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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
109/407

91話 別れと騒動

お疲れ様です。

今回で癒しの森から帰還します。


新たな謎も増えてきました。

神獣達とも協力して解決に向けて進んで行く。


忘れてました><

夜中のアップは閑話・日本になります^^



それでは、91話をお楽しみ下さい。

悠斗は水の精霊ウンディーネと別れるとそのまま池を一周し眠りについた。

そして朝を迎えると、仲間達と挨拶を交わし朝食を食べ雑談が済むと・・・


「プロキシオン、楽しい時間を有難う」

悠斗は満面の笑みを浮かべながら手を差し出し握手する。

「ユウトちゃん、こちらの方こそ楽しいひと時を有難う♪

 それと~白斗ちゃんもね♪」

白斗はショックが大き過ぎて昨夜は起きてこられなかったが、

今朝はいつも通りに元気な姿をみんなに見せてくれた。


「神獣はん達にはえらい迷惑かけてしもうて、ほんまに申し訳なかったです。

 あんな醜態を見せてしもうたけど、今後ともよろしゅうお願いします」

深く頭を下げる白斗の頭をプロキシオンは指先で撫でていた。

「気にする事ないわよ♪私も白斗ちゃんに嫌われなくて良かったわ♪」


プロキシオンは悠斗と別れを名残惜しそうにしていた。

するとロゼッタとラムダが二人に近づいてきた。


「よお~ユウト~本当に帰るんだな?」

「あはは、当たり前じゃないですか~?

 一応これでも此処には仕事で来ているんですからね?」

「そうだな、そうだったな~♪でもよ?俺達はもうダチだぜ?

 だからいつでも来てくれよな?」

「有難う御座います」

ラムダとの別れの握手と挨拶を済ませると、最後にロゼッタが手を差し出してきた。


「ロゼッタさん、貴重な時間を有難う」

「え、ええ・・・本当に帰るの?もう少し居なさいよ?」

「いや~気持ちは本当に有難いし嬉しいけどさ、

 俺達にはやらないといけない事があるんだよ」

「わ、分かってるっ!まぁーでも、この通信魔法があるからいつでも連絡できるわね?

