表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
160/405

127話 集う者達

お疲れ様です。


今年もいよいよラストスパートですね~^^

この前まで、ふたご座流星群でしたが、皆さんは見られました?

緋色は見ましたwもちろんLIVEでですが・・・w


それでは、127話をお楽しみ下さい。

「ユウト様・・・またこんな所で食べているのですか?」

呆れた声で近づいて来たのは荒波の旅団の魔法使い、ミレイだった。


「前も此処で食べていましたよね?」

「・・・このベンチで食べると美味しいんだ」

「・・・そうなのですか?」

「・・・嘘です」


(ん?何だ?嫌な視線を感じる・・・)


少し顔を引きつらせながら答える悠斗に、ミレイは杖で悠斗の頭を叩いた。


「バシッ!」

「痛っ!」

悠斗の声に驚いたミレイはすぐさま頭を下げたのだった。

「も、申し訳ありませんっ!避けるか防ぐかと思ったものですから・・・」

ミレイ自身はそう思っての行動だったのだが、

悠斗はそのどちらでもなかった。


「あははは、気にしなくていいから・・・」


(嫌な視線に気を奪われていただけだからね・・・)


そう言われたミレイは顔を上げると、

悠斗の不自然な体制に首を傾げたのだった。


右手に水が入っている容器を持ち、左手は上着のポケットの中・・・。

その不自然な体制に、ミレイは疑問を持った。

「ユウト様?どうして避けなかったのですか?」

「いや、だって・・・俺ってば今、こんな感じだから・・・?」


右手は兎も角、不自然な左手を見つめるミレイに、

悠斗はおどけながら答えた。

「ああ~これ?ちょっと痛めちゃってさ~・・・あははは」

「い、痛めたって・・・ユウト様が?!」

あまりに驚いたミレイは思わず大声を出してしまい、

周囲の目がこちらに向いた。


「ミ、ミレイさんっ!声、大きいってっ!」

「す、すみませんっ!」


ミレイの大声で悠斗達は注目されてしまった。

すると、ガラの悪そうな3人組が悠斗達の元へやってきた。


(・・・動き出したか・・・他にもまだ嫌な視線が・・・)


「なんだ~?魔法使いのねーちゃん・・・。

 こんなガキになんで頭なんか下げてんだ~?」


「このねーちゃんはガキのママなのかな~?

 こんなクソガキはほっといてよ~・・・俺達と飲みに行こうぜ~」


「ガキはもう寝る時間だぜ?とっとと帰んなっ!」


20代後半らしき3人組はミレイを強引に誘ってくる。

ミレイは色々と言うのだが、相手は聞き入れる様子もなかった。

「カタっ」と、水の容器をベンチに置いた悠斗は、その3人組を睨みつけた。


「あ?なんだ・・・クソガキっ!」

「・・・殴られないと分からないってか?」

「手加減しろよ~?後々面倒だからよ~」

粋がる3人組がゆっくりと悠斗に近づいてくると・・・


「あんた達が何人居たってっ!この人には勝てないわよっ!」

そう口走るミレイは、その3人組を睨みつけた。

「ねーちゃんよ~?あんたも痛い目に合いたいってか?」

背後から聞こえたその声の主に、ミレイは羽交い締めにされたのだった。

「なっ!ちょっと!あんた達・・・やめなさいよっ!」


(これで・・・後、6人か・・・ん?あれは?)


悠斗の視線の先に居た者達・・・。

その存在を把握した。


そんな中、ミレイは抵抗するのだが、ここは街の中・・・。

魔法使いは街中(まちなか)での攻撃魔法は禁止されていた。

勿論、例外はあるのだが、この場合・・・その例外は当てはまらない。

そしてもし、使用した場合・・・。

重い刑罰と罰金が課せられるのだった。


ましてや有名旅団の一員ともなれば、その刑罰も・・・。

それを理解しているからこそ、ミレイは魔法が使えないのだ。


「へっへっへっ・・・冒険者は街中での魔法はご法度だもんな~?」

羽交い締めにしていた男が口を開くと、悠斗に視線を移し顎で合図した。


(下級・・・騎士・・・か・・・ちっ!どこまでも腐ってやがる・・・)


「ガキ・・・運が悪かったな?」

指をバキボキと鳴らしながら近づくゴロツキども・・・。

「おらぁっ!」と、殴りかかるのだが、悠斗はヒラリと躱す。

その躱し様に、悠斗は男の足を引っ掛けて転ばせた。


悠斗は転がった男に視線を向ける事もなく、

羽交い締めにしている男へと歩んで行く。


(ユウト様・・・一体何を苛立って・・・?

