95話 異世界との認識の差
お疲れ様です。
とりあえず過酷な仕事から戻って参りましたW
と、言う事でまたアップをしていく訳なのですが・・・
暫くの間は1日1度のアップとなってしまいます><
申し訳御座いません。
まぁ~・・・ストックもほぼないのですが・・・orz
これからも、楽しく読んで頂けるよう頑張りたいと思います。
それでは、95話をお楽しみ下さい。
「ああ~・・・スピリットに教えてもらったんだよ」
悠斗の言葉に二人は反応出来なかった。
悠斗はそうにこやかに言うのだが、二人は呆然としたままだった
「あれ?伝わらなかった?」
悠斗の言葉に呆然としていた二人は漸く反応できた。
そしてまずアマルテアが口を開く。
「あ、あの・・・スピリットに教えてもらったとは?」
「えっと今、俺は二体のスピリット・・・
水のスピリットと木のスピリットと契約していてさ、
言葉が話せる訳じゃないんだけど、気持ちが伝わるって言うのかな?」
「いつの間にスピリットと契約を・・・と、言いますか・・・
スピリットが見えたのですか?」
「ああ、癒しの森の池を夜中に散歩していたらさ・・・たまたま見えちゃって♪」
アマルテアとオウムアムアは驚きを隠せないでいた。
「スピリットが人族に見えるだなんて・・・
私は長い間、剣神として生きてきましたが、初めての事ですよ?」
「まあ~そんな事を言われてもさ?
見えちゃったものは仕方がないじゃんか?」
「まぁーそうなのですけど・・・」
アマルテアが言葉に詰まっていると、オウムアムアが口を開いた。
「師匠、我はスピリットは兎も角として・・・
我に師匠が何をされたのか、皆目見当が付かないのですが?」
悠斗はオウムアムアにそう聞かれたのだが、呆れた表情をされてしまい、
逆に首を捻っていた。
「おい、何をされたのか、本当にわからなかったのか? 」
「はい」
「なぁ、アマルテア?こいつに一体何を教えていたんだ?」
突然悠斗から話を振られ言い淀んでいると・・・
「二人共、ちょっと聞きたいんだけどさ?」
「「はい」」
「交差法や接触法って勿論知っているよな?」
悠斗は戦闘において初歩とも言える事を聞くと、二人はただ首を捻るばかりだった。
悠斗は眉を「ピクリ」と動かすと深い溜息をついた。
「おい、そこの剣神っ!」
「は、はいっ!?」
「この二つは剣術においても基礎中の基礎じゃないのか?」
「・・・わ、私はただ、剣術の指導や力の開放の仕方について教えていただけでして・・・
交差法は兎も角として、接触法というのは初めて聞いた言葉ですので・・・」
悠斗はその事実に驚くしかなかった。
「・・・ありえないだろ?剣術ってのはただ剣で戦うだけなのか?
違うだろ?それだけじゃないだろ?」
悠斗は捲したてるようにアマルテアに詰め寄った。
アマルテアはあたふたとしながらも、弁解していく。
「あ、あのーっ!剣術において、確かに体術は使いはしますが、
残念ながら深くそこまでは・・・」
「ま、まじかっ!この世界の技法って、ありえないほど遅れているのか?」
悠斗は基礎法を教えていかないと話にならないと思い、説明する事にした。
「はぁ~、じゃ~少し教えるよ・・・」
「「あ、有難う御座います」」
「まず簡単に説明するけどさ・・・
交差法とは、カウンターを取る方法で、
接触法ってのは、相手との体が触れ合っている状態からの技法の事だよ」
アマルテアは顎に手を当てると頷きながら考え込んでいた。
「つまり交差法と言うのは、私達で言うところのクロスレンジでの攻撃・・・
そう言う事で宜しいでしょうか?」
「いや、クロスレンジでの攻撃って言うのはさ、
全ての攻撃を放つ事が出来る距離の事を言うんだぞ?」
「全ての攻撃ですか?」
「まぁ~体術の話で言うと、ストレートやフック、アッパーそれに蹴り、
全ての攻撃が相手に当たる距離の事だ。
それは剣術でも同じだろ?
大切なのは、体を上手く使って攻撃を放つ事が大切になるんだけどね?」
「なるほど・・・」
交差法に至っては、アマルテアは納得出来たようだった。
「私達の世界では、それを含めたモノをクロスレンジと言うのです」
「ま、まじか・・・」
「はい」
「スキルや魔法なんてモノがあるから、体得する必要がないって事なのかもね」
「そうかもしれません」
悠斗は異世界との認識の差を知る事とになった。
(だから、オウムアムアは基礎が全く出来ていなかったのか・・・なるほどね)
悠斗はオウムアムアの強さが何故偏っていたのかを理解した。
「次は接触法だけどさ・・・
これは武器を使っている時も同じなんだけどさ、
相手と触れている時にどう動くか・・・それを相手に伝えずに攻撃する方法なんだ。
だけどこれはあくまで修練方法としてやるのが目的かな?
