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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
194/406

閑話・ラウルの秘密 後編

お疲れ様です。


な、なんだろ?

もうすぐ年度末って事でバタバタしているせいか・・・

微妙に・・・書けないorz


今、閑話のセルカの話を書いているのですが、

上手く文章が纏まらないって言うか・・・。


ほぼ書き終わっているのですが、

恐らく、書き直す事になりそうな・・・そんな予感が><


この季節ってやたらとやる事が増えて・・・

本当に嫌いだな~っと、思う今日この頃ですw



それでは、閑話・ラウルの秘密 後編をお楽しみ下さい。

ラウルと白斗は神界樹の所から素材を集めて戻ってきた・・・。


「ほな・・・ラウルはん?ちゃ~んと説明してもらいましょうかいな?」


その言葉にラウルは身体を「ビクッ!」とさせると・・・。


「そ、そうだね?も、勿論説明をしようと思っていたよ?」


「・・・ほんまかいな?」


「ああ、当然じゃないか・・・。

 えっと~彼女は神界樹・・・なんだけど、

 ちょっと色々と問題があってさ?」


「問題?ワシにはそうは思われへんかったけど?

 めっちゃ優しい感じの御方やんか?」


「えっとね?彼女は・・・お、お金が大好きなんだ・・・ははは」


「お、お金って・・・えらいそれはまた・・・」


驚く白斗に苦笑しながらも、ラウルは話を続けていく。


「ほら~君も見て分かったと思うけど・・・。

 彼女ってあそこで一人で居るわけでしょ?

 だからストレスが溜まっちゃうみたいでさ~?」


「まぁ~1人であんな広い場所におったら・・・

 しゃーないとは思いますけど?」


「まぁ~そうなんだけどさ?

 彼女の趣味って・・・買い物なんだよね」


「か、買い物!?神界樹様がでっか!?」


「あ~・・・うん、そうなんだよ。

 神界樹クラスになると、

 擬体を使えば普通にでかけたり出来るんだよね~」


ラウルの話に白斗は色々と繋ぎ合わせて行くと・・・。


「あ~、そう言う事でっか?

 ストレス解消の為にお金が必要になって、

 ラウルはんから・・・ぼったくる・・・っちゅー事やね?」


「そうっ!そうなんだよっ!

 で・・・僕は彼女の事を色々と調べたんだ・・・。

 好物から趣味に至るまで・・・全てね」


「・・・な、なんか、えらい大事(おおごと)でんな?」


「そりゃ~ね~?

 その結果、彼女に一番有効的な手段と思われたのが・・・」


「ワ、ワシ・・・でっか?」


「そうっ!その通りだよ・・・白斗君っ!」


「ま、まぁ~神界樹様には悪いと思うねんけど・・・。

 今は擬体製作が最も重要やさかい・・・な。

 でも後でちゃんとフォローしとかな、ワシ、目覚め悪いしな?」


事情を聞いた白斗だったが、どこか胸の辺りが苦しくなっていたのだった。


そして再び擬体の研究開発が行われた。

だが事はそう上手く行かず、悪戦苦闘していたのだった。



「うんうん、とりあえず・・・ここまでは何とかなったね?」


「まぁ~でも本番はここからでっせ?

 人工筋肉が上手くいかん事には・・・意味なんてあらへんからな?」


「だね~・・・。じゃ~早速、やりますかっ!」


「よっしゃっ!」


1人と1匹は樹液をカップに注ぎ終わると、

ラウルが神力を注ぎながら、かき回していった。


「さっきはかき回さなかったからね?

