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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
101/406

閑話・神界・4 巡らせる思い

お疲れ様です。


今回は閑話・神界編ですね。

ラウルとミスティのいつもの二人しか出てきませんw

楽しんで読んでもらえると嬉しく思います^^


ブックマークや感想など、宜しくお願いします。


それでは、閑話・神界・4をお楽しみ下さい。


時は少し遡る・・・


冒険者登録が出来た悠斗達が久しぶりに岩場の聖域に戻ってきた頃まで・・・


ラウルはずっと悠斗達の様子を見ていた。

「はっはっはっ・・・無事に聖域に戻ってきたね?

 本当は今直ぐにでも行きたいけどさ・・・今回は僕の出番はなしだね?」

悠斗達の様子を画面で見て悲し気な顔を見せていた。

するとそこにミスティが紅茶を持ってやって来た。


「ラウル様・・・どうかされたのですか?」

「んー?いやなに・・・今回は僕の出番がないな~って思ってさ」

「ああ~・・・確か白斗ちゃんの事で日本の神獣が来ると行ってましたわね?」

「そうなんだよ、まぁ~確かに白斗君の事は、月読様の判断だから、

 僕達が何かをする義理はないのだけれどね?」

「しかしながら・・・白斗ちゃんのおかげで、

 悠斗さんは助かったと言っても過言ではありませんわ」

「まぁ~それを言われると僕としても痛いところなのだけれどね?」


ラウルは紅茶を手に取ると画面を見つめながら飲んでいった。

「しかしさ~白斗君もよく頑張ったと言いたいね♪」

「そうですわね?あんなに小さい体ですのに・・・」

「ん~・・・ほんとに悠斗君達に会いたかったな~♪

 いいな~君は・・・ずるいよーっ!」


ラウルは少しミスティに拗ねて見せたが、ミスティ自身は気にしていなかった。

「ふふふ♪ある意味特権・・・と、言う事ですわね♪」

「自分だけ悠斗君達と会ってさ~・・・いいなぁ~」

「まぁ~でも、悠斗さん達は私の事には気づいていませんので、

 それはそれで複雑な気持ちでしたわ♪」


ラウルは少し険しい顔をしながらミスティに聞いた。

「ねぇ、ミスティ・・・どうして神である我々にあの魔方陣が効くのだろう?」

「そうですわね?アマルテアもそうでしたけど、神に影響を与える存在で、

 しかも、神をコントロールする者等、今まで居ません・・・

 いえ、ありえない事ですものね?」

「そうだね・・・アマルテア自身もその時の記憶がないようだし・・・

 一体何がどうなっているのやら・・・謎だらけだよ」

ミスティは自分の紅茶を入れると椅子に座って画面を見ていた。


「この神界の反逆者達も把握しきれていませんものね?

 今回のアマルテアの記憶さえあったのなら・・・そう思うと悔しいですわね?」

「ああ、全くだよ・・・そりゃ~僕は頼りないよ?

 それはよーくわかっているけどさ・・・」

「ええ、全くですわっ!ほんとに頼りないですものっ!」

「あ、あのさ・・・本人此処に居るんだけど?」

「ふふふ♪」

ミスティは視線を合わさず笑って見せた。


「な、なんだろうか?この事についての根はとても深い気がする・・・」

「気の所為・・・ではありませんわね?」

「・・・はぅ」


へこむラウルを他所にミスティは降臨した神獣の桜を見る。

「はぁぁ!・・・とても美しい神獣ですわね?」

「あ、ああ・・・ほんとだ・・・天照めっ!僕に対しての嫌がらせだよっ!」

「どうして嫌がらせになるのです?」

「だって・・・僕、あんなの創造できないもんっ!」

「・・・もっと実力を付けませんとね?」


クスクス笑うミスティにジト目をするラウルは溜息を漏らす。

「僕だってさ~一応これでも頑張っているつもりなんだよ?」

「つもりではいけませんわ♪言い切れるよう、悠斗さんのように頑張って下さいっ!」


ラウルは画面に移る悠斗に視線を送ると・・・

「悠斗君も本当に大変だよね?

