103 話 新たな弟子・・・知らないんだけど?
お疲れ様です。
帰宅が間に合って良かったっ!
後、急に冷え込み始めましたね~?
皆さんも風邪をひかないように気をつけて下さいね^^
ブックマークや感想など、宜しくお願いします^^
それでは、103話をお楽しみ下さい^^
悠斗達はデビルトロールを倒し決着した。
だが問題点も多く、今後の対応に追われていく事になった。
「ユウト、よく駆けつけてくれた・・・助かったよ」
「間に合って良かったです。だけど・・・」
「ああ、分かっている。お前の気道・・・アレだけが対抗手段なのだろうからな」
アリエルは顔をしかめながら己の弱さを呪った。
だがそれは、どうしようもない問題だと言う事も分かっていた。
するとこちらに戻ってきたオウムアムアが悠斗に願い出た。
「師匠、我に「気道」を、お教え下さい」
「そうだな、対抗手段が気道しかない・・・と、言うなら、
教えていくしかないだろうけど・・・」
オウムアムアは悠斗が最後に言い淀んだ理由を聞いた。
「師匠、何か問題でも?」
「ああ・・・俺は休みたい・・・」
「「「へっ?」」」
3人の神達は悠斗の発言にシンクロした。
「俺さ~・・・働き過ぎじゃね?」
「そ、そう申されましても・・・」
「分かってるよ?でもさ~ちょっとゆっくりしたい・・・まじで」
悠斗の言葉が真実味を帯びている事が伝わってくるのだが、
この状況でそれが言える悠斗にある意味・・・関心した。
「ユウト、お前な~?この状況でよくそれが言えるな?」
「いやいやいや、俺ってまじで働き過ぎだと思うんだけど?」
「ユウト様、お気持ちは分かるのですが・・・
でもユウト様の御力でないと対抗出来ないのも事実なので・・・」
アマルテアの発言にアリエルは横目で見つつ違和感を覚えたが、
その違和感に対して、口を開かなかった。
「師匠、少しの間だけで良いのです。我に気道をっ!」
「いや、だから・・・」
「師匠っ!」
物凄い勢いで近寄るオウムアムアに、悠斗は後ずさる。
「ち、近いし怖いってっ!お、落ち着けっ!」
「し、しかしながらっ!」
「怖い、怖い、怖いっ!わ、分かった、分かったからっ!」
オウムアムアはその距離と圧迫感、そしてその迫力で悠斗を頷かせた。
「ま、誠ですかっ!」
「あ、ああ・・・誠ですよ・・・あ~あ・・・」
落胆し肩を落とす悠斗を見ていたアリエルとアマルテアは笑っていた。
「あっはっはっ、ユウトよ?お前も弟子には弱いって事だな?」
「いやいやいや、違うでしょ?今のはどう見ても、力押しでしょっ!」
「ふふ♪ユウト様がとてもお優しいのは、この私めもよく知っておりますので♪」
アマルテアの言葉に我慢が出来ず、アリエルが疑問を口にした。
「アマルテア?先程から、ユウト様と言っているみたいだけど?」
「えっ?何かおかしいですか?」
「おかしいかと聞かれても・・・な。でも貴様は神だぞ?分かってるのか?」
「ええ、分かっていますけど?私もユウト様の弟子の一人ですから当然なのでは?」
この発言に三人が驚いた。
「「「はぁ~?」」」
「えっ?私が何か変な事を言いましたか?」
「いやいやいや、変も何もさ?」
「・・・剣神殿もまさか弟子だったとは・・・」
「知らなかったのですか?」
「は、はい」
アマルテアの発言に悠斗は唖然として立ち尽くしていた。
「師匠?誠で御座いますか?」
「ユウト、どうなのだ?はっきり答えなさいよっ!」
問いただされる悠斗は冷や汗がだらだらと流れ始める。
「って言うか・・・いつから弟子?知らないんだけど?」
「いつからって、もうお忘れですか?」
「ご、ごめん・・・俺の記憶にはないんだが・・・?」
アマルテアは溜息を吐くと悠斗を見つめた。
「ユウト様・・・いえ、師匠っ!あんまりですっ!」
「はいー?」
「岩場の聖域で私をお助け下さり、そしてつい先日も・・・」
「いや、俺はオウムアムアと闘っただけなんだけど?」
悠斗はただオウムアムアと闘っただけと言い切った事に、
アマルテアは悲しい顔をした。
「その後、私に色々と手取り足取り教えて下さったではありませんか?」
「えっと・・・」
悠斗が言い淀んでいると、オウムアムアがフォローを入れた。
「師匠、恐らく修練の基礎をした時の話かと・・・?」
「ああ~、でもアレってさ?お前の基礎練習だったよな?」
「はっ、確かにそうなのですが・・・
しかしあの後、剣神殿にも親身になって教えていたような?」
「ああ~・・・でもアレって、大したモノでもないだろ?
