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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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1話 圧倒的な存在

・・・長くなってしまいました><

面白く思ってくれたら幸いです。

今後とも頑張ります!

「・・・すまん、俺には何も感じなかった」

自分のセンスのなさにあきれた・・・。


今の張り詰めた空気と悠斗の反応・・・

先程までの風までも「ピタリ」と止まって木々のざわめきもない。

「ヤバそう・・・だな・・・」

英二は乾く喉を鳴らしながら、低く槍を身構えた。



(悠斗のヤツがこんなに警戒するなんて今まで見たことねーぜ)

悠斗は目を閉じて周囲に気を張り巡らせている

(まじでただ事じゃねーってことか!・・・絶対にヤベェ・・・まじヤベェ・・・)

英二は命の危険を知らせる警鐘が五感を通じて「ガンガン」鳴っている。

周りの空気もまるで凍りついているかのようだった・・・。


そんな焦っている英二を視界に捉えながらも

まだ見ぬ「圧倒的な力」の気配を探す。

平静を装っているが悠斗にも1ミクロンほどの余裕もないのだ。


(ちっ・・・いつの間に囲まれて・・・・)

悠斗は額に汗をにじませ重苦しいプレッシャーに耐えている。

今にも膝を折ってしまいそうな・・・


(い、いや・・・違う・・・圧倒的な存在感が周囲を覆っている?

 って事は・・・これはたった1人の仕業なのか?)

っと、その刹那の瞬間!正面頭上から異常な気配がした・・・


その気配は周囲の暗闇をも歪ませるほどの力。

「・・・英二さん!上!」


そう叫ぶと悠斗は戦闘モードへと移行する・・・


「コオォォォォ」っと呼吸を深く吐きながら

柄の先端を握り刀を抜いた瞬間、流れるように剣を振ると、

剣の結界を張り、体中に気を巡らせ始めた。


一方英二はと言うと、その気配が異常過ぎたせいで、

英二は呆然と悠斗を見ていただけだった。


悠斗の声に我を取り戻すも、その圧倒的な力の前に膝を折った。

腐葉土の匂いが英二を包んでいく。

「・・・英二さん!!」


一度剣の結界を解き膝を屈した英二の前に躍り出てた悠斗は

今度は中段に構えつつ左手の手首の甲を少し傾け斜めに構える・・・

そしてもう一度剣の結界を張る。


圧倒的な力の前に膝を屈してしまった英二

体は屈していてもまだ精神は折れていなかった。


膝を折った瞬間は間違いなく絶望を感じてしまったが

地面と膝が接触した瞬間には独特な腐葉土の匂いが鼻についたからである。

だからまだ精神は折れていない・・・


だが今も尚、体は動かないのである。

(クッ!ソッ!・・・動けねぇー!ど、どうなって・・・やがんだ・・・)

英二は声に出しているつもりでいた

自分の状態を知らせるためなのだが・・・しかし英二の声は出ていなかった。


なぜそうしたのか?・・・相棒でもあり後輩でもある悠斗に・・・

そう・・・悠斗に守られている自分が許せなかったからである。

俺に構わず殺れ・・・と・・・そう言いたかったのである。


そんな英二の想いと言葉は悠斗には届かなかった。

「グッゥッ・・・」っとなんとか顔を悠斗に向け絶句する。

全身から放たれる気はいつもの「白」ではなく・・・「赤」だった。


英二が絶句するほどの気

とても悠斗から放たれているものとは思えなかった。

そう例えるのなら・・・・「禍々しい赤」

傍にいるだけで凍てつくような焼けるような・・・


そんな禍々しさを悠斗は放っていたのだ。

「ゆ、悠斗・・・」絞り出す声も悠斗には届かない

(クソッ!完全にゾーンに入ってやがる!)


