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78話 異世界にて5

話し合いでは解決できず・・・・・・

「ラビィに用事があるのでしたら自分が伺いますがどういったご用件でしょうか?」


何となく嫌な感じがするので呼びに行かずに質問することにした。その対応が気にいらなかったのか明らかに不機嫌そうな態度になる。お前なんかに用件はない早くラビィを連れてこいと表情で分かる。


「あまり私を待たせない方がいいですよ」


ちらちらと首から金色のプレートのような物をわざとらしく見せつけてくる。もしかするとこの世界ではかなり権力を持っている証なのかもしれない。


「ふぅ、分からないようですね。痛い思いをしたくないなら早く呼んできてください」


男が指を鳴らすと後ろで待機していた大柄な人物が目の前までやってくる。俺より少し身長が低いだろうか。体型はマントで体のラインは分からないがしっかりと盛り上がった腕を見るかぎりかなり鍛えているように感じる。表情は特になく意志がない瞳で見つめてくる。ここで引くわけにもいかず後ろには下がらず見つめ返す。嫌な雰囲気がする・・・・・・村の中で人目もあるからそこまで無茶はしないと思うが。


「退く気にならないようですね。私はあまり手荒にしたくないのですが・・・・・・」


大柄な人物が光のない瞳で睨み付けてくる。それより怖い瞳を俺は知っている。退く理由はない。


「いいでしょう。では彼女が一撃あなたに攻撃するので耐えられたらこの場は引きましょう」


静かに頷く。


「私が見届け役をやりましょう」


山田さんが店から姿を現す。今にも襲いかかりそうなガリィを腕一本で押さえ込みながら俺と相手の前に立つ。小柄な男は何か言おうとしたようだが山田さんが透明のプレートを見せるとすぐに大人しくなる。


上着を脱ぎ上半身を裸になり気合いを入れる。この相手は普通の相手とは違う。少し時間をもらいスクワットをして精神を落ち着ける。まずい雰囲気だとは思うが身体中の筋肉と細胞が高鳴るのを抑える。


ふぅ・・・・・・またこのパターンか。


精神を集中して丹田(たんでん)に力を入れる。ゆっくり相手を見つめる。相手も準備が出来たようでマントを脱ぎ捨て拳を構える。硬そうな短髪の黒髪で切れ長の瞳で俺を睨み付けてくる。山田さんとガリィ、いつの間にか集まってきた村の人達が見守る中、勝負がはじまる。


走り込み勢いをつけて体重を乗せた上に体を捻り最大限まで威力を上げた拳がお腹に食い込むように入る。バチバチと音と光も走り身体中に電気が走るような感じがする・・・・・・いや・・・・・・実際に電気が走ったのかもしれない。経験したことのない痛みであれば体を倒し意識を失っていただろう。


しかし俺は違う。俺はこの痛みをこえる痛みを経験している。一歩も後ろに下がらず相手を見つめる。今までに倒せなかった相手がいなかったのか初めて表情が変わる。命令した小柄な男も表情が明らかに変化している。そしてこの不穏な空気に村の人達が男達に不信な目を向けだした。

ゆっくりのんびり更新します。

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