閑話 癒やしの森 1 祭りのあと
お疲れ様です。
今回は閑話・癒しの森ですね。
悠斗達が帰った所から、話が始まります。
気に入ってもらえたら幸いです。
夜中のアップはいつも通りとなりますので、
そちらの方も宜しくお願いします。
それでは、閑話・癒やしの森・1をお楽しみ下さい。
悠斗達が癒しの森を出て行った頃・・・
静かになった聖域に神獣達は黄昏れていた。
「な、なぁ~プロキシオンよ?」
「ん?何よ・・・ラムダ」
「いや・・・賑やかだった後ってこんな感じだよなっと、思ってよ?」
「そうね・・・ほんとにいい子達だったわね?」
しんみりとした聖域にロゼッタもまた同じ事を思っていた。
「どうしたのよ?ロゼッタ?あんた・・・どうして泣いてるのよ?」
突然涙を流していたロゼッタにプロキシオンとラムダは戸惑っていた。
「えっ?!わ、私・・・泣いてなんか・・・あれ?」
「ロゼッタ・・・あんたも寂しいのね?」
「・・・そうね」
ツンデレなロゼッタが寂しい事を認めた瞬間、プロキシオンとラムダは
素直に驚いていた。
認めた事に気づかなかったロゼッタだったが・・・
「えっ?あれ?わ、私、今・・・えっ?」
「ふふ♪あんたにも素直に認められる人族達って事ね?」
「ちっ、ちっ、違うわよっ!バーカ、バーカっ!」
今更ながら顔を赤くし、自分が何を言ったか気付いたロゼッタは、
全力で否定するが、あとの祭りだった。
「あぁぁっ!もうっ!嫌になるわねっ!」
赤らめた顔で何を言っても説得力はなかった。
「はっはっはっ!いいじゃねぇーか別に認めてもよ?
それだけあいつらは気持ちのいい連中だったって事じゃねぇーか?」
「そうよ?今まで勇者や英雄と呼ばれた人族達にロクなヤツ居なかったものね?
異世界から来たユウトちゃんは、ちょっと・・・ほんのちょっとだけ変わっているけど、
とても気持ちのいい人族よね?」
プロキシオンのフォローにロゼッタは苦笑しながら反論した。
「はっはっ!ユウトがちょっと変わってるヤツだって?
あんた、年のせいでボケたんじゃないのぉ~?
あいつは・・・か・な・り・・・変わった人族よっ!」
ロゼッタの言葉に、プロキシオンはこめかみを「ヒクヒク」させると・・・
「ちょっと・・・そこの行き遅れさん?何処の誰が・・・ボケたってっ!
あんた・・・寂しいなら寂しいって、言いなさいよっ!
だから行き遅れになるのよっ!」
「ちょっと待て・・・そこのじじい?誰が寂しいだって?ああんっ?」
いつもの調子でいつもの絡みで、三人はぽっかり空いた隙間を埋めていった。
「はっはっはっ、人族と絡んだだけで、俺達が寂しくなるなんてな?
今までこういう事はなかったからな~・・・
儂でもそう思うぜ・・・だが、悪くない気持ち・・・だな?」
ラムダの言葉にプロキシオンとロゼッタは苦笑しながらも頷いた。
「それにしても、あのユウトって使徒・・・すごい力を持ってるわね?
力の使い方を教えてあげた方がいいんじゃないの?」
「そうだな?儂もそうは思うが、教えられてできるモノでもねぇーだろ?
まぁ、それだけやっかいな力って事になるんだろうが、
儂はあのユウトを見守ってやりたいと思う」
ラムダは悠斗の顔を思い出すと苦笑していた。
「ラムダ・・・何を笑っているのよ?気持ち悪いわよ?」
「おいおい、プロキシオン、気持ち悪いってそりゃ~ねぇーだろ?
