12話 情報収集と旅立ち
ま、またこんな時間に・・・orz
ショートスリーパー舐めんなー!!
とは言っても、眠れないモノは眠れないのだ!
はぁ~・・・頑張って仕事行ってきますw
感想とブックマークを宜しくお願いします。
本編が長くなってしまいましたが・・・。
12話お楽しみください。
ラウルはミスティに視線を送ると・・・
「他に何かあるかな?」そうミスティに尋ねると
少し考えてから首を横に振り
「ん~・・・今の所ありませんわね」
ラウルが頷くと、悠斗がノーブルでまずは何をすべきか・・・
それを伝えようとした時・・・
「あぁぁぁ!!」ミスティがいきなり大声を出した。
あまりの声に驚いた2人の視線がミスティに集まると・・・
「あっ、えっ・・・そ、その~・・・ラウル様、まだ通貨の話しをされていませんが?」
ミスティの言葉に「はっ!」っとなるラウルは
「すっっかり忘れてしまっていたよ~・・・あははは」と、笑い出す。
悠斗は「ん?」と、首を傾げていた。
「えっとね、ノーブルの通貨の事を伝えておかないと困るだろ?」
「そう言えば聞いてなかったな・・・」
「では、私が説明しましょうね♪」
「まず、通貨の種類としては、
下から銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨の全部で7種類となります」
悠斗は無言で頷くと、ミスティは話しを続ける。
「地球の通貨で例えるならこうなります」
銅貨1枚 = 百円 大銅貨1枚 = 千円 銀貨1枚 = 一万円
大銀貨1枚 = 十万円 金貨1枚 = 百万円 大金貨1枚 = 一千万円
白金貨1枚 = 一億円
「と、まぁ~このようになりますわね♪」
「・・・なるほど」何度も頷いている悠斗。
ミスティが説明を終え、ラウルに視線を移すと「コクリ」と頷き
「まぁ~、通貨の事は問題ないみたいだね」
そう言うとラウルはマジック・ボックスから革の袋を取り出すと悠斗に手渡した。
「ズシッ」っと受け取った悠斗の手に重みが伝わる。
「これってお金?」視線を上げながらラウルに聞くと
「うんうん、一応さ、暫く悠斗君が困らないように金貨10枚ほど入っているよ」
目を「パチパチ」させながら固まった。
「どうしたんだい?」と、訪ねてくるラウルに悠斗は・・・
「いやいやいやいや、10枚って事は一千万だよね?流石にもらえないから!」
すごい勢いで身を乗り出しラウルに詰め寄る
あまりの剣幕にラウルも顔を引きつらせるのだが・・・
「えぇぇ~、これくらいさせてよ~。
少なくとも僕達は君に対してこれくらいはする必要があるんだよ?
地球での生活に友人や肉親達の事を考えたら、
これくらいはしないと申し訳立たないよ~」
「いや・・・でも、しかし・・・」
悠斗はラウルの言葉に少し動揺してしまう。
(あ~・・・やっぱり地球には戻れないのか~。英二さん・・・すみません)
悠斗は地球の仲間達を思い出していた。
そんな悠斗の姿を見てミスティが悲しそうな顔をして口を開いた。
「悠斗さん、貴方の地球での人生は私達が取り上げてしまいました。
ですからこの金銭は受け取って欲しいのです。
これは地球の神々達との約束でもありますし・・・。お願い致します」
ミスティの思いつめた表情を見ると何も言えなくなってしまう悠斗。
軽く息を吐きながら答える。
「ふぅ、わかりました。お二人の気持ち、確かに受け取りました・・・」
深々と頭を下げて感謝を伝える悠斗。
ラウルも少しほっとした表情を見せた。
「ありがとう悠斗君。ノーブルの世界の為に我儘を聞いてもらってさ・・・
感謝しきれないよ」