それが何故、弟子になったって話になるんだ?」
するとアマルテアが少し顔を赤らめながら話出した。
「あの時、私の手や腰に触れ、教えて下さったではありませんか?」
「はい?い、いや、ちょっと待てっ!確かあの時はお前が俺の手を掴んで・・・」
「い、嫌ですわっ!神である私に触れておいて・・・そんな・・・
私達神は、体に触れられた者と添い遂げなければなりません。
そ、それなのに・・・ユウト様は・・・」
突然意味不明な事を言い始めたアマルテアに悠斗は戸惑っていると・・・
「・・・おい、そこの剣神。触れられたらって話なのだが?」
「何ですか?アリエル。邪魔をしないで下さい」
「触れられたら添い遂げなければって話の事なのだが?
私は初耳なんだけどな?」
「そ、そうなのか?」
「当たり前だろっ!いくらラウルが馬鹿だとは言え、そんなルールなんてモノはないっ!」
「ホッ」と、胸を撫で下ろす悠斗とは対象的に、アマルテアから妙な気配が漏れ出ていた。
「アリエル・・・いや、そこのロリっ娘?」
「だ、誰がロリっ娘だっ!貴様、いい加減にしろっ!」
「うるさいわよ?私の邪魔をする者は誰であろうと・・・・」
剣に手を添えたアマルテアに、アリエルは杖を構えた。
緊迫した空気が漂うこの空間に・・・
「はーいっ!そこまでにしてもらえるかな~?」
と、緊張をぶち壊す、とぼけた声が聞こえてきた。
一同は声がする方を見ると・・・
「「ラウル様っ!」」
アマルテアとオウムアムアは片膝を着き、礼を取った。
「ラウル・・・何しに来たんだよ?って言うか・・・来るの遅く・・・ね?」
悠斗の突っ込みにラウルは顔を引きつらせながら、弁解を始めた。
「いや~ごめんね?気付いたのはついさっきなんだよね」
その弁解にアリエルが口を挟んできた。
「ラウル・・・それはないだろう?此処はお前にとっても大切な場所なはずだが?」
アリエルの発言に動揺しまくる創造神の姿がここにあった。
「・・・だ、だってさ?も、ものすごーく・・・忙しかったんだもん」
拗ねて見せる創造神に天敵が背後から攻撃してくる。
「ラウル様?お忙しかったのですね?私・・・知りませんでした」
「ミスティっ!」
悠斗に声を掛けられ笑顔を向けると一礼をし、ラウルに向き直った。
「ラウル様?先程神界の雪原の間にて・・・
スノーボードという遊びをしていらっしゃいませんでしたか?」
「そ、そんな事をしている暇は僕にはないっ!」
そう言ってとぼけるラウルにミスティは手元に現物を出現させた。
「コレ・・・なのですが?」
「あっ!それってスノボーじゃんっ!」
その瞬間、「チーン」と、鐘の音が聞こえたかと思うと・・・
悠斗の発言にラウルは項垂れてしまった。
「あの雪原の間ってさ?全然外界の事がわかんないからさ?
ついつい・・・夢中になっちゃって・・・あは、あはははは」
申し訳なさそうにしているラウルを見つつ、悠斗は視線をミスティに送った。
「コクリ」と、静かに頷くミスティに、今の話が真実だと確信した。
「・・・それなら仕方がないとは思うけどさ?
もう少し早く何か手を打ってほしかったんだけど?」
「悠斗さん・・・私にも責任の一端が御座いますわ。
ですから私にも何かお手伝いをさせて頂けませんか?」
そう言いつつ、アマルテアを睨むミスティの視線に慌てて目を反らす剣神。
「アマルテア?貴女は何を言っていたのですか?」
「も、申し訳御座いませんっ!」
そう言いつつ、土下座体制になる剣神。
「貴女は何を悠斗さんに言っていたのでしょう?」
「・・・・・」
「ふふふ♪」と、笑うミスティの顔は・・・とても恐ろしかった。
肩を震わせていた剣神にそっと、ミスティは耳打ちをすると・・・
「はっ!このアマルテアっ!誠心誠意ユウト様に忠誠を近いますっ!」
そう言って、剣神はミスティに頭を垂れた。
「ふふふ♪それで宜しいですわ♪」
そう言いつつ、ミスティは悠斗に微笑みを投げかけたのだが・・・
(なんだろ?・・・いい感じがしないのだが?)