まぁ、何だ?ユウトの顔を思い出したらよ~何だか笑っちまってよ~?」
「何で笑うのよ?ユウトちゃんはとても素敵じゃない?それに中々の美形だわ♪」
「美形は兎も角・・・あの子の見た目と思考のギャップがね?」
ロゼッタもまた、悠斗を思い出すと笑っていた。
「もうっ!二人共、私のユウトちゃんを虐めないでよ?」
「「誰がお前のだっ!」」
見事にシンクロした二人を見て、プロキシオンは大笑いした。
「ふふ♪あんた達って昔から息がピッタリよね?羨ましいわ♪」
「だ、誰がこんなヤツと息がピッタリだってぇー?んな訳ねぇーだろっ!」
「そ、そうよっ!こんなドラゴンなんて、こっちから願い下げよっ!」
ロゼッタにディスられたラムダは拳を握り締めた。
「ねぇ~ラムダ?私とやろうっての?」
「ほぅ~そこの鳥?儂に喧嘩でも売ってるのか~?」
鼻が付くほど近い距離でにらみ合う二人にプロキシオンが仲裁に入る。
「もうっ!あんた達っ!いい加減にしなさいよっ!ほんとに・・・もうっ!」
仲裁に入ったプロキシオンを見て二人はこう思った。
((・・・お、お母さん?))っと。
二人は毒気を抜かれ椅子に座ると、プロキシオンが悠斗からもらった紅茶を入れた。
「この紅茶はね~ユウトちゃんから頂いたのよ?
何でも、時空神様から頂いたみたいなのよ~とっっっても美味しいの」
またもやお母さん口調で話すプロキシオンに二人も苦笑するしかなかった。
「プロキシオン、あんたかなりユウトに入れあげてるわね?」
「ふふ♪そうね~あんな気持ちのいい人族なんて見た事ないし~
それにね?あなた達はユウトちゃんの中に何が居るか気付いていたかしら?」
ラムダとロゼッタは、ブロキシオンの問いに首を傾げると・・・
「ふふ♪気付かなかったのね?」
「も、もったいぶらないで、教えなさいよっ!」
「一体ユウトの中に何が居たってんだよ?」
プロキシオンは楽しそうに笑うと答えを教えた。
「それはね~・・・スピリットよ?」
「「スピリットォォォ!?」」
「そ、そんな馬鹿な事ある訳ねぇーじゃねぇーかっ!」
「そ、そうよっ!だいいち、人族にスピリットが見える事なんてある訳ないわっ!」
「でも~本当の事なのよ?・・・ねっ?そうでしょ?」
プロキシオンは池の方を見るとそう言った。
そしてプロキシオンの視線の先には水で体を構成した、
水の精霊・ウンディーネが佇んでいた。
プロキシオンの問いに黙って頷くウンディーネ。
「ま、まじ、なのか?」
「う、嘘でしょ?人族に・・・まさか、そんな・・・」
するとウンディーネが神獣達の問いに抑揚のない声で答えた。
「ユウト様には精霊達とも心を通わせる能力があるようです。
私も長年色々な人族達を見てきましたが、初めての体験でした」
「でもよ?エルフ族やあのイリアみたいによ?
精霊を宿している者や、加護を受けている者達なら他にも居るじゃねぇーか?」
「そうね?でも人族に・・・そんな話は聞いた事がないわ」
ラムダもロゼッタも首を捻って不思議がっていた。
するとウンディーネは少し色鮮やかになると・・・
「フフフ・・・」
「「「嘘っ!ウンディーネが笑ったっ!」」」
あまりの出来事に神獣達は声を揃えて驚いていた。
「う、嘘でしょ?ウンディーネが笑うなんて、私、今まで見た事ないわよっ!」
「わ、儂もだぜっ!こ、これは・・・ああ~そうだっ!夢・・・だな?」
「あ、あんた達何馬鹿な事言ってんのよっ!?
でも、私もウンディーネが笑うところなんて、初めて見ちゃったわ♪」
神獣達は数千年生きて来たが、ウンディーネが笑うところを一度も見た事もなく、
あまりに衝撃的な事実に感動すら覚えていた。
そんな事も気にせず、ウンディーネは話を続けた。
「あの方は紛れもなく人族ではありますが、それでもスピリットの姿を見て、
そして語りかけていたのです。
会話は出来なかったようですが、しかしながら・・・感情は読み取っておられました」
「そ、そんな事って・・・」
「あ、ありえねぇー・・・」
「ふふ♪流石ユウトちゃんね?」
ラムダとロゼッタは神獣でありながら、人族をどこかで見下していたのだと、
改めて悠斗に対して反省するのだった。
「私達が見誤るなんて・・・素直に反省するしかないわね?」
「そうだな?私達は長年人族を見続けた結果、人族に対し絶望していたのだろう。
それが今回どうだ?・・・むしろ笑えてくるぜ」
神獣達はそれぞれ人族に対して・・・いや、悠斗に対して評価を改めるのだった。
するとウンディーネが再び話始めた。
「プロキシオン、貴女はどうして気がついたのですか?」
「えっとね?ユウトちゃんに近付いた時、微かにだけど・・・
神水の匂いがしたのよ?
