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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
209/407

161話 神器・ヴェスヴィオ

お疲れ様です。


実はですね・・・。

4月くらいから新しい話を書く予定なのですが、

またその話はツイッターでする事にしますので、

興味ある方はそちらの方でご確認下さい。


ブックマークや感想などしてもらえると、

非常に嬉しく思います^^



それでは、161話をお楽しみ下さい。

悠斗とカロンが模擬戦を行う前・・・。


ミランダ達は悠斗とカロンがクロの待つ場所まで、

歩み始めた時だった・・・。


その背中を見守る者達が口々にその模擬戦の予想を立てていた。

ウェズンはゼノの肩に手を置くと・・・。


「なぁ、ゼノ?正直お前はこの模擬戦をどう思う?」


「ん?それは勝敗が・・・って意味か?」


「ああ、そうだ。お前はどっちが勝つと思うんだ?」


「はっはっはっ!聞くまでもねーだろ?

 間違いなくユウト様が勝つっ!」

ゼノのその自信たっぷりさにウェズン苦笑していたのだが、

その話にサウザーがやや興奮気味に口を開いた。


「ゼノ、ど、どうしてユウト様が勝つと思うのだっ!?

 カロン様は元とは言え神であり、

 武においても武神としてご活躍された御方なのだぞ!?」


「んー・・・。確かにそうなのでしょうが・・・。

 何て言うんですかね~?

 俺にはユウト様が負けるイメージが出来ないんですよ」


苦笑しつつ説明に悩むゼノに、レダが言葉を足した。


「ユウト様がご帰還された時に・・・

 つまり先程会った時に思ったのですが・・・」


途中で言葉を切ったレダに、

サウザーは焦れったい面持ちを見せていた。

その顔つきにレダは顔を少し引きつらせると、話を続けた。


「その・・・ですね?

 ユウト様が今まで纏っていた御力が感じられませんでした」


「つ、つまり・・・どう言う事だね?

 も、もっとわかりやすく説明してくれると有り難いのだが?」


レダは一度ゼノに視線を向けると、軽く頷いて見せていた。


「つまり・・・今までのユウト様は、

 あの赤銅色の御力を制御出来ていなかった・・・

 そう仮定致しますと、今回の一連の出来事で修練されて、

 それを制御出来るようになったと・・・そう思えるのですが?」


「な、なるほど・・・ユウト様の雰囲気が少し変わったのも、

 これで納得出来ると言う事か・・・ふむ」

(た、確かにそうだ・・・以前のような圧迫感が感じられなくなったな)


そんな話に聞き耳を立てていたミランダが少し笑って見せると、

クロの元へと歩いて行く悠斗とカロンを見据えたまま口を開いた。


「・・・人族達よ。

 ユウトは生半可な修練などしていないわよ?

 それこそ必死になって今に至っているの。

 今日は本当にあなた達はとてもラッキーだと思うわ♪

 進化したユウトの姿がその目で見られるのだから・・・」


ミランダの言葉にその周りに居た誰もが驚愕した。

それは悠斗が「進化」した・・・と、

女神であるミランダがそう言い切ったからだった。


するとククノチがその話に入ってきて、笑顔を向けると・・・。


(へっへーんっ!マスターが進化したってのは、

 このククノチ様を見ても分かるってもんだぜっ!

 オイラはマスターが進化したから今の姿があるんだ。

 マスターを侮っちゃ・・・いけねーな~?)


「・・・進化か・・・」


そうポツリとサウザーがつぶやいた時だった・・・。

ミランダが「始まるわよ」と、そう一言言うと、

その場に居た全員が固唾を呑んで勝負の行方を見守るのだった。



悠斗とカロンが対峙すると、

クロの作り出した聖域の結界内に緊張が走っていた。

(さてっと・・・まずは小手調べってところかな?)


(フッ・・・ユウトのヤツ・・・緊張はしてねーみてーだな?

 それに俺にはまだ奥の手があるからよ~・・・

 それを見たユウトがどう言う反応をするか楽しみだぜ・・・)


カロンはそう思いつつステータスの中にある、

点滅する光を見つめ笑みを浮かべていた。


(ん?・・・何を見て・・・ああ~・・・ステータスボードかっ!?

