15話 魔法と天然
コロナ・・・広がってきていますね。
一日でも早く根絶出来ることを祈ってます。
ウイルスのおかげで・・・趣味が・・・orz
何か新しい趣味でも見つけようかな?
いつも応援ありがとうございます。
ブックマーク及び感想など、宜しくお願いします。
では、15話をお楽しみください。
「さて・・・特訓するか・・・」
そうつぶやくと、悠斗は体をほぐし始めるのだった・・・。
軽く柔軟体操をして、体を適度に温めると呼吸を整えた。
「・・・・・・・・・・」
悠斗は何故か固まっている・・・
「えっと・・・あれ?何からすればいいんだっけ?」
(まぁ、いいか・・・とりあえず適度な岩を見つけてっと・・・)
キョロキョロと見渡し、直径5mほどの岩を見つけると
ラウルに教えてもらった通り、イメージを膨らませていった・・・。
一方、神界では・・・
悠斗が魔法の特訓をするところをモニターで見ていた。
「おお~!悠斗君が僕の世界で初めての魔法・・・感慨深いな~♪」
ラウルは「ソワソワ」しながら、モニターに釘付けになっており
画面を覆い隠さんとしている。
また、ミスティもラウルと同様に期待に・・・
大きな胸を更に膨らませていた。
「ラウル様!もう少し離れてくださいませ!私の悠斗さんが見えませんわ!」
「はぁ?ミスティのじゃねーしっ!」
ラウルは振り返りもせず、ミスティの抗議を突っぱねる。
ミスティは少し顔を赤くしながら・・・
「私だって、悠斗さんの初めての魔法を見たいのですけど・・・?」
地を這うような声でラウルに抗議すると
凄まじい殺気を背中に感じたラウルが、慌ててモニターから離れる。
「あは、あははは・・・ま、まぁー一緒に見ようじゃないか!」
少し青ざめながらミスティに笑顔を向けると・・・
2人揃って椅子に座り、悠斗の初めての魔法を見守るのだった・・・。
そして再び岩場の聖域では・・・
悠斗が魔法へのイメージを増幅させているところだった。
(イメージするのは・・・火・・・?いや・・・炎だ・・・
まぁ、炎の方が強いだろうし、最初に軽く・・・っと・・・
あー、でも・・・。どうせなら、少しくらい爆発したほうが魔法っぽいのかな?)
確かに火よりも、炎のほうが強い・・・
そこまでで、イメージは終了させておけば良かったのだが・・・。
悠斗は神界で、やっちゃらかした事をすっかり忘れていたのだ。
目標とする岩まで3m・・・岩の直径は5m・・・
悠斗の言う・・・炎とは・・・?そして・・・少しくらいの爆発・・・とは?
悠斗はイメージを固定させると・・・
「よしっ!発射!!いけっーー!!」
言葉とともに、悠斗の右手から放たれた魔法。
「バッシューーー!!」と、轟音を響かせながら、3m先の岩へめがけ放たれる。
いや、発射されたのだった・・・。
何故かはわからないが・・・炎ではない・・・
その魔法の速度は凄まじく一瞬にして目標に当たると・・・
「ドカーーンッ!!」と、爆発し土煙りを上げた・・・
当たる瞬間、悠斗は・・・「あっ」っと、声を漏らしたが
時、すでに・・・・遅かったのだ・・・
爆発と同時に木っ端微塵となった岩が石礫となって悠斗を襲う。
「ドスッドスッドスッ、ビシッビシッビシッ」
咄嗟に背中を向けて防御したのだが、
石礫は容赦なく悠斗を襲う。
「痛ッ!いたたたたたたたた・・・はうっ」・・・・「パタリ」
土煙りが晴れ、そこに居たのは・・・倒れている悠斗だった・・・。
一方、神界では・・・・
悠斗がイメージを固定させ、今にも魔法を解き放とうとしていた・・・
「あ、あれ?・・・魔力、こ、込め過ぎ・・・じゃね?」
ラウルは「あわあわ」と、しながらミスティに話しかけるのだが・・・
「ラ、ラウル様・・・かなり・・・危なくないです・・・か?」
神達もお互いを見合って同様の事を伝え合っていた。
そして、止める間もなく・・・放たれた。
いや、発射されたのだった。
{よしっ!発射!!いけぇー!!}
悠斗の言葉に2人の神は同じタイミングで・・・
「・・・発射って・・・何??」
お互いの顔を見合った瞬間・・・
目標が大爆発を起こした直後、
土煙りとともに、悠斗の痛いと言う叫びと、
「パタリ」と、言う音だけが聞こえた・・・。
2人の神はあまりの出来事に椅子から転げ落ちていた・・・。
ラウルは口を「ぱくぱく」させながら・・・
「な、・・・な、なななななな」
2人の神はその光景に暫くの間固まっていたが
いち早く復活したラウルがミスティの襟を掴み揺さぶりながら・・・
「い、一体あれは何だよ!どうして、あんな事になるんだよ!