最初は私が飲ませた神水の匂いかと思ったけど、私があげた神水よりも、
もっと純度の高い・・・いいえ、もっと純粋な匂いがしたのよね」
「・・・プロキシオン、それだけですか?」
「えっ?!それだけって・・・他にも何かあるの?」
ウンディーネはプロキシオンにも気付かれない、あのククノチの存在に感動していた。
「ユウト様にはもう一体・・・スピリットが宿っているのです」
「「「はぁー?!」」」
これで何度目だろうか?神獣達が長年生きてきて、こんな驚いたのは・・・
そう思っていると、ロゼッタはウンディーネに話の続きを求めた。
「ユウト様の体の中・・・つまり深層心理と言っても過言ではありませんが、
その中の深い所に樹木のスピリットが居たのです」
「樹木のスピリット?」
「はい、しかも契約すらしていないのに、
そのスピリットはユウト様の中に居たのです。これがどう言う事かおわかりでしょうか?
フフフ・・・前代未聞とはこの事です」
神獣達はウンディーネの言う通り、まさしく前代未聞な出来事だった。
「スピリットが自分の意思で・・・?」
「信じられないわ」
「儂も同じだが・・・でもよ?それをやるのがユウトじゃねぇーのか?
儂はもう驚かないぜ?」
神獣達は黙って頷き合うとウンディーネに話しかけた。
「ねぇ、ウンディーネ?貴女も私達に協力してもらえないかしら?」
「どう言う事なのでしょうか?」
「貴女も気付いているのでしょ?あの黒い液体の事を?」
「はい」
「でしたら、私達と協力して、その情報をユウトちゃん達に伝えたいのよ?」
「神獣の貴方達が人族に協力するのですか?」
「人族じゃないわ、ユウトちゃん達に協力するのよ♪」
そう言ったプロキシオンを暫く黙って見つめていると・・・
「分かりました、ユウト様の為となれば話は別でしょうね?
水の精霊の一族はユウト様に協力する事を誓いましょう」
ラムダとロゼツタは、大精霊たちが人族を嫌っているのを知っていた為、
ウンディーネの承諾に驚くしかなかった。
「はっはっはっ!もう儂はこれ以上驚く事はないと思っていたが、
それがどうだ?ロゼッタっ!儂はまた驚かされてしまったぞ?!」
「ははは・・・そ、そうね~・・・素直にユウトに脱帽するわ♪
本当にもう昨日と今日で、どんだけ~っ!ってくらい驚いたわよ」
「ふふ♪それがユウトちゃんの魅力なのかもしれないわね♪」
神獣達とウンディーネは自分達の意思で、ユウトの味方になる事を誓った。
そして・・・
「でよ?その黒い液体ってのは俺達はまだ見ていないんだが?」
「そうね・・・見ないと何ともね?それにその情報だけでは難しいわね?」
するとウンディーネは水で大きな円形の鏡を作り出すと、
悠斗達が出会った場面の映像と音声を流し始めた。
「ウ、ウンディーネ?そんな事も出来たのね?」
「はい、この事案に必要かと思いまして、今こうして見せているのです」
ロゼッタの問いになんの抑揚もない声で答えた。
「あ、ありがと」
映像を見終わると神獣達は思案にふけっていた。
「これだけじゃ~何もわからねぇーな?」
「そうね、情報が少なすぎるわね」
するとウンディーネがまたもや次の映像を出してきた。
「ウンディーネ?この映像は?」
「はい、これは見ての通りダークエルフと黒い液体との戦闘です」
「こ、これってイリアちゃんの仲間の人達じゃないの?」
その映像にはダークエルフとの戦闘が映っていた。
「スピードはそれほどでもねぇーな・・・」
「そうね?でも、障害物や水たまりを避けているからって感じもするわね?」
そして映像をそのまま見ていると、その黒い液体はダークエルフを包み込み、
見る見るうちに、黒い液体に包まれたダークエルフが干からびていく様子が映っていた。
「こ、こんな事って・・・」
「あ、ああ、こんなヤツ今まで見た事もねぇーぜ」
ロゼッタとラムダは何千年と生きてきた中で、一度も出会った事もない生物だった。
プロキシオンは腕を組み考え込んでいた。
(私達がこれまで出会ったことのない生物・・・ん?コレって・・・生物なのかしら?
