69話 異世界にて2
マスターにお酒の作り方を学ぶ。
「そうそう、そんな感じ。君は力があるから力任せにしてもいいけど、体力的にも見た目的にも、最小限の力だけ使えばいいよ」
マスターにシェイカーの振り方から簡単なレシピなどを教わる。最初から色々なお酒を作る必要はなく人気のあるレシピだけ覚えておけば大丈夫と言われた。同じ素材と同じ道具を使ってお酒を作っているのだが味が違うように感じた。
「ははっ大の作ったの不味いな♪」
ガリィは味見もしてくれる。ガリィの種族はお酒にも強いようでまるでジュースのように飲んでいる。さすがに試作品を飲み続けると酔っぱらって味の判断が出来なくなる。その役をガリィがやってくれている。ガリィやそのの種族がマスターが作ったお酒を美味しそうに飲む姿を見て本当に幸せそうにしている。変な目で見ていないと良いのだが・・・・・・
「あのマスター、やっぱり自分が作ったものを飲んでくれた人が美味しいと言ってくれると嬉しいですか?」
「あぁ、特にガリィちゃんみたいな可愛い男の娘に美味しいって言われると嬉しいよ。あぁ、やっぱり可愛い、それに耳が生えてるんだよ。分かるかい君?美少年に獣耳に獣尻尾だよ、どんだけ上乗せしてくるんだよって話ですよ。それにここの獣男の娘は子供も産めるんですよ!?異世界万ざぃ!!!?」
ガリィに思いっきり殴られて吹き飛ばされ、倒れた腹の上に足を乗せ追い討ちをかけるように踏みつけられる。
「むつき、気持ち悪いしうるさい」
「おいガリィ、そこまでしなくても・・・・・・」
ガリィは見た目の小柄さと可愛いらしさからは想像できない程、力がある。村で一番強いらしい。気をつけないといけないと踏みつけられるマスターを見て思う。
「ガ・・・・・・ガリィ、もっと強く踏んでもっ!!!?」
鳩尾を思いっきり踏まれ意識を失って静かになる。性格だけなんだよな問題は。
倒れたマスターをそのままにもしておけないので抱き上げ部屋まで運びベッドに寝かせる。
「なぁ大、むつきが起きるまで食料採りに行くぞ」
ガリィが俺の背中に乗り口笛を吹くとプルプルがやってくる。プルプルに乗って背中を撫でるとゆっくり走り出す。プルプルは二人を乗せても全く問題無いようで少しずつスピードを上げて森まで向かう。森には食料があるのだが、毒を持った本物と区別がつきにくいものがある。食べられるかどうかはプルプルが判断してくれるので取りすぎないように、かごに入れて村に戻る。プルプルは移動手段だけではなく食料採りにも活躍する村人にとっては無くてはならない存在なんだと再度認識しながら頭を撫でる。
ゆっくりのんびり更新します。