ラウルも悠斗に深々と頭を下げるのを見て、ミスティも同様に深々と頭を下げた。
(2人の気持ちが痛いくらいに伝わってくる・・・ありがとう)
再び悠斗は心の中で感謝を述べていた。
金銭の問題が解決したのでラウルは次の話しに移った。
「さて、悠斗君。今度はノーブルについて話しをしようか」
「宜しく頼むよ」
その言葉にラウルとミスティは微笑んだ。
ミスティはマジック・ボックスからノーブルの地図を取り出した。
テーブルに広げられた地図は2枚
1枚はノーブル全体の地図、
もう1枚は転移先でもある騎士国家グランフォートの地図である。
ミスティは地図に指を差しながら説明していく。
「悠斗さんの転移先は「騎士国家グランフォート」
元は一貴族の騎士団ですが、勇猛さと団結力で建国した騎士団国家ですわ」
「へぇ~・・・騎士団国家ね~。地球にもあったけど・・・
そういう話しって本当にあるんだね」
ラウルが続けて説明する。
「でもまぁ~。「グランフォート」はノーブルの中央大陸の中では、
それほど領土は広くはないんだよ。
戦力的には中央大陸最強を誇る「軍事国家エスタ」と、同等の力を誇るんだ」
「軍事国家って・・・なんだかヤバそうな国だな~・・・」
悠斗はそんな国に転移されなくて良かったと思っていたのだが・・・
その安堵はミスティによって砕ける事になった。
「僭越ながら・・・「グランフォート」は、
治安がいいとは・・・とても言えない国でして・・・」
それを聴いた悠斗は「がくっ」っと、項垂れてしまうのだが話しはまだ続く。
「国の上層部は良いのです。
しかし、中間管理職の面々が好き放題と言いますか・・・」
悠斗はため息を吐きながら・・・
「やっぱり世界は違えども、そういう輩は居るってことなんですね・・・
嫌になりますね」
悠斗は少々苛立ってはいたが、それが人の性・・・
そう言うモノなのだろうとあきらめていた。
ラウルは苦笑いしながら
「あー・・・。上層部や中心人物等はとても温和でいい人達なんだけどね・・・。
自ら戦争を起こすってこともしない国だからね。でも、上が良くても・・・ね」
ラウルは頭を抑えていた。
やや、気を取り直したラウルはミスティに話しを続けるよう伝えると
「で、では、話しを戻します。」
悠斗は「はい」と、小さく返事をした。
「悠斗さんの転移先は「騎士国家グランフォートの首都フォードス」から
最北端の村「リント村」付近となり・・・」
最後まで言い切る前に、ラウルが「ちょっと待った」と、口を挟んだ。
ミスティはラウルの予定外の言動に驚いていたが
「ラウル様、どうかされましたか?」
ラウルは「うーーーーん」と、唸った後
「リントは変更して、「癒やしの森」付近にしよう」
悠斗にはさっぱりとわからない話しなので
首を傾げるしかなかった・・・。
ミスティは何故か?と問いただすと
「ん~・・・「癒やしの森」付近にさ、確か広い岩場の荒野があったよね?」
ミスティは地図を指差しながら
「ええ、「癒やしの森」から5kmほど下った場所に岩場はありますわ」
ラウルは何度も頷いた後
「その岩場で悠斗君には魔法の練習をしてもらおう」
突然名前を言われた悠斗は
「へっ?」と、上ずった声を出してしまっていた。
「いやなに、悠斗君の魔法・・・
あれじゃ~普通に使えないだろ?
だからそこで暫く練習してもらってからの方がいいんじゃないかと思うんだよ」
ミスティはラウルの言葉を聞きながら右手の人差指を顎に当て考える。
「・・・ええ、確かに・・・今のままではちょっと・・・ね」
真剣なミスティの言いように悠斗は肩を落とし
「まじか・・・」と、つぶやくのだった。
「まじだよ、まじー!あれじゃ~みんな巻き込んじゃうからね!
