プロローグ
素人ですが宜しくお願いします。
投稿は・・・ぼちぼち・・・
・・・なるべく頑張ります。
温かい目で見てやってください。
プロローグ
- ⭕△◻県山中 AM 2:11 -
黒い影が2つ・・・月明かりに照らされて 山深い道なき道を駆けていく
月に照らされた真夜中・・・普通なら走れるはずもない山中を・・・
常人とは思えないほどの速度と反射神経
闇の中で木々を躱しすり抜け岩を飛び越えていく・・・
顔には赤く妖しく光るゴーグルとマスク
前を走る男の背中には・・・一振りの刀、腰には拳銃と小太刀
後ろを走る男の腰には・・・槍と拳銃
この男達の仕事は・・・魔を狩ること・・・
古来よりこの国の魔を狩る一族・・・
今宵もまた闇の中に居る。
「・・・・!」
何かを感じ横倒しになった老木の手前で止まり身を屈める。
暗闇から聞こえるかすかな音に集中する・・・
「・・・・居た」
男がそうつぶやくと、後ろで身を屈める男が
「・・・了解」愛想なく答えた。
そして再び闇の中を駆けていく・・・
前方を走る男は背中の刀に手をかけ体を屈めつつ速度を上げる。
後方の男は腐葉土に足を取られながらも、それに続き槍を準備した。
前を走る男は一瞬、何かに見られているような気配を感じるが
(ん?・・・気の・・・せい・・か)
一瞬謎の気配に気を取られ、目の前に現れた木に衝突しそうになるが
間一髪体を捻りそれを躱していく・・・
「・・・ふぅ~」っと息を洩らす。
闇の中での迷いは命取りになる・・・
もう一度集中し直し速度を上げる。
少し走ると・・・
「グゲッ・・ギィィャャ・・ギィギィギィ」
男達の少し先で聞こえる声・・・「・・・ちっ!」っと
数本の朽ちた切り株を飛び越えなが舌打ちをしていた。
前方の男は彼が何を言いたいのかわかっているようで
「・・・フフッ」っと、インカム越しでも聞き取りにくい声で薄く笑った。
後方の男が小声で「どうする?挟むか?」と、少し面倒臭そうに話してくるが
「・・・いや、そのまま殺る」っと、少し冷めた声で返してきた。
「・・・・りょーかい・・・ふぅ」っと、ため息まじり。
月明かりが差す木々の間から
標的を肉眼で捉えた前方の男が「鱗タイプ確認・・・さぁ、行こうか・・・」
その言葉が耳を触った時、準備していた武器・・・。
その男の槍は自在に伸縮する槍だった。
そして少し大きな岩を足場にして飛び上がると
「うぉりゃあぁ!」っと勢いよく投げ放った。
「いっけぇぇぇっ!」
「ドスッ!」っと暗闇の中、音が鈍く聞こえると
「グゥッギャァアア!!」と、激痛に叫ぶ声。
木々をサイドステップで躱しながら
前方の男が背中の刀を抜き 「・・・・一閃」
そうつぶやくと2mほどの鱗の標的の前を
濡れた腐葉土の上を滑り抜けていく・・・
その瞬間、標的の上半身がズレ落ち断末魔の声もなく・・・堕ちた。
斬った男が刀を布で拭き納刀すると
槍を投げた男がマスクを外しながら「おっつかれさんっ!相変わらずスゲーな~!」
インカム越しに聞こえる声はからかうように話しかけてきた。
「・・・英二さんも流石ですね」そう言いながらマスクを外し振り返る。
英二と呼ばれている男は「いや~思ってたよりダメージ与えられなかったわ~」
英二は詫びを入れながら歩いてきた。
「この鱗タイプって苦手なんだよな~ったくよー!」
ブツブツ言いながら斬った男の前に来ると・・・
「パンッ!」っと、ニヤけながらハイタッチした。
「なぁ~悠斗~・・・そろそろ帰ろうぜー!」
そう言うと、悠斗と呼ばれた男は「・・・確認してからですよ」
冷たくあしらわれると・・・。
「えぇぇぇ!もういいじゃん!早く帰って酒でも飲もうぜー!」
そう言いながら「ドサッ」っと座り込み木にもたれかかった。
「確認なんていらねーだろ!どうせ溶けちまうんだからよー!」
駄々っ子のように不貞腐れていた。
悠斗はそんな英二の姿を見てため息を吐きながら
「英二さん、前に確認を怠ったせいで手痛い目に合ったのを忘れたんですか?」
どうやら英二は以前に確認を怠り手痛い目に合ったようだった。
痛いところを悠斗に突かれた英二は苦笑すると・・・。
「チッ・・・それはたまたまだっつーのっ!だいたいよー俺だけのせいじゃねーだろうが!」
そう言い訳をするのだが、悠斗はそんな英二をジト目で見ると・・・。
「英二さんがその隊のリーダーでしょう!そんなベテランが言い訳なんかして!
みっともないったりゃありゃしないっ!本当にこの子はー!」
悠斗がニヤけながらも少し早口でそう言うと、
「お、お母さん?」と、なんだかんだでいいコンビである。
そんな英二を放置して確認作業をする。
ほぼ溶けてしまっている標的を見て
「OK!確認っと・・・」そうつぶやくと英二の元に歩いていく。
それを聞いた英二は勢いよく立ち上がり
「よっとっ!終わった終わった~!とっとと帰ろうぜー!」
何もしていない英二が上機嫌になるのを見て少し「カチン」とはきたが
「ここは我慢だ・・・」と、大人の対応を見せる悠斗。
月明かりに照らされながら
帰路に着こうと森を歩いていると・・・・悠斗が歩みを止めた。
英二は振り返り「ん?・・・どうし・・・」
言葉を最後まで言えず悠斗の様子が異常なことに気づき言葉を飲み込む。
木の葉を風が揺らす音と暗闇独特の孤独感
それと鼻につく樹木の香り・・・
肌に感じる冷気を浴びながら
悠斗は身構えて周囲を警戒していた。
それを見た英二も慌てて周囲を探るのだが何も感じない。
「・・・・・・」
聞こえるのはただ・・・風の音と木の葉の作り出す音だけ・・・
少しして再び悠斗を見るとこめかみに汗が流れている。
英二は悠斗の様子からただ事ではないと悟ると槍を伸ばし
悠斗と背中合わせになった。
悠斗が何かを感じ警戒をより強めた瞬間
暗闇に重苦しい空気が張り詰めた・・・
英二の体感温度は2~3度下がったような感覚に戸惑う。
(なにか・・・やべぇ・・・)
手足が凍えているかのように感覚がなくなってきていた。
あきらかに先ほどとは違う異様な空間に
警戒を強め沈黙が続く・・・
「・・・英二さん」
暗闇の中、悠斗の緊張した小声が耳を触る・・・
「・・・・・・ど、どうした?」
「さっき魔を追っている時、変な気配を感じませんでした?」
(悠斗のヤツ、追っている時にそんなこと感じる余裕があったのか?
お、俺なんて、全然!感じてねー!おめぇーのセンス・・・ッパねーな!)
そんなことを考えながら顔を引きつらせていた。
「・・・すまん、俺には何も感じなかった」
自分のセンスのなさにあきれた・・・。
スローペースですが
今後とも宜しくお願いします。
緋色火花でした。