 でも殺気が全く感じられない・・・これは一体どう言う事なの?)

悠斗の無感情な目に、ミレイは寒気がした。


「こ、こいつっ!」

「・・・いい気になるなよ?ガキっ!」

そうほざくゴロツキどもに、悠斗の口から言葉が漏れた。

「・・・テンプレかよ・・・つまらないな」


首を捻るゴロツキどもを無視するように、悠斗は再び歩みだす。

「おらぁぁっ!」と、襲いかかるが悠斗に当たる事はなかった。

何度も繰り返し襲いかかるのだが・・・それでも結果は同じだったのだ。


「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・あ、当たらねー・・・」

「こ、このガキ・・・一体なんなんだ」

「・・・3人がかりでこれかよ・・・」


(まだ、出て来ないな・・・?釣るか・・・な)


息を切らしながらゴロツキどもは、両手を膝に着き、

悠斗の周りでバテていた。

すると、一瞬悠斗の目が見開いた時、

思わずミレイが声を張り上げたのだった。


「離れなさいっ!」

そのミレイの言葉もむなしく、男達は訳も分からずその場に倒れていた。

羽交い締めにしている男は、そんな悠斗を見てガタガタと震え始めると、

ミレイから手を離し徐々に後ずさっていく。


「な、なんなんだ・・・こ、このガキ・・・は・・・

 き、聞いてねー・・・こ、こんなの・・・聞いてねーぞっ!」

離れていく男に悠斗は気絶しない程度に威圧を放った。


(さて・・・釣れるかなっと・・・)

威圧を放たれた男は怯え震え出すと、そのまま「ぺたん」と

その場に座り込んでしまったのだ。


すると・・・。


(・・・来たな)


男が座り込んだと同時に、見計らったように現れたのは・・・。

この街の衛兵達だった。

タイミングを合わせたかのように、

通りの両端からニヤニヤと笑みを浮かべていたのが、見て取れた。


「貴様らーっ!此処で何をしているっ!」

(やっぱり6人か・・・)

突然現れた衛兵達に、ミレイは事の説明をしていくのだが、

何故かミレイの話を信じてもらえなかったのだ。

何度も説明をするミレイを突っぱねると・・・。


(まあ~当然だよね)


ニヤけたツラで悠斗に近づき威圧してきた。

しかし、広場に居た人達が衛兵達に声を上げていく・・・。


「その子はただ絡まれていただけだぜっ!」

「私も見ていたわっ!絡んでいったのはそのゴロツキ達よっ!」

「ああ、そうだっ!そこのねーちゃんを人質にしてよーっ!

 全くタチの悪い連中だぜっ!」

「捕まえるのなら、そのゴロツキどもだぜっ!」


騒ぎを見ていた人達が衛兵達に声を上げるが、聞き入れる様子もない。


それどころか・・・。

「今吠えたヤツっ!出て来いっ!お前達もまとめて引っ張ってやるっ!」

そう言って、男は仲間の衛兵達に合図を送ると・・・抜刀した。


(まぁ~・・・当然抜くよね・・・)


悠斗が呆れた表情を浮かべると・・・。


(ん?こちらに誰か・・・ん?この気配はっ!