 って事は・・・何か奥の手があるんだろうけど・・・。

 カロン・・・顔に出ちゃってるんだけど・・・それでいいのか?)


悠斗は半ば呆れてはいたのだが、カロンは久しぶりの戦闘で、

かなり舞い上がっているのだと予測を立てていた。


そして・・・。、


「・・・宜しいですわね?では・・・始めっ!」


(まずは小手調べだっ!カロンっ!)

(行くぜっ!ユウトっ!)


その合図に悠斗とカロンが同時に叫び声をあげた。


「「身体強化っ!Lv,10っ!」」


こうして悠斗とカロンの模擬戦が始まりを迎えたのだった。



身体強化で一気に駆け出した2人は、その真ん中で拳を放ち合っていた。

風を切り裂く音がサウザー達へと届く頃、

お互い離れ距離を取り笑みを浮かべ合っていた。


頬を緩ませたカロンは、模擬戦とは言え戦闘と言う、

肌を焦がすような感覚に神経が高ぶっていた。


「ユウトっ!お前・・・また強くなりやがったのかよっ!

 とんでもねーヤツだなっ!?」


「ははは・・・カロンこそ・・・いいキレしてるな~?」


「悪いがよ?近接戦は俺が有利っぽいよな~?」


「・・・それはどうかな?」


悠斗はそう言いながら冷笑を浮かべると、

カロンの左頬が鋭いナイフに斬られたかのように血を流していた。

カロンの頬に風が当たると、チクリとなにかが刺すように痛みが走り、

その頬を触れた(てのひら)に、血がついていたのだった。


(な、なんだ!?あいつの拳は全て避けた・・・はず・・・)


戸惑うカロンに悠斗は声をかけた。


「カロン・・・始まったばかりだぞ?」


(ちっ!俺とした事がっ!)

「ああ、わかってる・・・じゃ~今度は武器と行くか?」


「ははっ・・・付き合うよ♪」


カロンはマジックボックスからグレートソードを引き抜くと、

軽々と振り回し、悠斗を威圧するように構えた。


「・・・どうよ?」


「・・・はは」


つぶやくように笑った悠斗は同じくマジックボックスから、

シルバーロッドを取り出した。


悠斗は派手なパフォーマンスを見せる事もなく、

ただ普通に構えたのだが・・・。


(・・・こ、こいつ・・・死角がねー・・・な?

 達人は武器と己がまるで一体化したようになるものだがよ。

 こいつは何だっ!?

 一体化と言うよりは・・・何も武器など持っていないかのように見える

 ユウトのヤツ・・・一体どんな修行をしやがったんだっ!?)


カロンを真っ直ぐ見据える悠斗の目に、淀みは一片の欠片もなかったのだ。


悠斗は体重を後ろ足に一瞬かけると、

カロンとの距離を一気に縮めた。


「ガチンっ!」と、武器同士が衝突し一瞬火花が散った。


「ぐぉぉぉぉっ!ヤ、ヤバかったっ!」


カロンは(きょ)を突かれ悠斗のロッドをただ防ぐことしか出来なかった。


「ギチギチっ!」っと、2人の武器が(ひし)めき合う。

それと同時に2人の顔も戦気(せんき)に溢れていた。


「ぐぉぉぉっ!」


悠斗に押され始めたカロンは、渾身の力を振り絞って、

悠斗のロッドを振り払った。


「ちっ!」


そうカロンが舌打ちした時だった。

振り払ったはずのロッドが、

まるでカロンのグレートソードに引き寄せられたかのように、

再び鍔迫(つばぜ)り合いが始まっていたのだった。


「なっ、何故・・・な、何故・・・だ」


呻くカロンに悠斗は冷たい笑みを浮かべると、一瞬の隙を突き、

ロッドを(しゃ)に構え、カロンの剣を滑らせた。


「うわっ!?」


カロンは態勢を崩しつつも、何とか堪え再び剣を構えた時、

そこにはもう悠斗の姿はなかった。


「ベキっ!」と、言う音が漏れた瞬間、

カロンはくの字に曲がり膝を着き呻き声をあげた。


「ガハッ!ぐぉぉぉ」


地に膝を着いたカロンの頭の中は混乱していた。

突如として悠斗が気配とともに消え気付いた時にはカロンは既に・・・。


(・・・い、一体何がっ!?)


