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俺とアイツの恋愛殺人  作者: 恋☆々
出逢い編
4/28

case1事件編(前編)

「じゃあ準備しますかね~靖明さんも手伝ってくださいね

 香炉や水瓶の用意とかやることやっておかないといけませんね」

「そうだね。とりあえずいつもの部屋で準備しておこうか」


「何が始まるんですか?」


今から何が始まるのか想像がつかない

香炉に水瓶・・・一気に怪しげな感じになったな(笑)


「君達も一緒に確認してね

 一応人間相手のお仕事に関してはどうしても君達の力が必要になるんだから」

「そうそう。君達にも手伝って貰わないとね

 とりあえず準備できるまでそこで兄さんと小暮さんと一緒にお茶とかお菓子の用意とかしててください

 今から来る人達はお客様ですからね」


「わかりました」

「わかった」


 とりあえず俺は小暮に聞きながらお茶やら和菓子の準備などを始めた

 暫くすると扉の向こうが騒がしくなった


(なぁ!見たか!今の可愛い子!誰だろ?)

(でもさ・・零係のアイツと一緒に居ただろ?大丈夫かな)

(それな!)


 俺は扉の向こうから若い刑事の声が聞こえて来たんだが・・可愛い子??

 扉の向こうで何やら色めきたっている刑事の声が聞こえた

 好奇心から扉に近づくと・・


(ゴンっ!!!)

 勢いよく扉が空いた


「いったぁぁ!」

「ドアの前で何してるんですか?森さん」


「大丈夫ですか!ねぇ・・痛そうなんだけど大丈夫なの?」


「大丈夫ですよ。頑丈ですから」


「お前ねぇ・・・・」


 痛みがある額を手で押さえながらふと顔を上げると・・・美少女??

 目の前には綺麗な花の模様と蝶が描かれた着物を来た子が俺を見ていた


「こらこら、人の奥さんをそんな目で見るもんじゃないよ。」

「そうそう。いくら俺の母さんが美人だからってそんな目で見ちゃだめだろ」

 

そんな声にハッとして


「え?・・・雷斗くんのお母さんなの?」


 とついぽろりとつぶやいてしまった


「えっと・・・初めまして森さん?俺は雷斗の”義理の母親”の朔夜です

 よろしくね」


 え~・・と俺?って事は

「美少女・・・・じゃなくて美少年!?」


「ぷっ・・・あははは。美少年って!僕こう見えても結構年だよ?

 息子四人もいるし、森さんよりも年上だからね」


「え!息子さん6人もいるんですか?」


 俺の心の声を田中が代弁して突っ込んだ


「うん。因みに旦那さんも四人いるよ

 彼は秋水しゅうすいさん。僕の3人目の旦那さん」

「初めまして秋水です。一応今回の事件が蜘蛛絡みなので私が来ることになったんですよ」

「そうだね。雷斗からは今回は女郎蜘蛛関連の呪具みたいって聞いてるから」

「まったく・・また女郎蜘蛛ですか。よくトラブルを起こすんですよね

 今回は出所をしっかりと確認しないといけませんね」


ん?んんん?

だ・ん・な・さ・ま・が・よ・に・ん!?

見た目美少女な美少年こと朔夜さんの衝撃的な事実に俺はちょっとビビった

まじか・・・


「蜘蛛関連だと秋水さん?が協力されてるんですか?」

「君は・・・?」

「俺は田中って言います。

 朔夜さんに秋水さん、よろしくお願いします」


「うん。よろしくね。

 とりあえず自己紹介も終わったし、早速仕事に取りかかってもいいかな?

 聞きたい事もあるだろうから先に仕事を終わらせてお茶にしよう」

「そうですね。私も朔夜と一緒にゆっくりしたいですし」


 いつの間にか準備をしに行っていたらしい風斗が戻ってきた


「白金と靖明さんが準備をしてくれたから早速お願いしてもいいかな?」

「いいですよ。その代わりちゃんと靖明くんとうちの子との結婚の話も進めてくださいね? それが手伝う条件ですから」

「はい・・・父に伝えておきます」

「うん。あと”梅花うめか”姉さんにもね」

「わかりました。とりあえずお願いしてもいいですか?」

 何やら御門さんと朔夜さんにはなにかあるようです

「結婚ってなんの話ですか?」

「ああ・・靖明くんとうちの息子の結婚の話だよ」


 今さらっと結婚っていいませんでしたか?