 神獣が我儘言っても恥ずかしいだけだから我慢するわ♪」

「また会いましょう♪」


悠斗と白斗は別れを済ませ、仲間達の元へ向かおうとすると・・・

「あっ!ちょっと待て、ユウト」

悠斗はラムダに呼び止められ振り向いた。

「どうかしましたか?」

「ちょっとこっちを向いてくれ」

「はい」

悠斗は向き直るとラムダが手をかざしてきた。

「お前に儂の加護をやるぜ」

ラムダは「ニヤリ」と笑うと悠斗の体が赤黒い光に包まれた。

「まぁ~儂の加護は魔法耐性の限界突破だ。お前の力に必ずなるはずだ」

そう言ってラムダは親指を立てていた。

「有難う、ラムダ・・・俺はいい友達を持ったよ♪」

男同士「ニヤリ」と笑い合う二人の会話にロゼッタが入ってきた。


「ちょっとっ!次は私の番でしょ?あんたは早くどきなさいよっ!」

そう言ってロゼッタはラムダを押しのけると悠斗に手をかざした。

「えっ?!ロゼッタも俺に加護をくれるのか?」

「当たり前でしょ?通信魔法ってあんなすごい魔法を教えてくれたり、

 魔石と折り紙のセットまでもらって、

 白凰の私が何も返さないなんて事ある訳ないじゃないのよっ!」


ロゼッタの口調はいつも通りやや怒り気味なのだが、

こういう人だという事はわかっているので、苦笑しながらその恩恵を受けた。

手をかざすと悠斗の体が白い炎に包まれた。

「白い炎って・・・かっこいいですね?」

ロゼッタは自分の炎を誉められる事が、何よりも一番嬉しいのだった。

「わ、私の加護はね?・・・私の加護を受けた者は私と同じ、白い炎が使えるのよ?」

「白い炎・・・何だか凄そうですね?」

悠斗は未知な白い炎にわくわくしていた。


「ふふ♪ユウトのイメージ一つで、その炎は灼熱を超える炎になったり、

 また浄化する炎になったりするのよ?」

「浄化作用もあるのか・・・流石神獣だね?」

ロゼッタはユウトに誉められ上機嫌になっていると、プロキシオンが話に入ってきた。


「ユウトちゃん、私のあげた加護は覚えている?」

「はい、勿論覚えていますけど?」

「まぁ~後で確認してもらってもいいのだけど、ついでだから教えておくわね♪」

悠斗はまだ確認していないのが見透かされていると分かり

頬を掻きながら苦笑していた。


「私の加護はね?神力によって動物達と話せるようになるのよ♪」

「ええーっ!まじですか?」

「ええ勿論まじよん♪」

「動物達と話せるなんて・・・まじですげーっ!」

プロキシオンは悠斗の喜びように笑っていた。


「一応アナザーの子達にも同じ加護を与えておいたからね?」

「有難う御座いますっ!」

悠斗は深々と頭を下げた。

ご機嫌なプロキンシオンの姿を見たラムダとロゼッタはその光景を見ると、

一目散に悠斗のパーティーメンバーの元へと駆け出した。


「わ、儂が先にっ!か、加護をだなっ!」

「馬鹿言わないでよっ!あんたは一番後でいいのよっ!」

「お前はいつもそうだよなっ!たまには儂に譲れよっ!」

「あんたに先を越されるのが一番嫌なのよっ!」

と、いつも通りもめながら、イリア達の元へ騒がしく向って行った。

その様子を見ていた悠斗とプロキシオンは腹を抱えて笑っていた。


神獣達の一騒動が終わると、悠斗達は荷物を持ち別れを告げる。

「みんな・・・一晩だったけど、本当に楽しかった。

 みんなを代表して有難うと言わせてもらうよ」

「いいのよ、体に気をつけてね?」

(ははは、まじで母親みたいだな)

プロキシオンは母親のように心配してくれた。

「おうっ!また来いよっ!」

ラムダは豪快に笑顔で別れを言い。

「・・・さ、寂しくなんてないんだからねっ!き、気をつけて・・・帰るのよ?」

(おおーっ!ここでツンデレイベントきたぁっ!)

ロゼッタは顔を赤くしながら、しっかりテンプレを踏んでくれた。


悠斗達は全員が深々と頭を下げると、手を振りながら癒しの聖域を後にした。


悠斗達は森を進んで行くと・・・

「あっ、フォレストウルフの事忘れてた・・・」

そうつぶやくと、イリアとセルカが笑いながら伝えてくれた。

「ふふ♪それなら大丈夫よ?」

「そうなのにゃ~♪このスピリットウルフの爪と牙があるから

 あいつらは寄ってこないのにゃ♪」

いつの間にそんなモノもらったのかと聞くと、既に昨夜のうちにもらっていたらしい。

悠斗がうらやましそうにしていると、イリアがアイテムバッグを指差しながら、

「ユウトのバッグの中にも入ってるわよ?」

そう言って慌ててバッグを開き確認すると・・・


「えっ?!な、なんだろ?色々ヤバそうなモノが入ってるんだけど?」

悠斗のつぶやきに仲間達から笑いが溢れる。

「私達も色々もらったわよ?」

「そうなのにゃ♪レダ達のモノも私が預かっているのにゃ♪」

「あ~でもね?個人差があります・・・って言ってたわね?」

(個人差って一体・・・?)


