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75話 職場4(犬飼side)

犬飼君の話を少しだけ。

どうやったら背が伸びて筋肉がつくのだろう。牛乳だって毎日飲んでいるし、筋肉トレーニングだってしている。けれどその結果は16歳になった今でも現れることはなかった。成長期っていつまでだろうか。下手したら同じクラスの女性より背が低いんじゃないだろうか?心は何も努力していないくせに俺より身長が高い、それってかなりずるくないだろうか?


かなりムチャクチャなことを言っている自覚はあるのだが悔しいからしかたない。うん、悪いのは心だ。それで大丈夫。そんなことを思っていると頭をくしゃくしゃと髪型を崩してくる。


「僕に対して失礼なこと考えたでしょ、みよはすぐ僕のせいにするから」


「か、考えてないし、そうじゃなかったら失礼だろ」


「あぁそれは大丈夫。みよの考えてることは大体分かるから」


フロアーの掃除をしながらも俺よりしっかりと心は仕事できていた。心とは気がついた時から一緒だった気がする。いつも俺の側にいてくれていつでも俺の味方をしてくれた。友達というより兄弟という間柄かもしれない。お互いの親もどちらも自分の子供のように接してくれる。高校受験の時も俺なんかよりずっと頭がいいのに俺と同じ高校を選んだ。心はなにも言わないけど俺のせいで心の道を無くしてしまっているのではないかと心配になって聞いたことがある。その時も考えすぎだって頭をくしゃくしゃと撫でてきた。ここで働くことになった時も次の日には面接に来ていた。


仕事が終わり掃除を終えて帰る準備をする。休憩所に向かって何人かのアルバイトの子や社員、そしてちょっと変わった店長に挨拶をして店を出る。帰り道はだいたいた一駅分歩いて帰る。プロテインを飲みながら空を見上げる。まだ息は白くならないけど星はとっても綺麗だ。


「みよ、何か心配事でもあるの?身長と筋肉ならあきらめなよ」


「まだ成長期だから、身長伸びてマッチョになるから」


「冗談冗談。葉さんのことでしょ」


心には嘘をつけない。いつも困っていることや悩んでいることを相談に乗ってくれる。少ししか話を聞いていないけどお店を義兄さんと一緒に経営したいらしい。もしそうなったらお店を辞めてしまうのだろうか。葉さんには色々と教えてもらったしとっても頼りにしていたから居なくなると寂しい。でも決めるのは葉さんだし、俺の意見を押し付けるのはよくない。そんなことを考えながら心と一緒に帰り道を歩いた。

ゆっくりのんびり更新します。

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