んー。武器の場合でもそうなんだけどさ、接触している時に、
相手や自分の攻撃が伝わったりするだろ?
それを伝えずに攻撃する練習をするって事なんだ」
悠斗はオウムアムアと徒手で腕を接触させた状態から
攻撃するからそれを防ぐよう伝えた。
その練習を数度繰り返していくと、アマルテアもその練習に参加した。
「なるほど・・・これはなかなか・・・」
「だろ?相手の情報もこっちの情報も特に接触していると、
お互いの情報なんて伝わってしまう、それが伝わる前に攻撃をする。
一瞬の行動が勝敗を決めるからね?
攻撃する方は予備動作無しで攻撃する修練にもなるし、
受ける方もそれを捌く練習にもなるって訳なのさ」
悠斗の専門的な説明に剣神・アマルテアまでも生徒になってしまっていた。
そしてアマルテアとオウムアムアは二人で練習する事になった。
悠斗は暫く様子を見た後、温泉に行ってくると告げその場を後にした。
悠斗はのんびりと湯船に浸かっていると・・・
(主ーっ!今、何しとります?)
突然の白斗の叫びが脳内に木霊した。
(ぐふぉっ! ごほっごほっ・・・お、おいっ!突然叫ぶなよっ!
湯船の中で滑ったじゃんかっ!)
(・・・すんません)
(ん?っていうか・・・何かあったのか?)
(いや~何かあったのかって、イリアはんとレダはんが・・・)
(・・・揉めてる・・・とか?)
(・・・そんなところですわ)
悠斗と白斗はタイミングを合わせたかのように溜息を吐いた。
白斗に説明してもらい、悠斗は頭を悩ませる・・・。
(イリアの気持ちもわからなくはないけどさ~・・・レダの気持ちはな~?)
(まぁ~ワシも正直言うて、あれだけ仲良くしとったのに、それかいっ!って、
ワシもどっちかって言うとイリアはん側なんやけどな~
でも、そんな事で揉めとってもな~って・・・)
(んー・・・。俺はどっちかって言うと・・・レダの方かな~?)
(何ででんの?)
(そりゃ~自分が仕えてる人に裏切られたと知ったら、流石にね~?
俺だったら・・・絶対に報復するっ!)
(主はそうかもしれまへんけどな?でもイリアはんの事を考えたら・・・
イリアはんは主に絶対的な忠誠みたいなもんを持っとりますやんか?
そやからレダはんの事を許されへんねん)
(まぁーそれも分かるんだけどね~・・・)
悠斗と白斗は解決法が見つからずぐだぐだと話していた。
(ごめん白斗・・・のぼせそうだから風呂上がるよ)
(お寛ぎのところすんまへんでした)
(また何かあったら声をかけてくれ。あっ、でも叫ぶのは無しでよろしくっ!)
(了解ですわ。ほなまた何かあったら連絡しますわ~ほなね~)
悠斗は少しふら~っとしながら湯船を出た。
温泉から戻った悠斗は相変わらず修練を続ける二人を遠くから見ていた。
(おお~♪かなり上達したっぽいな~♪)
コーヒーを入れ、二人の修練を見つつ少し火照った体を風に当てていた。
すると突然背後に気配を感じると・・・
「セルカ~おかえり~お疲れ~」
振り向きもせずセルカに声をかけた。
「た、ただいまにゃ・・・でもユウト様・・・
せめて振り返ってから声を掛けて欲しいのにゃ。違和感が半端ないのにゃ」
「あははは、ごめんごめん♪」
悠斗はセルカに温泉で疲れを癒やしてから話そうと進言すると、
セルカは喜びながら・・・「行ってくるのにゃ♪」と、
楽しそうに温泉に向かって行った。
悠斗は暫くして、セルカが上がってくるタイミングを見計らい、
修練している二人に声を掛けた。
「おーい・・・二人共。そろそろ夕食にしよ~」
悠斗の申し出により、二人は修練を切り上げ戻ってくる。
「二人も温泉に入ってきたら?汗かいたろ?」
アマルテアとオウムアムアはお互いに顔を見合わせると、
「クリーン」の魔法を使用した。
「ん?入らないのか?」
「はい、ユウト様・・・貴方が此処に居るって事は、何かあったからですよね?」
アマルテアは自分に出来る事があるのなら・・・と、申し出た。
そしてまた、オウムアムアも同様だった。
「気持ちは嬉しいけど・・・聖域から出られないだろ?」
悠斗は前にラウルが言っていた話を思い出しそう言った。
「はい、ですが擬体というモノがありますので、心配無用かと・・・」
「我も同じに御座います師匠っ!」
「二人共、やる気はわかったんだけどさ・・・も、もう少し離れてくれないかな?
