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41話 村中にて3

主人との話しを終えて元の世界に帰ることにした。

「まぁ、趣味は人それぞれということです」


山田さんの言葉を思い出す。なるほど、確かにその通りだ。これだけ自分の思いを伝えられるのは逆に凄いことなのではないかと違う意味で感心する。それならば技術だけでも教えてほしいと思い交渉すると案外あっさりと承諾をもらえた。どうやらこちらでは手に入らないお酒があるらしく、それをこちらでも使いたいらしい。お酒を持って来る代わりに技術的な指導をしてくれるようだ。


主人から欲しいお酒のリストをもらうと、また来ると約束してお店から出て行く。元の世界に戻ろうとしたが一つ問題がある。それはガリィちゃんが背中にくっついたままだということだ。俺の背中に乗るのが気に入ったのかぴったりくっついて離れない。連れて帰るわけにもいかないし、奏や葉君にも説明できない。


「がぅがぅ、大が気に入ったから離れないぞぉ」


尻尾を元気に振りかなり機嫌がいいように感じた。力任せにしてもしょうがないのでお願いしてみることにした。


「ガリィちゃん、またこっちに来るから離れてくれないかなぁ? 」


頭を撫でながらお願いしてみる


「がぅがぅ、約束するか? 約束破ったら大変だぞ? 」


ガリィちゃんがじっと見つめてくる。


「大丈夫、約束するよ。もし破ったら何でも言う事を聞くから」


その言葉を聞いて安心したようで背中から降りてくれた。何だか凄い危ない約束をしたような感じがするが戻ってくるし大丈夫だと自分に言い聞かす。入り口まで一緒についてきて帰る時は元気よく手を振り見送ってくれた。


扉から出ると今までの事が嘘だったように感じる。山田さんがまた鍵をかけて下に降りていく。先程までのことを思い出しながら続くように下へと降りていく。


「本当に異世界に繋がっていたんですね。正直疑っていました」


「いいえ、当然の事だと思います。映画や漫画の世界では無いのですから。逆にお客様のように思っていただいた方がいいと思います。こちらの物件が値段が安いのはあの扉の管理をしてもらうのが条件ですので」


「管理というのはどういったことをするのでしょうか? 」


「基本的に異世界の物をこちらの世界に持ち込まないことですかね。物によっては均衡(・・)が崩れてしまうこともあるので。」


それって簡単な事ではないかと思うのだが。どうやら今までの経営者は最初は約束を守っていたが、最後には破ってしまったらしい。自分が経営者になるとしたら5人目らしいが前任者は全て約束を破っているらしい。前の主人は村で見つかったが他の経営者に関してはどうなったか分からなかった。


『知りたいですか? 』と言う山田さんから恐ろしい言葉が出てきそうで聞けなかったのが理由だが。


山田さんとまた会う約束をして酒屋に寄って帰ることにした。

ゆっくりのんびり更新します。

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