表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/2262

77話 異世界にて4

マスターに挨拶して帰る予定だったが・・・・・・

村に戻る頃には日が落ちはじめて村の様子は少し賑やかになりだした。ガリィのいる村はそこまで大きい村ではないのだがマスターがやっているお店も含め数件だが夜にお店を開いていて夜に向けて他の町や村からお客様もやってくる。商人もやってきて露店を開くこともあり昼のまったりした雰囲気からは一変する。


「ほらガリィ着いたぞ」


抱きついたままのガリィの上着を掴んで背中に乗せ小屋の前でプルプルから降りて頭を撫でてやる。


「プルプル」


頭を撫でてやると嬉しそうに俺の周りを回りだす。あれだけ走ったのに元気だなと感心する。


「大さん、そろそろ帰りますか?」


村でのんびりしていた山田さんが声をかけてくる。時計の時間を見てもまだ約束の時間までは少しあるのでマスターに声をかけて帰ることにした。マスターの部屋に向かうと小柄な兎耳のラビィが床に付くぐらいの長い黒髪を揺らしながらマスターの看病をしてくれていた。ラヴィはマスターが異世界に残る理由になった子らしい。見た目が兎のように真っ白の肌のせいか病弱な感じがするが話してみるとガリィと一緒で元気で可愛らしい子だった。ガリィと一緒で基本は狩りに出ているがガリィと違い繊細な作り物も得意でそれが目的でこの村に来るお客様もいるようだ。


「ラビィ、マスターの調子はどうだい?」


「うん、いつものことだから大丈夫。ガリィに踏まれて幸せそうな顔で寝てる」


そう言ってガリィにやりすぎたらダメと注意する。ガリィもラビィには逆らえないようで話を聞いて反省しているようだ。この様子だと今日はお店が出来そうもないのでお店の前に本日お休みという看板を置きに行こうとした時に外が少し騒がしくなった。様子を確かめに外に行こうとすると山田さんに止められる。


「少し面倒臭い相手なので出ない方がいいですよ」


外の様子も見ていないのに山田さんに止められる。


「面倒臭い相手かどうかは話してみないと分かりませんし、それに山田さんが思っている人ではないかもしれないですし」


山田さんの忠告を受けつつも外に出て看板を出しに行こうとするとお店の前に小太りで身長の低い体中に自分の力を誇示するようにアクセサリーをつけた男が立っていた。雰囲気的には山田さんの言う通りあまり関わりたくない印象を受ける人物だった。


「すみません、せっかくお越しいただいたのですがマスターの調子が悪くて今日はお店がお休みなんですよ。せっかく来ていただいたのに申し訳ないです」


頭を下げて謝罪するが男からは意外な言葉が返ってきた。


「いえいえ、私はマスターではなくラビィさんに会いに来たんですよ。是非会わせていただけませんか?」


男の顔を見るとにやにやといやらしい顔が鼻についた。山田さんの言う通り外に出ず居留守をすればよかったのだろうが出てきたしまった以上は仕方がない。責任はとらなければいけない。

ゆっくりのんびり更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