あの液体に意思などはなかったわ・・・それなのにどうして?)
プロキシオンの考え込む姿にラムダとロゼッタは・・・
「こんなプロキシオンの姿を今まで見た事ねぇーな?」
「ええ、それだけ事は重大って事なんでしょう?」
「ああ、これは俺達だってアレに出会ったら正直ヤベェーだろ?」
「そうね。正直捕まったら・・・終わりね?」
ラムダとロゼッタが意見を交換している中、ウンディーネは静かに
プロキシオンが話すのを待っていた。
すると・・・
「ねぇ、ウンディーネ?この生物・・・生物かどうかもわからないけど、
コレは聖域にどれくらい近付いてきたかわかるかしら?」
「・・・およそ100m付近までは侵入していました」
「そう・・・100mね。あっ、あと・・・コレは一体だけなのかしら?」
「はい、この癒やしの森で活動したのは一体だけです」
「有難う」
プロキシオンの問いを聞いていたラムダとロゼッタは、理解不能だった。
「な、なぁ~?プロキシオン?儂達にも教えてくれねぇーか?」
「そうね・・・わかっているところだけかい摘んで話すわ」
プロキシオンは軽く息を吐くと話始めた。
「まず今のところ、この聖域には入って来られないと言う事。
それからコレに纏わり付かれると、生体エネルギーを吸い付くされるという事。
あとは・・・そうね・・・
そう言えば・・・一度イリアちゃんがコレに触れたのよね?」
プロキシオンはウンディーネに答えを求めると、頷いて見せた。
「そしてあのレダちゃんは纏わり付かれたのに生きていた・・・?
どうして生きていたのかしら?」
「でよ?その他に何かねぇーのかよ?」
神獣達は手詰まりになり沈黙してしまった。
すると、悠斗にもらった通信用の魔石が、「ブルブル」と震えた。
「きゃっ!」
突然飛び上がったプロキシオンに白い目を浴びせる二人。
プロキシオンは魔石を取り出すと・・・
「あっ、ユウトちゃん?えっ?今、みんなであの黒い液体の事について
話し合っていたところよ?」
{そっか・・・丁度良かったよ}
「ん?丁度良かったって・・・何かあったの?」
{いや、道中考えていたんだけどさ、一つ聞きたい事があってさ?}
「えっ?聞きたい事って何かしら?」
{聖域にアレはどれくらい近付いたか分かるかな?}
「ウンディーネに聞いたら、およそ100mくらいらしいわ。
それにその時の映像まで見せてくれたわ♪」
{ん?ウンディーネさんがそこにいるの?}
「え、ええ、居るわよ?」
{ちょっと代わってもらう事って出来るかな?}
悠斗はウンディーネに直接聞きたい事があるらしく、ウンディーネに視線を送ると
一瞬姿を消したとたん、プロキシオンの前に姿を現した。
悠斗はみんなにも聞いてもらおうと思い、スピーカーモードのやり方を教えると・・・
{どう?俺の声が聞こえる?}
神獣達は返事をすると、悠斗は話を始めた。
{えっと、ウンディーネさん?聖域との距離の話は聞きました。
それで俺が聞きたい事は・・・その森で活動していた事は知っていたんですよね?
そういう事でいいですか?}
「はい、ユウト様のおっしゃる通りです」
{監視していた人が居て良かった・・・あっ、それでですね?
アレって、水たまりの上を移動していたりしてましたか?}
「いいえ、確かに足場の悪いぬかるんだ場所や、水溜りなどは避けていました」
{そうですか・・・有難う御座います。これで繋がりました}
そう言うと、今、繋がった事をみんなの前で話始めた。
{恐らくですが・・・アレは神力が弱点かと思われます}
「「「神力?!」」」
{はい、聖域は勿論ですが、その森の水にはある程度神力が宿っているのでしょう?