と、冷や汗を流す悠斗だった。
そして暫くどうでもいい話をしていると、ラウルが悠斗に願い出てきた。
「悠斗君、本当に迷惑をかけたね?何か僕に出来る事はないかな?」
悠斗はラウルの願い出に少し考えると・・・
「あっ、じゃ~さ?癒しの森やあの湖を何とかしてもらえないかな?
動物達や妖精達も苦しんでいるからさ?」
「それでいいのかい?悠斗君がそう言うのなら・・・僕はいいけどさ?
でも、神獣達に許可をとらないとね?」
「そんな許可がいるのか?」
「ああ、あの湖のあの場所は、神獣達に任せているからね?
僕でもおいそれとは口を出せないのさ」
「でも・・・神だろ?」
悠斗の発言にラウルは頬を緩ませるとこう答えた。
「あの場所は神獣達や妖精達が、自分達の手で作り上げた場所なんだよ。
だから僕の世界であっても・・・ね?」
「なるほどね~・・・分かったよ。それじゃ~一度プロキシオン達の所へ行こう」
悠斗の言葉に頷きながら、ラウルは移動しようとすると・・・
「あっ、ラウル・・・ちょっと待ってもらえる?」
「ん?どうしたんだい?」
「ちょっとその前にお願い・・・って言うか、連絡を取ってもらいたい人がいるんだけど?」
ラウルは首を少し傾けながら話を聞いた。
「そっ、それって・・・まさか・・・だよね?」
「いや、俺はその可能性があると思うんだけど?」
「わ、わかったよ」
そう答えると、ラウルはミスティにそれを任せた。
「承りました」
そう短く答えると、その相手に連絡を取った。
そしてミスティは連絡し終えると、ラウルが指を「パチン」と鳴らし、その場から全員消えた。
すると一瞬でプロキシオンとウンディーネの目の前に移動したのだった。
「きゃぁっ!」
突然の団体の到着に驚き尻もちを着くプロキシオンは言葉を失った。
するとウンディーネが神達の前に片膝を着き、礼を取ると、
プロキシオンもまた、慌ててそれに習った。
「「ご無沙汰しております。神々よ・・・」」
そう挨拶すると頭を垂れた。
「久しぶりだね、二人共?」
そう言って二人に応える創造神ラウル。
(へぇ~・・・ラウルもちゃんと神をしているって事なのかな~?)
悠斗はラウルに関心していると、ラウルは悠斗に視線を移し・・・
「今何か失礼な事思わなかった?」と、少し拗ねた表情で悠斗に聞いてきた。
「あははは・・・ご、ごめん」
素直に謝る悠斗に、全員が笑っていた。
「ユウトちゃん、終わったのね?」
「ああ、あいつは倒したから、もう大丈夫だよ」
悠斗の笑顔に涙ぐむプロキシオンはとてもいい笑顔だった。
そしてまた、ウンディーネも悠斗に対し、深く頭を下げていたのだった。
そんな悠斗達をラウルは微笑ましく見ていた。
(いつの間にか、大きく成長しちゃって・・・僕は驚いたよ?)
関心するラウルは、これからの事を神獣達や妖精達、それに精霊達を集めるよう指示した。
プロキシオンやウンディーネは各々に連絡を取ると、
みんなが集まるまで、少し休憩を取り、お茶をしてくつろいでいたのだった。
ラウル ・・・ ふっふっふっ!僕降臨っ!やっと出られたぁぁぁっ!
ミスティ ・・・ ふふふ♪私も出られましたわ♪
ラウル ・・・ もう出番が無いのかと思ったくらいだったからね~♪
ミスティ ・・・ それにしてもアマルテア・・・調子に乗っていますわね?
ラウル ・・・ こ、怖いから・・・そういう目付きはやめるんだっ!
ミスティ ・・・ 神ならば、やっていい事と悪い事がありますわ・・・
ラウル ・・・ 君も人の事は言えないだろ?
ミスティ ・・・ ・・・何かおっしゃいました?(にっこり)
ラウル ・・・ い、いえ・・・別に・・・
ってなことで、緋色火花でした。




