47話 金曜日の日課4
鈴君の具合が良くなるといいのだが。
「うぅ・・・・・・」
トイレの個室で胃の中のものをぶちまけてすっきりしたと思われる鈴君がふらふらとベッドに倒れこむ。冷蔵庫に入っていた水を鈴君に渡す。それを口に運ぶとまた吐きにトイレへと向かう。かなり重症なようだ。そういえばいつも以上に飲んでいた気がする。何かあったのだろうか・・・・・・
「うぅ・・・もう出ないっす・・・・・・」
またベッドに倒れこむ。心配そうに近づくと天井を見る鈴君の瞳と目が合う。意識が覚醒してきたのだろうか視線は周囲の様子を確認している。
「大さん・・・・・・ここって・・・・・・どこっすか? 」
「その・・・・・・ホテル・・・・・・」
その言葉を聞き鈴君が起き上がり再度周囲の確認を始めた。ビジネスホテルとは明らかに違う雰囲気にすぐに気が付くだろう。部屋中を歩き回り色々なものを確認した後に俺の前に立つ。
「大さん、ここってもしかしてラブホテルっすか? 」
「申し訳ない鈴君、鈴君が吐きそうになった時に一番近くにあった場所がここで」
それを聞き、鈴君が少し考えてベッドに座っている俺の横に座る。鈴君に骨を折られても仕方がないと考えていると予想に反して鈴君が抱き着いてきた。
「大さん・・・・・・好きな人っているんっすか? 」
「好きな人か・・・・・俺の周りに居てくれる人はだいたい好きだけど」
「はぁ・・・・・・そうじゃなくて、愛している人っす、結婚したい人っす!! 」
「結婚かぁ。こんなおっさんの事を好きになってくれる人はいないからなぁ。」
「大さんのことを好きな人って、結構いると思うんっすけど」
鈴君が真っすぐな瞳で見つめてくる。ありがとうと言い頭を撫でる。
鈴君に、突然手首を捻られベッドに倒されお腹に乗られる。そして綺麗な顔を唇を動かせば合わさるような距離まで近づけてきた。
「大さん・・・・・・いい加減にしてほしいっす・・・・・・僕は大さんのことがだいっ!!」
鈴君は胃の中に残っていたものを全部俺の顔にぶちまけ崩れるように倒れ意識を失った。
ゆっくりのんびり更新します。




