108話 プライドと悠斗の誓い
お疲れ様です^^
あー・・・なんだろ?
ちょっとキャンプに行きたい今日この頃です><
やっぱり人はストレスに弱いモノですね^^;
テントを張って、のんびりとコーヒーでも飲みながら、
焚き火の炎を見て安らぐ・・・実に素晴らしい^^
雨キャンも好きですけどね^^
さて、108話ですね~
白斗が珍しく落ち込んでいますが・・・
ブックマークや感想など、宜しくお願いします^^
こ、このままでは・・・ス、ストレスが・・・www
それでは、108話をお楽しみ下さい。
悠斗は嫌々ながらも説明を求める神々達に説明していく。
「え~っと・・・。今の白斗は完全に自信を喪失しているって事なんだよ」
悠斗の説明に挙手するアマルテア。
「別に挙手とかいらないんだけど?」
「は、はい、それでは・・・。
確かに痛恨のミスだと私を含め皆が思っている事だと思いますが、
白斗がミスを引きずる事でもないと思われますが?」
アマルテアの質問に悠斗は肩を竦めながら答えた。
「あ~・・・。あいつってさ?イリア達の修練に自ら口を出した事ってないんだけど、
それが何故か分かるかな~?」
悠斗の質問に全員が首を振っていると・・・
「・・・プライドかな?」
ラウルは悠斗の顔を真っ直ぐ見ながら答えた。
「正解・・・。あいつは自分が聖獣である事や、日本の神達に選ばれた者だと言う、
そんなくだらない理由を持っている節があるんだ」
「なるほどな・・・だからイリア達にアドバイスしなかったって事か・・・」
「そうだね。俺に言われた時以外は、
自らアドバイスするなんて事はなかったはずだ」
あの岩場の聖域で特訓に参加していたミスティやアリエルは、
悠斗の言葉に納得した。
そして悠斗は少し話の間を置くと・・・
「ふぅ~。あいつはイリアやセルカが、モタモタやっているのを見て苛ついたんだよ。
そして自ら作戦を立てた・・・そこまではいいんだけどさ?
意地になっちゃってさ~、後は見ての通り、冷静な判断力を失い、
暴走して神力を喪失しちゃったって訳・・・。
その結果、下に見ていたイリアに持っていかれた・・・」
「それで白斗ちゃんは自信喪失しちゃったって事なのね?」
悠斗は少し悲しい顔をしながら頷いた。
「まぁ~でもあいつはさ・・・基本的にはこう思っていたんじゃないのかな~?
「ワシが何とかしたるっ!」ってさ。
なんだかんだ言っても、あいつは優しいヤツだからね」
悠斗はそう言うと目を閉じた。
(セルカ・・・白斗の事は任せた・・・)
そう思いながら悠斗は静かに耳を澄ますと、
鳥が囀る声が、とても悲しい音色に思えたのだった。
そして此処は戦いを終えた癒しの森・・・
イリア達は戦いを終えた場所に腰を降ろし、一息ついていた。
「疲れたにゃ・・・」
セルカのつぶやきがイリア達に頷きを誘うと・・・
「何言ってんのよ?ユウトと一緒に居るって事は、
これから先も、こういう戦いがあるって事なのよ?」
ミランダの言葉にイリア達も苦笑するしかなかった。
「そうね・・・今までユウトに甘えていたのは確かね・・・
つくづく自分の甘さが情けなくなるわね」
「私はさぼっていた訳じゃにゃいけど・・・
それでも私は自分の弱さが情けにゃいのにゃ」
弱音を吐くイリアとセルカに、ミランダは呆れた顔をした。
「弱音を吐くんだったら、このパーティーから抜ければいいんじゃない?
抜けたらさっきみたいな戦いなんて、そうそうないと思うけど?」
「それはにゃいのだ」
「そうね、私もそれはないわ」
ミランダはそう言い切る二人の目に力を感じたのだった。
「だけどね?あんた達・・・現実はかなり厳しいわよ?
ユウトに着いて行くって言うのが、どれほど大変な事なのかってね?」
「それは今回の戦いで分かっているわ」
「そうにゃ、そしてこれから先も・・・って事くらい分かっているのにゃ」
「覚悟があるなら・・・何も言わないわ」
そう言ったミランダを見ていたイリアは、気になっていた事を口にした。
「ところでミランダさん?いつもと容姿が変わっているのはどうしてなの?」
「やっとその事に触れたわね?」
そう言ってミランダは笑って答えた。
「これは擬体なのよね~私達は聖域以外では活動に制限があるからね~
もっと早く作ってもらうはずだったのに・・・ラウルのヤツがっ!」
「こんなにも恨まれる創造神様って一体・・・あは・はは・・はは」
「にゃはは・・・ある意味、流石ラウル様なのにゃ」
拳を握り締めつつ、ミランダはラウルのニヤけた顔を思い出すと、
腹が立って仕方がなかったのだった。
そして少し離れた場所からアンナは3人の様子を見ていた。
「聖獣様?皆さんの所へ行かれないのですか?」
アンナの肩に乗る白斗は顔を向けると・・・
「ワシな~・・・今、あの場所へ行く事は出来ひんねん。
ちゅーか・・・恥ずかしゅーて無理やわ」
「そんな事はありませんよ?必死で戦ったじゃありませんか?」
「ワシなあの時・・・完全に自分の事を見失ってしもうててな?
