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50話 朝帰り3

葉君の恐ろしさを再認識します。

葉君がじっとじっとこちらを見つめてくる。何で即答しないの?違うんでしょ?という感じだ。


ラブホテルだったと言うのは簡単だが鈴君に申し訳ない。こんなおっさんとラブホテルに入ったと他の人に知られたら鈴君に迷惑がかかるだろう。


「いや、その、それって重要なことかな? 」


何とか逃げようと目を反らしながら答える。


「えっ、大事なことだよ。逆に答えられないってどういうこと? 」


葉君が逃げられないよと体から抱きついて離れない。こんな時に限って奏は来ないし、困ったなと頭を掻く。


逃げられないと諦めた俺は正直にラブホテルだったと伝える。そうすると葉君がぽつりと呟く。






「したの? 」





えっと・・・・・・したって何をだ?


まさか・・・・・・あれか?


想像するだけでも申し訳ない。


「してないよ。鈴君が汚れることは一つもしてないよ。」


自信を持って葉君の瞳を真っ直ぐ見つめて答える。そうすると葉君の瞳にゆっくりと光が戻っていく。


「心配したんだからね大兄。携帯(ガラケー)はちゃんとチェックしてね」


落ち着いた葉君はいつものように猫みたいに膝に乗りのんびりしている。慣れてしまった自分は情けないが他の人から見たら犯罪者だろうと苦笑しながらテレビを見る。


葉君がいれてくれた珈琲を飲みながらぽーっとしていると、葉君が呟く


「ねぇ、大兄、もし僕が大兄と一緒にラブホテルに行きたいって言ったらどうする?」


「うーん、断るかな。葉君にも奏にも悪いしね。」


唐突な質問に素直に答える。


「鈴君とは入ったのに? 」


「鈴君の場合は状況が違うよ。それに俺と一緒に行きたい人なんていないよ。」


笑いながら頭を撫でると葉君が頬を膨らまして怒ってくる。なにこの可愛い生き物?


「じゃあ、今度一緒に行こうか? 」


冗談で伝えると小指を近づけてくる。


おや・・・・・・あれあれ・・・・・・おかしいぞ、冗談でしたって言えないやつ?


葉君の冗談だろう。きっとそうだ、そうにちがいない。


「葉君、今のは冗」


「大兄指切り♪」


言葉を掻き消すように小指を更に近づける。指切りを終えて微笑む姿に葉君を怒らせてはいけないと再認識した。

ゆっくりのんびり更新します。

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