 トラブルのてんこ盛りでさ~いかにノーブルの世界が駄目かって、

 わかっちゃうじゃん?本当に申し訳なく思うよ・・・」

「悠斗さん当人は、巻き込まれ体質だと思っているようですけどね?

 ノーブルの世界の子供達のレベルが低いだけなのですけどね・・・」

「それを言われると創造神として痛いな~・・・」


苦笑しながら項垂れるラウルを見たミスティもまた・・・

神達の怠慢がこの世界をおかしくした事について苦悩するのだった。


「私達神々がもっとしっかりしていれば、きっとこんな事には・・・」

悲しい目をするミスティにラウルはそっとミスティの肩に手を置いた。

「ミスティ・・・我々が未熟だったのだよ・・・

 今更反省しても反省しきれない・・・だから悠斗君に来てもらったんだ。

 彼の為にも僕達がこれからも支え続けなければならない・・・

 本当に情けないよ・・・僕は・・・」

そんなラウルを見たミスティは・・・


「そうですわね?ラウル様がもう少ししっかりとしていれば・・・

 あとはもう少しちゃんとお仕事をしてくれたのなら・・・こんな事には・・・」

「あ、あれ?・・・ミスティさんや?

 こ、ここは僕に気を遣って慰めるとか・・・?

 もしくは、優しく微笑みかける・・・そんな場面だと思うのだけれど?」

「いえ、私は悠斗さんの味方であって、ラウル様の味方ではありませんわ♪」

(う、うわ~・・・な、何?この人・・・言い切ったよ?

 僕が一番偉い神様なのに・・・言い切っちゃったよ~・・・)


流石のラウルも顔が引きつってはいたが・・・

(ま、まぁ~・・・確かに・・・ま、間違ってはいないとは思うのだけれど・・・

 しかし言い方ってのはあるよね?

 ウンウン、その言い方は人を傷つけちゃうよ?

 そう言うのはいかがなのだろうか・・・と、僕は苦言を言わざるを得ないよ?)

ミスティを見ながらそんな事を考えていると・・・


「ラウル様・・・セクハラですわよ?」

「へっ?な、何がだよ?」

「私の体・・・いえ、私の胸をじっと見ていたではありませんかっ!」

ラウルは数回瞬きをすると・・・

「いやいやいや、違うからっ!僕はそんな事思ってないからっ!」

「こ、この体は悠斗さんのモノですわっ!」

(・・・どうなんだろ・・・コレ?女神って立場・・・忘れてね?)


ラウルはミスティが本気で言っているのを確信すると

軽いめまいを覚えたのだった。

そんな馬鹿な事を考えながらも場面は神界のゲートが開いた時だった。

ミスティは勢いよく立ち上がると・・・


「なっ!ど、どうしてアマルテアが?!」

「えっとー・・・僕が許可したよ?」

「ど、どうしてなのですっ!まだ彼女の疑いは晴れていないのですよっ!」

「そうかい?僕としては彼女はもう大丈夫だと思っているのだけれど?」

「そんな甘い事を・・・」


悠斗の身を案じてミスティはゲートを開こうとする。

「駄目だよ・・・ミスティ・・・僕が許可したのだから、勝手は許さないよ?」

ラウルの真剣な眼差しがミスティを黙らせた。

「まぁーいいから見ておきなよ?」

「わ、わかりました」


ラウルとミスティは悠斗達を見守っていると、悠斗が恋人を殺した事実が

周りの空気によって気づいていた事に驚いていた。


「そっか・・・悠斗君は気づいていたのか・・・」

「・・・こんな悲しい事実を誰が伝えられましょう?」

「うん、そうだね?でも悠斗君は誤魔化さずに伝えてほしかったんだと思う」

「しかしそれではっ!」

「そうだね?事実を知れば悠斗君は自分の行動がどれだけ正しくても、

 自分を許せなかったと思うし、自ら命を断ったかもしれない・・・

 結果はどうであれ、悠斗君はノーブルに居る。

 これが誰かの思惑通りじゃない事を僕は心から願うよ」

「思惑・・・ですか?」

「ああ、確証がないからまだ話せないけどね?」

「分かりました」


ラウルは行き場のない葛藤に顔を歪ませていた。

(天照の行動には謎が多過ぎる・・・悠斗君の為とは言っているが、

 本当に彼の為になっているのかが分からない・・・信じるのは難しいか・・・)