あ、あれってどんな魔法なの?むしろ僕が教えて欲しいわっ!!
ね、ねぇ!あの子馬鹿なの?規格外の馬鹿なの?」
ラウルはミスティの襟を掴み、容赦なく揺さぶるので
ミスティの言葉が跡切れ跡切れになってしまう。
「ラ、ラウ、ラララララララウ~・・・ル、さ、ささささま」
呼吸も危険な領域へ踏み出そうとした時、
ラウルは少し落ち着いたようだった・・・・。
「ごほっごほっ」と、咳き込みながら
「ラウル様、ごほっ、お、お気を確かに・・・」言葉にするのがやっとだった。
ラウルもまた、「ゼェゼェ」と、している中、呼吸を整えると・・・
「す、すまない、ミスティ・・・。あまりの光景に動揺してしまったみたいだ」
暫くの間2人の神は黙り込んでしまったが
モニターに視線を向けると、丁度、悠斗が起き上がってくるところだった。
{あ~・・・死ぬかと思った・・・}
そう言いながら、服に付いた汚れを「パンパン」と払うと
爆発現場へ向かう悠斗の姿があった。
「ね、ねぇ・・・彼・・・色んな意味で大丈夫・・・だよね?」
ラウルは壊れたブリキの玩具のように「カクカク」しながらミスティを見た。
顔の引きつりが戻せないミスティも
「あは、あはは・・・あ、愛嬌があって・・・い、いいので・・・は?」
ラウルから視線をはずし横を向くミスティ。
「ねぇ、僕の顔を見て言ってもらえるかな?」
「ははは・・・ご、御冗談を・・・」
横を向いたまま返事をするミスティだった。
そして、再び岩場の聖域では・・・
(あちゃー・・・やっぱりダメだったか~)と、反省中。
その時・・・「ピピッ」と、音がした。
「創造魔法・パンツァーファウストを習得致しました」
(あー、賢者じゃなかった女性の声だ・・・
パンツァーって、魔法として使えるんだね。
ふむ・・・魔法って奥深いな・・・)
※ これは個人の感想です。従って、本来の創造魔法とは違うことを
改めてご了承ください。
(ん?謎的な声が聞こえたけど・・・次、行こう・・・次!)
悠斗は何事もなかったように現場検証をするため歩き出す。
片膝を着き、現場を確認する悠斗。
(やっぱり、パンツァーファウストじゃ、こーなるよねー木っ端微塵だ。
うん!ミサイルとかはヤバイからやめよう!)