顔・・・近すぎるんだけど?」
そう告げられた二人は自分達が身を乗り出し悠斗との距離が近過ぎる事に気付いた。
「「も、申し訳御座いません」」
そう言いながら慌てる二人を見た悠斗は笑い出した。
「あははは、二人って似てるよね?行動がシンクロしてるよ♪」
そんな他愛もない話をしているとセルカがご機嫌で戻ってきた。
「セルカおかえり。早速だけど食堂に行こうか」
そう言うと、セルカは頷き全員が食堂へ向かった。
紅茶とコーヒーを入れ終わると、それぞれに配っていく。
そしてコーヒーに口を付けた悠斗は一息つくと、話を切り出した。
「じゃ~セルカ、話してもらえる?」
「分かったのにゃ」
セルカもまた紅茶に口を付け終わると話を始めた。
「ユウト様が言うように、港町にはロックバルとヘイルズの密偵がいるのにゃ」
「・・・やっぱり居たか」
「はいにゃ。でも結託している感じじゃにゃかったのにゃ」
「・・・ヘイルズはロックバルにも知られたくないって事か?」
「はいにゃ、行動からして間違いなくロックバルと顔を合わさないように動いていたのにゃ」
悠斗は説明してほしそうな二人に、改めて説明したのだった。
「黒い液体の事は先程もお話した通りなのですが・・・」
悠斗はアマルテアの言い方に違和感を感じた。
「ん?何か心当たりとかあったりするのか?」
アマルテアは何かを思い出そうと眉間にシワを寄せていた。
「自信・・・は、ないのですが・・・」
「ん?ああ、別に気にせず話してみてよ?」
「はい、それでは・・・」
アマルテアは思い出した事を回想しつつ少しずつ話していく。
「最初に言っておきますが、確信はありません。
あの時の記憶があやふやなので、何とも言えないのですが・・・」
そう言うと、悠斗は黙って頷いたのだった。
「あの黒い液体かどうかは私も自信はありませんが・・・
確か一度神界樹辺りで見た事があるような・・・そんな気がするのですが・・・」
「神界樹ってのを俺は見た事がないから、それこそ何とも言えないけどさ・・・
でもその場所を一度しっかり調べた方がいいかもね?
確か前に神界樹の場所の話をアリエルがしていたような気が・・・」
アマルテアは悠斗に進言した。
「ユウト様・・・私とオウムアムアで一度神界樹周辺を見て参りましょうか?」
「我も師匠の御力になりたく思います」
悠斗は腕を組み少し考えると・・・
「分かった・・・あっ、でもそれならさ?アリエルにも声を掛けてほしいんだけど?」
「アリエルですか?はい、分かりました・・・」
「それで師匠達はどうなさるのですか?」
悠斗はセルカに視線を送ると、セルカが何か含みのある笑い方をした。
「んー。こっちは港町の事をもう少し調べてみるよ」
「分かりましたが・・・何かあればすぐにお声を掛けてください」
「分かったよ♪」
アマルテアとオウムアムアは席を立ち上がると、悠斗に別れを告げ食堂を出ていった。
悠斗はセルカに再び視線を送ると・・・
「で・・・?全部話してもらおうかな?」
悠斗はセルカに冷笑で問いかける。
「こ、怖いですのにゃ・・・」
そう答えるセルカの顔もまた・・・冷笑を浮かべていた。
ラウル ・・・ おかえり原作者殿
ミスティ ・・・ おかえりなさいませ♪
緋色 ・・・ ただいまです。
ラウル ・・・ 前書きにあったけど、暫くは1日1度のアップになるのかい?
緋色 ・・・ はい、うちはブラック企業なので><
ミスティ ・・・ それはそれは大変そうですね?
緋色 ・・・ まじ・・・大変です^^;
ラウル ・・・ これからまた、頑張って書いて行くのだろ?
緋色 ・・・ そうですね。読んでくれる方が居るのであればですが^^
ミスティ ・・・ 私達も応援しておりますわ♪
緋色 ・・・ はい、有難う御座います^^
ってなことで、緋色火花でした。