 だから今度はかき回して混ぜていかないと・・・」


そう言いながら、ラウルは丁寧にかき混ぜていった。

すると・・・。


透明だった樹液が神力と反応を起こし白く染まっていった。


「よ、よしっ!出来たっ!」


「・・・・・」


喜びの声を上げるラウルとは対象的に、白斗は顔を曇らせた。


「白斗君・・・どうしたんだい?」


「ん~・・・なんか・・・あかん気がするんやけど?」


「ん?どう言う意味だい?」


「まぁ~なんて言うたらええんかわからんねんけど、

 匂いもやたらと臭いし・・・色が・・・何か・・・ちゃう気がするわ」


「ふむ・・・、なるほど・・・」


悩む1人と1匹だったが、実験をしてみない事には・・・。

そう話すと、ラウルと白斗は次の段階へと進めていった。



「じゃ~このチューブに神力を流すからね?」


「了解ですわ」


ラウルは慎重に長さ1m程の樹液のチューブに、

神力を流し始めた。


(くだ)の中を青い蛍光色となった神力が流れて行く・・・。


「い、今のところ・・・ええ感じですな?」


「そう・・・だね」


「ラウルはん?手に触れている所の変色具合はどないでっか?」


「今のところ・・・問題・・・は、ない・・・ようだね?」


「・・・今回はいけそうでんな?」


「それならいいんだけどね?」


それから数分間、何事もなく上手く行ったかに見えたのだが・・・。


「あっ」


「パンッ!」


「あ~・・・また失敗か・・・はぁ~・・・」


「まぁ~でも今までで一番上手く行った感じやから、

 諦めんとやっていかなしゃ~ないですわ」


「・・・だね」


何度も何度も失敗を繰り返し、1人と1匹の挑戦は続いていく。



あれから一週間の時が流れた・・・。

今も尚、人工筋肉の開発が根気よく続けられていた。



「はぁ~・・・あれから一週間・・・そう上手くは運ばないね?」


「まぁ~でもそんなもんとちゃいますの?」


「そうなんだけどさ・・・進展が見えない事にはどうにも・・・さ?」


「そやかて人工筋肉はめっちゃ重要な事やしな~?

 絶対におろそかになんて、出来ひんやん?」


「・・・そうだよね~」


この一週間の間・・・。

ラウルと白斗は樹液と神力の比率を全て洗い出す事に努めたのだった。


そして次の日の昼過ぎ・・・。



「ん~・・・今までのデータだと、樹液と神力の比率はっと・・・。

 一番無難だと思われるのが・・・1対8か・・・。

 樹液1に対して神力8か・・・」


今までに取り溜めたデータと白斗はにらめっこしていた・・・。


(ん~・・・。神力だけやとあかんのかな~?

 チューブ状っちゅー事は・・・

 内側か外側になんかでコーティングせな・・・ん!?)


そう考えた白斗はラウルにその考えを伝えた。


「つ、つまり・・・何かで保護膜を作り限界値を伸ばすって事!?」


「せやっ!膨張して破裂するんやったら、

 そうさせへんかったらええんとちゃうんかな?」


「いや~でもさ?神界樹と結合するような素材ってないと思うよ?」


「せやから~・・・例えばの話なんやけどな?

 魔力とか精霊力でコーティングしてやな?」


白斗の案は理解出来るのだが、ラウルはあまりいい手応えを感じていなかった。


「魔力や精霊力を定着させるのはどうするのさ? 」


「うーん・・・そこまでは考えてなかったわ~」


「やっぱりさ~、君の結界を使うって案、覚えてる?」


「勿論覚えてますけど~・・・。

 前に言うたけど、ワシの結界は柔軟性なんかないで?

 そりゃまぁ~いくらか修行して、

 柔軟性持たす事は出来るかもしれへんけどな?

 それでもこんな細かいもんに1つ1つかけてられへんわ~」


「・・・柔軟性が問題・・・か。

 それがあれば上手くいくと思うんだけど・・・ね」


残念そうなラウルに白斗は期待に応ええようと、

様々な思案をしていく・・・。


(んー・・・。あかん、全然纏(まと)まれへんわ。

 ちょっと主に相談でもしてみようかな~?)


そう考えた白斗はラウルに許可を求めるのだった。


「なぁ、ラウルはん?ちょっと主に相談してもええですかね?」


「ああ~そうだね~。僕達とは違う発想が聞けるかもしれないしね?

