157話 動画ネタは伝わらない・・・。
お疲れ様です。
今回もまたおふざけ回ですね・・・><
まぁ~前半だけですがww
やっぱり別でコメディー書きたいな~っと思う今日この頃ですが、
決めたらツイッター等に書き込みたいと思いますw
次回のアップは、活動報告やツイッターに記載しておきますので、
そちらの方をお読み下さい。
それでは、157話をお楽しみ下さい。
「ははは・・・まさか・・・な?
こんな所で出会えるとはね・・・これも運命ってヤツかな?」
「・・・運命か・・・なるほど」
険しい顔を見せていたその男の顔からは、
もうその険しさはなくなっていたのだった・・・。
(ふむ・・・ついでだ。
少しずつ修練してきた精神操作をコイツで試すか?)
そう思った悠斗は目を閉じ集中していく。
呼吸を整え鬼の気を呼び出し、精神操作の準備段階へと移行していった。
そして鬼の気を言霊に乗せ声を発していく・・・。
ゆっくりと1つ1つ丁寧に・・・。
「・・・久しぶりだな・・・魔◯沙っ!・・・」
「ま、まり・・・な、なんだ!?」
悠斗の口から出た言葉に頭の中が真っ白になってしまった。
その様子をまるで楽しみ確かめているかのように、
悠斗の言葉は続いていった。
そんな悠斗の身体からは、揺らめくように赤銅色の気が漏れていた。
(そうだ・・・ゆっくりと地を這うように・・・
相手の気と俺の鬼の気を融合させてっと・・・)
「まさかあんたもこっちに来ているとはな~・・・
正直驚いたよ・・・君はてっきり動画の中の人かと・・・
日本では楽しい動画をいつも有難うっ!」
「お、お前・・・一体さっきから何を・・・?
それに・・・あ、あれ?・・・頭が・・・ボ~っと・・・」
(あれ?効き目悪いな・・・もう少し気を多めにっと・・・)
「ん?どうしたんだ?
あっ、そうだ・・・いつものセリフを言ってくれよ」
「い、いつものセリフ・・・?
な、なんだ?お、俺に・・・そんなセリフって・・・」
困惑する男は、まるで幻術にでもかけられたかのように、
次第に頭の中で悠斗の言葉がぐるぐると回っているかのように思えた。
次第にまぶたが落ちて来て半目になった事を確認すると・・・。
(おお~・・・いい感じになってきたな~♪)
(な、何だ!?目の前に・・・赤い霧が・・・)
「しょうがないな?じゃ~俺が代わりに言ってあげるよ♪」
「お、おうっ!」
「じゃ~・・・言うよ?
お前はここで・・・「ゆっくりしていってね~♪」・・・」
(・・・ウォウズ・・・やりたい・・・)
「・・・・??????」
「じゃっ!魔◯沙っ!そう言う事で~♪」
「あ、ああ・・・またな」
(ん~・・・これはどうなんだろ?
時間がかかり過ぎるよな~?
もっと修練を積めば短時間でいけるかも・・・)
悠斗による精神操作の修練は一応身を結んだ。
だが、その術に問題がない訳ではなかったのだ。
暫くの間、その男はただ呆然とその場に立ち尽くしていたのだった。
そして・・・。
状況を飲み込めないでいる、ククノチとアヤメは悠斗に口を開いた。
(なぁ~マスター・・・オイラ達には何が何だか・・・?)
「はい、私も同じです」
「・・・えっと~ほんのかる~いジョークです。
って言うか・・・まぁ~一種の実験だな?」
(んー・・・当然の事だが、日本の動画ネタは伝わないよな~?)
(じ、実験って・・・あははは)
「・・・?」
何とも言えない空気に包まれた2人を他所に、
悠斗の足取りはとても軽かったのだった。
再び3人は景色を楽しみつつ港町を目指していた。
そして暫くすると・・・。
「こらぁぁぁっ!待てぇぇぇーっ!ユウトーっ!」
物凄い勢いで走ってくるゴツマッチョの男を見た悠斗は、
「・・・ちっ!早いな?!もう復活しやがったかっ!
