52話 商店街にて2(葉side)
大を待つ葉の前に現れたのは。
[待ち合わせ30分前]
少し早く出すぎただろうか?
大兄は何か言ってくれるだろうか?
気づいてくれずいつも通りだろうか?
いつもとは違って少しお洒落をしている。腰まである髪は片側だけ三つ編みにして毛糸の帽子をかぶり黒いニーハイにスカートとバイト先でお客様に好評だった服で大兄を待っている。大兄の反応を妄想していると意外な人物が道の向こうから駅に向かって歩いてくる。何処かに行くのだろうか、それとも待ち合わせだろうか。少しだけ今は会いたくない人物だったので気がつかないふりをしようとしたが向こう側から声をかけてきた。
「おはようっす葉さん、時間よりだいぶ早いっすね」
んっ・・・・・・えっと・・・・・・何を言っているのだろうか?
肩上までの髪をポニーテールにして黒淵眼鏡をかけてマフラーを巻き膝迄のニットワンピースに少し厚底のブーツを履いた可愛いらしい格好をした鈴さんが声をかけてきた。
前に会った時は男性用のラフな格好をしていたのに今日はまるで、デートをする女性のような格好をしている。それに何で僕に声をかけてきたのだろうか?今日のことは大兄と僕しか知らないはずだけど・・・・・・
「大さんはまだっすかね? 」
何で知っているんだろう?
「実は今朝の日課で大さんに会って買い物のことを聞いたんっすよ。それで自分も暇なんで一緒に行きたいって言ったら大さんが、お店のことで回るから楽しくないかもって言ってたんっすけど、自分が暇だから行きたいって言ったら待ち合わせの場所と時間を教えてくれたんっすよ。」
大兄らしいといえばそうなるが、僕がどれだけ楽しみにしていたか大兄は分かっていないだろう。それに今はあまり会いたくなかった鈴さんとなると更に気まずい感じになる。それに何だよその格好は?可愛い過ぎない?
駅前は何人か待ち合わせしているようで、少しずつ人が増えてくる。日曜日というのとお昼前ということもあり更に人通りが増えてくる。鈴さんとぎこちない会話をしながら大兄を待っているとしばしばこちらを見てくる視線が気になった。最初は気のせいかと思ったが何人か目があったので多分気のせいではないはず。
もしかして・・・・・・僕の格好が変なのだろうか?確かに男の僕が女性の格好をしているのはおかしいのかもしれない、でも大兄には誉めてもらいたいし・・・・・・
「ねぇねぇ、誰かと待ち合わせ?」
見たことのない二人組が話しかけてきた。いや、もしかしたらお店に来たことのあるお客様だろうか?
ゆっくりのんびり更新します。




