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神業(マリオネット)  作者: 床間信生
☆序章☆
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序ー1★迷いの森

ここは一体何処なのだろう?

全身に恐怖を感じながら俺は考えていた。


確か俺はガードレールをくぐっていたはずだ。

年齢がもうすぐ40に届こうとしている俺は、駅の側にある占いの館クロスで無駄だと思いながら結婚運を観てもらった。

クロスにいた占い師は、一昔前のテレビドラマにいるような全身怪しげなフードを被っているわけでもなく、上下黒のスーツの30代前半位の普通の男性だった。

優しいトーンの声で話しやすかったので非常に信頼出来る感じだったのだが…

その占い師に自分の結婚観や女性の好み等を伝えたところ

『館の横にあるガードレールを進むと運命的な出逢いがあるでしょう。』

なんて事を言われたのである。

占い師というのは随分と具体的な事を言うのだなぁと思いながら、ガードレールを進んで行くと7月の後半には感じる事の無いはずの不自然な寒さを感じた。

不思議に思い周囲を見ると何故か森の中だ。

訳が分からず呆然と立ち尽くしていると身の丈2m以上はあろうかという大男と遭遇してしまった。


身長が170cm程の俺とは頭1つ半位違う事から優に2mは超えていると思う。

髪は単発で横幅もありプロの格闘家を思わせる風貌にも驚いたのだが、一番驚いたのは肌だ。

土け色といえば良いのか、どうにも生気を感じられない様な肌に見えた。

(まるでホラー映画に出てくる怪物のようだ。)

しかし大男は意味不明な低い声を上げながら近づいて来るので確かに生きているのは間違いない。

右手には木製バットを2周り程大きくした様な物を持っているから刺激をしたくない。

(変に刺激して大男が暴れ出すのだけは絶対に避けたい!)

どうも出来ずに対応に迷っていると何かネックレスの様な物を左手から差し出してきた。

『これを付けろ!』ということなのかな?と考えていると…

大男が俺にネックレスを渡すと、左手で自分の首を摩る仕種を見せたので俺は間違いないと思いネックレスを自分の首に付けてみた。


『大丈夫ですか?』

確かに、そう聞こえた!

大男の言葉が理解出来たのだ。

だが言葉を理解出来たことで、状況を理解出来無くなった俺は逆に混乱してしまった。

大男からの問い掛けに首を小刻みに動かすしか出来ずにいた。

恐らく第三者が見ていたら爆笑するほどの顔を俺はしていたと思うのだが、大男は真剣に対応してくれた。

『良かった。もうすぐ日が落ちます。そうなると色々問題もあるので近くの私の住まいに寄りませんか?』

と大男が言ってきた。

時刻がハッキリとは分からないが日も確かに傾きかけている。

現在の状況を見る限り自分ではどうしようも出来ない。

外見は非常に怖い大男だが、低い声ながらも丁寧な口調に取り合えずは信用しても良いかと大男に

『すいません。宜しくお願いします。』

と頭を下げて大男の案内に従うことにした。


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