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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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閑話 日本 3 神野家と英二

起きてしまったので書く事にしました。

そろそろ梅雨も明けそうですね・・・

湿度との戦いの後は・・・気温との戦いが・・・。

快適空間が欲しい・・・


閑話3をお楽しみください。

「・・さん、・・・下さい!英二さん!」

(誰だ・・・俺を呼ぶのは・・・)

英二はいちかに揺さぶられながら起きた・・・


「んぁ?ふあぁぁぁ~・・・ん?どした?」

大きなあくびをしながらいちかを見ると・・・


「あ、あのーいちかさん?どうして握り拳なのかな~?」

英二の目の前で、いちかが拳を固く握りストレートを繰り出すところだった。

「どうして起きたんですか?もう少しでいちかパンチをお見舞いできたのに~♪」

「い、いちかパンチって何だよ・・・」

いちかは本気で叩き込めなかったのを悔しがっていた・・・。


「何でそんなに悔しがってんだよ!」

英二は怒ったはずなのだが、いちかは聞く耳を持っていなかった・・・。

すると、大介がフォローを入れてくる。


「あはは、いやー英二さんが何度起こそうとしても起きなかったので・・・

 つい・・・と、言いますか~あっ!俺はもちろん止めたんですよ?

だけどこいつがどーしてもって聞かなくて・・・」


大介は自分は止めた・・・と、言うのだが・・・

「ま、まぁーいいか。それよりどうした?」

「えっと、そろそろ本部に着くので起こしたんですけど・・・」

「そっか・・・わかった。サンキューな」

英二は大介といちかに対して礼を言ったのだが・・・

釈然としない気分ではあった。


外を見ると激しく雨が振っている。

車内では仲間達が各々雑談していた。


車がゲートを通過して止まると各々が装備を持って下車していく。

「お疲れ様でした」と、英二に挨拶をしてくると

「ああー。お疲れさん!」と、英二も答える。


大介が装備を降ろしながら、英二に話しかけてきた。

「英二さん、本家に行くんですよね?俺、運転しますよ」

「ああ、頼むよ」

英二は片手を上げながら大介に運転を頼むと

こちらを「じぃーー」っと、見つめるいちかと目が合った。


「な、なに?」

「英二さん、私も一緒に行ってもいいですかね?」

いちかの頼みに英二の顔が引きつった・・・

(こ、この子って、まじで鋭いな・・・こえぇぇ)


いちかは英二に無理矢理付いて行こうとするが

「着いて来てもいちかちゃんは中に入れないぞ」

英二の一言に断念した。

渋々降りるいちかを見送って、大介が運転する車は本家へと向かう。


英二が緊張しているせいか、大介は何も話してこない・・・

(さて、今から本番だな・・・ラウル、まじで頼むぞ)

ラウルの言っていた、日本の神に頼るしかないのである。

(俺の説明じゃ、誰も納得してくれねぇーしなー)

英二がため息を吐く中、車は本家の正門に到着した。


英二がドアを開けると、大介が傘をさして待っていた。

「俺は入れませんので、この傘・・・使って下さい」

大介はそう言うと英二に自分の傘を差し出した。

「あ、ああ・・・すまねぇーな」

英二は傘を受け取ると正門の中へ消えて行った・・・。


暫く歩き大きな玄関前に到着すると、一人の男が中で英二を待っていた。


男の名は、塚本 修一 20歳 頭キレッキレの若手の執事である。

「英二さん、ご無事で何よりです」

そう微笑みながら傘を受け取ると、雨水を切り傘立てに入れる。

「あ、ああ、いつもの通りだから心配いらねーよ」


英二は本家に何も連絡はしていないはずなのだが

塚本が玄関前に居たことに驚いていた・・・


「なぁ、シュウ。どうしてお前が此処に居るんだ?」

塚本は少し笑いながら答える。

「はい、たまたま監視モニタールームに居たのですが、

 悠斗様のお姿が見えませんでしたので・・・」


「たまたまって・・・まぁーいいか。シュウ、ご当主はおられるか?」

英二はそう尋ねると「はい」と、言葉少なく答えた。

「案内頼むわ」

英二は塚本の案内で屋敷の中へ消えていった・・・。

(あーーまじで俺が無事でありますように!!)

玄関口に英二の残像思念だけが残っていた・・・。


塚本に案内されながら屋敷を歩く。

いつもと違う廊下・・・

英二はよく、悠斗の部屋を訪れているのだが

今日は見慣れない廊下を案内されている。

(やべぇー・・・まじで緊張してきた)


いつもの雰囲気と違う英二を背後に感じつつ案内する。

(はは、こんな英二さんを見るのは初めてじゃないかな?)