ふっ・・・流石だと言っておこうか・・・」と、
小さくつぶやいた声を、2人は聞き逃さなかった。
「ザッザァァーっ!」と、土煙をあげながら、
悠斗達の前に立ち塞がると・・・。
「おいおいおいっ!てめぇーっ!何やってくれてんだよっ!」
「・・・誰だっ!?」
「・・・へっ!?」
悠斗から返ってきた言葉に瞬きを何度かすると、
頭を数回振り術から逃れる事ができた。
「お、お前・・・俺が誰かわからねーんじゃ?」
(げっ!もう術を解きやがったっ!)
「すまない・・・敵に頭をやられて・・・お、俺は・・・」
「なっ、何だってっ!?ユウトっ!誰にやられたっ!」
「いや・・・はぁ~・・・もうなんか・・・いいや・・・。
って言うか、面倒臭くなったな」
「はい・・・?め、面倒臭いって何だよっ!
いいか~?だいたいてめーは前からだなっ!」
急激にボケるのをやめてしまった悠斗に、
その男は激怒し、説教を始めてしまったのだった。
そしてその様子に、ククノチとアヤメは苦笑いをしつつ、
念話で会話していたのだった。
(えっと~・・・これは完全にマスターは飽きちゃったみたいだな?)
(え、ええ・・・もはや気の毒としか言いようが・・・)
(ほんとに、すぐ飽きちゃうんだよな~?
付き合わされる方は大変だぜ)
(まぁ~でも聖域では練習されていたみたいですから・・・。
その成果が微妙だったのかもしれませんね?)
(はは・・・天下無敵の天然様の犠牲者って事だな~)
(・・・あはは・・・ははは・・・)
そして2人の念話が終わる頃・・・。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・」
「ん?疲れたのか・・・カロン?」
「あっ、当たり前だろっ!だいだいお前がだなっ!
えっ!?・・・い、今、お前・・・」
「ほら~さっさと来ないと置いて行くぞーカロンっ!」
「・・・お、おうっ!てめぇーっ!待てコノヤローっ!」
(あ~・・・やっぱ精神操作って難しいな・・・。
一旦保留にしますか・・・)
悠斗によっておちょくられ、その犠牲となった男は、
武神・カロンだった。
そしてカロンは事の説明を話しながら、
港町へ向けて歩みを進めて行くのだった。
「まぁ~・・・そう言う訳でよ?
これからはお前と一緒に旅をする事になったんだ」
「・・・って言うか、まだ何も聞いていないんだが?」
「・・・そ、それは~ほ、ほらっ!ナレーション的なヤツが・・・」
「そんなモノこの世界には存在しませんっ!」
「こ、こいつ・・・理不尽過ぎる・・・」
「って、言う事でククノチ、説明を頼む」
(お、おうっ!)
突然話を振られたククノチが説明役となり、
事の説明を改めて行っていくのだが、
話に興味がなかったククノチにはつらい大役だった。
(えっと・・・、カ、カロンは先の行いから、
か、神としての力を・・・えっとー奪われて・・・っと・・・)
「悪い・・・アヤメ・・・宜しく」
(・・・がくっ)
「は、はいっ!
こほんっ!つまり創造神様によって、神としての御力を剥奪された。
そして創造神様はこう言われたのです。
命を自ら断つのは好きにしても構わないが、
それなら人族として、ユウト様の御力になる事を進めると・・・」
「・・・にゃるほど♪良く出来ました。
どうもありがとう♪」
「い、いえ・・・お誉めにあずかり恐縮です」
カロンは自らの過ちを心から悔い改める為、
人族として、悠斗に仕えると決めたのだった。
「・・・なぁ~カロン?」
「ん?」
「真面目な話、ラウルに頼み込めばまた神として・・・
いや、武神としてまた人族を導いて行けたんじゃないのか?」
その言葉にカロンは思わす苦笑して見せると、
改めて悠斗に決意を表明したのだった。
「ユウト・・・確かにお前の言う通りかもしれない。
だが俺は一度、この世界の全ての生命を見捨てようとした。
そんなヤツがたかが改心してくらいで、
ガラリと変わるとは思っちゃいねー。
俺は人族になる事によって、今までの怠慢にケリを着けたいんだ。
だから頼む・・・。
お前達と行動を共にさせてくれっ!」
カロンは人目を気にする事もなく、
悠斗の前で土下座して見せたのだった。
「はぁ~・・・分かったよ」
「・・・すまねぇーっ!感謝するっ!」
心から悔いていると革新した悠斗は、
苦笑しつつも心の中で笑みを浮かべると・・・。
「なぁ~カロン・・・もしまた何かしでかしたら・・・」
「・・・ゴクリ」
「また・・・焼くからな?」
「・・・!?」
この時カロンは、かつて悠斗の異能によって、
全身をこんがりと焼かれた時の事を思い出したのだった。
その経験を持つカロンの背中に悪寒が駆け抜けた。
「・・・ア、アレは、嫌だっ!嫌なんだぁぁーっ!
