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終わらないEND  作者: ウル
3/3

第二話

今村「おい待て!糞悪魔!誰が参加するって行ったんだ!?こんなのやるわけねぇだろうが!

早く帰せよ!」

楓「えぇ!?」

霖「何いってんの!?」

真理「ちょっ、馬鹿なのあんた!」


全員が、口々に今村を止めるがもう遅い。


悪魔くん「それは、参加を拒否するってことでいいの?」

今村「ああ、早く俺を帰しやがれ!」


その言葉に私はギョッとした。えっ、今“俺“って言った?それじゃあ………


悪魔くん「はあ、残念だなぁ。


今村亮人 (15)


スポーツにおいて多大なる功績を残し、神童と期待されていた人物だったからね。さぞ、自分を楽しませてくれるだろうと期待してたんだけど………まさか………………



殺すことになってしまうなんて……」

真理「ヒッ」

楓「ちょっ、まっ」


グシャ


肉がつぶれた音がした。比喩ではない。本当につぶれたのだ。何かって?それはもちろん……………………今村だ。


今村「ガッ………ハッ……」


身体中から血が吹き出し、地面に崩れ落ちた。


ドシャッ


今村は、自分の血液で出来た血だまりに倒れこんだ。しばらく、ヒューヒューという呼吸音がしていたが、少しするとそれすら聞こえなくなり、今村亮人という人間がもう生きていないことを、まざまざと思い知らされる。


真理「きっキャアアアアアア!!!!!!!!」


真理ちゃんは、叫び後ずさる。辺りに、鉄臭い臭いがが充満した。


霖「うっ……」

悪魔くん「さて!他に参加を拒否する人はいる?この際だから、ちゃんと聞いておこうと思ってね。」


シーン


答える人は居ない。当たり前だ。真理ちゃんなんて端っこで、吐いてしまっている。


悪魔くん「そう………………ならゲームスタートだ!」


しばらく、全員が今村を見つめていた。すると、今村の死体が消え始めた。


楓「えっ?なんで………」


死体は、徐々に徐々に、足の方から輪郭を保てなくなり始め

少しずつ色が消え、終いには霧のように

まるでそこに”今村亮人”という人間自体が存在していなかったかのように

消えて………………………しまった。


上倉「なっ、亮人が…………消えた……?」

真理「むっ、無理よ。無理よこんなの、逃げ切れるわけないじゃない!」


真理ちゃんの高い声が、森に木霊する。

皆が……………皆が、その場に縫い付けられたように動かない。

違う、動かないのではなく動けないのだ。今村の死に方は、どう見ても人間の出来る技じゃない。

犯人は……………悪魔くんの正体は……人間ではない。私の中で、これは確定していた。

許せない。確かに今村は、亮人は教師はバカにするわ、失敗するとものすごく冷やかしてくる。そんな、バカだけど殺して言い訳ない!犯人が人間ではなかろうが、私の知った事じゃない!

私は、さっきまで悪魔くんの声が聞こえていたスピーカーに向かって叫んだ。


楓「悪魔くん!聞こえてるんでしょ!私は、諦めない!皆で!もう、28人しか居ないけど!一人も!殺させない!生きて!生きて!生き延びてやるから!人間をなめないで!」


ピー


機械的な音がなり、悪魔くんの声が再びし始める。


悪魔くん「………ふっ、アハハハハ!」

楓「なっ、何が可笑しいのよ!」

悪魔くん「はぁ~、笑った笑った。だって、笑えるよ、28人?何いってるの?まだ言ってなかったっけ?もう、27人だよ?」


笑いながら告げたそのセリフに、私は絶句した。


ウル「えっ、ていうことは…………」

悪魔くん「言ってない事は悪かったけど、まさか、まだ今村くんしか死んでないと思ってたの?ざ~んね~んでした~!

先ほど、他の班の子が死亡したよ。誰かわかる?それはね~

『宮木礼乃』ちゃんだよ…………」

楓「っ!そんっな……………」


やっぱり、人では勝てないの?悪魔に勝つことなんてできないの?

自然と、流したくなんてないのに、悪魔くんに弱味を見せるだけなのに、涙が流れていた。

礼乃ちゃんは、自分勝手で自分の興味のあることしか聞かない、でも私の友達だったのに。


ウル「そんな事ないよ。楓。楓はいつだって俺を助けてくれたじゃないか。俺は、楓を信じるよ。」

楓「!ウル…………」


私には、特殊能力なんて無いし主人公みたいに強い訳でもない。ただの普通の女子中学生だ。

私は、涙を拭うとスピーカーに向かって言った。


楓「それでも!私は諦めない!ウルと皆と一緒にいきる!はぁっ、はぁっ」

悪魔くん「………………………うん、それでこそ楓だ。まあ、頑張りたまえ。朱木楓君。」


ブツっ


スピーカーが切られる音がする。すると、上倉が言った。


上倉「とりあえず、探索にいこう。そうしないとなんも始まんないよ。それで、動けそう?」

真理「けほっ、うん。大丈夫、いこ。」


真理ちゃんが自分でたつと、その背を擦っていた霖ちゃんが言った。


霖「海を探すんですよね?」

上倉「うん、そうなるね。どっちにいけばいいかは、わからないけど取り敢えず太陽の方に向かおう。」

楓「わかった。じゃあ、あっちだね。」


こうして、私たちは島の探索を始めた。

この先に、悲しい事実があることを、まだ私たちは知らなかった……………………

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