 ははは・・・これはまた懐かしい・・・)


衛兵の一人が広場に居た、口を閉じない男の手を掴み引っ張ると、

その男を見せしめしようと、広場へ転がした。

「おっと、手が滑っちまった・・・」

「お、お、お前らみたいな衛兵がこの街に居るからっ!」

「お前は見せしめだ・・・くたばれやっ!」

不気味な笑みを浮かべて剣を振りかぶった時・・・。


「タッ、タッ、タッ、」と、軽快な足音が響いてきた。


「はぁぁぁっ!」

「ぐあぁぁっ!」

突然現れた黒い影に、その衛兵は蹴り飛ばされたのだった。

そしてその衛兵が石畳を滑っていた時、街の街灯が突然現れた者を照らした。


「・・・レダっ!」

懐かしい顔に、悠斗は思わず声に出てしまった。

名を呼ばれ声がした方向へ振り向くと・・・。

「えっ!?ユ、ユウト様・・・?ユウト様ですかっ!」

悠斗の名を叫ぶ声に、大きく頷いて見せた。


こちらへ向かってくるレダを阻むように、

衛兵達がレダの前に剣を抜き立ち塞がった。


「貴様っ!何者だっ!我々に楯突いてどうなるか分かっているのかっ!」

「・・・女?何者かは知らんが・・・此処を通れると思うなよ?」

「俺達衛兵を蹴り飛ばした罪、今、この場で償ってもらうぞっ!」


そう粋がり吠える衛兵達に、レダは睨みを効かせこう言った。

「・・・この街の衛兵?そんなクズ連中・・・私は知らないわねっ!」

そう言い捨てると、レダは大剣を背中から引き抜き、、

レダは衛兵達に吠えて見せた。


「私の名はレダっ!サウザー様が率いる騎士団に新たに新設された、

 聖騎士隊・隊長の・・・レダだっ!

 たかが衛兵如きに、私が止められると思うなっ!」


そう啖呵(たんか)を切ったレダは大剣を構えた。

その構えの凛々しさに、見ていた街の人達が見惚れるほどだった。


(レダ・・・かっけー・・・まじかっけーなっ!)


「サ、サウザーの騎士団だとっ!」

「せ、聖騎士隊・・・そんなモノがいつ・・・」

「・・・こんな所に何故っ!」

動揺が溢れ出す衛兵達を他所に、レダがじわりと寄って行く。

すると、悠斗の前にいる衛兵の男が声を震わせながらも吠えて見せた。


「お、お前達っ!せ、聖・・・騎士など、で、でたらめだっ!

 構わんっ!ここで殺せっ!」

男がそう叫ぶと、3人の衛兵達が一斉に斬りかかった。


レダはその衛兵達の剣を防ぎながら、悠斗に向けて声を上げた。

「今、殺せ・・・と言ったわよね?

 ユウト様っ!・・・宜しいでしょうかっ!」

その問いに悠斗は頷いて見せると・・・。

「・・・承知っ!」

そう言葉を発すると、一瞬にして衛兵を斬り倒した。


(残り・・・3人か・・・ん?

 ははは・・・これだけの騒ぎだからね・・・気付くよね?)


そして大剣を背中に納刀すると、倒れた者達に向けて言い捨てた。

「命までは取らないわ・・・いくら、クズであってもね」

そう言い捨てると、悠斗の元へ歩き始めるのだった。


(どうやら私の仕事は此処までね?ユウト様・・・お手並み拝見致します♪)


笑みを浮かべ歩み始めたレダを警戒しつつも、

悠斗の前に立つ衛兵の男は威圧を放った。


「あ、あの女は腕が立つようだか・・・お前にはそんな力はあるまい?

 フッフッフッ・・・お前が、お前が悪いのだよ・・・。

 あの方に逆らったら、この街では生きては行けないって事をなっ!」


その言葉を聞いた悠斗には心当たりがあった。

そして悠斗はその男を見ると・・・。


「それって・・・エルバドってヤツの事か?」

「なっ!!な、何故・・・それを・・・?」

突然飛び出したその名に、その衛兵は顔を引きつらせてしまった。

「・・・だろうね?そんな事だろうと思ったよ。

 衛兵の誰かがドリューを解放したって事なんだろうけどさ・・・」


ニヤリと不敵に笑う悠斗に、衛兵は顔を歪ませる。

「・・・死んでもらおうか?あの女が辿り着く前には、

 お前程度の者など、一瞬で殺せるからな?」

凄んで見せているつもりなのだろうが、悠斗にその手の脅しなど、

通用するはずもなかった。


その男は、背後にいた衛兵に目配せ、合図を送ると、

悠斗の背後から斬りかかろうとした。


悠斗は薄く口角を上げると、一人の女の名を呼んだ。


「ステアっ!」


悠斗の言葉とほぼ同時に斬りかかろうとした衛兵は、

その場で意識を手放した。

「・・・な、何が?お、お前達は・・・何者なのだっ!」


ステアは片膝を着き、頭を垂れると・・・。

「ユウト様、ご無事で何よりでした」


(残り・・・2人)