今思い出してもありえへんって・・・」
白斗は再び俯くと黙ってしまった。
(今は何を言っても駄目ね・・・)
アンナは白斗の頭を指先で撫でると、小さな声で白斗がこう言った。
「・・・おおきにな」
その言葉にアンナは微笑みを向けるのが精一杯だった。
すると・・・
セルカがアンナと白斗の元へやってきた。
「セルカは休んでなくていいの?」
「アンナ様も本当に無事で良かったのにゃ♪」
「ふふ、有難う♪」
「礼ならイリアとミランダ様に言うのにゃ♪
私にゃんて、足止めがやっとだったのにゃ」
そう言いながら、セルカは白斗が乗るアンナの右側に腰を降ろした。
「おい、駄犬・・・」
「・・・・」
「駄犬、寝てるのかにゃ?」
「はぁ・・・。起きとるわ。それで、何やねん」
「お前、にゃにを落ち込んでいるのかにゃ?」
「・・・・」
何も言えず黙り込む白斗にセルカは正面を見据えながら話し始めた。
「お前の落ち込みの理由は何にゃ?」
「なんで猫娘に話さなあかんねん」
「お前がそんにゃに落ち込んでいるとにゃ?
アンナ様もお前に気を使ってしまうのにゃ」
「まぁ~ せやな・・・確かにな」
セルカは白斗を掴むと、自分の肩に乗せた。
「や、やめろやっ!な、何すんねんっ!」
「お前がそんにゃ顔をしているとにゃ?アンナ様が休めにゃいからにゃ」
「せ、せやな・・・」
白斗は心配そうに見つめるアンナに顔を向けると、
「ペコリ」と頭を下げた。
その行為にアンナは静かに笑って見せたのだった。
癒やしの森の景色が一変としてしまった中で、
静けさだけが何も変わらなかった。
「あんな・・・猫娘?」
「にゃ?」
「すまんかったな?」
「・・・気持ち悪いからやめるにゃ」
「せやな・・・」
「今回私は活躍出来にゃかったのにゃ・・・」
「ワシも・・・やな」
「でも次は、私がきっと大活躍するのにゃ。あの牛女には負けないのにゃ」
「シッシッ、せやな・・・」
傍で二人の様子を見ていたアンナは、お互いに支え合う二人を微笑ましく見ていた。
(支え合える仲間が居るのは素晴らしい事ですね)
アンナはそう思うと、かつての仲間達の事を思い出していた。
思い出にふけるアンナを他所に、二人の会話は続いていく。
「にゃ~駄犬?」
「・・・なんや?」
「私はユウト様と出会ってから、トレーニングをさぼった事はにゃいのだ」
「ふ~ん・・・それはええこっちゃ」
「でも・・・活躍出来にゃかったのにゃ」
「まぁ~そんなん、普通の事やんか?」
「そうにゃ、それは駄犬・・・お前も同じにゃのにゃ」
セルカにそう言われた白斗は険しい顔を向けると・・・
「わかっとるわ、ボケっ!お前に言われるまでもないわっ!」
「駄犬、分かっているのにゃら・・・もうそんな顔はやめるのにゃ」
「・・・あほ・・・これは・・・あ~・・・え、演技じゃボケっ!」
「そうなのかにゃ?」
「・・・・・・・今だけじゃ」
二人の会話が止まって暫くすると、ミランダとイリアが立ち上がり、
こちらに向かってきた。
「アンナさん、これからどうしましょうか?」
意見を求めてきたイリアに、アンナはミランダに視線を移すと、
ミランダの前に片膝を着き礼を取った。
「ミランダ様・・・挨拶もせず無礼をお許し下さい」
そう言って頭を垂れるアンナにミランダは戸惑った。
「あ、あ~・・・えっと、アンナと言ったわね?」
「はい」
「このメンツで居る私に、そんなのいらないからね?」
「はぁ?」
「私は・・・まぁ~知っていると思うけど、邪神の女神なのよ?