その昔、ドイツ軍が開発した携帯式、対戦車用の兵器である。
「んー・・・ここは素直にファイヤー・ボールにすべきだったなー
よしっ!そうと決めたら・・・やりますか・・・」
直径3mくらいの岩に目標を変更して、再び特訓を再開する。
悠斗は魔力を少なく込めることを意識して
火球をイメージしていく・・・。
すると・・・悠斗の右の掌に野球のボールほどの火球が出現する。
「おおーー!!」と、感動に浸っている悠斗。
(俺だってこのまま終わる訳にはいかないからね・・・)
イメージがまだ不安定なのか、火球が歪な形になっていく・・・
必死に魔力を制御して固定化させると・・・。
「よしっ!今度こそっ!」
気合を入れタイミングを計る・・・。
そして・・・「今だ!ここで放つ!」
悠斗の気合の火球が目標に向かって飛んで・・・
飛んで・・・行かなかった・・・。
右手を目標にかざしたとたん・・・
「ぽとり」と、音を立てて落ちると・・・・
「ボゥワァァ!」っと、悠斗の足元で燃え広がった・・・。
「ぽとり」と、落ちた瞬間が見えた悠斗は
「あっ、やばっ」と、言ったが再び間に合わず
自分の足元で燃え広がり・・・当然の事ながら・・・
「うわっ!あっつ!あちちち・・・」
これはもはや、予定調和となりつつある・・・。
火を何とか消し終えた悠斗は汗を拭きながら
ブツブツと言い始めると・・・
「・・・放つって・・・何? ぜんっぜん、わからないんですけど!!」
只今悠斗は逆ギレ中である。
そして再び神界では・・・
「ふむ、流石悠斗君だね!しっかり反省して次へ繋げるなんてっ!」
何故かドヤ顔で自慢を始めるラウルを他所に・・・
ミスティは先程と同じ空気を感じていた・・・。
「こ、この空気って・・・まさかまた・・・?」
ラウルとは対象的なミスティ。
ラウルは再び「ワクワク」しながら見ている。
悠斗が魔力を込めていく・・・
「そうそう!悠斗君!その調子だよ!あっ・・・もう少し抑えて・・・
うんうん!中々いい感じだよ!もう少し魔力を固定して・・・」
モニターに映る悠斗に向かって応援に夢中になっている・・・。
ミスティは無言のまま、拳を「ぎゅっ」っと握り
瞬きもせず見守っている。
{よし!今度こそ! 今だ!ここで解き放つ!}
その瞬間、2人の神は大声で悠斗を応援していた。
悠斗が言葉を発した瞬間。
「「いっけーー」」と、二人の神が拳を突き上げ叫ぶ!
しかし・・・火球は目標に向かうどころか
「ポトリ」と、音を立てて落ちた・・・
「はぁ?」と、2人の神の声は虚無の中へと消えて行った・・・。
{あっ、やばっ}と、悠斗の声とともに、燃え広がる炎。
二人の神は、顎がはずれそうになるくらい、大きく口を開いていた・・・
{うわっ!あっつ!あちちち・・・}
その光景に固まっていたラウルが復活すると
「ね、ねぇ?・・・これって・・・わざと・・・かな?それとも・・・幻術?」
あまりにありえない光景に幻術では?と、聞いてくる。
「い、いえ、これは間違いなく現実ですわ」
ミスティは冷静に判断していたのだが、心の中では怪しい光が差していた。
「こ、これは、私と悠斗さんの愛を貫く試練・・・ですわっ!
魔法が上手く使えない彼が、私の愛によって・・・うふっ♪」
ミスティの方が、ある意味、現実逃避していた・・・
そして、モニターでは・・・
{`・・・放つって・・・何?ぜんっぜん、わからないんですけど!!}
それを見ていたラウルが勢いよく立上がると・・・
「何それ!逆ギレ??」
ラウルは頭を抱え込みながら椅子に座り込んでしまった。
「あ、ありえない・・・確か、魔力がSで魔法適性も全だったはず・・・
な、なのに・・・何故?何故こうなった?
た、確か、英二君は悠斗君の事を・・・天然だと・・・そう言っていたが・・・
天然って何?何かの最終兵器なの??
ま、まさか・・・異形の魔よりも厄介な存在だったり・・・?」
ラウルは冷たい汗を「ダラダラ」と垂らしながら
ノーブルの未来が平穏である事を祈らずにはいられなかった・・・。
(神と人との愛!禁断の愛がいまここに・・・。あぁ~♪ 神よっ♪)
そして、ミスティもまた・・・違う意味で色々と祈っていた・・・。
ラウル ・・・ なに・・・これ?
魔法適性とか~魔力s設定って
どうなってるの?
ミスティ ・・・ ラウル様、まさか・・・加護を失敗されたとか?
ラウル ・・・ えっ!!あわわわ・・・ど、どうしよう、ミスティ!
ミスティ ・・・ 大丈夫です♪ 私の愛の力で悠斗さんを・・・♪
ラウル ・・・ ミスティ?おーい・・・聞いてる?
ミスティ ・・・ おぉ~♪我が禁断の神よ~♪
ラウル ・・・ あー・・・だめだこりゃ・・・
次回もお楽しみにっ!!って・・・ちゃうわー!
どうして僕が番宣を!!
ってなことで、緋色火花でした。