「さて・・・名も知らぬ衛兵さん・・・残り2人なんだけど?」

そう言って、悠斗はその衛兵に向かい、一歩踏み出すと・・・。

悠斗の前に立つ衛兵の後ろにいた男が、叫びながら逃げ出したのだった。


「う、うわぁぁぁっ!ばっ、化け物だぁぁぁっ!」

一瞬「チラッ」と、逃げ出した衛兵を見た悠斗は、再び声を上げた。


「逃がすなっ!ゼノっ!」

そう発した言葉に、応える声が響いた。

「オーケーっ!ユウト様っ!」

暗がりから出てきたゼノが逃げ出した衛兵の前に立ち塞がった。

「ヒッ、ヒィっ!な、なんで・・・なんでこんな所にっ!」

「悪りーな?お前らのようなヤツは見逃せねー・・・。

 終わりだ・・・害悪どもっ!」


衛兵に威圧を放つも、その衛兵は恐怖により半狂乱していた。

「うっ、うわぁぁぁっ!し、死にたくないっ!

 お、お前がっ!お前が死ねぇぇぇ!」

そう叫びながらゼノに斬りかかるが、振り下ろされた剣を

ゼノが素手で掴んで見せると、地面に崩れ落ち漏らしてしまった。


「け、剣が・・・ばっ、化け物っ!」

「うわぁ~・・・こ、こいつ・・・汚ったねぇー!

 そんだけ威張るんだったらよ~?もう少し根性見せやがれっ!」


そう言いながらゼノは崩れ落ちた男の顎先を蹴り上げ、

「うがぁっ」と呻くと、そのまま気絶した。

その男を見下ろすゼノは言葉を吐き捨てる・・・。


「ちっ!だらしねーなぁーっ!」

そう吐き捨てつつ、視線を悠斗に送ると頷いて見せたのだった。


そして・・・。


「きっ、貴様ら・・・こ、このままで、済むと思うなよっ!」

悠斗の前に立つ衛兵の男が、ゼノ達を見回しながらそう叫ぶと、

振り向き様に、悠斗に火の魔法を放った。

「死ねやぁぁぁぁっ!」


「「「「ユ、ユウト様ぁぁぁぁっ!」」」」

悠斗との距離はわずか2m。

躱す事が出来るはずもないその距離で、

その衛兵は悠斗に火の魔法を放ったのだ。


「ボンッ!」と炎が爆破するとその煙が辺りに広がった。

そしてその衛兵は醜い笑みを浮かべると・・・。


「はっはっはっ!やったぞっ!馬鹿めっ!油断するからだぜっ!

 だからお子様はよ~・・・あっはっはっはっ!」

浮かれ高笑いする男はその瞬間、その薄汚い笑みが凍り付いた。

「ばっ、馬鹿・・・な」


「・・・何かしたか?」

「ヒィッ!」

爆発による煙が晴れた時、衛兵の前でノーガードの悠斗が立っていた。

「な、何故・・・だ?・・・そんな・・・そんな馬鹿なっ!

 あ、あああ当たったはずだっ!そ、それなのにっ!何故だっ!」

恐怖から涙を流しながら狂乱する衛兵の背後から、声が聞こえた・・・。


「お前は終わりだ」

背後から聞こえた悠斗の声に、男は思わず正面を見た。

「・・・えっ!?」

その声が衛兵から漏れた瞬間、その男もまた、意識を手放したのだった。


「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」」」」」

と、事の顛末を伺っていた人達が、一斉に声を上げた。


「や、やりやがったぞぉぉぉっ! 」

「ざ、ざまぁぁぁぁっ!衛兵どもっ!」

「やったわっ!あの子達・・・やったわっ!」

「あのユウトって子・・・何者なのよっ!」

「す、すごーいっ!あの人達・・・強過ぎるわっ!」


広場の周りからいくつもの歓声があがった。

悠斗は「ふっ」と笑い口角を上げると、

見ていた人達に手を上げ、その歓声に応えて見せたのだった。


その様子を見ていた3人は・・・。

ゼノ、ステア、レダ達も、同じく悠斗に習って観衆の声に応えたのだった。


それを唖然として、ただその光景を焼き付けていたミレイの姿もあった。

(・・・な、何よこれ?