「結婚ですか!おめでとうございます」

「うん。ありがとう」


 最早男同士の結婚についてはスルーになっているが・・・まぁいいか

 それよりもなにやら怪しい部屋に誘導されているが何が起きるのやら


「靖明くん。準備ありがとうね」

「あ!お母さま!こちらこそわざわざすみません」

「ごめんね。綾女なんだけど今日は高校の用事みたいで来れなかったんだ」

「聞いてますよ。学祭に向けての準備みたいですよ」

「そうみたいだね。こんにちは靖明くん

 後でどこの女郎蜘蛛なのか詳しく教えてえね」

「勿論ですよ、お父さん」

「おやおや・・今日はお二人なんですね

 今日はよろしくお願いします」

「よろしくね、白金くん。今度また家に遊びに来てね」

「いいんですか!また氷見さんにお会いしたかったんです」

「ふふふ、氷見ねぇ~。白金くんならいいよ。家の子になっても」

「!!!!」

「先ずはお仕事しなくちゃね♪」

「そうですね!」


 そんな他愛のない会話をしていたが部屋に入ると皆急に真剣な顔付きになった

 最早突っ込む事を諦めた俺はとりあえず見守る事にした


「封印していてこの状態・・・結構な”呪い”だね」

「確かに・・なんというか、女性独特のものだね。この”呪”は」

「先ずは香を焚こう。これ焚いてね」

「はい」

 

 靖明がテーブルの上にある香炉で何やら炊き始めた

 部屋の中には白い煙がゆらゆらと香炉から白檀の香りが漂って室内を満たしていく

 その他にも古い水瓶が乗っていたり、盛り塩があったりと何が始まるのか想像がつかない

 朔夜がテーブルに近づきそっと水瓶の中を覗く


「う~ん・・・あんまり状況は芳しくないかもしれない

 この事件の関係者の写真とかないかな?」

「写真でしたらこちらに」

「テーブルの上に並べてもらえるかな?」

 テーブルの上に男女の写真が並べられて行く

「先ずは他に被害者がいないかどうか調べよう

 被害を最小限にしておきたいしね

 じゃあよろしくね」


 朔夜がそう言うと着物の中から蝶々達がひらひらと羽ばたいて写真の方へと向かっていく

 すると写真の上につぎつぎに止まっていく

 ある意味幻想的な様子なのだろうが・・・俺としては何をしているのかの方が気になった


「・・・・・他にも3人もいるのか」

「そうみたいですね。先ずは生存確認しなくてはいけませんね」

「そうですね。それともし何かあるかもしれませんが、くれぐれも気を付けてくださいね

 今動いている呪具は未だに犯人と繋がっています

 他にも何があるか予想が出来ません

 もし現場に行くなら白金さんと靖明は一緒に行ってくださいね

 それとこの呪い避けの”匂い袋”と”清めの短剣”を持っていっていく事

 お札の選定は靖明さんと清明さんにお任せします」


「わかりました。では兄さんと選んで持っていきます」

「では私は田中さんも現場に連れて行きたいと思いますので連れて行きますね」

「俺もですか?」

「事情がわかっている他の課の人間がいれば捜査もスムーズになるでしょうから」

「わかりました。よろしくお願いします」

「それと森さんは俺達の方の捜査に加わってください」

 