お、お前達には・・・あ、あれがどんなモノか想像も出来ないだろう?
お、俺の修復速度が追いつかない程、次々焼かれていくあの恐ろしさをっ!
あんな事出来るヤツは・・・も、もはや・・・人族じゃねーよっ!
こ、こ、怖いんだよっ!ゆ、夢に・・・夢にまで出てきやがるんだよっ!」
苦悶に満ちた表情と、額から流れ出る汗を見せたカロンを見て、
ククノチとアヤメに説明したのだった。
「ふむ・・・いいか2人とも・・・これがトラウマってヤツだからな?
しっかりと覚えておくようにっ!
自らの行いは必ず自分に返って来るモノなんですよっ!
わかりましたか?」
「(・・・は、はいっ!)」
「・・・宜しい。では、しゅっぱーつっ!」
こうして悠斗一行は、アシュリナの港町を目指し歩き始めたのだった。
そして数時間歩くと・・・。
(マスターっ!港町が見えたぜっ!)
ククノチの言葉に悠斗は安堵していた。
色々な事があったが、
みんな無事でこの街に戻って来る事が出来たからだった。
「・・・やっと着いたか~、長かったな~?」
そう言いながらいよいよゲートが見える距離まで近づくと・・・。
「あれ?何かあったのか?」
悠斗が声を漏らした通り、港町のゲート前には長蛇の列が出来ていた。
すると、カロンが口を開き訪ねてきた。
「なぁ、ユウト?この街っていつもこんな感じなのか?」
「いや・・・ここまでの長蛇の列は初めて見るな~?」
「・・・何かあったのでしょうか?」
(マスター・・・また事件かな?)
「・・・どうだろうな?」
そう言いながらも様子を見る事になった悠斗達は列に並ぶと、
クロに作ってもらったサンドイッチを食べながら、気長に待つ事にした。
(なぁ~マスター?冒険者カードがあるんだから、
このまま門まで行けばいいんじゃないのか~?)
「あ~・・・一応そうは思ったんだけどさ?
アヤメは最悪精霊樹の枝に姿を変えてもらえばいいけどさ、
よく考えたらカロンは冒険者カード持ってないからな~・・・。
だから時間かかるじゃんか?
それに他の人達にも迷惑かかっちゃいそうだしな~?」
そう言いながら悠斗は視線をカロンに移すと、
苦い顔をしながらも無言で頷くだけだった。
そしアヤメは微笑みを浮かべながら悠斗の顔を見ていたのだった。
少しずつではあるが徐々に前に進むのだが、
かなり時間はかかりそうだった。
そんな時だった・・・。
冒険者だろうか?
門へと向かう者達が、時折こちらを見て何かを話している事に気付いた。
(マスター・・・この街を出る時、何かやらかしたんじゃねーのか?)
「えっ!?心当たりは・・・ないと思うんだけど・・・」
「ほんとか~?お前の事だから何かやらかしたんじゃねーのかよ?」
「・・・し、失礼なっ!」
そんな会話をしていると、何やらゲート付近が騒がしかった。
悠斗達は覗いて見ると、
どうやら数人が後方を指差しているのが見て取れた。
(なんなんだよ・・・?)
そう思いつつも再び雑談していると・・・。
「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ」と、地響きがこちらへと迫ってきた。
「な、なんだ~!?」
(マ、マスターっ!きっと何かあったんだぜっ!)
「・・・はぁ~どうしていつもいつもこうトラブルがっ!」
誰かが叫び声を上げながら、大勢がこちらに迫ってくる気配を察知すると、
悠斗は溜息を吐きながらショートソードを抜き、
頷き合うと一斉に列から飛び出し攻撃態勢を取った。
「・・・あ、あれ?」
「お、おいっ!ユウトっ!どうしたんだっ!」
「ユウト様っ!私も少しは戦えますので、
どうかお気になさらずにっ!」
(・・・えっと~マスター?)