 あっ!ま、前にも同じ事が・・・あ、あの廃墟であったわね・・・

 人を使う能力・・・そして、そのカリスマ性・・・流石ですね、ユウト様♪)


一通り街の人達の歓声に応えたゼノ達は目配せを行うと、

ゼノ、ステア、レダは、悠斗の前で片膝を着き礼を取った。

「・・・何のまね?」

片膝を着き頭を下げていたゼノが、代表となり答えた。

「はっ!我らはユウト様に忠誠を誓う者っ!

 今後とも我らは、ユウト様の手となり足となる所存っ!

 どうか・・・我々を臣下にっ!」


衛兵達を相手に圧倒的な強さを見せた者達が、

まだ少年と言える男に礼を取った事に、街の人達はどよめいた。

だが、それ程の者達が頭を垂れる男の圧倒的な存在感に、

広場に集まった人達は拍手の雨を降らせたのだった。


「・・・分かったよ。考えておくから・・・」

「「「はっ!有難き幸せっ!」」」


すると、悠斗を見て拍手を送る人達の中に、

串焼き屋の親父さんも笑顔で拍手していたのが見えた。

悠斗の視線に気付いた親父さんは、何度も頷いてガッツポーズをしていた。


そんな光景を見ていたミレイは言葉を漏らした。

「集う者達・・・か・・・。

 あ~あぁ・・・ライバルが多そうよね~?」


悠斗達はその声に応えると、衛兵達を捕縛し、

そのまま冒険者ギルドへ向かって行く。


そんな悠斗達の後ろ姿を見ていた街の人達の歓声は、

姿が見えなくなっても続いていたのだった。


それぞれが衛兵を引きずりながら、

冒険者ギルドに戻ってきた悠斗達を待ち構えていたのは、

こめかみをヒクつかせたウェズンと、安堵の息を漏らすサウザーだった。


「ユウト様っ!ご無事で何よりですっ!」

「て、てめーらっ!まぁーた騒ぎを起こしやがってぇぇぇっ!」

「まぁまぁ、ウェズン・・・別にいいじゃないか?」

「サウザー様っ!あんたが甘いからっ!こいつら・・・は・・・

 頼むからもうっ!騒ぎだけは勘弁してくれぇぇぇっ!」


冒険者ギルドの前で、ウェズンの悲痛な叫びが街中に響くのだった。



ラウル ・・・ んー・・・しかし悠斗君もよく飽きずにトラブルを・・・。

ミスティ ・・・ まぁ、好きでトラブルに巻き込まれている訳では・・・。

ラウル ・・・ だとしてもさ?トラブル・・・多過ぎないかい?

ミスティ ・・・ 確かに・・・悠斗さんののんびり冒険者ライフが・・・。

ラウル ・・・ ふむ・・・。これは何かきな臭い陰謀がっ!

ミスティ ・・・ ラウル様も陰謀論がお好きですものね♪

ラウル ・・・ 僕達もこうはしていられないっ!

ミスティ ・・・ あら?ラウル様もどなたかに陰謀でも企てるおつもりですか?

ラウル ・・・ 違うってばっ!特撮ヒーロー的な戦隊をっ!

ミスティ ・・・ ま、まさか・・・擬体で作るおつもり・・・なのですかっ!

ラウル ・・・ 僕に不可能はないのだよっ!(キラーン♪)

ミスティ ・・・ さっ、ふざけていないで、お仕事してくださいね♪

ラウル ・・・ ふ、ふざけて・・・ないんだけど?



ってなことで、緋色火花でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 擬体ヒーロー戦隊、見てみたいです♥︎ しかし串焼き頬張ってるだけでも騒ぎに巻き込まれる(笑) あ、いえ、この場合は悠斗自身が原因だから、 やはり悠斗自身が騒ぎを巻き起こすんですよね♪ …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