 あ~でも、この閉鎖空間だと連絡出来ないから、

 一度外に出てから念話を送るといいよ?」


「・・・そうでっか?ほな、そうしますわ」


白斗は悠斗と連絡を取るべく、閉鎖空間の外に出るのだった。


そして・・・。



(もしもーし、主でっか?白斗ですけど~?

 ん!?何かノイズがすごいんやけど・・・今何処(どこ)におるん?)


(おひさ~・・・ノイズ!?多分だけど・・・

 今、ミランダが作った聖域に居るんだよね~

 多分そのせいだと思うけど?

 って言うか・・・何かあったのか?)


白斗は悠斗に知恵を借りるべく、現状をそのまま伝えると・・・。


(なぁ、白斗?お前の結界も・・・イメージなんだろ?)


(まぁ~確かにそう言われたらそうなんやけどな~?)


(それだったらさ~・・・。血管治療に使うステント留置療法だっけ?

 あんな感じで内側に広げて密着させればなんとかなるんじゃないか?

 もしくは、えっと・・・熱・・・収縮チューブだっけ?

 熱を加えると縮むチューブってあるじゃん?

 それを参考にするのもいいんじゃね?)


白斗は悠斗の話に・・・眼が点になっていた。


(あ、主・・・。な、何でそんなん知ってるん?)


(あ~・・・ステントは昔じぃちゃんがやった事あったし、

 それに俺・・・医療ドラマ大好きだったからね~♪)


(・・・さ、さよか。でもワシにそんなん出来るんかな~?

 全然自信あらへんねんけど?)


その言葉を聞いた悠斗は、突然笑い始めるのだった。


(あ~はっはっはっ!白斗~?よっぽど疲れているんだな~?

 いいか?今のところ結界に柔軟性はないのかもしれないけど、

 よーく考えて見てくれ!

 ステントって確か、網目状になっているんだから、

 お前の硬質な結界なら出来るだろ?)


(いやいやいや、無理やってっ!

 主・・・そんな網目状って・・・そんなん無理やわっ!

 ワシ・・・そんなん一度に作られへんで?)


(いやいやいやっ!出来るだろ?

 だって・・・、結界を棒状にしてから組み合わせればいいじゃんか?

 それに硬質化を弱めれば何とかなるかもな?

 あとは・・・弾力性を持たせるとか?)


(・・・あっ)


(まぁ~どこまで棒状に出来るかは正直、お前次第だと思うけどさ?

 やってやれない事じゃないよな?)


(・・・せ、せやけど・・・ワシ、自信ないわ・・・)


(白斗・・・それはやってみてから言えよ)


(・・・主)


(じゃ~そう言う事で~♪頑張れよ~♪)


(・・・プツッ!)


(あぁぁぁっ!き、切りよったっ!!

 ほんまに、せっしょうやわぁ~っ!

 まぁ~でも主の言う事も理解は出来るんやけどな・・・。

 はぁ~・・・憂鬱やな~・・・でも、やってみな・・・あかんよな)


悠斗との会話を終えた白斗は、再び閉鎖空間に戻ると・・・。


「ラウルはん・・・」


「ん?おかえり~・・・それで悠斗君はなんて?」


「・・・・・」


ラウルは白斗の様子が気になり、擬体製作の手を止めた。


「何か・・・あったのかい?」


「・・・ワシ、チャレンジしてみますわっ!」


「・・・はい?」


そう言うと白斗はラウルの許可をもらうと、

神界の門を開けてもらい・・・再び神界樹のある場所にやってきた。



「す、すんませ~ん・・・神界樹様、お邪魔します」


(は、白斗様っ!?・・・い、いいいい、いかがされたのですかっ!?)

 白斗様・・・?な、何かあったのですか!?)


心配してくれた神界樹に、白斗は事の説明をした。



(そう言う事でしたか・・・?

 白斗様はとても良い主様をお持ちなのですね?)