 てきぱきと指示を出されて田中達は準備をして部屋から被害者の元へと向かって行った

 蝶によって判明した被害者女性達の安否は不明

 そもそも本当に被害者なのかどうかすら現時点では不明だ

 しかし、零係の人間はいつもの方法なのか疑わずにすぐに行動を写したのだ

 と、言うことは過去にもこの方法で何らかが明らかになったという事だろう

 俺は暫く彼らがやる事に口を挟むことをやめた


「次は犯人達の特定をしようかな

 呪いについては秋水に頼むとして僕は靖明達からの連絡を待ちましょう」

「さてと、何処の蜘蛛ですかねぇ」


 秋水が問題の呪いの道具の上に掌を翳すと赤い目が一つ現れてじっと見つめている


「なるほどねぇ・・・これはこれは。また彼女達ですか・・

 朔夜。彼女達・・いや”暁子きょうこ”だろうね」

「暁子さんですか。という事は場所は銀座界隈だろう

 新宿付近は雪乃丞さんが出入り禁止にしたから銀座に場所を写したって所だろう」

「そうですね。彼女達の好みそうな場所ですし」

「そうだね・・・雷斗達に場所を伝えて来るよ」


 そう言うと彼は部屋を出て犯人の住みかとされている場所を彼らに伝えることで犯人を捕まえる専門家とやらに情報を伝えるのだろう

 俺はその間に秋水に”女郎蜘蛛”について聞いてみる事にした


「なぁ、”女郎蜘蛛”とはなんだ?」


「女郎蜘蛛は別名”絡新婦じょろうぐも”という妖怪です

 その生体は昆虫である蜘蛛の生体に酷似していると言われています

 つまりは男性を美貌や甘い言葉で誘惑して子を成し、交わりが終われば相手を食べてしま うのですよ

 元々この妖怪は老いが早く美しさを保つ為に同じ女の生気を奪うと言われています

 この事件は詰まるところその特性が呪いに現れているのです

 この犯人だけどきっと呪いの効果が自分に取って都合が良いことだったのだろう

 どのような手段で犯人はこの呪いを手に入れたのかは知らないけれど犯人はこれから大変 だろうね

 それにこの呪いには副作用があるのさ、どんな呪いにも代償が付き物だろう?」

「なるほど・・・つまりは犯人にとってこの呪いとやらは目的を達成する為には都合が良かった。そう言うこ事か」

「そうですね。」

 

そうか・・・・なるほど。少しづつだけど俺にもこの事件の筋が見えてきた


「秋水、それから森さん。犯人がここに到着したようだよ

 それと残念だけど他の被害者は全員亡くなっていたそうだ」

「そうか。」

 そうか・・・被害者は助からなかったのか


 俺は秋水と一緒に部屋の外に出ると異様な光景を目にすることになった

 二人の鎖の付いた大きな鎌を持った二人のスーツを身に付けた男性とその間に鎖に巻かれた男女がいた

 どこかで・・・・そうか!被害者の婚約者の男とその浮気相手の女だ


「う・・・・・ここは?」

「ちょっと!何よこれ!」

「目が覚めたようですね」

「女の方はうるせーけどな」

「二人ともお疲れさま。」

「お疲れ」

 鎌を持った男二人が俺と秋水の存在に気がついたようだ

「おっ?人間の刑事さん?珍しいじゃねぇか」

「そうですね。珍しい」


「初めまして森です」

 俺が挨拶をすると目をぱちぱちさせて驚いていた


「俺は四男の四乃しのよろしく」

「私は次男の恭二きょうじです。よろしくお願いします

 それにしても私達を見ても動じないとは貴重な人材ですね~」

「そうだね。でも彼ね、君達が何者か知らないんだよね

 まぁ、知っても知らなくても大丈夫そうだけど」

「そうなのですか?では改めまして。どうぞ」

 恭二は俺の前に一枚の名刺を差し出したのだ

 なになに・・・・・”赤霊社せきれいしゃ所属 常闇 恭二”と書いてある

 上のは会社名だろうが聞いた事のない会社名だ

 何を思ったのか俺は名刺を裏返した


 ”当社では優秀な死神を派遣し

 身近に起きた霊的犯罪や呪殺を犯した犯罪者の捕獲から始末まで請け負います

 なお報酬に関しては当社の規定に沿って頂きます”


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