そう思いつつ癒しの森を抜ける頃、水溜まりに佇む女性が居た。

全員がその女性を見つけると、身構え剣に手をかけたのだが、

悠斗は顔を綻ばせながら、みんなを止めた。


「待った、待った!あの人は俺の知り合いなんだよ」

「知り合いって・・・ユウト、私の知らないうちにいつ出会ったのよ?」

「ユウト様の謎の人間関係が気になるのにゃっ!」

「主・・・ワシも知らんねんけど?」

イリア達は色々な思いで悠斗を見つめていた。

しかし、ウンディーネを待たせる訳にもいかず、後で説明するからと言うと、

とりあえず納得して、悠斗はウンディーネの元へ歩いていった。


「やぁ、ウンディーネさん、一体どうしたんですか?」

水で具現化しているウンディーネの表情はわからないが、

名残惜しそうにしているのが悠斗にはわかった。


「ユウト様、もう行かれるのですね?」

「はい、すみません。一応仕事で来ていますので・・・」

「また来られるのでしょうか?」

「いつでも来られると言う訳ではありませんけど、此処には来ますよ?」

「・・・そうてすか」

少し落胆していそうな気がした悠斗は困りつつ考えると・・・


「あっ!水がある場所ならウンディーネさんって移動できたりしますか?」

悠斗は昔読んだラノベにそんな事が書いてあった気がしたので、

ウンディーネに聞いてみる事にした。

「かなり離れた場所だと難しいです。

 ですが、この近辺なら・・・いつでも可能です」

悠斗は5kmほど離れた岩場にラウル達に聖域を作ってもらった事を話した。

「そこに水場はありますか?」

「んー・・・温泉ならあるけど?」

「出来れば普通の水場が良いのですが?」

悠斗は水場を想像してみるがそんなモノはあの聖域にはない。

そして悠斗は思案すると一つアイディアが浮かんだ。


「ウンディーネさん、ミツチに水源を探してもらう事って出来ますか?」

ウンディーネもまた思案するとミツチに探す事は可能だと知らされた。

それにはミツチともっと仲良くなる必要があるらしい。


「信頼関係がその子の力になるのです。もっとミツチと仲良くなって下さいね?」

「なるほど・・・分かりましたっ!」

「フフ♪それでは、道中お気をつけて・・・また会う日を楽しみにしております」

「有難う♪、ウンディーネさんもスピリット達に宜しく言っておいて下さいね?」

そう言うと、ウンディーネは消える瞬間に、何かに気付き、帰るのを止めてしまった。


「ん?ウンディーネさん、どうかした?」

「ユウト様・・・貴方の中にミツチ以外のスピリットが入っています」

「・・・はい?」

悠斗は突然ウンディーネにそう言われ、動揺してしまった。

「ユウト様、意識を自分に向け探って見てください」

悠斗はウンディーネに言われた通り、意識を自分に向け探っていく。

(・・・これは、ミツチか・・・ん?何処だ?)

悠斗は更に深く潜って行くと・・・


(あっ・・・居たっ!あ、あれ?こいつって・・・?)

悠斗はスピリットを見つけた事をウンディーネに伝えると、

悠斗に心当たりはないかと訪ねた。

「えっと・・・多分、一番最初に俺の肩に止まったやつだと・・・」

「そう言えばあの時、ユウト様の肩に止まっていましたね?」

ウンディーネはそう言うと、昨夜の事を思い出し悠斗に伝えた。


「恐らくですが、昨夜ミツチの名を頂く前に、

 樹木に宿るスピリットの名を聞いたと思うのですが?」

「はい、俺もさっきその事を思い出しました。」

「恐らくそのスピリットは、自分に名が与えられたと思ったのでしょうね?」

「えっ?でも、契約はしていませんよ?」

「その幼いスピリットは元々強力なスピリットだったのでしょう。

 その為、自らユウト様の体の中に入ったのだと思われます」

悠斗は昨夜ウンディーネと話した時の事を思い返していた。


「あっ、確か信頼関係が必要だと言っていたと思うのですが?」

「はい、その通りです。そのスピリットはユウト様との会話により、

 信頼関係が築けた・・・そう思ったのでしょうね?」

悠斗は樹木のスピリットを呼び出してみる事にした。


「ククノチっ!」

すると、悠斗の体から、淡いグリーンの光が飛び出してきた。

「ウンディーネさんっ!」

ウンディーネは目を閉じると、まだ幼きスピリットに問いかけた。

暫くしてウンディーネが目が開けると、悠斗に事情を話した。


「ユウト様、間違いなくそのスピリット・・・いえ、ククノチは、

 貴方に仕えたいようですが、いかが致しますか?」

「えっと・・・俺は契約してもいいと思うのですが?」

「わかりました」


ウンディーネは微笑みかけるようにそう言うと、羊皮紙を取り出した。

「あっ、血・・・ですね?」

「はい」

悠斗は血を一滴、名の上に垂らすと契約が完了した。

「ユウト様、ミツチとククノチを宜しくお願いします」

「はい、信頼関係が築けるように接したいと思います」

ウンディーネは鮮やかな青色になると、ユウトに別れを告げ、

池のある聖域へ戻って行った。

悠斗の周りを楽しそうに飛ぶ2つの青と緑の光に語りかけた。


「なぁ、ミツチとククノチ?これからは一緒だ。宜しくな?」

悠斗の言葉に反応して、2つの光は点滅すると、悠斗の体の中に消えて行った。

「ははは・・・頼りにしてるよ」

そうつぶやくと、悠斗は仲間の元へ戻って行った。


仲間達の元へ戻って行った悠斗は、みんなから質問攻めに合い、

事の説明をするのに時間がかかってしまった。


「ユウト・・・もう無敵じゃないの?」

イリアは呆れたように肩を竦め・・・

「主・・・ワシと言う者が居りながら、なんちゅー事を・・・」

スピリットに嫉妬する白斗はジト目で悠斗を見て・・・

「ユウト様・・・何でもアリな天然ポンコツに進化したのにゃ・・・」

セルカはポンコツが進化したと頭を抱えて・・・

「ユウト、私がこんな事を言うのもなんだが・・・節操ないな?」

レダは正面から鉄の杭を胸に打ち付けてきた。


悠斗は全員から呆れられてしまい項垂れるしかなかった。

(えーっ?これって俺のせいなのか?はぁ~・・・

 ん?誰か今、ポンコツって言わなかった?)