そう思った時だった。

地に膝を着いたカロンの上から悠斗の声が聞こえた。


「・・・もう終わりなのか?」・・・と。


その声を発した悠斗の目は・・・とても冷たいモノだった。


「あっ・・・あっ・・・」


言葉にならない声がカロンから漏れていた。


そしてそれは・・・この模擬戦を見守る者達も同じだったのだ。

そして(ようや)く声を発したのは・・・ゼノだった。


「か、勝つ・・・とは言ったけど・・・よ?

 こ、こんなにあっさり・・・と?

 う、嘘だろっ!?」


ゼノの吐き出した言葉は、ここに居た全員の言葉だったのだろう。

そのゼノの言葉に、まだ声を発する事が出来ない者達が頷いていたのだった。

すると、ミランダが腕を組んだまま口を開いた。


「・・・別に驚くような事じゃないわ。

 私の聖域でユウトとは何度も戦ったけど、一度も勝てなかったわ。

 って言うか、気付いたのよね?

 私とユウトでは熟練度が違い過ぎるって事に私は気付いたのよ」


横に居たゼノに視線だけ向けると、顔を(しか)めているのが見え、

ミランダはもう少しわかりやすく説明をする事にした。


「つまり・・・。ユウトは戦闘術において、

 私達神よりも熟練度が圧倒的に上なのよっ!

 たかが模擬戦だと思って攻撃が単調になると、こうなるって事ね。

 ・・・おわかりかしら?」

(確かにユウトのニホンでの出来事はある程度把握しているけど・・・

 でも、神よりも戦っていたなんて・・・普通ならありえる事じゃないわ。

 これは間違いなく・・・ニホンの神の仕業に他ならない・・・。)


この時ゼノは見た。

腕を組まれたミランダの爪が、その白い肌に食い込んでいた事を・・・。

そして見逃さなかった、ミランダが何かを思案していて、

それに対し怒りを(あらわ)にしていた事を・・・。


ミランダはその怒気を含ませた目をカロンに向けながら吠えた。


「カロンっ!あんたっ!本気でやらないとっ!

 何も出来ずにユウトにやられるだけって事がわかんないのっ!!」


ミランダの声がまるでカロンに届いたかのように、

カロンの体がビクッと一瞬痙攣を起こしたのだった。


見下ろす悠斗にカロンは苦々しく笑みを浮かべると・・・。


「はっ・・・はっはっはっ・・・わ、悪りぃーなユウト?

 俺はまだどこかで・・・(おご)っていたようだ・・・」


「・・・だろうな?」


「す、すまねぇー・・・」


「謝らなくていいから・・・さっさと立てよ。

 そして今度こそ・・・全力でかかって来いよっ!」


「うぐっ!」


威圧を含んだ悠斗の声に、カロンは恐怖を感じていた。

そして立ち上がったカロンは、己に喝を入れるため、

自分の頬を殴って気合を入れたのだった。


「ツー・・・」っと、カロンの口から血が滲み出ると、

悠斗へ向けて薄く笑って見せた。


「・・・行くぜ、ユウトっ!」


「・・・来いっ!」


悠斗がカロンにそう応えると、

カロンはステータスボードの点滅を躊躇(ためら)いなく押した。

するとそのカロンの身体から・・・凄まじい神力が放出されたのだった。


「なっ!?」


悠斗はカロンのその様子に驚きを見せていた。


「・・・何故カロンの身体から神力がっ!?」


すると今度は模擬戦を見守っていたクロが悠斗へ念話を送った。


(ユウト様っ!カロンは何かしらの手段を用いて、

 たった今っ!一時的に亜神へと・・・存在進化しましたわっ!)


クロのその声に悠斗は無意識に口から言葉が漏れていた。

クロには聞き取れなかったのだが、悠斗の口の動きはこう言っていた。


「・・・面白い」・・・と。


悠斗は少し距離を取りつつロッドを構え、カロンの動きを待った。


(突っ込んだらヤバそうだな・・・さて・・・どうするかな?)