そして白斗が穂高の名を口にした時・・・

「「・・・・・・・・・・」」

ラウルとミスティは悠斗の動きに固まってしまった。


「ね、ねえ・・・ミスティ?い、今の動きって見えたかい?」

「い、いえ、情けない話ではございますが、私には見えませんでした」

「そ、そっか・・・この様子だと、アマルテアにも見えなかったみたいだね?」

「・・・ど、どういう事なのでしょうか?」

「恐らくなんだけど、悠斗君はある種のキーワードに対して

 敏感過ぎる反応を見せるよね?」

「はい、特に恋人だった穂高さんの名前が出た時はそう見えますね?

 過敏過ぎるほどに反応してしまっています」

「まぁ~それだけトラウマになっているのだろうけど・・・ね」


しかしその後悠斗は落ち着きを取り戻しいつもの悠斗に戻っていた。

「ふぅ・・・。なんとかいつもの悠斗君に戻ったみたいだ。

 個人的には僕も何とかしてあげたいけど・・・今は無理だね」

ミスティはラウルの言い方に引っかかり質問をしてみるが、

やんわりと断られてしまった。


(ラウル様は私にも何か隠し事があるのですね?

 それは巻き込まれると危険だから・・・そう言う理由なのか・・・

 それとも、ラウル様もその一件に関わっているから・・・

 ・・・今は私も動かない方が無難ね?)


ミスティの様子を横目で見ていたラウルは、

この先必ずミスティが首を突っ込んで来るだろうと予感し、

深い溜息を吐くのだった。


(頼むから身勝手な行動をしないでおくれよ?

 君はいつも僕の予想を超えてくるんだからさ~

 これ以上は僕の手を煩わせないでよね?)


そんなラウルの気も知らないミスティは目の奥に光が宿っていた。


「ま、まぁ~とりあえず、白斗君の問題はこれでクリア・・・だね」

「はい、しかしまだ多くの謎が残っていますわ」

「ああ、僕達神々もやる事はたくさんあるし・・・問題は山積みだね」


ラウルは溜息を吐くと紅茶を飲み干した。


(さて・・・天照はどう動くかな?僕も月読様と連絡を取らなくちゃね

 まだほとんど分からない状況だけど、やる事はやっておかないと、

 悠斗君だけじゃ・・・)


ラウルはそう思うと、一人の男が頭に浮かんだ。

(英二君か・・・今更だけど、彼の覚醒を待つしかないね?

 だけど彼を人身御供にはしない・・・必ず何かあるはずだ・・・)


ミスティはこの時初めてラウルの真剣な表情を見た。

(ふふ♪そんな顔も出来るのですね?)


ラウルの様子を見届けた後、ミスティは仕事に戻る為席を立った。

「行くのかい?」

「はい、でもそれはラウル様も同じですわよ?」

「へっ?どうしてだい?」

「仕事が山積みですので♪」


こうしてラウルはミスティに引きずられるように部屋を後にした。

「ヘッ、ヘルプミーっ!」



ラウル ・・・ 今回は僕ミスティの二人しか出てないよ♪

ミスティ ・・・ 出番があるのはとても嬉しいのですが・・・

ラウル ・・・ おや?僕とでは不満なのかい?

ミスティ ・・・ はい。私は本編の方に出たいのでっ!

ラウル ・・・ はいって・・・はっきり言うんだね・・・僕は悲しいよ?

ミスティ ・・・ 私もとても悲しいのですっ!

ラウル ・・・ 僕の立場って一体・・・orz

ミスティ ・・・ ああっ!悠斗さん~♪



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] どんどん謎が深まりますね。 この、閑話でノーブルと神界と日本を分けて描くことで、 それぞれの謎が交差していく立体感があっていいですね♪ 今後も楽しみにしています♪
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