67話 先立つ不安
日課の途中で今後のことを考える。
目覚まし時計の音に目を覚ましいつもの日課を始める為に準備運動を始める。外が寒くなってきたのでランニング前の準備運動を少し長めに行ってから走り出す。川原の道を越えた所で待っていた鈴君と一緒に走り出す。この寒い中、待たせるのが悪いので一度、一緒に走るのを断ったことがあるのだが鈴君は『自分と一緒に走るのは嫌っすか?』と断り辛い表情で見つめてくるのでもちろん断ることはできなかった。
「それなら毎朝、大さんの家に自分が呼びに行くのはどうっすか? 」
「うーん、距離があるからなぁさすがに悪い気がするよ」
そう言って鈴君の提案をやんわり断りながら走る。正直に言うと葉君と鈴君を同時に相手をする大変さに週末の買い物で思い知らさせたからだ。食事の後に、家に帰った後に機嫌が直るまで中々大変だった。理由が分かればよかったのだが、葉君は教えてくれなかった。
走り終えていつものようにジュースを2本買って鈴君に渡す。やはり今日も勝てなかった。距離が縮まる気が全くしない、そもそも本気で走っていないのかもしれない。まぁ、日々トレーニングをしている鈴君に勝てるはずもないのかもしれないが。
現実的な話、葉君と自分だけでお店を経営することはできるのだろうか?
そんなことをジュースを飲みながら考える。買い物などをして準備が進んでいく中で、お店を二人だけで経営できるのだろうかと考える。俺は仕事をしていなから大丈夫だが、葉君はどうするのだろうか。働いているお店を辞める気なのだろうか。お店で働いた後にBarで働くとなるとかなりキツいだろう。葉君からあった話だが葉君のことを考えたらいまさらだが止めるべきなのだろうか。葉君が無理をして倒れる姿を見たくない。負担を減らすためにも人員を増やす方法を考えた方がいいのだろうか。葉君と一度ゆっくり話す必要がある。
「ねぇ鈴君、俺と一緒に働いてくれる人っていると思う? 」
「どうしたんっすか急に? 」
「お店のことなんだけど、葉君に負担をかけたくなくて」
「うーん、葉さんは多分そんなこと気にしてないと思うんっすけど。むしろ二人で・・・・・・」
鈴君が何かを言おうとしてやめる。何を言おうとしたか聞いたが教えてくれなかった。いつも通り気がついた時には手に持ったジュースを取られてそのまま走って行った。頭を掻きながら鈴君を見送り約束の時間に向けて準備をする為に家に向かう道を走り出した。
ゆっくりのんびり更新します。