「へっ!?」


(だってそうではありませんか・・・?

 可能性を示唆した上、ご自分の従者なら出来ると・・・

 そうおっしゃったのでしょ?)


「せ、せやけどワシ・・・じ、自信なんてあらへんし・・・」


俯き尻尾も項垂れる白斗に、神界樹はそっと頭を撫でた・・・。


(きっと白斗様なら・・・出来ますよ?

 貴方の主様がそう言って下さったのですから・・・。

 ご自分の従者の事を信頼している証ではありませんか?)


白斗は神界樹の温かいその言葉に、決意を固めた。


「・・・神界樹様・・・ありがとさんです。

 ワシも男やっ!主の言う通りっ!やってやれん事はないはずやっ!」


(フフ・・・白斗様、その意気ですよ♪)


「ありがとな?神界樹様・・・」


(嫌ですよ?・・・様付けなんて・・・)


「と、ところで、神界樹・・・様って・・・名はあるん?」


白斗の言葉に神界樹はゆっくりと首を振った・・・。


「あっ、な、なんか・・・すんませんっ!」


(フフ、構いませんよ?

 白斗様の御主人様に・・・名付け・・・してほしいですね?)


白斗はこの時の神界樹の悲しい笑顔を心に刻みつけると・・・。


「神界樹はん、少しの間・・・此処で修行させてもうて、ええですか?」


(はいっ♪全然構いませんよ♪

 は、白斗・・・様?む、むしろです・・・ね?

 ずっと此処に居てもらっても・・・私は・・・そ、その・・・)


「・・・はい?」


(い、いえいえっ!こ、こちらの事ですので・・・はい。

 何でも・・・ない・・・です)


「さ、さよか?ほなら・・・修練といきますかっ!」


(はいっ!頑張って下さいね♪)


「・・・やったるでぇーっ!」


白斗は決意を新たにすると、此処、神界樹の聖域で修練していくのだった。



そして更に一週間後・・・。


此処、神界樹の聖域で白斗は最後の仕上げに取り掛かっていた。


「よっしゃっ!そろそろ仕上げやなっ!」


(はいっ♪白斗・・・頑張ってね?♪)


「ああ、任しときーっ!ワシに・・・不可能なんてあらへんからなぁっ!」


(フフ・・・素敵♪)


この一週間ほどで、白斗と神界樹は・・・いつの間にか・・・

恋仲になっていたのだった。


その話は・・・あるかもしれないし・・・ないかもしれない。



「よっしゃ!まずはステントの製作からやっ!」


白斗は自分の作り出せる結界を1つ1つ組み合わせ、網目状にしていく。


(最初はいきなり小さいもんを組み合わせようとしたのが失敗やった。

 大きいまま作って、それを縮小したらええだけやんかっ!

 そんな事にも気付かんワシは・・・あかんな~?

 せやけど、神界樹のアドバイスでここまで来れたんやっ!

 ほんまに・・・ええ神界樹(おんな)やでっ!

 ワシには・・・ほんまにもったいないわっ!)


白斗は気合を入れ、棒状の結界を作り出すと・・・。


(硬いままやったらあかん・・・。

 柔軟性と弾力性・・・これらを加えてこそ、

 神界樹のチューブを保護する役割りが出来るんやさかいな・・・。

 それに主が言うとった。ワシの結界もイメージやないんかと・・・)


白斗は徐々にイメージを固めていき、棒状の結界に柔軟性を持たせていった。

(もう弱音は吐かんっ!兎に角柔軟性と弾力性をイメージやっ!)


網目状に加工した白斗の結界を更に・・・

柔軟性と弾力性を持たせた極薄の膜のようなモノで、

網目の外側を包み込ませていった。


そして・・・。


「これでどうやっ!」

そう言うと、出来上がった30cm程のステントを神界樹に手渡すと・・・。


「神界樹っ!・・・膨らませてくれっ!」


(は、はいっ!白斗っ!)