カロンの身体はみるみる神力を纏うとその鋭い目が開かれると、

「ドンっ! 」と言う、身体から放出されてその衝撃波は、悠斗を襲った。


「・・・くっ」


悠斗はその衝撃波に小さく顔を歪めると、

一筋の汗が頬を伝って地面へとポトリと落ちた。


(・・・流石は武神ってところだな・・・

 でも・・・それだけじゃ・・・ね♪)


カロンの力に驚くものの、その顔は笑みが見て取れた。

そしてカロンは笑う悠斗とは対象的に、

背中に冷たい汗が流れるのを感じていたのだった。


(・・・何故だ・・・俺の勘がヤバイと告げているだと!?

 一体全体ユウトはどうなってやがんだよっ!)


数回頭を振り嫌な予感を振り払うと、カロンは天に向かって吠えた。


天現(てんげん)せよっ!武装神器ヴェスヴィオっ!」


その声に応えるかのように、

天から光が差すとオレンジとイエローの光が鎧と化し、

カロンの身体に装着されたのだった。


そして悠斗は神器の名前から、あるモノを思い出していた・・・。


(・・・確か、火山の名前だった気が・・・。

 って言うか・・・何故神器が使えるんだ?

 亜神ではそもそも・・・)


悠斗はそう考えている間に、カロンの武装は完了していた。

その鎧はとてもシンプルだが、特徴的なのは両腕のガントレットだろう。

格闘をメインとするカロンには相応(ふさわ)しいと言えた。


そしてオレンジとイエローの鎧が、

カロンの派手さを現しているようでもあった。


「はっはっはっ・・・待たせたな?」


「って言うか・・・どうして神器が使えるんだよ?」


その悠斗の質問に、カロンは少し笑みを浮かべると・・・


「・・・俺に勝ったら・・・な?」


その一言だけ答えると、カロンは構えを取りタイミングを計っていた。


「わかった・・・」


そう答えた瞬間、カロンは一気に悠斗へと詰め寄った。

剣を囮にカロンは回し蹴りを放ったのだ。


「うぉりゃっ!」


「うわっとっ!」


今度は悠斗が虚を突かれる事になるのだが、

その攻撃を紙一重で躱し身体を沈めると、

回し蹴りを放ったカロンの軸足を狙い、その足を蹴り上げた。


「ぐわっ!」と、カロンが倒れ込み、

悠斗はすかさずロッドをカロンの腹へと突き込むのだが、

カロンもまた紙一重で転がりながら間一髪回避した。


「ふ、ふぅ~・・・ヤバかった・・・」


息を漏らすカロンは既にその緊張により汗だくと化していた。

それに対し悠斗はそれほど汗をかいてはいなかったのだ。

それ程までに2人の力の差は歴然としていた。


呼吸を整えたカロンは剣を正眼に構えると、

魔力を剣へと流していく。


「・・・まだまだこれからだぜ」


そう言ったカロンだったが、悠斗はこの時ある事に気付いた。


(ん!?あれは・・・神力か?

 はっはっはっ・・・カロンのヤツ、意外と器用なんだな?)


悠斗が見たモノとは・・・。

グレートソードに流された魔力とは別に、

カロンの両腕のガントレットには、

(おびただ)しい神力が蓄積されている事に気付き笑みを浮かべた。


ジリジリと(にじ)み寄る悠斗とカロン・・・。

それを見守るギャラリー達もその緊迫さに音もなく静まり返っていた。


すると悠斗の圧力に押され始めたカロンが吠えた。


「・・・一気に行かせてもらうぜっ!」


カロンは後方へ飛び膨大なその魔力を剣へと込めていく。

そしてそれと同時にガントレットにも、神力が凝縮されていった。


「はぁぁぁぁぁっ!武神剣技・・・炎魔豪瀑布(えんまごうばくふ)っ!」


カロンの剣から放たれた一撃は、

渦を巻く炎となり悠斗へと襲いかかった。


(ははは・・・すっげーなっ!)


迫り来るカロンの一撃に悠斗は笑みを浮かべ笑っていた。

そしてこの時、2人の女神は悠斗の行動を固唾を呑んで見守った。


(ユウト・・・貴方の成果、ここで見せてもらうわ)


ミランダは妖しい笑みを浮かべつつ期待に胸を熱くし・・・。


(ユウト様なら・・・どうするのかしらね?

