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神業(マリオネット)  作者: 床間信生
☆第1章☆貿易都市(ルート)
27/206

1ー22★ギー?何それ?おいしいの?

『これ良いですね、多少不純物ありますけど全然買い取れますよ!』

『ホント?』

『はい、流石に流通価格そのままと言うわけにはいかないですけど』


俺が用意した塩を見ながらフェンは機嫌よく話をしてくれる。


『ちなみに、こちらは定期的に卸したりできますか?』

『出来る!出来る!!頑張りますよ!』

『それであれば、こちらの買い取り価格は金貨40枚ってところです』

『は?ホントにそんなに良いの?』

『もちろんですよ。それだけの価値はじゅうぶんにあります』


オーダーメイドの調理器具と材料全て込みで恐らく金貨4枚していないはず。

手間が掛かると言っても冷やしたりする時間ぐらいで複雑な行程とかではない。

それでこれだけの金額になるというのだから、明日から冒険者と討伐の方はどうしようかとチラッと考えが横切ってしまった。


(とは言っても…エルメダのパーティだし討伐の方はしないとだよね…)


フェンと塩の方の査定は非常に順調だった。

ただ、話がギーの方へ及ぶとフェンの顔が一気に険しくなっていくのが分かる。


『こっちのギーでしたっけ?この油の方なんですけど…本当にオリーブオイルの代わりになるんですか?ちょっと信じられないんですよね』

『なるよ!』

『でもこれ原料が植物じゃないですよね?』

『そう…だけど…なんで初めて見たのに原料とか分かるの?』


なんでも商人の職業スキルには鑑定というものがあるらしい。

この鑑定を使用するとアイテムの性質や材料に関わることが大まかになら分かるようだ。

フェンも偽物などの取引防止に役立っていると言ってた。


『確かにオリーブオイルは高価なので代用品を探していました。でも、いまいち実感に湧かないんですよね…』


確かに見たのも初めて聞いたこともない。

そんなものを良いぞ何て言われて信じる奴が商人に向いているとは思えない。

そこで俺はフェンを納得させるために考えを思い付いた。


『じゃー、こういうのはどう?これから数日後にギーを使った食事会をやるっていうのは。実際にギーを使った料理を俺が不特定多数に振る舞う。その反応をフェンが見て決めるって感じで!もちろん俺は素人だから、誰でも出来るような料理しか作れないのは分かって欲しいけど…』

『いいですねとは思いますけど…数日後って、そんな人集められます?』

『お世話になっている孤児院の子供とか冒険者ギルドや戦士系ギルドの連中とかなら集められるかな…』

『その孤児院で場所って貸してもらえるんですか?』

『話してみないと分からないけど、晴れてたら隣の空き地とかなら貸してくれるんじゃないかな…』

『なるほど面白そうですね。良いですね。その反応を見てから決めましょう』

『よし!じゃー、日程が決まったら伝えに来るよ』

『はい分かりました。スパイスの買い取りの方は本日行います。』


日本にいたときは独り暮らしのズボラ飯くらいしか経験がないのに大丈夫なのか…

その場の勢いで変な風に話が進んでいってしまったのを後から少しだけ後悔していた。

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