神界樹はゆっくりと息を、その網目状にした結界の空洞に

吹きかけていくと・・・。


「あかんてっ!一気に膨らませなあかんぞっ!」


(は、はいっ!)


神界樹は白斗に怒鳴られながらも、一気にその空洞に息を吐いた。

1m程に膨らんだステント結界の様子を2人は見守った・・・。


すると・・・。


「・・・ギチッ!」


(ど、どうやっ!?こ、今度こそ・・・)


緊張した面持ちで白斗は膨らんだ結界ステントを見つめていると・・・。


「やっ・・・やった・・・?で、出来たん・・・か?」


(・・・はいっ!白斗っ!出来ましたよっ!完璧ですっ!)


「やった・・・ワシ・・・出来たんやな・・・

 あ、穴とか亀裂とか・・・ない・・・やんな?」


(・・・はい♪ありません♪)

白斗と神界樹は、手と手を取り合って涙を流していた。


「よっしゃっ!今度はその逆やっ!

 ステントで作った網目状の管を、一度広げてから縮小するっ!

 今度こそ・・・完成やっ!」


(フフフ・・・白斗、とてもいい顔してるわよ♪)


「あ、あほ~・・・て、照れてまうやんか・・・」


神界樹の支えもあり、白斗のステント製作は完了するのだった。


喜び合う白斗と神界樹・・・。

成功を伝えようと、白斗は神界の門へと視線を向けると・・・。



「ドカーンっ!」と、神界の門から轟音が響いてきた。


「(!?)」


「なっ!?なんやっ!?」


(白斗っ!あの門の向こう・・・閉鎖空間からっ!)


「い、一体何が起こっとるんやっ!?」


(門の隙間から・・・け、煙がっ!)


白斗は神界樹からそう聞くと、瞬間移動を使い門へと着地した。


(白斗っ!わ、私も一緒にっ!)


「あかんっ!お前はここで待っとけっ!」


(ど、どうしてですかっ!?わ、私も一緒に・・・)


「・・・お前に何かあったら、ワシ・・・立ち直られへんさかいな?」


(・・・白斗♪)


頬を染める神界樹に、ニヤリと緊張した笑みを浮かべた白斗は、

門を開けると・・・煙が聖域へと流れ込んできた。


「ラウルはんっ!一体何が起こっとるんやっ!?」


(白斗っ!?)


「ほな・・・行って来るわな?ええ子にして・・・待っときや?」


(・・・はい、お気をつけて)


「・・・ほなっ!」


白斗はそう言うと、雪崩込(なだれこ)む煙の中へと入って行き、

扉を閉めると神界の門は姿を消したのだった。


(白斗・・・ご無事で・・・)


白斗の無事を祈る神界樹は空を見上げ祈るのだった。



そして此処は閉鎖空間・・・。


ラボに戻って来たのと同時に、緊急用のダクトが稼働し、

煙を強制排出されていった。


白斗は机の上に瞬間移動すると、声を張り上げラウルを探した。


「ラウルはーんっ!どこでっかぁぁぁっ!

 返事してーなぁぁぁっ!」


緊急用のダクトに煙が吸い込まれていき、

次第にラボの様子が把握出来てくると・・・。


「ラ、ラウルはんっ!?」

床に倒れ出血していたラウルの傍に瞬間移動すると、

白斗はその出血場所を確認した。


「・・・な、なんや・・・これ!?」


ラウルの怪我の状態に、驚愕のあまり白斗はそのまま硬直してしまった。


「ジィッ・・・ジィジィッ・・・パチッ・・・パチッ・・・ジジィッ」


「な、なんやねんな・・・これ?

 ワ、ワシ・・・ゆ、夢でも・・・見とるんかいな?

 な、なぁ・・・ラウル・・・はん?

 あ、あんたの身体・・・ど、どないなっとんねんな?」


意識を失くし血を流し倒れているラウルに、

白斗はそう言葉を漏らしていると・・・。


「シュッ!」


「なっ、なんやっ!?・・・あっ、あんた・・・誰やっ!?」


突然白斗の背後に現れた男に、白斗は警戒するのだが・・・。


「よっ!確か名付けされて、白斗だったっけ?・・・久しぶりだね?」


「あっ・・・あんさん・・・な、何でここにおるん!?

