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勇者より軍隊の方が使えることに気づいてしまった件  作者: 亜和鵶吾明
第1章:平和的交渉
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平和的交渉1

 深紅の光は地に吸い込まれるように消えた。閃光に眩んでいた視界が回復すると、そこには先程までとほぼ変わらない森林があった。大きな違いは西園寺と愉快な仲間達の姿が無いことのみである。

 手の中でピキ、という音がした。見ると、ブローチの宝玉が割れ、美しかった深紅が褪せてくすんだ灰色になっていた。「風見鶏の羽」という使い捨ての魔具である。短距離の転移を行なうことができる。魔王討伐戦で、四天王であった星霜のクドリャフカを倒した時の戦利品である。元々5つあったが、たった今最後のひとつを使ってしまった。


「さて、これからどうするんだい? 隊長?」


 加藤がニヤニヤしながら声をかけてきた。この状況が面白くて仕方ないらしい。


「まずは状況の確認を行なう。全員この地図を見てくれ」


 俺は枯葉や木の根ででこぼこした地面に直接地図を広げた。割と大きな地図ではあるが、この人数で見るには流石に小さいようで、後ろの面々はつま先立ちになって地図を覗こうとしていた。


「さっきまで俺達がいたのはここ。つまり勇者達の現在地だ。それで俺達がいるのはここ。そして襲撃候補の村はここと、ここと、ここ」

「結構な距離を跳んだんだな」

「まあな。勇者の脚でも3時間はかかるだろう」


 俺は得意気にそう言った。何も、先程の転移は風見鶏の羽だけの功績ではない。俺の加護は「工兵」で、様々な道具の扱いが上手くなるというものだ。珍しいものではないが、経験を積むと道具の持つ効果をある程度引き上げたり、道具の発動を阻害するものを無効化することができるようになる。転移の際に西園寺派の魔法使いが放った妨害魔法が失敗したのはそのためである。


「そして、転移で生まれた地の利を活かす。襲撃するのはこの村だ」

お待たせしました。やっと本番開始です。


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