だから特に水溜りなどは避けていた・・・}
「ちょっと待って、ユウトちゃん?神力って事は森の木々にも神力は宿っているはずよ?
なのに活動出来ているって言うのはおかしくないかしら?」
{そうですね?それは俺もそう思います。
だけど、ウンディーネさんにならわかるんじゃないですかね?}
「ん?どう言う事なんだ?それじゃ儂達にはわからんぞ?」
ラムダはそう言うと、ウンディーネはラムダを無視して話始めた。
「そう言う事ですか?樹木に含まれる水の含有量の問題だと言いたいのですね?」
{はい、その通りです}
「しかしあの騎士も生体エネルギーを吸い取られていませんでした。
その事についてはどうお考えですか?」
{はい、その事ですが・・・レダが吸収されなかった原因は・・・
彼女が「聖騎士」だったからだと思われます}
「あぁぁっ!そう言う事だったのね?ユウトちゃんっ!」
{はい、つまり彼女は聖騎士・・・神力が多いのが原因では?
そう思って、ウンディーネさんに話を代わってもらったんですよ}
プロキシオンはみんなに説明すると納得出来たようだった。
{今分かっている事はそれだけなので、また分かり次第連絡しますね?}
「分かったわ、本当に有難うユウトちゃん。それじゃ~またね♪」
{はい、それではまた・・・}
そう言うと悠斗は通話を切ったのだった。
「それにしてもユウトちゃん・・・すごいわね?」
「ああ、儂も正直驚いたぜ・・・あいつ、頭も切れるんだな?」
「ユウトか~・・・普段とのギャップが・・・」
「フフフ、流石です。ユウト様」
全員が各々の感想を言うと、今後の情報収集の為に、
悠斗からもらった通信魔法を駆使して、連絡を取り合う事になった。
そして、神獣達は夕方を過ぎたあたりで解散し、それぞれの場所に戻って行った。
一人癒やしの森で、悠斗にもらった紅茶を頂きながら・・・
「長生きはしてみるものね?あんな子に出会えるなんて・・・ふふ♪」
プロキシオンは何気に見つめた景色の中に、
「ポツン」と、ウンディーネが佇んでいるのを見つけた。
「貴女・・・戻ったんじゃないの?」
ウンディーネは静かに話しだした。
「プロキシオン・・・ユウト様をどう思いますか?」
「どうって・・・とってもキュートな子だと思うわよ♪」
「貴方と言う人は・・・」
「何よ?そんな事をわざわざ言いに来たのかしら?」
「いいえ、貴方はユウト様が、あの荒野の岩場にある聖域の事はご存知ですか?」
ウンディーネに言われ、プロキシオンは岩場を思い出す。
「あんな所に聖域があるの?初耳なんだけど?」
「ユウト様にお聞きしました。今度御一緒しませんか?」
「えっ?ユウトちゃんって聖域持ってるの?」
「はい。創造神様に作って頂いたそうです」
「・・・聞いてないわよ?」
こめかみを「ヒクヒク」させるプロキシオンは、ショックを隠せないでいた。
「フフフ・・・その顔が見たかったわ♪」
そう意地悪く言うと、ウンディーネは姿を消した。
「まっ、待ちなさいよぉぉぉっ!」
「ポツン」と、残されたプロキシオンは・・・
「ちくしょぉぉぉぉっ!」っと、断末魔の叫びを、癒しの森中に響かせていたのだった。
古代狼 ・・・ あらいや~ん♪私達の出番が来ちゃったわよ~?
白銀竜 ・・・ あーまじか?儂らが此処を受け持つのか?
白凰 ・・・ あ、あんた達が、ど、どうしてもって言うなら・・・べ、別に・・・
古代狼 ・・・ あなた・・・こんな所でもツンデレるのかしら?
白銀竜 ・・・ まぁ~お前らしくて儂は別にいいと思うけどよ~?
白凰 ・・・ べ、別にツンデレてる訳じゃないわよっ!
水の精霊 ・・・ フフフ
古代狼 ・・・ あ、あんたも・・・居たのね?
ってなことで、緋色火花でした。