人に嫌われて当たり前だしね?」
「しかしながら・・・ミランダ様はユウト様のお仲間なのですよね?」
「ま、まぁー・・・そ、そ、そうね・・・」
アンナから顔を背けながら、ミランダは少し顔を赤くしていた。
そんなミランダの横に居たイリア「クスクス」笑っていた。
ミランダは照れを隠す為に話を変る事にした。
「で・・・?これからどうするの?」
「えっと~・・・」
イリアはこれからの行動を言い倦ねていると・・・
「そんなん、この森の中心を目指すのに決まっとるやろ?」
みんなに視線を合わせる事なく、白斗はそう言った。
「そうね・・・」
イリアは腕を組み考えると、みんなに意見を求めた。
「私は白斗の意見に賛成だけど、みんなはどうしたい?」
「私は駄犬の意見に賛成なのにゃ」
「私も、聖獣様のお導きを信じます」
イリアはミランダに顔を向けると頷いていた。
「分かったわ、じゃ~中心へと向かいましょう」
イリアがそう言うと、立ち上がり癒やしの森の中心へ向かって歩き出したのだった。
そして再び神界の狭間では・・・
イリア達の様子を見ていた悠斗達は話し合っていた。
「イリア君達は森の中心へ向かうようだね?」
「そうですわね?白斗の事は気になりますが・・・」
そう言いながらも、二人共悠斗から視線をはずさなかった。
「ん?何?」
「ふふ」っと笑うミスティに、悠斗は口を尖らせていた。
「それで・・・?イリア君達はどうするんだい?」
「んー・・・プロキシオン、俺をイリア達の所へ連れて行ってくれないかな?」
「それは別にいいけど・・・どうするのよ?」
「かなり精神的に疲れていそうだから、岩場の聖域で休んでもらうよ」
そう言うと、みんなに視線を送り意見を求めた。
すると悠斗の意図を汲んだ面々が黙って頷くと・・・
「分かったわ・・・行きましょう」
そう言って立ち上がると、癒やしの森へのゲートを開いた。
「じゃ~ラウル、ちょっと行ってくるよ」
「ああ、行っておいで~♪」
そう言って、ラウル達は悠斗とプロキシオンを送り出した。
悠斗はプロキシオンと共に癒しの森へ戻ると、
イリア達と再会し、事の説明をしたのだった。
そして現状の説明が終わると、イリア達に岩場の聖域で待つよう指示をだした。
「そうね・・・確かに精神的な疲労はあるわね。分かったわ」
イリアの発言と共に、全員が頷いた。
悠斗はアンナに聖域への許可を出すと、白斗の元へ行く。
その時・・・
(ん?・・・この気配って、まさか・・・?
あはは、何で来てんだよ・・・)
悠斗は薄く笑うと、白斗の元へ向かった。
「白斗?」
「何ですのん・・・主?」
何も言わない悠斗に、白斗はその意図を察っすると、
白斗は悠斗の肩に移動し、小声で話した。
「これってアレですか?イリアはん達だけやなくて、ワシも試したって事ですか?」
「・・・否定はしないけど・・・ね」
「さよか・・・」
「ん?怒ったのか?」
「いや、怒る理由はあらへんわ・・・。むしろ、感謝ですわ。
ワシ・・・聖獣やっていう変なプライドで、今まで一緒に居りましたけど、
今回の事で目が覚めましたわ。
だから主には、とても感謝しとるんですわ」
「そっか」
「だからワシは今回の事で、主に一生着いて行くって決めましたわ」
少し驚いた悠斗は白斗の顔を見ると、その顔はいつもの白斗の顔に戻っていた。
「一生・・・は・・・別にいいから・・・」
悠斗は顔を少し引きつらせながらそう答えると・・・
「えっ!?ちょっ、ちょっと待ってーやっ!何でそんな顔するんっ!?
えっ?ワ、ワシ・・・いらんの?」
「い、いや・・・いらないって事じゃないよ?
でも・・・一生ってのは~・・・あははは・・・遠慮したい」
「な、何でなんっ!こんなプリチーなワシをいらんっちゅーんかいなっ!」
「プリチーって・・・お前な~?」
そんないつも通りの会話を聞いた面々は大いに笑っていた。
そして悠斗とプロキシオンはイリア達を見送ると・・・。
「なぁ~ユウト・・・」
そう言ってミランダは悠斗の横に並ぶと・・・小声で話した。
「ん?」
「今回の件って・・・人族の仕業だと思う?」
「・・・・」
「何も言わないって事は・・・ユウトもそう思っているのね?」
ミランダの言葉に軽く頷くと・・・
「それも一つの可能性としてある・・・とは思ってるよ」
「そう・・・よね。もしそうなら・・・」
悠斗の反応を見てミランダは顔を曇らせると、悠斗は肩を叩いてこう言った。
「まだ可能性の話だけど・・・ね。確証はないからさ」
「で、でも、もしそうなら・・・?」
「神達の中に・・・黒幕が居るって事になるね」
ミランダは当然顔色を変えたのだが、
その話を聞いていたプロキシオンもまた・・・顔色を変えた。
「ユウトちゃん・・・そ、そんな事ある訳が・・・」
「・・・あるよ」
そう言い切った悠斗の顔からは表情が消えていた。
「ユウト・・・私も一緒に戦うわっ!」
「ああ、その時は一緒に・・・」
(・・・待ってろよ・・・必ず見つけてやるからな)
そう心に誓った悠斗は拳を硬く握り締めたのだった。
ラウル ・・・ ふむ・・・白斗が復活出来たみたいだね~
ミスティ ・・・ ところで・・・ミランダの事をミネルバと間違っていた事ですが?
ラウル ・・・ ああ~、それはガン◯ムSE◯D DEST◯NYを見ていたかららしいよW
ミスティ ・・・ そう言う事もあるのですね・・・ふふふ♪
ラウル ・・・ ストレスと言うのは実にやっかいだね~
ってなことで、緋色火花でした。