とてつもなくふかーい溜息を吐くと、癒やしの森を出て帰路に着くのだった。


その帰路の途中、悠斗組とイリア組は街道へ出ると別行動を取り、

悠斗とセルカは港町・アシュリナへ向かい、

イリアと白斗はレダと騎士達を連れ、領主であるサウザーの屋敷へ向かった。


悠斗とセルカは魔石を木に設置しつつ、港町・アシュリナを目指していた。

「にゃ?ユウト・・・様?」

設置し終わった木に触れたまま、悠斗は動かなくなっていた。

「ユ、ユウト様っ!」

セルカは悠斗の肩を掴むと激しく揺さぶる・・・

「あっ・・・セルカ、どうした?」

「どうしたもこうしたもないのにゃっ!急に動かにゃくにゃったから、

 心配したのにゃっ!」

「いや・・・ちょっとあの黒い液体の事を考えていたんだけど・・・

 俺なりに分かった事があってさ・・・」

「分かった事って何なのにゃ?」

「あっ、ごめん・・・ちょっとプロキシオンに連絡する」

そう言うと、悠斗は魔石を取り出しプロキシオンに連絡した。


連絡し終わると、悠斗とセルカは再び港町・アシュリナを目指した。

そして悠斗達は夕方近くに港町・アシュリナへ帰ってくる事ができた。

「おっと、その前に・・・」

そうつぶやくと悠斗は、通信用の魔石を取り出し、サウザーに連絡を付けた。

「あっ?サウザーさん?悠斗です」

「これはこれはユウト様、連絡をとても心待ちにしておりました」

悠斗はサウザーに事情を話すと、快く快諾してくれた。

「イリア達も一緒だから、連絡は・・・って思ったんですけど、

 一応念の為って事で・・・」

「お話は分かりました、わざわざ有難う御座います」

サウザーとの話も着き、安心すると・・・「腹が・・・減った・・・」


街の入り口で冒険者カードを見せると、街の中へ入って行く。

ふらふらとよろめきながら街を歩く二人・・・

目立つ事、このうえない。


「ふぅ~・・・癒やしの森で時間かかっちゃったからな~・・・腹減った」

「そうだにゃ~?私もお腹が・・・」

セルカがそう言うと、丁度二人のお腹も限界だったようで、

腹の虫が大きな音で鳴った。


「あはははは・・・はぁ~」

「にゃははは・・・はぅ~」

二人して項垂れるように歩いて行くと、タイミングよく屋台を見つけた。

「ああ~・・・食欲をそそる匂いだぁ~♪」

「わ、私はもう限界にゃのにゃぁぁっ!」

二人は屋台に物凄い速度で駆け寄ると・・・


「へいっ!いらっしゃ・・・どわっ!」

屋台のおじさんは声を掛ける間もなく、悠斗が身を乗り出し注文してきた。

「おっちゃんっ!とりあえずその・・・な、何の肉だ?

 ま、まあーいいかっ!とりあえず、5本ずつくれっ!」

「あ、あいよっ!・・・って、セルカじゃねぇーか?