 連絡もせんと・・・あんた・・・何をやっとんのんやっ!

 あんた程の御人が消息不明やなんて・・・

 天照様も心配して・・・

 聞いとるんかっ!?や・・・」


「しぃーっ!その先は言わなくていいからね?

 名なんてバレたらそれこそさ~?

 閉鎖空間って言っても、完璧じゃないからさ~

 どこかで誰かが聞いているかわかんないからね~?

 だから・・・内緒にしておいてね?」


その容姿・・・そしてその声・・・。

白斗はそう言われると、黙って数回頷くのだった。


「すまないね~?白斗・・・。

 僕の事は・・・誰にも言っちゃ・・・ダメだからね?

 それが例え・・・悠斗君であっても・・・さ♪」


「主にも言うたらあかんのですか?」


「んー・・・今のところは・・・かな?

 でも時期が来たら、僕の方からちゃんと話すからさ?

 そ、それにさ?今そんな事言ったら・・・絶対に殴られるっ!

 そしてきっとっ!三重(さんじゅう)のこぶを作る事になるっ!」


「あ、あんさん、何を人間相手にビビっとんねんな?

 さ、三重(さんじゅう)のこぶって・・・あんたえらいまた・・・。

 ・・・ま、まぁ~あんさんがそう言うんやったら・・・」


「・・・悪いね?」


白斗はその冷めた目つきとはうらはらな、

その人物の優しさに戸惑いながらも口を開いた。


「な、なんでまた、こんな手間のかかる事をしたんや?」


「あ~・・・それはね?僕には敵が多いから・・・さ♪」


「・・・そうでっしゃろな~?

 ワシもそれはそう思いますわ・・・どう考えても自業自得でっせ?

 ほんまにええ加減にしときなはれよ?」


「はっはっはっ!肝に命じておくよ♪

 じゃ~・・・後の事は任せたよ?」


「ま、任せたってっ!?ラウルはんは・・・どうしたらええんですか?」


「じゃ~治しておくか・・・・錬金っ!エクストラヒールっ!」


その人物が使用したエクストラヒールで、見る見る修復されていった。


「・・・な、なんやコレ?」


「じゃ~白斗・・・またね?彼の事は頼んだよ?」


「は、はぁ、まぁ~ええですけど・・・あんさんも気をつけなはれよ?

 ほんまに敵は多いやろからな?」


「おうっ!」


「シュッ!」


「・・・あんさん・・・ほんまに何がしたいねんな?

 まさかとは思うけど・・・主を巻き込んだのは・・・」


白斗はその人物が消えた空間を見つめ、そうつぶやくのだった。






緋色 ・・・ いつもお世話になっています。原作者の緋色です。

白斗 ・・・ 毎度です~、白斗って言います。よろしゅうな~

緋色 ・・・ 白斗?まじでラウルの秘密を話さないでね?

白斗 ・・・ 緋色はん、ワシがそんなん言うはずおまへんやろ?

緋色 ・・・ まぁ、そうなんだけどね。

白斗 ・・・ それに今回も何かの伏線でっしゃろ?

緋色 ・・・ まぁ、そうだね?それに次回作と言うか・・・

白斗 ・・・ ん!?次回作って・・・なんなんでっか?

緋色 ・・・ あ~・・・まだ先の話だから気にしなくていいよw

白斗 ・・・ 気になりまんがなっ!素直に吐きなはれっ!

緋色 ・・・ おやすみなさいZzz

白斗 ・・・ ・・・やっぱり話せまへんよな?



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] まさか神界樹と白斗が恋仲になるとは。。。 擬体製作もやたら話が細かいですねー。 しかし次回作ってことは、このお話の終わりが近いのでしょうか? 楽しみにしています♪
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