だからしっかり練習しておくんだよ?それにさー、
「異形の魔」は神出鬼没だからね、
動き回るよりもまずはしっかり足元を固めておくほうがいいよ」
そう言われると納得するしかないのだが・・・
悠斗はやるせない気持ちにはなっていたが
確かにラウルの言う通り魔法を使えるようにならなければ話しにならないだろうと思った。
「わかったよ・・・わかりましたよ!まずはしっかり練習しますよ!」
ややキレ気味ではあるが承諾した悠斗に
「頼むよん♪」と、おどけて見せる。
そして再びミスティが話しを続ける。
「とりあえず転移先は岩場として・・・
でも、一応いずれ向かってもらう場所と情報は教えておきませんと、
後々、困る事になるかもしれませんから・・・」
心配性なミスティとは対象的なラウルは
「ええ~そんなのは後でいいじゃん!」
「しかし・・・」
暫く2人の言い合いは続いたのだが、
ミスティは大切な情報だと言うのでラウルが折れた。
「悠斗さん、暫くの間は練習する事になるかもしれませんが、
一応向かう先だけは教えておきます」
悠斗もミスティの勢いに押されながら「はい」と返事をした。
「では、向かう先はグランフォートの最北端にある「リント村」。
そこから更に北に進む森・・・「嘆きの森」に居住する
「ダークエルフ」の集落に向かっていただきます。」
「ダークエルフって・・・居るのか・・・」
ラノベの挿絵等でしか当然見たことのない種族。
悠斗は興味津々だった。
「会ってみたい!」思わず声に出た悠斗。
「ダメだよー!ほら~ミスティ!
悠斗君ならぜっっったいに興味持つって思ったんだー! 」
ラウルの一言に思わず苦笑するミスティだったが
「それだけ興味があるのでしたら、
魔法の練習もきっと早く上達するかもしれませんわよ♪」
笑いながらもラウルにそう伝えると
「それは詭弁だからねっ!」そう言うと拗ねてしまった。
「まだ先の話しにはなるのでしょうけど、集落に向かう時はまず、
リント村で集落との繋をしてもらってから
「嘆きの森」に入られるのが良いでしょうね」
「繋・・・ですか?」
「ええ、繋も無しに入られると敵とみなし襲撃されるか、
ダークエルフの幻術で彷徨うことになるかもしれませんので・・・」
「しゅ、襲撃って・・・まじですか?」
そう言いながら二人の顔を見ると黙って頷いていた・・・
「こわっ!!」
ため息がここに来てから増えている自分が可愛そうになっていた。
「だからさー、まずはリント村に行って、村の人達と話すところから始めないとね」
少しぶっきらぼうに答えながらお茶を飲むラウル。
静かにティーカップを置くと話しを続ける・・・
「僕達神が知らない情報を持っていると思うんだ。
だから向かう時は万全の状態が望ましいと僕は思うよ?」
悠斗はラウルの真剣な眼差しに「わかった」と返事をした。
「あとは、「異形の魔」についてだけど・・・
これはさっきも言ったけど神出鬼没だから、情報は限りなく少ないんだ。
だから万全を期して対応していかないと必ず後悔する」
ここで悠斗は情報って言葉に引っかかりを覚えて少し考えてみた・・・
(あっ・・・言葉って通じるのだろうか?
さっきステータス確認した時、そういうスキルってなかったよな?)
今思った事をラウルに聞くと・・・
「ああ~、それは心配いらないよ?