 最近見なかったが、おめぇー一体全体何処へ行っていたんだ?」


完全に手が止まっていた屋台のおじさんにセルカは、目を血走らせながら

威圧を込めて文句を言った。

「おっちゃんっ!死にたくにゃかったら・・・さっさと焼くのにゃっ!」

「お、おめぇー・・・セルカか?い、一体どうしたってんだっ?」

「おっちゃん・・・もう一度だけ言うにゃっ!さっさと焼くのにゃっ!」

屋台のおじさんは冷や汗を流しながら、串焼きを必死に焼く事になった。

「へいっ!お待ちっとっ!」

そして焼き上がった串焼きを悠斗とセルカが5本ずつ渡されると、

お金を払い、目の前にある噴水の傍にあるベンチに座り、

二人は串焼きを貪りだした。

「うっ、うめぇーっ!まじで美味いっ!焼き加減最高~♪

 あのおっちゃん、只者じゃないね~♪これは鉄人の仕事だなっ♪」

「おっちゃんの屋台の肉は最高で繊細なのにゃ~♪

 見た目はごついおっちゃんだけどにゃ♪」


その光景は街の人達や冒険者達の目に止まり、見物客が出るほど豪快な食いっぷりだった。

そして、一心地着いた二人は、周りの人だかリを見て・・・


「・・・すげー見られているんだけど?一体何があったんだ?」

「にゃ、にゃんだぁぁっ!お前らぁぁっ!見世物じゃないのにゃぁぁっ!」

セルカの怒号に蜘蛛の子を散らす勢いで、見物人達は散って行った。

「ああ~なんだ、俺達を見てたのか~・・・ウケる~♪」

するとそのまま動かない女が一人唖然と二人を見ていた。


「・・・ユウトにセルカ、貴方達こんな所で何やってんのよ?」

呆れたように呆然とする女は、荒波の旅団の団員、ミレイだった。


「にゃ、にゃんだ~・・・ミレイにゃのか~」

「あっ・・・ミレイだ」

二人ののんきな物言いに更に項垂れる。

「あっ、ミレイだ・・・じゃないわよ!?

 貴方達がこんな所で何をやっているのか、聞いているのよ?

 一騒動になってるじゃないっ!」

二人は苦笑いしながら答えた。


「あははは・・・腹が減っていたので、屋台で串焼き買って、食べてましたっ!」

悠斗がそう答えると、ミレイは溜息を吐き・・・

「・・・なんで偉そうなのよ?」

「にゃははは♪」

「わっはっはっ♪」

「騒動を起こした人の態度じゃないわね・・・はぁ~・・・」


溜息を吐き、暫く二人の反応に固まっていたミレイだったが、

頭を数回振ると話を続けた。

「それで?確か癒やしの森に行って来たのよね?」

「行って来たのにゃっ!にゃかにゃか面白かったのにゃ~♪」

「だな~・・・フォレストウルフはうざかったけどさ、楽しかったよ♪」

ミレイは首を傾げると説明を求めた。


「た、楽しかったって、そんなはずないでしょ?本当に癒やしの森へ行ったの?」

「にゃ?私が癒やしの森を間違うはずないのにゃっ!」

「まぁ~俺もあの森は間違えようがない場所だからね?」

悠斗達は立ち上がるとミレイを伴いギルドに向かった。

そしてその途中・・・


「ユウト様、では私は仕事をしてきますのにゃっ!」

「ああ、分かった。くれぐれも気をつけてな?何かあったら連絡くれよ?」

「はいにゃのにゃ♪」

「夕飯までには帰って来るのですよ~♪」

悠斗はおどけて冗談を言うと・・・

「ポンコツ母さんにゃのにゃ~♪」

悠斗をからかうようにセルカもまたおどけて見せた。

そしてセルカは敬礼すると、悠斗とミレイの傍から離脱した。

「誰がポンコツだっ!誰がっ!」


ミレイは今のやり取りを見て、再び頭を数回振ると、

そっと悠斗の傍に近寄り、小声で話しかけてきた。


「ユウト様?一体何がどうなっているのですか?」

「んー。話す前にさ・・・荒波の旅団って街に居るの?」

「はい、メンデルの他、数名は出ていますが、団長とライトは居ますよ?」

「じゃ~至急連絡を取って、ギルドに来てもらっていいかな?」

「分かりました」

「俺は先に行って、ギルマスに話をつけてみんなを待つことにするよ?

 みんなが集まったら、話を始めよう」


ミレイは黙って頷くと、急ぎ荒波の旅団のホームに走って行った。

「さてっと・・・色々と説明しないとな・・・」

悠斗は面倒臭いと思いつつも事の深刻さに溜息を吐いていた。

ラウル ・・・ これで癒しの森の問題は一応終わりかな?

ミスティ ・・・ でも癒しの森へはまた来る事になるのでしょうね?

ラウル ・・・ こんな事になるってわかってれば、もっといい場所さがしたんたけどね

ミスティ ・・・ そうですわね?微妙に聖域まで距離がありますからね?

ラウル ・・・ こうなったら例の計画をっ!

ミスティ ・・・ またおかしな事を考えているのですか?

ラウル ・・・ 悠斗君には安全な日常を・・・そう思ってさ♪

ミスティ ・・・ ノーブルに来ない方が安全ではありましたね?

ラウル ・・・ 根本から叩き伏せるの・・・やめてもらえるかい?

ミスティ ・・・ ふふふ♪



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] この短期間っつーか、1日の間に神獣とスピリットと。。。 本当に節操がないですけど(笑)、 今後の戦いに役立つものと楽しみにしています♪ 悠斗自身だけでなく、岩場の聖域も進化(?)したりする…
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