZからっ!私が必ず救い出してあげるわっ!」


(あ~・・・なんだろ?もう名称がよくわかんなくなったな・・・?

 でも筋肉ダルマは固定なんだね?奥が深いな~・・・)


「コホン・・・わ・た・し・のっ!ユウト様を助ける為ならば・・・

 この世界を滅ぼす覚悟ぐらい出来ていますわっ!

 まずは手始めに・・・あのバカキンダルマを・・・殺すっ!」


(・・・へ、変な簡略化されて余計に変なネーミングになったんだけど?

 こ、これはあれかっ!?ある意味・・・存在進化と言うヤツだなっ!)


「クロ・・・時間がおしいから、行くわよ?」

「ええ・・・早く・・・殺しましょ?」


そう意気込むと2人の女神は、

悠斗の部屋の前からどこかへと転移したのだった。


悠斗の部屋のドアを開けっ放しで・・・。



危険が去った悠斗とカロンは隠蔽を解き廊下へとコソコソ出ると・・・。


「あ、危なかった・・・・」


「な、何で・・・お、俺までがてめぇーらのいざこざにっ!」


猛烈に抗議を始めようと、再び悠斗の胸ぐらを掴んだ時だった・・・。

殺気を込め睨みつけた悠斗の瞳の中には、

「にんまり」と言う文字が何故か見えたのだった。


すると・・・。


「カロン・・・そう怒るなよ。

 いや、()えてだ・・・敢えてこう言わせてもらおうっ!

 悪の・・・。悪の負け犬バカキンダルマ魔王Zっ!」


(つな)げるなぁぁぁぁぁーっ!」っと、


イルミネイト教団本部の屋敷中に、

カロンの悲痛な叫びが・・・むなしく響くのだった・・・。



そして・・・。


その屋敷の中で平常通り働いていた女性が、

その声に反応すると足を止め上の階を見つめこう言った・・・。


「・・・盛のついたネコでも飼っているのかしら?」と・・・。


そうつぶやいたのは、ステアだった。

そんなステアの様子にロジーは笑みを浮かべると・・・。


「・・・去勢しなくてはなりませんね?」


ロジーは静かにそう言ったのだが・・・。



その瞳は・・・何故か冷たく笑っていたのだった。







ラウル ・・・ やっほ~いっ!あなたの・・・ラウルだよ~♪おひさ~♪

ミスティ ・・・ ご無沙汰しております。ミスティで御座います。

ラウル ・・・ ねぇねぇ、知ってる~?原作者が「怪異譚」を書くらしいよ?

ミスティ ・・・ ええ、噂には聞いておりますので、拝見したい思います。

ラウル ・・・ で、今日はその怪異譚の主人公「駿河君」に来てもらってまーすっ!

駿河 ・・・ 初めまして駿河 真一です。宜しくお願いします。

ミスティ ・・・ あら?とても礼儀正しいのですね?

         そんな貴方には、私の手料理を差し上げたいと思いますわ♪

ラウル ・・・ き、君は気にいると手料理を提供するのが趣味なのかい?

ミスティ ・・・ そぁ、駿河様・・・意気込みをどうぞ♪

駿河 ・・・ 緋色さんの話では、月1でアップするようなので、

       今後とも宜しくお願いします。

ラウル ・・・ えっ?ぼ、僕の話・・・スルーなの!?

ミスティ ・・・ それでは皆さんごきげんよう♪

駿河 ・・・ ご、ごきげんよう・・・?

ラウル ・・・ がくっorz



ってなことで、緋色火花でした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 悠斗の進化、相変わらず半端ないですね。。。 カロンはすっかりいじられキャラになってしまいましたが、 好感度はアップですね(笑) 怖いお話か〜。。。 夜中に読んでトイレへ行けなくならない程…
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