さっきのステータスは今の君のステータスだし、
ノーブルに着いたら自然と話せるようになっているからさ♪
ステータスも更新されているはずだよ」
「それを聞いて安心したよ。言語がわからなかったら情報も集めようがないからさ」
ミスティは「ふふふ」と笑いつつお茶を飲んでいた。
「それとあと一つ・・・」
「ん?」
「ノーブルで2人と話したい場合ってどうしたらいいんだ?」
「・・・・・」少しの沈黙の後でラウルが口を開いた。
「あれ?言わなかったっけ?」
「ん?・・・言われたっけ? 」と、二人共?マークになっている。
「情報が分かり次第教えるって言うのは何度か聞いた気もするけど・・・?」
「うんうん」とラウルとミスティは頷くが
「頷いてるけど、一体どうやって教えてもらえるんだ?」
不思議そうな顔をしている悠斗は続けて・・・
「はっ!神的なパワーで!!とか?夢枕に立つ・・・とか?」
その言葉に大笑いするラウルとミスティ
「神的なパワーって・・・あはははは!!は、腹が痛い・・・
そ、それに、夢枕って!僕はそんな所に立たないよ?」
「じゃ~どうやって連絡取るんだよ! 」
「どうやってって・・・普通にメールでするに決まってるじゃん」
「はい?」と、聞き間違えかと思った悠斗だが
「だから、メールだよ?ステータス・ウインドウにはメール機能が付いているのだぁ!」
神を舐めるなぁぁ!と、言わんばかりに言い放った。
「メ、メールがあるのか・・・」悠斗はショックを受けていたが
ラウルは構わず話しを続ける。
「まぁ~とりあえず現地に着いたらメールするからさ♪」
もう笑うしかない悠斗であった。
「ああ~でもさ、込み入った話しをする時は教会に来てもらえると話せるから。
悠斗君の事は伝えておくからさ♪だから街に着いた時には教会に寄ってよね」
「ま、まぁ~その時は伺わせていただきます」
さっきのやり取りで疲れてしまった悠斗だった。
暫くお茶を飲みながら談笑した3人。
悠斗はお茶を飲み干すと・・・
「よしっ!」そう言って勢いよく立ち上がった。
突然立ち上がった悠斗にびっくりする2人だが
「・・・行くんだね?」寂しそうに声をかけるラウル
ミスティも寂しそうにしていた・・・。
「いつまでも此処に居る訳にはいかないからさ。そろそろ行くよ」
その言葉に頷いたラウルは立ち上がると少し離れた所にゲートを出した。
(おお~・・・神殿風なゲート?格好いいな~)
ミスティも立ち上がり悠斗の前を歩いていく。
「悠斗さん、お気をつけ下さいね?くれぐれも無茶だけはなさらないように・・・」
「ありがとう。頑張ってくるよ」
親指を立てながら、ゲートの前に居るラウルを見る。
「悠斗君、ノーブルでは自由に生きてくれ。
やってもらいたい事は当然あるのだけれど、強制はできない。」
悠斗はラウルに笑顔で答えた。
「何言ってんだよラウル。俺が自分の意思で決めたんだ・・・
だから何も問題ないよ?」
「あ、ありがとう・・・」
ラウルの表情はとても曇っていた。
話しを終えた悠斗は、ゲートの中に入っていく・・・
一度悠斗は振り返り、右手を上げて・・・
「行ってきます!!」笑顔で手を振り別れを告げる悠斗。
ミスティは涙ぐみながら
「行ってらっしゃいませ。お気をつけて・・・」
少し手を上げて振る。
「悠斗君!行ってらっしゃい!!僕達はいつでも君の事を見ているからね!」
ラウルもまた笑顔で手を振りながら悠斗を送り出す。
そして悠斗はゲートの白い光に包まれて旅立って行った・・・。
暫く悠斗が消えたゲートの前で佇む2人・・・
一人は涙を流し、異世界人を危険に巻き込んでしまった罪の意識・・・
一人は、ただ消えた空間を見つめつぶやく・・・
「・・・頼むよ・・・悠斗君」
ラウルの言葉が、ただ・・・静寂に飲み込まれた・・・
ラウル ・・・ あの、一人なんですけど?
ラウル ・・・ ねぇー!原作者!僕にどうしろって言うのさ!
ラウル ・・・ すっごく寂しいんだけど・・・?
ラウル ・・・ ああ・・・な、涙が・・・orz
英二 ・・・ |д゜)チラッ
ラウル ・・・ 曲者ーー!!
英二 ・・・ よ、呼んだ?
ラウル ・・・ 呼んでねぇーよ!
英二 ・・・ |彡サッ
ラウル ・・・ そして誰も居なくなった・・・?
ってなことで、緋色火花でした。