塚本は苦笑しながらそんなことを思っていた。


塚本はある部屋の前で止まると・・・

「旦那様、宜しいでしょうか?」

「・・・入れ」

冷淡な声が聞こえ、ドアを開けると

「英二さん、どうぞ中へ・・・」

塚本は英二を案内すると「失礼します」と軽く一礼しドアを閉めた。


中に入ると・・・冷淡な声の主、神野家六十二代当主 神野 半蔵が居た。


神野 半蔵 56歳 神野流古武術の継承者にして無双と言われた男である。

50歳を迎えてすぐ右足を負傷し、第一線を退くも当主として多大なる力を発揮している。


半蔵は英二に席に座るよう促してくる。

「英二君・・・だったか?まずは座り給え。こんな場所ですまんな。

 足を負傷してからは椅子に座ることが多くなってな・・・」

英二は2度ほど見かけた事はあるが、まだ一度も話したことはない。

「は、はい。えっと、俺・・・じゃなかった。自分も椅子のほうがいいです」

そう話しながらも、英二は緊張の極みで手と足が同時に出てしまう始末。

半蔵は英二の姿に口角を上げていた。


「そう緊張することはない。まずはお茶でも飲んでくれ」

素直にお茶を飲む英二

(あー・・・お茶の味なんてわからねぇー・・・あと、帰りたい)

英二はふと半蔵の顔を見ると無表情過ぎてどう反応していいかわからなかった。


暫くするとドアが開き知っている面々が入ってくる。


まずは部隊を統括する神野家の長女と、武の女帝と呼ばれる次女

剣の天才と謳われる次男、そして・・・天の言葉を聴く巫女の三女である。

因みに、三男は海外留学中である。


長女 神野 涼華 26歳 沈着冷静 二つ名は「氷の女帝」と、呼ばれ

             戦闘においても強者である。

             つるぺたを・・・気にしている。


次女 神野 沙耶 25歳 熱血直情型 二つ名は「武の女帝」と、呼ばれ

             一度火がつくと、誰も止められない。

             ガチムチだがナイスバディーである。

             影では「脳筋」と、呼ばれている。


次男 神野 戒斗 22歳 論理型 二つ名「剣殺」と、呼ばれ

             剣では負け無しだが、弱者をいたぶる傾向がある。

             影では「プライド王子」と、呼ばれている。


三女 神野 貴子 20歳 大学生 二面性型 二つ名「巫女」と、呼ばれ

                 その逆鱗に触れると瞬殺される。

                 影では「ブラコン」と、呼ばれている。


部屋に四人が入ってきて椅子に座ると・・・

「英二、悠斗の姿が見えないようだけど・・・?」

抑揚のない声で涼華が話してきた。

「はい、実は・・・」


英二はこれまでの経緯を全て話した・・・


半蔵は腕を組み眉間に皺を寄せて沈黙している。

涼華は「何を馬鹿な事を・・・」と、英二の話を否定する。

沙耶は「面白いじゃねーか!」と、何故か拳を握っている。

戒斗は「くだらない・・・」と、話を信用していない。

貴子は「お兄様を、殺ってしまいましたか?」と、英二を睨んでくる。


そんな面々の反応をわかっていた英二は

(だよなー・・・。こう~なるよな~)と、項垂れる。

特に貴子は、今にも何かしてきそうで油断できない・・・。


(はぁ~、もう俺の手には負えねぇーよ。日本の神様!早く来てくれよー!)

そう、英二が八方塞がりになった時・・・


「ピローン」と、メールの音が鳴った!

驚きのあまり飛び上がってしまう英二は

ウインドウを出して見せたのだが・・・誰にも見えないらしい・・・


英二は今の状況を説明したのだが当然信用してもらえない。

一通り説明を終え、半蔵に許可を取り、メールを確認してみる・・・


件名 「ラウルだよーん♪」

その瞬間、英二は思わず「お前かよっ!」と、大声で突っ込んでしまった。

「はっ!」と、なり、みんなの顔を見ると・・・

それはもう、般若の如き表情をなさっておりまして・・・。


再び説明をして視線をメールに戻す。

「えっとねー。もう少ししたらそっちへ顔を出すらしいから

 失礼のないように頼むよん♪

 因みに、このメールは読み終わると爆発する・・・事はないから気にしないように♪

 じゃーまたねー♪」


「・・・・・」

あまりの内容に怒りが通り過ぎ・・・沈黙してしまった。

神野家の面々は内容を聞いてくるが、そのまま話す訳にはいかない。

だから、当たり障りのない言葉で伝えた。


沈黙の中、言葉を最初に発したのは半蔵だった。

「ふむ・・・ならば、待つしかなかろう?」

神野家の面々は黙って頷いていたのだが・・・

「戯言なら・・・わかっているな?」と、涼華が冷めた目で言った。

「は、はい、嘘は言ってませんので・・・」


英二はこの極限状態を暫く耐える事になるのだった・・・。


(は、早く来てくれーーー!!!俺って・・・こんなのばっか・・・)

英二の心は秒単位ですり減っていくのであった。


                 




英二 ・・・ 閑話って俺の話しだから、出てもいいんだよな?

ラウル ・・・ どうして君が出ていいのさ

英二 ・・・ い、いや、だってよー。これって、そんな感じじゃねーの?

ラウル ・・・ その前に、このコーナーってもう決定なの?

英二 ・・・ 俺は出番少ないから嬉しいぜ。むしろ、もっと出たい!

ラウル ・・・ 君はさ、閑話でもっと頑張りなよ!

英二 ・・・ 原作者様!もっと俺に出番を!!

       「・・・・・」

英二 ・・・ 無視かよっ?

ラウル ・・・ 君らしくていいじゃないか♪

英二 ・・・ 全然・・・嬉しくねぇーよー!!


ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 悠斗君の兄弟姉妹、そのままパーティにできそうな面々ですねー♥︎
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