悠斗とククノチは唖然としてしまい、
それを見ていたカロンとアヤメもまた、悠斗達の硬直に唖然としていた。
「・・・え、えっと~・・・みんな、一体何事?」
悠斗の絞り出された声に集まった大勢の人達が涙ぐんでいた。
「え、えっと・・・」
「お、お前・・・無事だったんだなっ!」
「へっ!?」
ウェズンが涙を流しながら悠斗に話しかけると、
集まった大勢の人達が一斉に土下座をして謝罪してきたのだった。
「・・・す、すまねーっ!ユウトっ!」
「は、はいっ!?」
土下座をしたままウェズンが話し始めた。
「お、俺達はユウトにとんでもねー事をしちまったっ!」
「・・・な、なんの話しだよっ!?」
すると後方から目の下に隈を作ったゼノが現れると、
片膝を着き頭を下げ礼を取った。
「・・・ゼノ」
「ユウト様・・・。まずは無事にご帰還された事を嬉しく思います」
「あ、有難う」
「それと共に、ユウト様に対し、非礼の数々をお詫びしたく・・・」
「い、いや・・・お詫びって言われても・・・」
悠斗は勿論だが、
カロンやククノチ、そしてアヤメにはさっぱり理解出来なかった。
「な、なぁ~ユウト?こいつら・・・一体なんなんだ?」
(そうだぜ?何だか大事にし過ぎている感じが・・・)
「事情はよくわかりませんが、彼らの誠意を強く感じます」
悠斗はカロン達に今土下座している連中の説明をすると、
溜息を吐きながらゼノ達に向き直った。
「って言うか・・・もう土下座はやめてくれ。
それから~ウェズン、ギルドの会議室で話し合おうか?
このまま居たら、街の人達に迷惑かかっちゃうからさ?」
「はっ!すぐに用意致します。
ポーラっ!すぐに手配してくれ・・・頼んだぞっ!」
「はい、わかりました・・・。
えっと・・・じゃ~数人私に着いて来てっ!
それと残った人達は準備をっ!
それでは、ユウト様・・・後ほど・・・失礼致します」
「あ、ああ・・・頼むよ」
ウェズンは隣で土下座していたポーラに合図を出すと、
数人のギルド職員を連れ街の中へと消えて行ったのだった。
残った者達は長蛇の列の横を通りゲートへと向かっていった。
その時ふと・・・悠斗はある事が頭をよぎっていた。
(まさか・・・クロのやつ・・・連絡してないよね?)
溜息を吐きつつ歩く悠斗の足取りは重たかった。
バカ勇者 ・・・ よっ!俺は ペネトレー・マハナ・エル・・・・
ハゲ ・・・ ジュゲム殿っ!も、もうその辺でっ!
バカ勇者 ・・・ な、何故だっ!ダンケルっ!いや、ハゲっ!
ハゲの魔法使い ・・・ ど、どうしてわざわざ言い直すのですかっ!?
バカ勇者 ・・・ いや、だってよ?ユウト兄貴がよ・・・
ハゲの魔法使い ・・・ むむむむむっ!そ、それを言われてしまうと・・・
バカ勇者 ・・・ つーかよ?お前知ってたか?
ハゲの魔法使い ・・・ ん?一体何がですか?
バカ勇者 ・・・ い、いや・・・よ。実は俺達の閑話ってなくなったらしいぞ?
ハゲの魔法使い ・・・ ええ、勿論知っていますよ?そしてその理由も・・・
バカ勇者 ・・・ な、なんだってぇーっ!
ハゲの魔法使い ・・・ たいして何か面白そうな話が浮かばなかったらしいのです。
バカ勇者 ・・・ な、なんだそれはっ!そ、そんな事でこの俺がっ!
ハゲの魔法使い ・・・ バカですからね~?皆、仕方がないと思っていますよ。
バカ勇者 ・・・ す、すまんっ!お、俺がバカなばっかりに・・・
ハゲの魔法使い ・・・ ・・・ええ、全く。
ってなことで、緋色火花でした。




