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46話 金曜日の日課3

愚痴大会のはじまりはじまり。

自分の心の中にあったもやもやしていたものを、鈴君に吐き出すように伝える。嘘を言ってもばれてしまうので正直に話す。どちらかというと食事の後半は愚痴大会になる。


鈴君にも悩みがあるようでたまに愚痴を言うこともあるが基本は俺の愚痴を聞いてもらっている。年下に悩みを聞いてもらっているのは情けない気もするが、鈴君は嫌な顔一つせずに聞いてくれるので甘えてしまっている情けない自分がいた。


鈴君との食事で一つ気をつけないといけないことがある、それはお酒を飲ませないこと。鈴君は絡み酒なので気をつけていたのだが、気がついたらお酒を飲んでいた。たまに従業員の華ちゃんが趣味で作っている梅酒を飲ませてもらえるのだが、これが中々美味しい。趣味で作っているので注文できるわけではない。本当に気分で出てくるのでこの店の少ない常連さんの間ではかなりレアものとなっている。


「むぅ、大さん、どうしたんっすか? 悩みは終わりっすか? だったら自分の愚痴を聞いて欲しいっすよ」


机をバンバン叩きながら自分が上司からセクハラされていることを話してきた。最初は冗談だと思っていたがだんだんとコミュニケーションが頻繁になっていき、体を触られる等の行為に発展していったらしい。セクハラなどを防止する立場の人間がセクハラをするのはどうかと思うが・・・・・・


鈴君の姿を上から下へと見つめる。


うーん・・・・・・確かに可愛いと思う気持ちは分かるがセクハラをしていいわけではない。許可を取るべきと言うのも変だが、一番は鈴君の気持ちだろう。セクハラの件はすでに解決しているらしい。皆の前で投げ飛ばし手錠をかけてにっこりとした笑顔で『現行犯逮捕ですよ』と言ったらしい。それから、一切セクハラは無くなったらしい。想像しただけでぞっとする。


鈴君がいつの間にか膝の上に乗り満足そうに梅酒を飲んでいる。葉君で慣れてしまっているので特に気にしていないのだが周りからみたら普通ではないはずだ。華ちゃんにお金を払い店を出ていく。


ふらふら前を歩く鈴君が危ないと思い、背中に乗せて駅に向かい歩く。ゆっくり歩いても終電には間に合うだろう。しかし予定通りにはいかず・・・・・・


「うぅ・・・・・・大さん・・・・・・吐いてもいいっすか? 」


「ちょっ!! 鈴君、ストップ!!」


近くにコンビニはない、周囲にある施設でトイレがありそうなのは・・・・・・


考えている暇はない、後で土下座でも何でもして許してもらうしかない。俺は鈴君を背負ったままホテルへと入っていった。

ゆっくりのんびり更新します。

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