 お手並み、拝見させていただきますわ♪)


クロは悠斗の次の行動に背中をぞくぞくさせていた・・・。


ところが、悠斗は目の前に左手を突き出すと・・・。


(・・・さて魔力制御の成果をっ!)

「魔力球展開っ!」


悠斗がそう発すると、4つの魔力球が伸ばした腕の先に出現した。

しかしこの場には魔力球の存在を知るモノは・・・

ククノチとミツチだけだったのだ。


眉間に皺を寄せながら、その行動に2人の女神達も驚きを隠せないでいた。


(ま、まだそんな御力をっ!?)


(ははは・・・もう感想なんてないわ・・・流石ユウトね?

 で・・・?それだけじゃないんでしょ?)


クロとミランダが期待を寄せる中、

展開された魔力球は広がり分散すると突然炎を纏い始めた。


「爆炎球・・・灼熱陣っ!」


(うっそぉーっ!火炎球じゃないのっ!?)


(はっはっはっーっ!マスターの魔力球が進化してるぜっ!)


スピリット達の感動を他所に、悠斗の広がった爆炎球は盾となり、

カロンの放った技を凄まじい音をたてながら防いだのだった。


「バ、バカなっ!な、何だ・・・あ、あれはっ!」


驚きの声を上げたカロンだったが、徐々に押され始めた盾を見ると、

微かに笑みを浮かべていた。


(俺の技がそう簡単に防げるはずはねぇっ!

 ユウト・・・お前はもうジリ貧だっ!後がねーんだよぉーっ!)


そう思っての笑みだったが、次第にその笑みは驚愕へと変わっていった。

何故ならそこには・・・。


(やっぱりこのままじゃ~持たないな?

 なら・・・上へ押し上げるか・・・な?)


悠斗は伸ばした腕の奥で笑みを浮かべ、

指を「パチン」と弾くと・・・。


「・・・重力球っ!」


今まで炎を纏っていた魔力球が、

悠斗の合図で一瞬にして属性を変えたのだった。

するとその黒い重力球は、徐々に斜めに移動すると、

カロンの放った爆炎を重力操作で上へと押し上げていった。


「・・・な、何だ・・・そ、そんなのアリかよっ!?」


漏らすように出た言葉に悠斗はカロンにニヤリと笑って見せていた。


「なぁ、カロン?当然・・・とっておきってのがあるんだよな?」


悠斗のその問いにカロンは顔を引きつらせつつ答えた。


「ああ、その通りだが・・何だ、気付いていたのか?」


「当たり前だ?そのガントレットにそれだけ膨大な神力が凝縮されたら、

 普通に気付くってーのっ!」


「はっはっはっ!流石ユウトだな?

 だがな?お前には悪りぃーが・・・これは防げないぜ?」


カロンは潔く剣を捨てると、重心を落とし半身に構えた。

この時カロンは予測を立てていた。


(恐らくアイツなら、一撃目は難なく防ぐだろう・・・。

 だがな?俺のこの技は・・・ニ撃目が真の攻撃だ。

 これは重力を操る闘神であっても防げねーからよ?

 マグマを操るこの武神・カロンの最大奥義だぜっ!

 ユウト・・・覚悟しやがれ・・・)


カロンは眼力の威圧を上げると、

まず一撃目の左拳に神力を集中していくのだった。


そして悠斗は・・・。

(さてっと・・・ここだな?)


そう思うと悠斗の身体からは次第に赤銅色の気が漏れ始めるのだった。


「行くぜっ!ユウトっ!

 吠えろっ!ヴェスヴィオっ!」


カロンの左腕のガントレットの神力が今・・・開放される。

 






緋色です。


前書きにも書きましたが、

違う話を書いて行く予定なのですが、

そちらはツイッターの方で進行具合などを書いて行きますので、

興味があればご確認下さい^^


この後、状況を書く予定です。



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] お忙しそうなのに更に書かれるのですね。 というか、そんなにアイデアが出るのがすごい。。。! カロンとの戦いは悠斗の進化が具体的にわかりやすいですね♪ 新しい作品も期待しています♪
感想一覧
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