英二が見上げる悠斗の頭上に・・・白く光るモノが出現したかと思うと

周りを閃光が包み込んでいった。

あまりの眩しさに目を庇ってしまう。


閃光が収まり目を開けると・・・

白く淡い光を纏った男が一人立っていた。

その男の顔は場にそぐわない微笑みだったのだ。


その場にそぐわない微笑みを浮かべる男に悠斗は邪気を抜かれ

ぽかーん・・・と、していた。

唖然としていた悠斗だったが、男が一歩踏み出すと

すかさず戦闘体制を取り、気を廻し力を溜めた。


暗闇を飲み込むように男は歩みを止めず

一歩、そしてまた一歩とゆっくり近づいてくる。


悠斗は英二を気遣いながらジリジリ後退していく。

(ちっ、英二さんを守れるか・・・どうか・・・だな)

ジワジワ下がる悠斗を見て英二は己の弱さに情けなくなっていた。


(くっそっ!これじゃ、完全に悠斗の足手纏いじゃねぇーかっ!

 何で・・・何で動かねえんだよっ!)


そんな二人の感情を読み取ったかのように

白く淡い光を纏う男は口を開いた・・・


「あっ、後ろの君ごめんね~?」っと、明るい口調で話しかけてくる。

その言葉を聞いた二人は圧倒的な存在感とのギャップに呆然としてしまったのだ。

「いや~ちょっとこの子に用事があってさ、後ろの君の行動を制限させてもらったんだよ

 はっはっはっ、ごめんね~?」

そう言いながら男は悠斗に視線を移す。


視線を向けられた悠斗は緊張が走り警戒を強めたのだが

(・・・隙がない)

攻撃をするタイミングが掴めない悠斗は「チラッ」っと

英二に意識を向けるのだが、守りつつ戦えるか自信がなかった。


意識を後方の男に飛ばしたのを見ていた男が

「悠斗・・・くんだったかな? そんなに警戒しないでよ~」

悠斗は名前を呼ばれ驚いたが構えは解かなかった。

「僕は君たちに危害を加えることはしないよ?

約束するから武器を降ろしてもらえるかい?」


そんな男を見て悠斗は、殺りようもない相手の言葉に静かに頷くと

ゆっくりと刀を納めていくのだった。


「いや~、すまないね悠斗君。君にお願いがあってここまで来たんだよ」

刀を納めた悠斗は静かに口を開いた。

「俺にお願いって、何でしょうか?」

現状、何かを判断する材料もないので話を聞くことにした。


「うんうん。あーでも、ちょっとここでは話しづらいと言うか・・・」

(こんな山奥に3人しか居ない現状でどうして話しづらいんだ?)

そう思った悠斗は「なぜ、ここじゃ駄目なんですか?」

「い、いや、駄目じゃないんだよ?ただこんな場所じゃお茶も飲めやしないじゃないか」

そう言いながら微笑んでくる。


「お、お茶??」

そんな言葉が英二から出た。

まだ体が重い英二だったが、いつの間にか動けるようになっていた。

英二は両手、両足と自分の体を確かめるように触っていた。

「後ろの君、もうちゃんと動けるから大丈夫だよ」

後ろの君・・・そう言われたことに「カチン」とはきたが

今は現状に逆らわないほうがいいだろうと堪えた。


「やっぱりここじゃなんだから、場所を変えたいのだけれど?」

そう言うと悠斗に視線を送った。

悠斗は英二に振り向き「どうする?」と言った視線を送ると

英二は小さく頷いて見せたのだった。

「わかりました。何処へ行くのですか?」そう聞くと

「ん~とね、僕の領域で話をしよう」そう言いながら微笑む男


「「領域って?」なんだよ」二人が同時に聞く

男はただにこにことしながら

「着いてくればわかるから・・・」


ここで答えてくれる気はないらしい

二人は顔を見合わせ頷いた。


「わかりました。でも約束は守ってくださいね?」

約束・・・それは先程「危害は加えない」という約束。

「わかってるって」と男は笑顔で答えてくる。


男は笑顔で手招きをしながら

「じゃ~悪いんだけど、ちょっとこっちに来てもらえるかな?」

悠斗はとりあえず信用して英二を引っ張り起こしながら

男の元へ向かう。


歩きながら気づいた事がある。

風や木の葉の音以外、静寂に包まれていた闇の中だったはずが

いつの間にか虫の声が聞こえていた・・・


男の元へ悠斗達が来ると・・・

「じゃ~・・・行くよ」

男がそう言うと白い光に包まれて

そして、消えた。


さっきまで居た場所には暗闇の中で

ただ虫が鳴いているだけであった・・・。





やっぱり長かったですかね?

もっと文章力を4磨きたいと思います。


緋色火花でした。

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